雛 納 2      100句

老妻のひゝなをさめも一人にて    山口青邨

雛の日  雛祭  白酒  紙雛  雛壇  雛あられ 雛人形 雛納 桃の節句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
畳に置き手のひらに置き雛納 鷹羽狩行 200804
節太の指で納める雛かな 黒澤登美枝 200805
雛納めしても残像ひひなの間 河口仁志 200805
雛納逝きし友みな若々し 長崎桂子 あを 200805
紙雛をかさね合はせて納めけり 原田慶子 200806
順々におん目交して雛納む 垣岡暎子 火星 200806
手際よく夫が雛を納め呉れ 萩谷幸子 雨月 200806
小さき雛なれど納めし安堵かな 萩谷幸子 雨月 200806
もう一度お顔見直し雛納 綿谷美那 雨月 200806
雛納客を帰せし思ひして 和田一 雨月 200806
面差しの妻に似し雛納めけり 水谷ひさ江 六花 200806
向き合はせ納められたる内裏雛 池崎るり子 六花 200806
薄紙に目を蔽ひけり雛納め 齋藤朋子 やぶれ傘 200806
仏より借りし一間の雛納む 岸川素粒子 万象 200808
壇降りて貴賤なくなる雛納 鷹羽狩行 200904
ひとり居の日差しに納め馴染雛 小林成子 200905
雛納め雛に歴史を積み重ね 須藤トモ子 200905
寄り添ひし納まる雛も紅と白 石寒太 炎環 200905
ひとり身の少し遅れし雛納め 奥村こちび 炎環 200905
せめて日の温もり籠めて雛納 白澤よし子 馬酔木 200905
雛段に甘納豆も一袋 中山純子 万象 200905
雛納めいちにち水のやうな空 大沢美智子 200905
雛納めさらりと使ふ羽根叩 佐々木みき子 200906
我は素手子は手袋に雛納む 金原亭馬生 炎環 200906
長谷寺和賛ぞんぶんに雛納む 山崎靖子 200906
肥えられしか箱の蓋浮く雛納め 笠井敦子 200906
バイバイをして孫の雛納めけり 瀬島洒望 やぶれ傘 200907
帯すこし解きたまひしや雛納 鷹羽狩行 201003
雛納君との過去も納めけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
母の膝少し崩るる雛納 飯塚ゑ子 火星 201005
叡山にうす紅の雲雛納 片山博介 春燈 201005
雛納むこれより雛に白世界 望月晴美 200605
扇まづ畳みて雛納めけり 市橋敬子 201005
来む年もわが飾らむか納め雛 水原春郎 馬醉木 201006
雛納め残るあられの紅の色 野坂民子 馬醉木 201006
雛納め終りて気付く雨雫 小野口正江 末黒野 201006
雛かざり納めしあとの広さかな 三橋玲子 末黒野 201006
目隠しをされて雛は密室に 島本知子 ぐろっけ 201006
またねーと児らは手を振り雛納め 島本知子 ぐろっけ 201006
雛納め土蔵の鍵を締めにけり 三浦カヨ子 酸漿 201006
緋毛艶干して雛を納めけり 橋本美代 やぶれ傘 201008
雛納してより吾娘の嫁ぎゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
雛納して来年を近付ける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
悌を重ね合せて雛納 稲畑廣太郎 ホトトギス 201103
立ちたるは立ちたるままに雛納 布川直幸 201103
笏失せし男雛無聊の手をさらす 矢口笑子 春燈 201105
雛納む街の喧騒にはかなり 矢口笑子 春燈 201105
飾るより仕舞ふ厄介雛納め 和田照海 京鹿子 201105
いま一度お顔見つめて雛納む 舩越美喜 京鹿子 201105
雛納め婚期といふは今やなく 荒木稔 ぐろっけ 201105
薄紙の面輪透かして雛納 中島静子 酸漿 201105
さみどりの菜飯を供へ雛納 木村茂登子 あを 201105
ねんごろに雛納めゐる姉妹かな 増田一代 201106
見るべきは見つとや雛納めらる 柴崎甲武信 春燈 201106
毛氈の折り目正して雛納め 濱谷和代 万象 201106
思ひ出も共に包みて雛納む 三輪温子 雨月 201106
雛箱を納む蔵の扉開け放ち 千原叡子 ホトトギス 201107
秀眉ふと愁眉にかはる雛納め 田畑耕之介 京鹿子 201107
雛納む指にやさしき和紙の雛 コ田千鶴子 花の翼 201111
恙なく四十余年の雛納む 古沢タマ子 末黒野句集 201203
手伝ひにならぬ児ら寄り雛納 小林成子 201206
年頃の娘急き立て雛納め 三橋早苗 ぐろっけ 201206
雛納めまだ遊びたき顔の雛 鶴巻誉白 ろんど 201206
今日ありしこと書き添へて雛納 大橋伊佐子 末黒野 201206
古りてなほ若き雛を納めけり 湯村栞 201208
雛納め和紙いちまいの残りたる 林昭太郎 あまねく 201210
雛納めくるめる母の吉野紙 酒井秀郎 返り花 201211
雛の目光りて納められにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
暴風雨雛納めるを日延べせん 品川鈴子 ぐろっけ 201304
享保雛闇をひとつに納めらる 柴田佐知子 201304
雛納む妻の項の暮れ残り 水原春郎 馬醉木 201305
かくれんぼしたる納戸や雛納 山田暢子 風土 201305
雛納めしたる畳を乾拭きす 大山文子 火星 201305
とこしへに抱合ふ二体雛納 藤本秀機 201306
御目まづ塞ぎて雛納めけり 山路紀子 風土 201306
笙太鼓音色もろとも雛納 竹中一花 201306
囃子方先づ寛がす雛納め 甕秀麿 201306
かんばせを小筆で払ひ雛納 涌羅由美 ホトトギス 201307
たつた今過去捨て雛を納めけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201403
雛納めゐたるロビーを通りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201403
口あけておどろく雛を納めけり 山田六甲 六花 201404
雛納妹つひに出来ぬまま 市ヶ谷洋子 馬醉木 201405
果実酒の封印を解く雛納 樋口英子 201405
古雛の通へる気息納めけり 深澤鱶 火星 201406
太刀・扇ひとつ袋に雛納め 大野芳久 やぶれ傘 201406
青空に三日月ありし雛納め 広渡敬雄 201406
薄紙のまづはおかほを納め雛 山口ひろよ 201406
雛納して天井を眺めをり 副島いみ子 ホトトギス 201408
労ひの目をもて雛を納めけり 住田千代子 六花 201408
棺のぞく目よ納め雛かこまれる 堀内一郎 堀内一郎集 201412
雛納惜しめば又も人集ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201503
すぐそこの島に日矢射す雛納め 荒井千佐代 201504
海苔篊に潮目移ろふ雛納 市ヶ谷洋子 馬醉木 201505
雛納む星すれ違ふ音させて 川崎真樹子 春燈 201505
むらさきに筑波の双耳雛納 大沢美智子 201505
懇ろに交す挨拶雛納め 谷岡尚美 201506
しかと見てしかと見られて雛納む 阪上多恵子 雨月 201506
薄紙を着せまゐらせて雛納 服部珠子 雨月 201506
遺言の封されてより雛納め 柴田久子 風土 201506
嫁ぐ気はまだまだなき子雛納む 杉山哲也 馬醉木 201506
懇ろに横たへ納む立ち雛 白神知恵子 女坂 201508
書庫守を仕へ賜へと納雛 能村研三 201604
鳥影の水脈はるかなり雛納 大沢美智子 201605
立雛を寝かせて箱に納めけり 鈴木鳳来 春燈 201606
取敢へず納戸にうつし雛しまふ 白水良子 201607
みつめ合ふ姿に納む内裏雛 押田裕見子 201607
雛納 →3      

 

2021年3月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。