蔦若葉  62句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
高窓を一つ残して蔦若葉 邑橋淑子 遠嶺 199809
石垣の古りし名城蔦若葉 稲畑廣太郎 ホトトギス 199904
元禄の蔵の梁蔦若葉 林友次郎 遠嶺 199908
いつも見て今日は窓開く蔦若葉 岡本眸 199908
教会に油光りの蔦若葉 笹家栄子 200007
地下鉄の3号出口蔦若葉 中原幸子 遠くの山 200010
蔦若葉長き名さげてゆく露人 塩見恵介 船団 200111
蔦若葉体重計を据ゑてあり 山田六甲 六花 200206
蔦若葉神殿までのゆるき坂 祐森彌香 遠嶺 200207
蔦若葉坂の端まで日の流れ 公山礼子 200207
蔦若葉美術館ただ閑散と 杉本美智江 雨月 200307
質蔵をまるごと包み蔦若葉 泰江安仁 百鳥 200308
蔦若葉きりんの舌の届かざる 井村健一 百鳥 200309
弘法の文字うすれをり蔦若葉 谷村幸子 200407
待たさるるはいつも我なり蔦若葉 あさなが捷 200505
鋼もて編みたる一書蔦若葉 小澤克己 遠嶺 200507
皇子受難の河内王朝蔦若葉 松崎鉄之介 200507
大いなる熔岩を虜に蔦若葉 松山正江 河鹿 200508
美術館出でて眩しき蔦若葉 川崎光一郎 京鹿子 200508
倒木を母の木とせり蔦若葉 吉田陽代 200607
蔦若葉二胡の演奏始まりぬ 今井松子 遠嶺 200708
蔦若葉物置小屋を囲ひたる 上原口チヱ ぐろっけ 200710
くれなゐの竜宮門や蔦若葉 工藤はるみ 風土 200805
この家は昭和の匂ひ蔦若葉 田中藤穂 あを 200806
生涯に三十の像蔦若葉 水原春郎 馬醉木 200808
強まりし師弟の絆蔦若葉 川口襄 遠嶺 200809
岩肌にいのち萌やせる蔦若葉 宮崎左智子 200906
蔦若葉ケーブルカーの窓を過ぐ 青木陽子 酸漿 200907
拡がるに一途でありし蔦若葉 山下美典 ホトトギス 200909
湖面より風逆巻けり蔦若葉 青山正英 201007
終日をショパン聴きをり蔦若葉 田中藤穂 あを 201007
蔦若葉隣の家を覆ひたる 田崎京子 万象 201009
演壇の水よく減りて蔦若葉 林昭太郎 201107
蔦若葉いまだランプの喫茶店 丸井巴水 京鹿子 201107
蔦若葉ト音記号のカフェの椅子 岡本尚子 風土 201208
コンテナ庫がんじがらめに蔦若葉 村田とくみ ぐろっけ 201209
手を合す塔婆にまきつく蔦若葉 森岡陽子 かさね 201306
街灯に艶なす蔦の若葉かな 四條進 201306
窓閉ざす洋風館の蔦若葉 笠井清佑 201307
銃痕のひとつを隠す蔦若葉 和田照海 京鹿子 201409
板書してランチメニューや蔦若葉 生田恵美子 風土 201409
蔦若葉独りの生活音のなく 田中藤穂 あを 201507
尖塔に雲流れゆく蔦若葉 石本百合子 馬醉木 201508
玻璃戸より漏るるミサ曲蔦若葉 野坂民子 馬醉木 201508
碌山の心を繋ぐ蔦若葉 林八重子 馬醉木 201509
階の疵を隠せり蔦若葉 上野紫泉 京鹿子 201608
万太郎ゆかりの蕎麦屋蔦若葉 大沢美智子 201707
今むかし煉瓦館の蔦若葉 村田あを衣 京鹿子 201709
蔦若葉パスタの店は準備中 小巻若菜 六花 201810
何処からを空と言おうか蔦若葉 池田澄子 船団 201906
切り岸の家衰弱し蔦若葉 近藤綾 201906
蔦若葉堰にもがくや魚の影 小林文良 春燈 201907
白亜なる洋館の壁蔦若葉 高木邦雄 末黒野 201907
自転車が残す口笛蔦若葉 はしもと風里 202006
誰ぞ棲む家のかたちの蔦若葉 大沢美智子 202007
休校のフェンスに絡む蔦若葉 吉田幸恵 やぶれ傘 202007
廃校の窓を残して蔦若葉 林徹也 202010
ティータイムはトーストにジャム蔦若葉 小巻若菜 やぶれ傘 202108
蔦若葉休館中の美術館 奥田温子 やぶれ傘 202110
蔦若葉面影風となりむなし 大山夏子 202209
錆深き扉にからみ蔦若葉 加藤静江 末黒野 202209
錆あつき扉にからみ蔦若葉 加藤静江 末黒野 202210

 

2023年5月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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