2023年5月10日
秋 燕 1   200句

秋燕風の伐口きらきらす   本橋仁   露光

つばくらめ  つばめ 燕の子

燕帰る  帰燕  秋燕  夏燕

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋燕のダムのしぶきに煽らるる 谷添睦手 199811
秋燕に棟は鎮魂の十字なす 岡田貞峰 馬醉木 199812
眉太くして秋燕を見送れり 小澤克己 遠嶺 199812
みづうみの片隅に秋燕の空 粟津松彩子 ホトトギス 199903
秋燕の群なしそめし干潟かな 酒井多加子 俳句通信 199910
青空の青深くなる秋燕 辻のぶ子 俳句通信 199910
秋燕に天地掃かれたるごとし 村越化石 199911
秋燕の空へ音なく展帆す 能村研三 199911
秋燕や出稼ぎ話持ち込まれ ハンセン妙子 199912
秋燕砂丘風紋あらたなり 岡本久也 199912
わだつみの沖の暗さや秋燕 荻原芳堂 春耕 199912
海へ出る空に秋燕まだ馴れず 辻口静夫 ホトトギス 200001
秋燕の群がつてゐる峠口 松尾龍之介 200001
紺碧の海の大円秋つばめ 豊岡清子 遠嶺 200001
島々のをちに山々秋つばめ 鷹羽狩行 200001
閃々として秋燕群なさず 藤田宏 200011
何処にも銀座のありて秋燕 竹部千代 200011
秋つばめ沈下のつゞく滑走路 笹村政子 六花 200012
山峡の小さな空の秋燕 和田敏子 雨月 200012
引越しの荷に腰掛けて秋燕 生田恵美子 風土 200012
海峡を行きては戻る秋燕 菊地惠子 酸漿 200012
秋つばめ川のかたちに空は有り 笹家栄子 200101
雨つ気の水際近き秋つばめ 波田美智子 火星 200101
秋燕の羽音するどき濁り川 渡辺友七 あを 200109
秋燕やきのふよりけふ遠かりき 神蔵器 風土 200110
坂町の水音豊けし秋燕 中川晴美 俳句通信 200111
秋燕か一瞬よぎる旅の窓 松本米子 あを 200111
潮満ちて秋の燕の近くあり 山本田津子 200111
秋燕の声フルートを聞きしあと 佐野まさる 百鳥 200111
秋燕やテニスコートの白線引く 宮川みね子 風土 200111
秋燕に波の尖りや安乗崎 木下玉葉子 酸漿 200112
ひるがへり秋燕牧に別るるか 丸尾和子 雨月 200112
真水積む遠洋の船秋つばめ 海老澤映草 春耕 200112
水を吐く艀の運河秋つばめ 三原清暁 春耕 200112
秋つばめ望遠鏡に帆曳船 小林螢二 春耕 200112
秋燕や屋根より藁の屑こぼれ 田中佐知子 風土 200112
秋燕と共に空母が居なくなる 泉田秋硯 200112
忘れじと一鳴き二鳴き秋つばめ 佐原正子 六花合同句集 200205
うす紅の雲となるまで秋つばめ 梶浦玲良子 波小舟 200205
秋つばめ娘が顔を見せに来る 波田美智子 をりをりに 200208
秋つばめ文字大き辞書夫と買ふ 波田美智子 をりをりに 200208
秋燕や一級河川観測所 中田富佐枝 帆船 200211
秋燕の疳高きかな阿波卯浪 黒田咲子 200211
秋燕や老いてはビルも蹲まる 岡本眸 200212
秋燕こころ残りのありやなし 村田みちな 200212
急流の白き光へ秋つばめ 石本百合子 馬醉木 200212
秋燕の発ちて昂り声も発つ 泉田秋硯 200212
秋つばめ端に童子の拾得図 土田芳月 遠嶺 200212
高く高く地には用なき秋燕 永野由美子 円虹 200212
カルストの空を自在に秋燕 佐保美千子 円虹 200212
秋燕に手を振りいまも浪漫派 利根川妙子 200212
少し風あり秋燕に帰心あり 橋本佐智 円虹 200301
海に出てより群を解く秋つばめ 加美明美 200301
秋燕や洛中の空晴れわたり 大竹淑子 風土 200302
秋燕天動説てふ昔あり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200309
殿町や秋燕掠む蔀釣り 藤平タネ子 200311
秋燕言葉少なに子は赴任 成川和子 200311
秋つばめ巣を巡りてはゐずなりぬ 木下節子 雲の峰 200311
秋燕雲の高みへひるがへる 深田稚敏 200312
波の白三段かまへ秋つばめ 宮川みね子 風土 200312
つつ抜けの天秋燕の高く飛ぶ 市橋幸代 築港 200312
明日去ぬか秋燕集ふ千曲川 山口順子 200312
秋つばめそこはかと日は堅魚木に 市場基巳 200401
噴水の残像よぎり秋燕 鈴木綾 200401
船降りて秋燕の空かへりみる 和田敏子 雨月 200402
秋燕を見送る島の紋瓦 小澤克己 遠嶺 200402
秋燕熔岩の凹凸知りつくす 九万田一海 河鹿 200402
立山にまだ雪の来ず秋燕忌 淵脇護 河鹿 200402
浅間嶺に真向く巌頭秋燕 橘澄男 「山景」 200408
秋燕切り株森に残されし 城間芙美子 対岸 200411
秋燕や駅舎薪小屋より小さし 戸田和子 200411
秋燕や中仙道は晴れ極み 城孝子 火星 200411
秋燕木道の板かたと跳ね 今瀬剛一 対岸 200411
おつぱいにないないねてふ児秋燕 東亜美 あを 200412
秋燕や渡し場跡の石畳 野々山照子 200412
きのふより今日空高し秋燕忌 神蔵器 風土 200412
秋燕の雲と湧き来て賑はへる 木村コウ 酸漿 200412
夕焼に染まる秋燕鹿島灘 岡村葉子 200412
秋燕の一閃瀬戸の空かすめ 木内美保子 六花 200412
「海の子」の曲に市果て秋燕 宇野慂子 万象 200412
秋つばめ村一番の木に群るる 松原三枝子 万象 200412
海渡御を終へたる山車へ秋燕 宮津昭彦 200501
ペダル踏む腰高乙女秋燕 三栖隆介 200501
秋燕の飛び交しゐる真神原 山田春生 万象 200501
翻り秋の燕となりにけり 中山純子 万象 200501
常滑の甕の黒釉秋燕 菅原末野 風土 200501
言の葉の深みにはまる秋燕忌 九万田一海 河鹿 200502
秋燕や海を見むとて歩を広く 糸井芳子 200503
夫の機嫌本日快晴秋つばめ 山元志津香 八千草 200504
秋燕の発ちて昂ぶり声も発つ 泉田秋硯 黄色い風 200505
干してすぐ乾く手拭秋つばめ 松たかし 火星 200511
遺影やや若くありしよ秋燕 藤井みち子 200511
秋燕透けるものみな畳みけり 宇垣みきえ 200512
秋燕夕日さし込む休窯 浜口高子 火星 200512
秋燕に空深すぎし誤算あり 鈴鹿仁 京鹿子 200512
湖の色深まれり秋燕 後藤和朗 栴檀 200512
高原駅の一口メモや秋燕 吉永すみれ 風土 200512
秋燕や舵取りあぐむたらひ舟 渡邉英子 馬醉木 200512
秋燕座椅子の背板そりかへる 浜口高子 火星 200601
川筋を変ふる砂積む秋つばめ 大山文子 火星 200602
空焼けてまくなぎの如し秋燕 瀧春一 瓦礫 200606
づぼらやの大提灯や秋燕 大山文子 火星 200609
秋燕ジョンブルさんと呼ばれけり 青柳雅子 春燈 200610
群れ飛びて烟さながら秋燕
秋燕舟に積み込む藁の束 渡邊美保 火星 200611
天の奥より群なして秋つばめ 田中春生 200611
船宿の壁の剥落秋つばめ 田中春生 200611
駅ビルの硝子かすめて秋燕 那須淳男 馬醉木 200611
秋燕や坂ゆるやかに海へ伸び 小泉万里子 200612
秋燕のひととび山を切り返す 工藤ミネ子 風土 200612
秋燕宿場街道まつしぐら 石川倜子 馬醉木 200701
もりあがるやうな早瀬や秋燕 今井松子 遠嶺 200701
秋燕へ別れ告ぐるや蔓の先 岩淵彰 遠嶺 200702
片男波秋燕返しひるがへり 杉山瑞恵 雨月 200702
秋つばめ奥歯いよいよ無言なる 梶浦玲良子 六花 200702
秋燕や齢のその先おぼれゐる 坂本敏子 京鹿子 200703
嶺々を継ぎゆくひかり秋燕 小澤克己 遠嶺 200709
秋燕町より消えし荒物屋 代田幸子 200711
木道に十字路のあり秋燕 蘭定かず子 火星 200711
秋つばめ品川宿を旅立ちぬ 片野光子 ぐろっけ 200712
秋燕や言葉の詰る丸ポスト 田村すゝむ 風土 200712
クレムリンの赤き城壁秋燕 木暮剛平 万象 200801
秋燕の寺に写経を納め来し 助口弘子 火星 200801
晨鐘や馬塞に集へる秋燕 薮脇晴美 馬醉木 200802
東塔は雨後の日差しに秋つばめ 蘭定かず子 火星 200811
卍なす青空なれば秋つばめ 中村恭子 200811
島守の見上ぐる北や秋燕 市ノ瀬遙 炎環 200811
白き帆の止まるなかれ秋燕 小田司 馬醉木 200811
秋燕帰る気の無き飛翔かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200811
群るるまま風に流され秋燕 田中春生 200811
秋つばめ大樟に舟つなぎある 渡邊美保 火星 200812
秋燕や楽譜はいまも読めぬまま 和田照海 京鹿子 200812
秋燕やいつも立ち居にどつこいしよ 布川直幸 200812
秋燕や開け放たるる土蔵の扉 加藤峰子 200812
目に見ゆるもの海原と秋燕と 栗田武三 ぐろっけ 200901
諳んじてそびゆる師の句秋燕 渡辺昭 200901
里山に風出でにけり秋燕 延広禎一 200901
秋燕や折鶴あせし観音堂 窪田米子 遠嶺 200902
秋燕や沖に日向の一握り 鷹羽狩行 200910
秋燕の遅れ一羽と見しは二羽 鷹羽狩行 200910
がらんどうの牛舎をとべり秋燕 室谷幸子 万象 200911
秋燕の惜別の舞身を掠む 刈米育子 200911
秋燕やむかし立場の馬つなぎ 神蔵器 風土 200911
秋燕のはやも群なす遠嶺晴 高瀬史 馬醉木 200911
秋燕明日は再開発の街 常田創 200911
草川の一斉に伏し秋つばめ 戸栗末廣 火星 200912
秋燕真白きこころありにけり 浅田光代 風土 200912
遠いくさ秋燕を目に見送りし 中山純子 万象 200912
秋燕や武蔵野線の大きな弧 古屋元 200912
ジーパンのよく乾く日よ秋燕 稲見寛子 炎環 200912
山国の空は海色秋つばめ 水上れんげ 201001
秋燕に托したき悔二つ三つ 小澤菜美 201001
秋燕土手の高さを飛びにけり 白石正躬 やぶれ傘 201002
たかだかと輝ふ雲や秋燕 菊地惠子 酸漿 201011
磨崖佛斜見の速さ秋燕 丸井巴水 京鹿子 201011
昼花火はぜし船場の秋つばめ 川端俊雄 火星 201011
秋燕や祭祀の庭の泉噴く 服部鹿頭矢 馬醉木 201011
秋燕土手の工事場別れ告ぐ 早崎泰江 あを 201012
薔薇色を強める雲や秋つばめ 田中春生 201012
時惜しむごとき速さに秋燕 西宮舞 201012
秋燕の空鉄塔のみをつくし 河野美千代 201012
四十四万カンデラ灯台秋燕忌 橋添やよひ 風土 201101
秋燕の群れ飛ぶひかり羽田沖 黒滝志麻子 末黒野 201101
秋燕まだまだ未練あるらしく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109
秋燕地図も着替へも持たないで 星野早苗 船団 201110
秋燕の高きを去ぬや見失ひ 小澤菜美 201110
止みさうな空の明るさ秋燕 根橋宏次 やぶれ傘 201111
青空は藍より出でて秋燕忌 神蔵器 風土 201112
秋燕に見られつつ畝立て了はる 生田作 風土 201112
江ノ電を掠めて低し秋つばめ 松本三千夫 末黒野 201112
大名の別墅広やか秋燕 安藤久美子 やぶれ傘 201112
船具屋の細く開きあり秋つばめ 蘭定かず子 火星 201201
一族の空に出揃ふ秋つばめ 鳳蛮華 201201
水際を辿りだしたる秋燕 田中貞雄 ろんど 201209
空高く旅の相談秋つばめ 上原重一 201210
茜空惜しむかに舞ひ秋つばめ 小川玉泉 末黒野 201211
秋つばめやがて光りとなりにけり 藤生不二男 六花 201211
知り尽す川の流速秋つばめ 河口仁志 201211
秋燕の小技まだまだよく切れる 高橋将夫 201211
秋つばめ歩行器いまだ手放せず 小川玉泉 末黒野 201211
歌垣の山を引き寄せ秋燕 萩庭一幹 馬醉木 201211
旅立ちの飛翔訓練秋つばめ 山本丈夫 201211
草山の穂の揃ひたる秋つばめ 戸栗末廣 火星 201212
布引に深き空あり秋つばめ 深澤鱶 火星 201212
秋燕の細身一途にひるがへる 生田恵美子 風土 201212
秋燕の水の切れ口日照雨あと 橋添やよひ 風土 201212
秋つばめ茶屋に細身のをんなかな 橋添やよひ 風土 201212
秋燕の名残りを惜しむ合葬陵 北村淳子 ろんど 201301
浜名湖のちりめん波に秋燕 今井千鶴子 ホトトギス 201301
帆船の綱匂ひくる秋燕 広渡敬雄 201303
佐保風の向き変りけり秋燕 林範昭 火星 201311
陪塚は草の中なり秋つばめ 城孝子 火星 201311
潮入の水門高し秋燕 坂入妙香 春燈 201311
秋燕帰りしあとの水平線 田中佐知子 風土 201311
秋燕や家捨てし悔今もなほ 土屋啓 馬醉木 201312
秋燕我が青春の遅刻坂 福山和枝 201401
赤い糸切れて切れざる秋燕忌 山崎青史 ろんど 201401
風を追ひ群れて雲路へ秋燕 遠山風 馬醉木 201401
秋燕低空飛行徐行せよ 辻村拓夫 船団 201401
秋燕の飛び立つ後振り向かず 田代貞枝 201402
秋燕→2      

 

2021年9月2日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。