金 魚 2     122句

露地裏を夜汽車と思ふ金魚かな    攝津幸彦

金魚  金魚掬い  金魚玉  金魚鉢  金魚田

金魚売  出目金  蘭鋳   琉金

作品
作者
掲載誌
掲載年月
いつぴきとなりて金魚の隅ぐらし
中根喜与子
200209
金魚への朝のあいさつ今日も又
早崎泰江
あを
200209
黒猫も金魚も飼うて路地ぐらし
吉田久子
200210
大甕の底にかたまる屑金魚
渡辺立男
馬醉木
200210
生きてゐるごときロボット金魚かな
常坂幸次郎
帆船
200210
水槽の中にわれゐる金魚かな
谷上佳那
百鳥
200210
どんと置く通学鞄金魚舞ふ
徳永真弓
百鳥
200210
運不運負ひて金魚の売られ行く
田中峰雪
雨月
200210
夕霧と名づけし金魚沈みがち
うまきいつこ
200210
アセチレンガスに点りし金魚かな
篁李月
銀化
200210
エサキンと呼ばれて金魚赤かりし
森理和
あを
200210
竹縁の日華と遊ぶ金魚かな
田中聡子
遠嶺
200211
金魚糶る符牒の指の撥ね躍り
鵜飼紫生
雨月
200211
藻に倦みし金魚のながい日曜日
伊藤希眸
京鹿子
200212
蛤の殻で金魚の選られけり
吉田康子
青山椒
200303
杭の紐ゆすりて金魚産卵中
吉田康子
青山椒
200303
薄氷に金魚のあぶく上りけり
吉田泰子
火星
200304
亀まんの前に小池の金魚かな
阿部ひろし
酸漿
200307
次の糞出るまでつけて金魚です
松山律子
六花
200307
笑ってもいいけど金魚目を覚ます
松山律子
六花
200307
モネの絵の水辺金魚を放ちたし
野澤あき
火星
200307
淡き灯にかたまつてゐる金魚かな
岡部名保子
馬醉木
200308
絵手紙の金魚主の顔に似て
井上みち子
帆船
200308
折角の御縁が金魚の泡でした
丸山佳子
京鹿子
200308
王さまの金魚のひれはボ・レ・ロ
直江裕子
京鹿子
200308
帰りし夫金魚へ何かつぶやけり
名和節子
200308
限りなき闇あり金魚沈むなり
今瀬剛一
対岸
200308
金魚ひらり思ひ出ひとつまぎれけり
豊田都峰
京鹿子
200309
八階の売場へ金魚昇りゆく
竹内弘子
あを
200309
大甕に夜店の金魚放ちけり
竹内弘子
あを
200309
日向水せつせと溜める金魚のため
竹内弘子
あを
200309
産卵の金魚の鱗ちりにけり
秋元きみ子
200309
加へたるリストラ金魚藻に隠る
泉田秋硯
200310
灯の入りて金魚妖しきバレリーナ
宮脇ちづる
200310
雨音に眠りの深き金魚かな
山田由利枝
雨月
200310
診察券出して金魚を囲みをり
滝本香世
百鳥
200310
足音をたてて金魚に嫌はるる
岡崎桂子
対岸
200310
釜の飯分け合ひ金魚太りけり
斎藤博子
対岸
200310
転勤の寮の金魚の引き継がれ
板橋智恵子
百鳥
200311
雑金魚釣られては又戻されて
奥村鷹尾
京鹿子
200311
丸まつて金魚の尾鰭見てゐたり
鳴海清美
六花
200311
いうなれば金魚のひれは水衣
鳥川昌実
六花
200311
水薄く夜店の金魚赤ばかり
藤田輝枝
対岸
200311
パクパクと金魚に会話ありさうな
青木暁子
築港
200312
金魚屋の自慢話は子だくさん
菊地嘉江
帆船
200401
恐るおそる置きたる金魚袋かな
中田みなみ
200406
湯を沸す金魚の無事を確かめて
中田みなみ
200406
辛うじて金魚と判る濁りかな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200407
金魚減りゐしに気づきし朝かな
稲畑汀子
ホトトギス
200407
又すぐに金魚飼ひたくなつてをり
稲畑汀子
ホトトギス
200407
踏切を渡る屋台の金魚かな
須佐薫子
帆船
200408
スカートが金魚のやうや片かげり
山尾玉藻
火星
200408
琵琶の音に金魚の集ふ池の縁
二宮きみ枝
200408
金魚飼ふつもりの硝子器を探す
淵脇護
河鹿
200408
天神の夜市の金魚貰ひたる
竹中一花
200409
後の世は金魚とともにねむりたし
谷口佳世子
200409
出番待つ子役金魚に触れてをり
杉江美枝
百鳥
200409
考へた末の答は金魚の泡
吉田多美
京鹿子
200409
一と日雨鉢の金魚となりにけり
伊藤希眸
京鹿子
200409
あかあかと金魚の昼を繙けり
伊藤希眸
京鹿子
200409
水静か金魚の睡り石の上
伊藤希眸
京鹿子
200409
金魚池もつとも早く夜の来て
郡山
築港
200409
浮沈して金魚ゆつくり呼吸せる
郡山
築港
200409
狭き槽知り尽しゐて金魚逃ぐ
郡山
築港
200409
サーカスの猛獣使ひ金魚飼ふ
豊田麗水
築港
200409
いつの間に池の金魚の大家族
庄野房女
築港
200409
独り夜の話し相手に金魚買ふ
石岡祐子
200410
鉢の金魚死んで大河に放たれし
園部蕗郷
春燈
200410
粛々と生きて金魚は水の中
瀬下るか
200410
店仕舞ひざざと片付け屑金魚
内海良太
万象
200410
金魚屋の溝に溜りし青みどろ
木野本加寿江
火星
200410
風を来て耳が金魚になつてゐる
小澤克己
遠嶺
200410
雨垂れの中に金魚と住み居りぬ
安部和子
雨月
200410
売れ残り闇に金魚の放たるる
谷榮子
雨月
200410
ゆらゆらと金魚を提げて蕩児なり
柴田佐知子
200410
金魚売る看板ありて花屋かな
藤森万里子
百鳥
200410
生存率考へて買ふ金魚かな
沖増修治
百鳥
200410
水甕に祭の金魚育ちをり
久保田哲子
百鳥
200411
童話館金魚飼はれてゐたりけり
杉山みゆき
百鳥
200411
晩年や金魚は殊になつきたる
大島翠木
200411
一匹の金魚化石のごとくをり
仲尾弥栄子
雲の峰
200411
留守頼む金魚に声をかけにけり
河合佳代子
栴檀
200411
夫の飼ふ金魚に名前あるらしく
菅原末野
風土
200501
すくひあげ金魚の影をくづしけり
安嶋都峯
対岸
200502
尾より出づ三角池の金魚かな
稲畑廣太郎
ホトトギス
200506
三角池金魚は三角関係に
稲畑廣太郎
ホトトギス
200506
雄どもに追ひまはさるる金魚かな
山田六甲
六花
200506
金魚飼ふこといくたびもあきらめし
稲畑汀子
ホトトギス
200507
屑金魚水を元気にしてゐたり
辻美奈子
200507
あるじ顔して金魚をり古本屋
中村房枝
六花
200507
憎らしきまでに金魚の太りたる
柴田佐知子
200508
勢ひで金魚を買うてしまひけめ
あさなが捷
200508
お互ひの金魚の話淡々と
里中章子
200508
朝食の前に金魚へ餌をやる
二宮一知
万象
200509
金魚屋の昼の匂ひをよぎりけり
岡和絵
火星
200509
口あけし金魚よきこと囁きぬ
近藤喜子
200509
古火鉢出して金魚を飼ふと云ふ
村尾昭子
百鳥
200509
それぞれの深さを保ち夜の金魚
今瀬剛一
対岸
200509
大金魚ふと顔の合ふ美容院
小黒加支
酸漿
200509
天の川金魚の値すでに廉し
瀧春一
菜園
200509
痛ましき色の金魚となりて泳ぐ
高倉和子
200509
思ひ立つ金魚の一尾矢のごとく
森理和
あを
200509
長生きの金魚跳ねざま鯉に似し
早崎泰江
あを
200509
つぶやきを金魚の背ナに乗せてやる
近藤公子
200510
先にきて金魚をみつめ直すのみ
富沢敏子
200510
涼しさや卓にガラスの金魚飼ふ
村田さだ子
酸漿
200510
水足して金魚当番をはりけり
小山國雄
百鳥
200510
植木鉢の十字架金魚の墓標とて
本城布沙女
雨月
200510
待合はす屋上金魚売場かな
川崎妙子
風土
200510
金魚浮きすでに激しき死臭かな
淵脇護
河鹿
200510
肩揚げをおろしたる子や金魚釣り
石堂絹子
河鹿
200510
宵祭金魚すばやく舵かへる
長崎桂子
あを
200510
金魚にも夜の挨拶ライト消す
早崎泰江
あを
200510
店じまひ僧にくれたる屑金魚
福島吉美
万象
200511
弁慶に金魚提灯めつた刺し
西村琢
200511
稲の香やさざ波立てる金魚池
城孝子
火星
200511
禁煙の夫が金魚の水替ふる
村上和子
ぐろっけ
200511
絵日記の金魚の鉢の伏せてあり
田中清之
百鳥
200511
金魚糶小屋の四隅の扇風機
江崎成則
栴檀
200512
老いてゆくまめに金魚の水替へて
田口武
さうぢやなくても
200512
かたまれる金魚にとばす買手札
矢田邦子
200601
200601
金魚糶奈良より女仲買人
鈴木和香
200601
200601
金魚 3→      

 

2021年5月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。