金魚掬(金魚釣)     88句

ちちははに見られて金魚すくひゐる    八木健

金魚  金魚掬い  金魚玉  金魚鉢  金魚田

金魚売  出目金  蘭鋳   琉金

作品
作者
掲載誌
掲載年月
子供たち金魚すくいに袖ぬらし
竹内留実
ぐろっけ
199901
頭重く金魚掬ひに繋がれる
中原道夫
銀化
199908
天狗の面つけて金魚を掬ひけり
加藤真起子
火星
199909
金魚掬ひ五十匹にて名人位
上原瑞子
199910
こひねがはくは金魚掬ひに紛れたき
中原道夫
銀化
200007
掬はれていまはの息の金魚かな
曽根久順
200009
愛言葉きらきら金魚掬ひけり
小澤克己
遠嶺
200010
お父さんその気で金魚掬ひをり
東克巳
200011
子と競ひ金魚掬ひに勝つことも
二村蘭秋
雨月
200011
金魚すくひ金魚苛めてばかりゐる
行方克巳
知音
200107
屑金魚ばかりすくひてうれしさう
行方克巳
知音
200107
小さきものより掬はるる金魚かな
金子つとむ
俳句通信
200110
掬ひたる金魚飼はねばならぬ羽目
海輪久子
円虹
200110
網切れる寸前金魚すくひけり
能村登四郎
羽化
200110
掬はれて金魚アルミの椀に増ゆ
馬越幸子
ぐろっけ
200111
二十五の金魚掬いやお呪い
久森知子
船団
200112
ぶらと来て金魚掬ひの灯にかがむ
小森行々子
ホトトギス
200201
金魚掬ふ両の袂を母が持ち
波田美智子
をりをりに
200208
金魚掬ふ金魚のやうな女の子
高橋とも子
百鳥
200210
掬はれて長生きしたる金魚かな
中條ひびき
百鳥
200210
掬はるる金魚の影の一匹づつ
深澤鱶
火星
200211
掬はるる金魚煌めく光持つ
出口貴美子
雨月
200212
金魚掬ひに火祭の火の粉降る
柏木去孔
200212
掬ひきてふたとせたちて金魚死す
村田文一
遠嶺
200310
子が父に勝りし金魚掬ひかな
乗光雅子
雨月
200310
金魚掬ひの少女金魚の浴衣着て
筒井圭子朗
ぐろっけ
200311
掬はれて水の嫌ひな金魚かな
山田六甲
六花
200406
詣で道金魚掬ひのこつを聞く
中田みなみ
200406
稚児行列終へて金魚を掬ひをり
成澤桂助
百鳥
200407
掛算も金魚掬ひも得意な子
大串章
百鳥
200411
面売りの見てゐる金魚掬ひかな
岡淑子
雨月
200411
すくひあげ金魚の影をくづしけり
安嶋都峯
対岸
200502
地球博宇宙の金魚掬ひかな
豊田麗水
築港
200506
破れても同じ金魚を追ふ子かな
大坪景章
万象
200609
灯に泳ぐ金魚ひらひら掬ひけり
沼口蓬風
河鹿
200510
掬はれて金魚たひらになりにけり
増山きみ
対岸
200510
金魚すくひ輪の重たきを選びけり
飛鳥由紀
200510
屑金魚朱雀に向ひ掬ひけり
犬塚芳子
200511
哀しくて金魚掬ひの輪に入りぬ
坊城俊樹
ホトトギス
200611
屑金魚掬ふ眼の本気かな
三間菜々絵
遠嶺
200611
片袂ぬらし金魚を掬ひけり
安達広子
200612
掬はれし金魚まつ赤となりにけり
近藤喜子
200710
掬はるる金魚が幸せかも知れず
原三猿子
ホトトギス
200711
掬ひきし金魚荷となる戻り道
内野俊子
春燈
200711
夏まつり金魚すくいでやぶれたよ
中森かな
200810
をみな子の片袂噛む金魚掬ひ
北川英子
200810
わが影の中の金魚をすくひけり
城孝子
火星
200810
金魚掬ひに興じてよりの深眠り
鈴木とおる
風土
200810
掬はれぬ大き金魚の悠々と
有賀昌子
やぶれ傘
200811
息詰めて金魚を掬ひをりゐたる
ことり
六花
200905
一芸に秀でて金魚掬ひかな
上谷昌憲
200909
金魚すくひ百円にぎり見てをる子
東亜未
あを
200909
金魚釣紙のひしやくの余命かな
奥村こちび
炎環
200909
目の玉の泳いで金魚掬ひかな
佐藤午後
炎環
200910
肩越しに指図飛び交ふ金魚釣
杉本光祥
200911
すくひたる金魚に鰭のまつはれる
片山由美子
201005
米粒の半分の餌金魚釣
森理和
あを
201008
金魚掬ふ右往左往の手の数や
千田百里
201010
運不運金魚すくひをはじまりに
堀内一郎
あを
201010
埒もなく金魚掬へり八月尽
宇治重郎
201011
見せ金魚かと思ひしが掬はるる
安藤久美子
やぶれ傘
201011
掬ひたき金魚は深く泳ぎけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201110
恋といふ金魚掬ひのやうなもの すずき巴里 ろんど 201111
灯の下に金魚すくひの子の背中 大崎紀夫 やぶれ傘 201111
相寄りて金魚掬ひのひざと膝 能美昌二郎 201201
掬はれて身を捩りたる金魚かな あさなが捷 201209
縁日の金魚すくふ子膝並べ 北崎展江 くりから 201209
掬ひきし金魚はなさず宿題す 渡たみ 馬醉木 201210
金魚掬ふ器用不器用兄いもと 東野鈴子 雨月 201310
青空に泳ぐ金魚を掬ひけり 松村光典 やぶれ傘 201310
金魚三匹釣れて家族の名で呼べり 岡山敦子 京鹿子 201311
金魚より水の重さを掬ひけり 熊川暁子 201311
息止めて意中の金魚掬ひけり 松田明子 201311
金魚掬ひ息をのんでる子供かな 犬塚芳子 201411
破れても金魚掬ひの型保ち 丸井巴水 京鹿子 201508
灯の下に金魚すくひの子の背中 大崎紀夫 虻の昼 201510
もう一回金魚掬ひの輪の中へ 佐藤博重 春燈 201511
金魚掬ひ破れかぶれになる一瞬 升田ヤス子 六花 201511
掬はれてよりの大変屑金魚 相良牧人 201511
まづ兄の掬つて見せる金魚かな 金子正道 京鹿子 201512
腰落し金魚掬ひに構へたる 佐藤幸示 万象 201512
掬はれたり夕焼色の屑金魚 松本三千夫 末黒野 201908
本気なる金魚掬ひの腕まくり 菊澤さち子 雨月 201910
おとなしき金魚を掬ふ夕心 熊川暁子 201911
一匹の金魚掬へぬ村祭 江見巌 六花 201911
掬はれて身をよぢりたる金魚かな あさなが捷 202007
金魚掬ひわれはおけらも子は十尾 鍋島武彦 末黒野 202009
ひれ追つて金魚掬ひの子等無言 吉田千恵子 末黒野 202212

 

2023年5月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。