金魚 3     79句

末の子の今の悲しみ金魚の死    上野泰

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
寒の水濁らせ金魚眠りをり ことり 六花 200604  
赤は雌黒は雄とし金魚買ふ 中田みなみ 200606  
槐庵の日の先分かつ金魚かな 栗栖恵通子 200606  
庭池の金魚小さきは鳥の餌に 奥村鷹尾 京鹿子 200607  
たいくつを知らず金魚の泳ぎをり あさなが捷 200607  
些事の山笑ふほかなき金魚かな 苑実耶 200607  
病んでゐる金魚へ朝の風送る 松村多美 四葩 200607  
マチスの画観てより空に金魚飼ふ 大久保恵美子 遠嶺 200608  
内視鏡金魚のやうに口開けて 中村邦彦 200608  
金魚死す水槽の藻のゆれてゐる 早崎泰江 あを 200608  
金魚沈む集中豪雨来たりけり 渡邉友七 あを 200608  
水槽も大きな宇宙金魚ども 山田尚美 四葩 200609  
水騒ぐ金魚問屋の昼下り 小林侃 四葩 200609  
水の中金魚の世界閑かなり 横澤田佳子 四葩 200609  
破れても同じ金魚を追ふ子かな 大坪景章 万象 200609  
長生きの金魚に水をあふれさす 木下もと子 200609  
妻入院さてと金魚の水替へる 廣畑忠明 火星 200610  
金魚売り水もやさしく掬ひけり 田口登代 遠嶺 200610  
稚魚群れて未だ金魚の朱を持たず 岸本久栄 雨月 200610  
水陰(かげ)や赤き金魚のひれたゆむ ことり 六花 200610  
平穏な一尾となりし金魚かな 早崎泰江 あを 200610  
白黒のテレビを消して金魚の夜 坊城俊樹 ホトトギス 200611  
深爪が金魚の数を数へけり 高橋芳子 火星 200611  
屑金魚掬ふ眼の本気かな 三間菜々絵 遠嶺 200611  
西方へ向いて呼吸吐く屑金魚 市場基巳 200611  
片袂ぬらし金魚を掬ひけり 安達広子 200612  
ランタンに金魚大きく飛んでをり あさなが捷 200702  
群るるとき金魚の鰭のよく動く 百瀬七生子 海光 200705  
天水の金魚は羽化を待ちゐたり 百瀬七生子 海光 200705  
水面にぶらさがりゐる金魚かな  百瀬七生子 海光 200705  
歯朶垂れて金魚の池の古りにけり 瀧春一 200706  
生きのびし金魚一匹だけの池 稲畑汀子 ホトトギス 200707  
生きのびし金魚やうやく馴染む池 稲畑汀子 ホトトギス 200707  
餌を撒きて金魚の元気確かむる 稲畑汀子 ホトトギス 200707  
繰返すことなかりけり金魚の死 稲畑汀子 ホトトギス 200707  
水槽の広々とせり金魚老ゆ 早崎泰江 あを 200707  
金魚屋の水の匂へる薄暑かな 田中久仁子 万象 200708  
日向水金魚のおもちや裏返る 大城戸みさ子 火星 200708  
ひらりとて金魚の午後の沙汰もなし 豊田都峰 京鹿子 200708  
昭和生れ金魚におとすご飯粒 中山純子 万象 200709  
猫死なせ猫の名つけて金魚飼ふ 森下賢一 春燈 200709  
掬はれし金魚まつ赤となりにけり 近藤喜子 200710  
単身の間借り暮しに金魚飼ふ 木場田秀俊 200710  
執刀医金魚の水を替へてをり 戸栗末廣 火星 200710  
直立に金魚餌を食ぶ盆の昼 奥田順子 火星 200710  
金魚の糞長持ち夫婦の秘訣かも 貝森光洋 六花 200710  
春の日の金魚私を見にきたる 火箱游歩 船団 200710  
掬はるる金魚が幸せかも知れず 原三猿子 ホトトギス 200711  
帰り来る子らの手に手に屑金魚 松原三枝子 万象 200711  
生き残りゐるはおまけの金魚のみ 佐藤山人 200711  
掬ひきし金魚荷となる戻り道 内野俊子 春燈 200711  
灯の入りし金魚ねぶたを曳きゆくよ 岡有志 ぐろっけ 200711  
船宿の留守を金魚にあづけをり 内山花葉 200711  
水替へて秋の金魚に風生るる 宮内とし子 200712  
きんととと呼ばれて金魚ひるがへり 渡井佳代子 200801  
小学校春は金魚を飼ひ足して 中山純子 万象 200806  
金魚の尾冷たく燃えてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807  
猫の手を逃れ金魚の成長す 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807  
見る子皆金魚の口になつてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807  
金魚ゆらゆらと吾子の目きらきらと 稲畑廣太郎 ホトトギス 200807  
微熱なか金魚の顔の大写し 伊藤白潮 200808  
少し酔ひ金魚さげたる夫帰る 府川房江 母の空 200808  
水槽の金魚飛び出る水の音 池崎るり子 六花 200808  
年寄りに倦みし金魚の死なりけり 亀田虎童子 200808  
見下ろして甕の金魚をめでにけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 200808  
老の飼ふ金魚の肥満かなしめり 坂本俊子 200809  
水槽に色を散らして金魚の子 綿谷美那 雨月 200809  
目を合はせたくて金魚の廻るはう 関根誠子 炎環 200809  
星の夜の金魚に聞かすひとりごと 田巻和子 遠嶺 200810  
裸灯に返る夜店の金魚かな 助口弘子 火星 200810  
風を呼ぶ江戸風鈴に金魚の朱 斉藤小夜 風土 200810  
ついてみむ金魚のあぶくほどの嘘 吉田明子 200810  
襁褓して金魚のやうに芝駈ける 石田きよし 200810  
時価総額に池の金魚も加へおく 宇都宮敦子 200810  
天水の蒼帯ぶ水の金魚かな 廣瀬雅男 やぶれ傘 200810  
金魚舞ふ喝采もなくひと日舞ふ 千坂美津恵 200811  
お見合ひの席に鰭振る金魚かな 木場田秀俊 200811  
紅い金魚白い金魚や金魚草 今井千鶴子 ホトトギス 200811  
ふらふらと夏を越しけり金魚かな 久津見風牛 200811  
あさなあさな金魚に餌撒く恙なし 天野みゆき 風土 200811  
痩せ金魚喘ぎ十円玉沈む 瀧春一 深林 200901  
尾を振りて鮒よりましな金魚群れ 瀧春一 深林 200901  
二人居に金魚ひらひら年明くる 高橋芳子 火星 200904 金魚掬→

2009年5月25日 作成

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