金魚玉     184句

かくまでによろこぶものを金魚玉    高橋鏡太郎

金魚  金魚掬い  金魚玉  金魚鉢  金魚田

金魚売  出目金  蘭鋳   琉金

作品
作者
掲載誌
掲載年月
六甲の翠巒に吊る金魚玉
山田弘子
円虹
199810
水足して水湧くごとし金魚玉
三浦美穂
199811
自転車の歪んで過ぐる金魚玉
野沢しの武
風土
199811
金魚玉夜更けて手紙書き出しぬ
木内憲子
199812
金魚玉大き目玉にのぞかれる
望月和子
船団
199902
青き魚の瞳沈めて金魚玉
望月和子
船団
199902
揺さ振つて水輪つくりぬ金魚玉
飯塚ゑ子
ヒッポ千番地
199906
金魚玉奥の六道はじめかな
栗栖恵通子
199908
靴べらや見て見ぬ振りの金魚玉
梅原悠紀子
遠嶺
199908
転勤の部屋に残せし金魚玉
中沢三省
風土
199909
天国も地獄もあらず金魚玉
粟津松彩子
円虹
199909
よき顔を揃へてやりし金魚玉
能村研三
199909
金魚玉胸の揺らぎを閉じ込める
吉川真実
海程
199910
金魚玉日の七彩を蓄へり
水内慶太
銀化
199910
いつよりか持たされゐたる金魚玉
松本恭昂
火星
200004
蒼空で金魚が泳ぐ金魚玉
三宅やよい
玩具帳
200004
法事にて妻を叱りし金魚玉
山田六甲
六花
200008
町中のゆつくり暮るる金魚玉
山尾玉藻
火星
200009
よくしやべる女主に金魚玉
波田美智子
火星
200009
大正の人亡くなりて金魚玉
保坂加津夫
いろり
200010
昔むかしそのまたむかし金魚玉
小西緋紗女
海程
200011
金魚玉に毬藻を沈め歯科医院
牧野睦子
200011
金魚玉人は空気に生きてをり
嶋田一歩
ホトトギス
200102
息合はせ泳ぎ見てゐる金魚玉
稲畑汀子
ホトトギス
200107
なりはひにすぎぬ笑顔や金魚玉
亀田愚風
銀化
200107
あさくさの水すこしある金魚玉
能村登四郎
200108
静かなる真昼恐ろし金魚玉
大倉郁子
船団
200108
雨の中へ出してやりけり金魚玉
川田さちえ
200109
提げてみつ手に持つてみつ金魚玉
林翔
200109
金魚玉市電の揺れを濃やかに
白岩三郎
馬醉木
200110
KONISIKIはやはり小錦金魚玉
朝日彩湖
船団
200110
岸に立つ手引きのように金魚玉
南村健治
船団
200112
金魚玉映るものみな荒野にて
仁藤さくら
船団
200202
利かぬ気の顔一つ入れ金魚玉
芝川百合子
京鹿子
200208
金魚玉京の町家に暮らしたき
船山博之
百鳥
200209
金魚玉より四次元の貌現るる
小澤克己
遠嶺
200210
水もまた玉になりをり金魚玉
粟津松彩子
ホトトギス
200210
水濾してつかひし母よ金魚玉
渡辺昭
200210
金魚玉魚眼レンズに歪む顔
辻田明
200210
駄菓子屋の棚に置きたる金魚玉
景山まり子
百鳥
200212
思ひまた母に至りぬ金魚玉
中村房枝
六花
200305
深川を辰巳と呼べり金魚玉
後藤志づ
あを
200307
軒下のてるてる坊主と金魚玉
遠藤米
帆船
200308
倒されて見えし歯科医の金魚玉
米澤光子
火星
200309
金魚玉はなれて寄つて同母妹いろもなし
竹内弘子
あを
200309
下駄箱の金魚玉越後獅子の唄
竹内弘子
あを
200309
愛されて人に従ふ金魚玉
高倉和子
200310
街騒のとどいてゐたる金魚玉
佐藤博美
200311
太陽がいつまでもあり金魚玉
雨村敏子
200311
初恋のかはきやすさよ金魚玉
田中倫代
ぐろっけ
200311
海峡を巨船過ぎ行く金魚玉
遠藤和彦
遠嶺
200406
金魚玉二泊三日を預かりぬ
酒井多加子
雲の峰
200408
金魚玉吊し商ふ蕎麦処
渡辺周子
雲の峰
200408
金魚玉あとがきから読む句集かな
佐渡谷秀一
春燈
200409
金魚玉驚く声を待つてゐる
佐野益子
百鳥
200409
パソコンも携帯もなし金魚玉
若山実
京鹿子
200409
渦を画く尾鰭いちまい金魚玉
伊藤希眸
京鹿子
200409
金魚玉三橋敏雄こつと消え
伊藤希眸
京鹿子
200409
熟慮とはだんだん眠く金魚玉
風間史子
200409
入院の妻に夜店の金魚玉
桑田青虎
ホトトギス
200410
金魚玉赤は大きく見える色
後藤比奈夫
ホトトギス
200410
壺を挽く音のひびけり金魚玉
佐藤忍
万象
200410
人生はB面こそと金魚玉
内山照久
200410
ゆめ茫茫あぶくがぽかり金魚玉
雨村敏子
200411
金魚玉いちばん光りくれゐたり
豊田都峰
京鹿子
200411
金魚玉強面の言ふバイバイバイ
伊藤早苗
200508
小回りを利かす立居や金魚玉
市川玲子
春燈
200509
地球水をこぼさず自転金魚玉
安藤しおん
200509
金魚玉に水の死角のある不安
小嶋洋子
200509
捨てし句をぬりつぶし居り金魚玉
加藤君子
火星
200509
金魚玉みなとみらいの動き初む
神蔵器
風土
200509
死ぬるもの飼はずときめし金魚玉
松本恒子
ぐろっけ
200509
強震のありし五階の金魚玉
竹内弘子
あを
200509
畳屋の仕事場広し金魚玉
芝宮須磨子
あを
200509
金魚玉胎児のまなこ離れをる
栗栖恵通子
200510
どしやぶりの扉を押しぬ金魚玉
浜口高子
火星
200510
金魚玉好きも嫌ひもなかりけり
城孝子
火星
200510
金魚玉話したきことありさうな
高尾豊子
火星
200510
金魚玉向かうの顔に見つめられ
浅田光喜
対岸
200510
金魚玉鳴りだしさうな闇一枚
伊藤希眸
京鹿子
200510
しみじみと若さが欲しや金魚玉
生方ふよう
200510
しまひには言ひ負かされて金魚玉
あさなが捷
200511
貧しとも見えず金魚玉に鮒ばかり
瀧春一
瓦礫
200606
金魚玉部屋に存在生れけり
稲畑汀子
ホトトギス
200607
むづかしきことは忘れて金魚玉
苑実耶
200607
頬杖のマチスの女金魚玉
中村恭子
200608
筋道のたたぬ言ひ訳金魚玉
青山悠
200608
ひとかけら氷入れやる金魚玉
山田六甲
六花
200608
金魚玉手櫛にかわく洗ひ髪
浜口高子
火星
200609
けふよりは二階へあがる金魚玉
飯塚ゑ子
火星
200609
べらんめえ市長の笑ふ金魚玉
高田令子
200609
ビタミンのやうに読む本金魚玉
高橋道子
200611
びい玉の入りて主待ち金魚玉
田中涼子
八千草
200612
雨降つてゐる金魚玉吊りにけり
安住敦
春燈
200706
直線に泳ぐことなき金魚玉
稲畑汀子
ホトトギス
200707
金魚玉抗癌剤の副作用
宮崎高根
200709
睡眠薬効かざる夜の金魚玉
荒井書子
馬醉木
200710
金魚玉軒に目玉のある如し
貝森光洋
六花
200711
礼服を脱ぎ捨て見やる金魚玉
山田六甲
六花
200806
金魚玉ときに真紅の玉となり
鷹羽狩行
200807
金魚玉書に倦みし目をやすめをり
窪田粧子
馬醉木
200809
金魚玉無聊をかこつ一日なり
赤羽正行
遠嶺
200809
老いてなほ人見知りせり金魚玉
竹下昌子
200809
金魚玉負けず嫌ひな大眼
北島和奘
風土
200809
江ノ島を傾けてゐる金魚玉
北島和奘
風土
200809
くるぶしに日の残りたる金魚玉
岡本高明
船団
200809
子育ての声大きかり金魚玉
山田京子
200810
水漉してつかひし母よ金魚玉
渡辺昭
200810
金魚玉寄席提灯の点りけり
杉浦典子
火星
200810
金魚玉大きな顔の金魚かな
勝原文夫
ペン皿
200811
酔筆のファックスとどく金魚玉
渡辺昭
200909
月曜はいつも寂しき金魚玉
定梶じょう
あを
200909
近づくと色のはみ出す金魚玉
柴田佐知子
200909
雲ひとつ浮かんでゐたる金魚玉
高倉和子
200909
金魚玉下げし編み紐まだらなる
瀬島洒望
やぶれ傘
200910
金魚玉手を洗ひ書く手紙かな
壬生きりん
炎環
200911
蜑が家のくらしに金魚玉一つ
服部菰舟
雨月
200911
金魚玉帰りし子等の置きみやげ
中村紘
ぐろっけ
200912
水だけを見て金魚玉運びたる
織田高暢
201002
金魚玉われらに余生などあらず
神蔵器
風土
201009
水差して金魚玉てふ凸レンズ
鳳蛮華
201009
凸レンズにて凹レンズ金魚玉
後藤比奈夫
ホトトギス
201010
金魚玉顔が大きく歪みたる
あさなが捷
201010
金魚玉提げ微酔の父帰る
山田春生
万象
201010
ゆつくりと糞も巡りぬ金魚玉
深澤鱶
火星
201011
金魚玉おもりをつけて愛語沈む 中山純子 万象 201109
死が其処に浮いてゆらめく金魚玉 大島翠木 201109
ひと泡にひとつの嘘を金魚玉 木村ふく 馬醉木 201110
俳諧にをとこの妬心金魚玉 竹内弘子 あを 201110
鈴虫の鳴いてをりけり金魚玉 志方章子 六花 201112
動きゐるものに時計と金魚玉 嶋田一歩 ホトトギス 201202
としよりの咀嚼しづかに金魚玉 伊藤紀子 万華鏡 201206
金魚玉吊ればいづれも真正面 神蔵器 風土 201208
夕風や猫の見上ぐる金魚玉 和田幸江 春燈 201209
勝ち負けは遠の昔よ金魚玉 高橋将夫 201210
金魚玉淫らな母をやりすごす 栗栖恵通子 201210
小児科の出窓に久し金魚玉 柴田志津子 201210
日輪は翳り易きよ金魚玉 水野恒彦 201211
五日目の雨となりけり金魚玉 荒井千佐代 201409
金魚玉葬式に知る齢かな 垣岡瑛子 火星 201409
金魚玉の横にさし出す診察券 野上杳 201409
ダービーの始まる頃や金魚玉 藤田素子 火星 201409
金魚玉宇宙の闇を浮遊せり 佐々木紗知 京鹿子 201410
金魚玉ひとりぼつちのお留守番 涌羅由美 ホトトギス 201410
眼鏡替ふ錯覚を産む金魚玉 上野紫泉 京鹿子 201410
いとほしき命の育つ金魚玉 佐藤弘香 ろんど 201410
からつぽの広さありけり金魚玉 きくちきみえ やぶれ傘 201411
尾ひれたれ春たけなはの金魚玉 佐藤喜孝 あを 201505
金魚玉謝りながら水を足す 寺田すず江 明日葉 201505
金魚玉より覗かれてゐるばかり 大崎紀夫 やぶれ傘 201507
海光の閑けさにある金魚玉 田順子 201508
小説の結末に似て金魚玉 竹内弘子 あを 201509
ひと歩きしてゐて覗く金魚玉 近藤牧男 春燈 201510
貝殻のひとつが底に金魚玉 きくちえみこ 港の鴉 201510
異母とか異父とか日当たりに金魚玉 辻水音 201512
子との距離はかり難しや金魚玉 木多芙美子 春燈 201608
いつときの雨の入日や金魚玉 井上石動 あを 201608
向うより目玉近づく金魚玉 辻美奈子 201608
ほんたうのことが映りぬ金魚玉 山本則男 201609
金魚玉顔寄せ合うて目と目と目 高埜良子 春燈 201610
金魚玉猫の肉球大映し 相良牧人 201610
歌麿の美女に見惚れて金魚玉 山西商平 ホトトギス 201611
金魚玉ひとを隔つは隔てらる 竹内弘子 あを 201610
アガサ・クリスティの顔ぶれ金魚玉 竹内弘子 あを 201610
金魚玉堂々巡りせる思考 細川洋子 201707
吾を入れて地球は青き金魚玉 内山花葉 201708
まざまざと水の輪郭金魚玉 井原美鳥 201708
子の遊ぶ露地が消えゆく金魚玉 小林朱夏 201707
根つからの下町気質金魚玉 コ田千鶴子 馬醉木 201709
いういうとひねもす金魚金魚玉 泉一九 やぶれ傘 201709
金魚玉のぞけば夫に逢へるかと 笹村政子 六花 201711
余生てふ放課後が好き金魚玉 西住三恵子 201712
独りにも昼がくるなり金魚玉 波悠 201712
いびつだよでも好きなのよ金魚玉 長沼佐智 船団 201802
諍ひに少し離れて金魚玉 あさなが捷 201808
淋しいと言はずに来り金魚玉 コ田千鶴子 馬醉木 201809
淋しさのしゆわしゆわと湧く金魚玉 辻水音 201809
路地奥の質屋看板金魚玉 多方清子 雨月 201810
青空の透けて九月の金魚玉 吉澤恵美子 春燈 201812
吾を入れて地球は青き金魚玉 内山花葉 201901
金魚玉海は大荒れかも知れず 小林陽子 201910
あつち向いてホイ指先にある金魚玉 井上静子 202009
金魚玉背に遠き雪の富士 鍋島武彦 末黒野 202009
宝物のやうに見てゐる金魚玉 石橋幾代 202112

 

2022年5月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。