若葉 15     198句

若葉  柿落葉  椎若葉  樟若葉  蔦若葉  若葉(植物名入り)  若葉冷

作品
作者
掲載誌
掲載年月
岬出て潮をたよりの若葉風 布川直幸 201305
爪ほどの若葉を競ふ公孫樹かな 大橋晄 雨月 201305
はればれと心を癒す若葉風 安藤虎酔 かさね 201306
春風に揺るる木洩れ陽若葉色 池内とほる かさね 201306
袖口に時計の透ける若葉風 甲州千草 201306
川挟み狂ほしきほどの若葉かな 四條進 201306
三月の新車の若葉マークかな すずき巴里 ろんど 201306
ハライソを信じし右近の若葉の像 豊田都峰 京鹿子 201306
槻若葉右近の城下町にして 豊田都峰 京鹿子 201306
吾人に恵まれ青葉若葉かな 山田六甲 六花 201306
若葉寒雨垂れの音序から破へ 石本秋翠 馬醉木 201307
若葉風倖せといふ届けもの 宮崎左智子 201307
流鏑馬の的音響く若葉杜 坂根宏子 201307
来た道は引返されず樫若葉 伊東和子 201307
生垣の若葉湧き立つ銀閣寺 石川かおり 201307
若葉風セーラー服の紺の襟 石川かおり 201307
若葉風オープンカフェに足組みて 中村ふく子 201307
乳母車の双児は熟寝若葉風 神田恵琳 春燈 201307
スケッチの百寿媼に若葉風 岡野ひろ子 201307
若葉して近辺の山いきいきと 佐藤健伍 201307
公苑に鴉啼きゐて若葉寒 長久保郁子 かさね 201307
房総の線路光るや若葉風 柳田晧一 かさね 201307
大枝を切りし痕あり楠若葉 瀬島洒望 やぶれ傘 201309
竹若葉暗きをくぐる芭蕉坂 門間としゑ 末黒野 201310
山小屋の窓に触れたり朴若葉 江見悦子 万象 201310
宮若葉芭蕉の句碑を宿しをり 出口貴美子 雨月 201310
来客に青葉若葉の風入れて 秋千晴 201310
深呼吸水面を渡る若葉風 森理和 あを 201306
簾の先は万の若葉の揺れてをり 井上石動 あを 201306
待たされてゐて若葉風ほしいまま 木村茂登子 あを 201306
若葉風光る眼や十二仏 斉藤裕子 あを 201306
うなじ眩し若葉時雨の先斗町 篠田純子 あを 201306
若葉風耳だけ動く昼寝猫 斉藤裕子 あを 201307
窓若葉新居に笑ひ声の満つ 田中藤穂 あを 201307
若葉道行けば主役を得たやうな 長崎桂子 あを 201307
本降りとなりたる青葉若葉かな 渡邉孝彦 やぶれ傘 201310
若葉にも日面日裏すでにあり 峰崎成規 201401
宮若葉畏み越ゆる太鼓橋 西千代恵 雨月 201401
守りたき寝嵩を横に若葉の夜 布川直幸 201403
廃校と聞きし山里若葉雨 坂根宏子 野山の道 201404
商隊の驢馬荷にしとど若葉雨 坂根宏子 野山の道 201404
縁の陽の膝にあつまる若葉冷え 布川直幸 201404
みつしりと古葉加はり若葉光 布川直幸 201404
若葉風纏ひ帰つて来る君 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
聖マリア大聖堂に若葉風 稲畑廣太郎 ホトトギス 201405
放談をすませ若葉の庭に出る 稲畑汀子 ホトトギス 201405
海見ゆる若葉明りの控へ室 稲畑汀子 ホトトギス 201405
風渡る我も若葉の一部分 稲畑汀子 ホトトギス 201405
風音がどこかにありて庭若葉 稲畑汀子 ホトトギス 201405
太陽の色を深めて庭若葉 稲畑汀子 ホトトギス 201405
花終へて若葉の庭となりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201405
どの木ともなく加はりぬ庭若葉 稲畑汀子 ホトトギス 201405
急な客若葉の庭に案内せん 稲畑汀子 ホトトギス 201405
木魚に弾き出さるる萩若葉 丸井巴水 京鹿子 201405
裸婦画集小脇にはさむ若葉雨 丸井巴水 京鹿子 201405
ボヘミアンネクタイ若葉さわやかに 久保田万太郎 春燈 201405
樟若葉輝く方へ出棺す 藤井美晴 やぶれ傘 201405
乗り降りは駅舎の呼吸若葉風 峰崎成規 201406
小さき巣の壊され下がる若葉雨 森理和 あを 201406
柿若葉日々色変りゆきにけり 筒井八重子 六花 201406
若葉風乳母車とめ話込む 長崎桂子 あを 201406
若葉風ゆるゆると行く老夫婦 長崎桂子 あを 201406
若葉風やがて五輪のくる 辻美奈子 201406
若葉雨カラフルな傘登校時 長崎桂子 あを 201406
朴若葉触るる二階に住み慣れて 能村研三 201406
暮の春惜しむがごとく柿若葉 筒井八重子 六花 201406
片思いエレキテヶテヶ柿若葉 平井奇散人 船団 201406
刺繍光る辻が花裂若葉光 坂上香菜 201406
餌台も麒麟の高さ楠若葉 秋千晴 201406
雨音を聞きて俯瞰の庭若葉 稲畑汀子 ホトトギス 201406
五右衛門風呂二人で入る若葉雨 田中藤穂 あを 201407
達磨絵を掛けたる書院若葉風 高谷栄一 201407
原發は勝手口出て若葉越し 佐藤喜孝 あを 201407
大樟の根のしたたかに若葉騒 吉武美子 201407
はやすでに空を奪へる若葉かな 石橋みどり 201407
渓谷行くトロッコ列車若葉風 松田洋子 201407
青空の光の中の柿若葉 岩下芳子 201407
起き抜けの窓に朝の若葉かな 渡邊孝彦 やぶれ傘 201407
樟若葉雲を払はむ勢ひかな 大橋晄 雨月 201407
柿若葉俎干して明日香村 宮濱安子 201407
柿若葉二上山を天空に 太田昌子 馬醉木 201407
柿若葉嫁に言ふこと習ふこと 城台洋子 馬醉木 201407
柿若葉いざ鎌倉の往還路 小島禾汀 春燈 201407
廃校に子らのにほひと若葉の香 松田和子 201407
嘶けよ駆けよ古代馬若葉光 甲州千草 201407
風の棲むからまつ若葉峠みち 豊田都峰 京鹿子 201407
林中や若葉の響き合ふ力 黒澤登美枝 201407
若葉風自在に吹かす草津宿 鈴鹿仁 京鹿子 201407
若葉風後に先にと犬とわれ 山荘慶子 あを 201407
若葉風ソーラン踊りの小学生 和田政子 201407
若葉光点字添へある化石の碑 田所節子 201407
若葉寒ストレッチャーの乗りごこち 井上春子 春燈 201407
若葉雨茶房はとやの釜湯沸く 中下澄江 201407
風若葉那須の五岳のせり上ぐる 豊田都峰 京鹿子 201407
山占めて楓若葉の寺領かな 長谷川翠 馬醉木 201407
山国は若葉青葉の大こだま 豊田都峰 京鹿子 201407
菊若葉はやくも虫の来てゐたる 志方章子 六花 201407
廃校に子らのにほひと若葉の香 松田和子 201407
制服の白きカラーや若葉風 鶴岡紀代 春燈 201407
庭若葉夫ゐるごとき朝の卓 山荘慶子 あを 201407
よき人と青葉若葉に送られて 加藤みき 201407
遺跡碑に刻める哀史草若葉 大島みよし 201407
五千石の故郷恋し柿若葉 大西よしき ろんど 201408
五官にて萌ゆる若葉のこゑを聴く 池内結 ろんど 201408
地を駆くる鳥追ひ切れず若葉雨 石坂勝 末黒野 201408
古き葉に萌黄を重ね樟若葉 小川玉泉 末黒野 201408
大絵馬に駿馬の跳ねて里若葉 生田恵美子 風土 201408
退院の夫を迎へに若葉風 坂場章子 201408
窓若葉嬰の寝返りころころと 米尾芳子 馬醉木 201408
全身で物言ふ嬰や若葉風 近藤暁代 馬醉木 201408
切り貼りの障子の庫裡や柿若葉 高橋明 末黒野 201408
仰ぎ見て仏拝する若葉どき 片岡久美子 201408
樟若葉百万石の武者の練り 井口淳子 201408
邂逅や若葉の風の丘の家 数長藤代 201408
矍鑠と信長塀や楠若葉 北村淳子 ろんど 201408
柿若葉吹かれ眩しさ撒き散らす 原田達夫 201408
梵鐘の余韻に染まる山若葉 石川寿夫 ろんど 201408
柿若葉重なりて尚透きとほる 本多俊子 201408
廃校のダンス教室若葉風 松岡和子 201408
陽光を濾過して注ぐ若葉かな 柳川晋 201408
せせらぎの音遠近に谷若葉 森田利和 201408
物見岩残る城址や若葉風 松本三千夫 末黒野 201408
手を取りて歩む参道若葉風 田中繁夫 末黒野 201408
明石城青葉若葉に日の光 筒井八重子 六花 201408
若葉冷え迷惑メール申告す 大木清美子 201408
若葉風貸し自転車に園巡る 前原マチ 末黒野 201408
若葉風山容とみにととのへる 片岡久美子 201408
若葉風近江に祀る百済人 今井洋子 雨月 201408
若葉寒目力強き雲龍図 村高卯 201408
若葉して歩みおのづと和上廟 窪田佳津子 雨月 201408
若葉して人出の多い明石城 筒井八重子 六花 201408
路地裏の若葉ばつさり切られけり 斉藤裕子 あを 201408
補助輪を外して転ぶ若葉風 甕秀麿 201408
保津峡のトロッコ列車若葉風 山口キミコ 201408
富士塚の頂上きはめ若葉風 堺昌子 末黒野 201408
樟若葉修復なりし公民館 林典子 雨月 201408
嗣治の裸婦の白さや窓若葉 近藤暁代 馬醉木 201408
晩鐘の余韻泌みゆく若葉山 藤岡紫水 京鹿子 201408
煤臭き竪穴住居若葉冷 浅沼久男 201408
肺腑まで沁むるや山の若葉の気 杉山瑞恵 雨月 201408
馬車道に異国の香あり若葉風 礒貝尚孝 201408
農耕車優先道路柿若葉 赤座典子 あを 201408
鷺遊ぶ岸や青あを藍若葉 新堀満寿美 末黒野 201408
匂やかにいのちの燃ゆる樟若葉 寺田すず江 201408
草若葉野点なでしこ怒り肩 半田稜 ろんど 201408
足首をしつかり使ふ若葉坂 飯塚ゑ子 火星 201408
天界の入口なるや若葉冷 片岡久美子 201408
みどり濃き槻の若葉に励まさる 窪田佳津子 雨月 201408
ブラスバンドの水面にひびく城若葉 鷹崎由未子 春燈 201408
ゆるやかな坂のぼりきり草若葉 吉成美代子 あを 201408
ぶな山の獣の匂ひ若葉風 原田しずえ 万象 201408
ルルドまで若葉トンネル潜りゆく 福山和枝 201408
一駅前まちがひ降りぬ若葉寒 甕秀麿 201408
意を秘むるがにキャンパスの槻若葉 窪田佳津子 雨月 201408
雨の日は雨の眩しさ柿若葉 後藤マツエ 201408
誕生月ことなく過ぎし柿若葉 近藤紀子 201409
浅沓の砂利ならしゆく夕若葉 錫木妙子 馬醉木 201409
千年へもう一息の楠若葉 仙頭宗峰 万象 201409
青葉若葉きれいな角膜やるといふ 直江裕子 京鹿子 201409
硝煙の匂ひは今も若葉寒 和田照海 京鹿子 201409
柿若葉今日からずっと一緒だね たかはしすなお 201409
縦のもの横に繁らせ柿若葉 鴨下昭 201409
夕照の白衣観音若葉風 岡野里子 末黒野 201409
反抗のおぼろな記憶柿若葉 辻水音 201409
若葉光溢れ入るなり連子窓 原田達夫 201409
若葉寒孵化の叶はぬ卵かな 苑実耶 201409
若葉雨大人の塗り絵買うて来し 森山暁湖 万象 201409
若葉して鎌倉五山雨の中 高橋泰子 201409
朴若葉友を弔ひ高野去る 福島せいぎ 万象 201409
指先を湖に遊ばせ山若葉 岸本久栄 雨月 201409
銃痕のひとつを隠す蔦若葉 和田照海 京鹿子 201409
父十三回母七回忌若葉風 金子つとむ ろんど 201409
楪の若葉におしやれ鵯の来て 大坪景章 万象 201409
板書してランチメニューや蔦若葉 生田恵美子 風土 201409
ユニフォーム泥を誇りて若葉光 岸本久栄 雨月 201409
藤若葉のそよぎて日矢を揺らしけり 青木由芙 末黒野 201409
点描めく桂若葉や湖の紺 森清堯 末黒野 201409
雨音は楠若葉より響き初む 田尻勝子 六花 201409
中空に鳶の自在や若葉風 安斎久英 末黒野 201409
折つて嗅ぐ男の匂ひ樟若葉 鳳蛮華 201410
樫若葉ぽつりぽつりと雨の来て 黒木東吾 やぶれ傘 201410
箒目をあたらしくせり楠若葉 苑実耶 201410
若葉して富士の日本となりにけり 竹下陶子 ホトトギス 201410
極楽の風の通ひ路若葉蔭 稲岡長 ホトトギス 201410
遺されし硝子文鎮窓若葉 古川夏子 201410
交信の胎児の心音柿若葉 吉武千束 太古のこゑ 201411
嘘泣きの知恵も育ちぬ柿若葉 吉武千束 太古のこゑ 201411
青葉若葉タイムスリップなど無用 鳥居美智子 ろんど 201411
銀座にも若葉の候のありて歩す 嶋田一歩 ホトトギス 201412
舐め塩の真ん中へこむ若葉風 曽根薫風 馬醉木 201412
銀杏若葉幹に回しし注連古び 野沢しの武 風土 201412
柿若葉嫁に言ふこと習ふこと 城台洋子 馬醉木 201501
窓若葉世界鳥類切手展 中谷三干子 船団 201502
城若葉戦無き世の色として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
着陸す蝦夷の若葉を傾けて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201505
ふと影に入りしよりの若葉冷え 稲畑汀子 ホトトギス 201505
この若葉明りに旅の包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 201505
白樺の若葉つぎつぎ抜け大地 稲畑汀子 ホトトギス 201505
若葉 →16      

 

2021年5月18日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。