帰 燕    157句

ゆく雲にしばらくひそむ帰燕かな   飯田蛇笏   山廬集

つばくらめ  つばめ 燕の子 燕帰る 帰燕  秋燕

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
樹海より湧きて帰燕となる三瓶 山田弘子 円虹 199812  
さざ波の日向へ走る帰燕どき 前田陶代子 199901  
泥染を紡ぎ終へける帰燕かな 延広禎一 199901  
会場を出でて帰燕の空仰ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 199910  
光る海帰燕の空のととのへり 稲畑汀子 ホトトギス 199910  
帰燕はや遠くなりたる風の音 岡本眸 199912  
御用邸抜けて帰燕となりゆけり 藤井圀彦 200001  
木片を引きゆく潮帰燕空 豊岡清子 遠嶺 200001  
絹を着し身のひやひやと帰燕かな 高橋さえ子 200002  
帰燕けふきのふと数を増しにけり 鷹羽狩行 200010  
天空の風速に乗り帰燕せる 松本圭司 200011  
日本海帰燕に碧を深めけり 佐々木ミツヱ 200011  
筑波山帰燕の空の暮のこる 根岸善雄 馬醉木 200012  
朝空に湧くごと帰燕集ひけり 福井久生 200012  
点呼受くる如く帰燕の電線占む 福井久生 200012  
沖に出て風乗り変へる帰燕かな 新開一哉 円虹 200102  
少女期の画帖きばみし帰燕かな 石山正子 銀化 200109  
いまにして太虚の広さ帰燕あと 宇都宮滴水 京鹿子 200110  
帰燕羨し未練微塵もなきごとく 能村登四郎 羽化 200110  
今年も友多く送りて帰燕かな 松崎鉄之介 200110  
大利根へ声落しゆく帰燕かな 児島千枝 春耕 200110  
どの窓も開け放たれて帰燕かな 岩月優美子 200111  
観音の山をめぐりて帰燕かな 木室幸雄 百鳥 200111  
川をもて東京劃す帰燕かな 岡本眸 200111  
沖空に帰燕溶けゆく壇の浦 田辺博充 200112  
誰もゐない砂浜帰燕はじまりぬ 大槻久美 円虹 200112  
帰燕かな満天の紺深む中 深田雅敏 200201  
ベランダに中七を干す帰燕かな 梶浦玲良子 六花 200202  
帰燕しきり水洗ひして駅の階 高橋さえ子 200202  
帰燕後の木曽へ流るる雲迅し 加瀬美代子 200202  
一の矢につづく帰燕の矢継ぎばや 鷹羽狩行 200210  
帰燕はや出羽山上に雲迅き 加瀬美代子 200211  
水晶体澄むや帰燕のしきりなり 秋葉雅治 200211  
海風が吹き上げそのままの帰燕 今瀬剛一 対岸 200212  
高階へ海の風来て帰燕の日 鈴木照子 200212  
身を包む紺の深さも歸燕以後 岡本眸 200212  
突堤に波立ち上がる帰燕かな 小橋末吉 対岸 200212  
見渡して白波たてる帰燕かな 瀬戸悠 風土 200301  
仰ぎては帰燕励ます雨の波止 田中美智代 200302  
青葦の彼方夕焼と帰燕群 田中芳夫 200310  
帰燕かな空に波打つ雲のなり 林裕子 風土 200312  
桟橋の揺れかすかなる帰燕かな 荒井千佐代 200312  
切通し抜け一閃の帰燕かな 鈴掛穂 200312  
高々とすでに帰燕のこころざし 野口みどり 酸漿 200401  
昼過の甘きもの欲る帰燕かな 長沼三津夫 200401  
帰燕ゆく病床のわれ置き去りに 冨岡夜詩彦 200411  
山の池帰燕が天に数知れず 山田清香 酸漿 200411  
潮の香や帰燕吸はるる空の青 福嶋千代子 200411  
直線の上昇そのままの帰燕 今瀬剛一 対岸 200411  
子を帰すやうに帰燕を見送りぬ 菅原末野 風土 200412  
川波を擦つて帰燕になりにけり 島すが子 200412  
天空に帰燕流るるごとくなり 泉田秋硯 200412  
日を容れて雲たるみ出す帰燕かな 岡本眸 200412  
磐梯へひとたび翔けし帰燕かな 小林和子 風土 200501  
寝不足の指の痩れも帰燕以後 高橋さえ子 200502  
しんがりの帰燕よ急げ日本晴 泉田秋硯 黄色い風 200505  
ひやひやと槇立ち揃ふ歸燕かな 岡本眸 200511  
帰燕見て回想圏となる野原 小澤克己 遠嶺 200511  
湖沼いま帰燕支度に快晴す 小澤克己 遠嶺 200511  
電線に翅休むるは帰燕かも 西教文江 築港 200511  
みな同じ海見るベンチ帰燕はや 長井順子 200512  
何となく空見上ぐるも帰燕以後 上林孝子 200512  
帰燕には似合ふ日和と仰ぎけり 新田巣鳩 馬醉木 200512  
帰燕はや日照雨を波の飛沫とも 長沼三津夫 200512  
通院もいつしか帰燕の空の下 石川等 200512  
老犬の仰ぎ見ている帰燕かな 菅原健一 200512  
帰燕いまきらめく波の秀を越えて 沼口蓬風 河鹿 200601  
月山の霧へつつこむ帰燕かな 須永トシ 栴檀 200601  
大山寺帰燕の空となりにけり 桑田青虎 ホトトギス 200601  
夕ごころ仰げば遥か帰燕かな 宇根綾子 二輪草 200606  
身辺の澄みおのづから歸燕以後 岡本眸 200609  
帰燕の巣梁にそのまゝがらんどう 滝沢伊代次 万象 200610  
一本の川引締むる帰燕かな 浜福恵 風土 200611  
帰燕はや筑波山頂岩ばかり 加瀬美代子 200611  
地平まで帰燕の空の昨日今日 豊田都峰 京鹿子 200611  
また会はむ帰燕の群を眼で送り 石田玲子 200612  
嬉々と舞ふ帰燕第一陣なりし 泉田秋硯 200612  
夕映の嶺の遠退く帰燕かな 高橋さえ子 200702  
ちちははの墓山越えて帰燕かな 宇野慂子 万象合同句集 200703  
巣の周り幾度も飛び帰燕かな 滝沢伊代次 万象合同句集 200703  
サーカスの一族郎党帰燕かな 鈴木勢津子 200711  
帰燕けふ殉教の島隠すほど 鷹羽狩行 200711 長崎・平戸
帰燕はや日照雨のままに夕映えて 長沼三津夫 200711  
兵の遺族帰燕に託す思ひあり 南光翠峰 馬醉木 200711  
帰燕仰ぐ横長高低一眷族 鈴木榮子 春燈 200712  
三番瀬光り帰燕の空ありぬ 三橋泥太 遠嶺 200712  
斯くまでに多弁な帰燕第二陣 泉田秋硯 200712  
電線に帰燕ずらりと同電位 泉田秋硯 200712  
出羽陸中一望にせる帰燕かな 諸岡孝子 春燈 200801  
率ゐるはモーゼか帰燕ひたすらに 千田百里 200801  
病む父ゆ命名とどく帰燕の日 能村研三 200805  
ひるがへりやがて帰燕の群となる 稲畑汀子 ホトトギス 200809  
天守閣帰燕の空を低くせり 安原葉 ホトトギス 200812  
八九羽の帰燕の空とふと気づく 浅井青陽子 ホトトギス 200812  
暁の吹上の浜帰燕かな 緒方輝 炎環 200901  
草々の深閑として帰燕かな 松原仲子 200901  
良き風を帰燕に知らす風速計 松本圭司 200901  
うしとらへ大河かがやく帰燕かな 梶浦玲良子 六花 200902  
いつまでも帰燕の空をみつめをり 植田利一 春燈 200910 安汀さん逝く
空蒼く海碧き日の帰燕かな 熊谷尚 200911  
中天に群れて飛び交ふ帰燕百 渡辺安酔 200911  
帰燕群円周率のごと果てず 泉田秋硯 200912  
地には湖空に帰燕の詩満ちぬ 小澤克己 遠嶺 200912  
屋根石の雨に濡れゐる帰燕かな 根橋宏次 やぶれ傘 201001  
傾ぐ日を追ひて帰燕の夥し 羽田岳水 馬醉木 201001  
草むらに跳ぶものあまた帰燕あと 笠井敦子 201001  
船溜り帰燕だまりとなりにけり 鷹羽狩行 201009  
帰燕けふあすあさつてとつづくらし 鷹羽狩行 201010  
たまゆらの帰燕のみ空澄雄逝く 安立公彦 春燈 201011  
帰燕いま天つ光となりゆけり 益本三知子 馬醉木 201011  
切株がひとつ帰燕の空の下 浜福惠 風土 201012  
帯状の帰燕や活火山迂回 泉田秋硯 201012  
朝明けや帰燕の一つづつ見ゆる 清海信子 末黒野 201101  
富士よりも高く集ひて帰燕かな 山口まつを 雨月 201101  
剥製の雉子に紅刷く帰燕かな 梶浦玲良子 六花 201102  
鉄路越え帰燕の空となりゆける 稲畑廣太郎 ホトトギス 201109  
旅人に帰燕の空の高かりし 安立公彦 春燈 201111  
日に抱かれ風に抱かれ帰燕かな 和田一 雨月 201112  
旅空の帰燕を案ず空模様 西川みほ 末黒野 201201  
野の墓に風さわがしき帰燕かな 松橋利雄 光陰 201203  
一点の疵なき空の帰燕かな 神田恵琳 春燈 201210  
辻直美逝く高々と洲の帰燕 井原美鳥 201211  
帰燕かな空に自由があるかぎり 浅野吉弘 201211  
全クラス授業中なる帰燕かな 太田佳代子 春燈 201212  
万葉のこころの翳へ帰燕かな 渡邊泰子 春燈 201212  
大灘の紺の定まる帰燕以後 松井志津子 201212  
出立の力漲る帰燕かな 東良子 201212  
赤道をめざし帰燕の小さくなる 石田野武男 万象 201212  
青々と帰燕の空のあるばかり 柴田志津子 201212  
帰燕いま加茂の流れに触れゐたり 本多俊子 201301  
おのづから帰燕の空となりにけり 根橋宏次 やぶれ傘 201301  
濁流に折々ふれてゆく帰燕 根橋宏次 やぶれ傘 201311  
丹念に揚舟洗ふ帰燕かな 松井志津子 201312  
帰燕後の安房の山稜一歩寄す 田中貞雄 ろんど 201312  
ふり返る帰燕の空の高さかな 西岡啓子 春燈 201312  
腰越に帰燕の自由有りにけり 密門令子 雨月 201401  
発掘調査の空高く舞ふ帰燕かな 石垣幸子 雨月 201411  
帰燕日々黒で固めし男の婚 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
ストリートジャズで見送る帰燕かな 石橋公代 春燈 201501  
帰燕の空五重塔の空となり 安藤久美子 やぶれ傘 201502  
片減りの靴の気になる帰燕かな 土谷倫 船団 201505  
人里のこゑを遠見に帰燕かな 卜部黎子 春燈 201511  
軒下も帰燕の空となりにけり 柴田佐知子 201511  
酒蔵の片屋根くらき帰燕かな 笹村礼子 六花 201512  
帰燕後の抜けたる空の大欅 生田恵美子 風土 201512  
帰燕もう宇宙の塵にまぎれけり 原友子 201601  
いくたびも地を掠めゆく帰燕かな 古川夏子 201602  
校庭を過る帰燕や空の紺 石本百合子 馬酔木 201611  
大いなる帰燕の翼翻す 浜福惠 風土 201611  
昼灯台帰燕の空の遙かなり 浜福惠 風土 201611  
空に充つる帰燕の声の賑やかな 田中藤穂 あを 201611  
天おほふ帰燕の今し海上へ 田中藤穂 あを 201611  
無事ゆけと帰燕見送り砂の浜 田中藤穂 あを 201611  
塔頭に影をふやして帰燕かな コ井節子 馬醉木 201612  
山と畑かすめ帰燕となりにけり 森和子 万象 201612  
大阿蘇の帰燕の空に火山灰混じる 山本則男 201701  
岬山の一樹帰燕のよりどころ 池谷鹿次 末黒野 201704  

 

2017年8月27日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。