金魚 5 (含他季)      100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
春愁の指に吸いつく金魚かな 火箱ひろ 201506
丸々と去年の夜店の金魚かな 久世孝雄 やぶれ傘 201508
一匹の金魚のための金だらひ 宮内とし子 201508
金魚を繁殖させて青年恋もせず 篠田純子 あを 201508
禅寺の池の金魚の肥えてをり 篠田純子 あを 201508
我が前で金魚安心してをりぬ 高橋将夫 201509
眺めゐる金魚に我もながめられ 柴田靖子 201509
屑金魚より蘭鋳に深入りす 宮内とし子 201509
眼の覚めるたびに金魚を覗きけり 塩野谷慎吾 201509
泳ぐ金魚横目に魚下ろしをり 吉村さよ子 春燈 201509
丹沢の水足してゆく金魚売り 中村洋子 風土 201510
水換ふる金魚や古りし遺影の父 官崎紗伎 春燈 201510
金魚池の囲む秀長城下町 山中志津子 京鹿子 201511
二匹ともポニヨと名付けし金魚かな 野村鞆枝 京鹿子 201511
金魚屋の金魚売り場に喫茶室 瀬島洒望 やぶれ傘 201511
驚くや金魚の火色朝寒み 定梶じょう あを 201601
縁日の金魚は元気朝支度 奥名房子 201602
母無くて金魚の傍にねまるなり 岡田一夫 201602
日溜りの冬の金魚の太り気味 荒井和昭 201603
逆らはず冬の金魚となつて生く 原友子 201604
襞深き鰭をしげなく金魚かな あさなが捷 201605
待ち合せ何時もの金魚売の角 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
結局はおまけの金魚だけ育ち 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
死ぬまでは口を動かす金魚かな 小林朱夏 201607
還暦をゆるりと泳ぐ金魚かな 田邉好美 201609
夜の窓を金魚大きくよぎるかな 火箱ひろ 201609
雑魚金魚ひと掬ひして量らるる 福嶋正一 京鹿子 201609
藻を入るる金魚の色の鮮やかに 橋本順子 201609
金魚ひらり猫の目線をかはしけり 久保夢女 201609
着流しの金魚を携げて帰り来ぬ 松本文一郎 六花 201609
金魚売去りて色なき路地となる 夏生一暁 馬醉木 201610
町内の建具屋消えし金魚屋も 森真二 201610
永らへる金魚真つ赤に揺れながら 高野春子 京鹿子 201610
頂天眼とふ金魚覗くや浮き来り 浅井青二 雨月 201611
ほの暗き水音売りけり金魚店 服部早苗 201611
子が提ぐる家路の金魚揺れどほし 柴田志津子 201611
家猫の上見横見の金魚かな 亀井紀子 201611
金魚亡き鉢にまた目をゆかせけり 宮沢治子 春燈 201611
夜会服のやうな金魚を貰ひけり 千田百里 201612
水替ふや太る金魚にもの言ひて 内海良太 青嶺 201612
金魚売り酸素ボンベに跨がつて 内海良太 青嶺 201612
黒は雄赤は雌とし金魚買ふ 中田みなみ 桜鯛 201701
恐るおそる下げたる金魚袋かな 中田みなみ 桜鯛 201701
ひらひらもひらりも飽きている金魚 火箱ひろ 船団 201702
夜の窓を金魚大きくよぎるかな 火箱ひろ 船団 201702
金魚から見れば人間つまらなし 高橋将夫 蜷の道 201703
離れては群れ離れては群れ金魚 稲畑廣太郎 ホトトギス 201705
やうやくに金魚平和を取り戻す 稲畑廣太郎 ホトトギス 201805
雪溶かす金魚のをらぬ丸き池 小川玉泉 末黒野 201805
金魚とは詠まれるために育ちゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201806
金魚口開けたかて餌あらへんで 稲畑廣太郎 ホトトギス 201807
いつまでも生きて金魚とある暮らし 稲畑汀子 ホトトギス 201807
道順はAI頼み金魚売 柳川晋 201808
大切な金魚の糞の弟よ 江島照美 201808
四次元の丸い世界にゐる金魚 高橋将夫 201809
元気かとつい声かくる夜の金魚 生一暁 馬醉木 201809
適当にゆうるく生きて金魚かな 火箱ひろ 201809
目が合うて金魚二匹を籍に入れ 菊池和子 京鹿子 201810
夕映えの貌おそろしき金魚かな 藤生不二男 六花 201810
視線逸らし金魚ゆるりと時を食む 平沢恵子 春燈 201810
金魚の墓ハムスターの墓ありし家 西村亜紀子 船団 201811
チャールストン金魚になってゆく女 西村亜紀子 船団 201811
くらがりを父が提げ来る金魚かな 中島陽華 201811
吐き出せる泡追ひかける金魚かな 門伝史会 風土 201811
花びらの漂ふごとく金魚浮く 石井秀一 風土 201811
金魚田を溢れしめたる昨夜の雨 松尾龍之介 201812
震度5の我に返っている金魚 火箱ひろ 船団 201812
親密な金魚がいるという空間 火箱ひろ 船団 201812
ふしあはせでもなく秋の金魚飼ふ 井上菜摘子 京鹿子 201812
老いた猫老いた金魚とクリスマス 火箱ひろ 201904
混沌や冬の書斎に棲む金魚 火箱ひろ 201904
薄氷やまつ赤な華と化す金魚 雨宮桂子 風土 201905
金魚食ふか喰はれるかランタンの灯 鈴鹿呂仁 京鹿子 201906
留守番の金魚ひらりと吾を迎へ コ田千鶴子 馬醉木 201908
LEDライト付水槽セット金魚飼ふ 本多遊方 春燈 201908
掬はれたり夕焼色の屑金魚 松本三千夫 末黒野 201908
本年も去年の鉢出し金魚飼ふ 中島秀夫 王水 201909
子の飼ひし金魚ふるさとに母の飼ふ 城台洋子 馬醉木 201909
一匹となりて金魚の落ち着かず 齊藤いさを 馬醉木 201909
鯉の池に育つ金魚や身の太き 市川夏子 末黒野 201909
眠らない街の眠れぬ金魚かな 井原美鳥 201909
池に放る祭の果てのくず金魚 谷田明日香 風土 201909
石臼の金魚まあるく泳ぎけり 住田千代子 六花 201909
水槽に命預けて金魚の子 佐藤淑子 雨月 201909
おととしの夜店の金魚指吸うて 辻響子 201910
路地広くなり金魚売り来なくなり 高木嘉久 201910
金魚糶る男勝りのをみなかな 尾崎みつ子 雨月 201910
本気なる金魚掬ひの腕まくり 菊澤さち子 雨月 201910
おとなしき金魚を掬ふ夕心 熊川暁子 201911
一匹の金魚掬へぬ村祭 江見巌 六花 201911
手掬ひの早さに金魚出荷さる 吉田万喜子 雨月 201912
長命の金魚の母子秋の雲 橋本美代 やぶれ傘 201912
リユウグウノツカイになれず秋の金魚 つじあきこ 船団 201912
ただ今の声で眩しくなる金魚 芳野ヒロユキ 船団 201912
打掛のごとひるがへる金魚かな 柴田佐知子 201912
すいと貌よけて金魚のすれちがふ 服部早苗 201912
何となく見てゐる夜の金魚かな 高倉和子 202002
枯庭の墓に納めし金魚A 辻響子 202003
放心の冬の金魚とスクワット 火箱ひろ 船団 202006
密室の金魚のひれのみどりいろ 篠田大佳 あを 202007
掬はれて身をよぢりたる金魚かな あさなが捷 202007
木洩れ日に紛れてゐたる金魚かな 天野美登里 やぶれ傘 202007
本当の主知りたる金魚の眼 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
鉢といふ宇宙に金魚育ちゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202007
金魚絶え三角池の濁りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 202008
食はれさうなマスクの金魚梅雨に入る 岩藤礼子 やぶれ傘 202009
世情には疎いままなる金魚かな 藤田美耶子 202009
ジグソーパズル飽きて金魚を揺れさせる つじあきこ 202009
金魚の泡ふはとこの世に物申す 平野加代子 春燈 202009
反転の金魚ゆらりと緋を翳す 小西みさを 春燈 202009
金魚 →6

 

2023年6月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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