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白露に薄薔薇色の土竜の掌    川端茅舎

  露寒  露霜.水霜  露けし つゆけし  涼し  露涼し  夏の露

作品
作者
掲載誌
掲載年月
露を来て動かすコイン精米機 伊藤白潮 200512
母逝きて露の夜しかと露の世なり 大橋麻沙子 雨月 200512
霊山へ丁石たどる露の秋 三輪温子 雨月 200512
朝露のオクラにうぶ毛ありにけり 吉田康子 火星 200512
語らふて人の心知る露万朶 鈴鹿仁 京鹿子 200512
松虫草ひねもす露の付きゐたり 三関浩舟 栴檀 200512
犬まろび露の草叢よろこべり 中條睦子 栴檀 200512
無花果を朝露残る葉に盛れる 山田たづ子 栴檀 200512
ふりむけば己が足音露の空 八木柊一郎 ぐろっけ 200512
やや遅き帰りのつづく露しぐれ 藤井昌治 200512
月下美人咲きをはりたり露明り 早崎泰江 あを 200512
瑞巌寺とは露しげき巌に立つ 坊城俊樹 ホトトギス 200601
露の世と思ひ乍らの九十年 吉村けん ホトトギス 200601
物すべて仏と見しや露の玉 古川洋三 遠嶺 200601
一握の湖は余呉湖ぞ露峠 駒井でる太 200601
集団の子等の登校露万朶 中山勢都子 200601
父の骨熱きを抱きて露の道 苑田ひろまさ 200601
星光の冷気が到る夜の露 柳生千枝子 火星 200601
露晴れの三三五五てふ亀の数 飯塚ゑ子 火星 200601
新調の眼鏡露の世歪みけり 伊賀山ひでを 春燈 200601
露の玉見つむる眼力入る 宮津昭彦 200601
住宅地の菜園に見る芋の露 松田邦子 200601
高原や露乾くとき湖光る 水越洋三 百鳥 200601
固閉ざすワイン蔵窓朝の露 鈴木和香 栴檀 200601
悼むなりわれもひとしく露として 豊田都峰 京鹿子 200601
蔦の葉の露こぼれたり武家屋敷 原田しずえ 万象 200601
子規庵の露踏みて靴芋坂へ 宮川みね子 風土 200601
白露の贅をつくして平家村 長沼三津夫 200601
祷ることつぶやくに似て露の秋 鹿野佳子 200601
露散れる音か空耳にはあらず 長沼三津夫 200601
朝の日のとどきはじめし露時雨 安原葉 ホトトギス 200602
るると鳴る糸電話ありぬ芋の露 西村純太 200602
鉄棒に露びつしりと母校かな 仲村洋子 百鳥 200602
一寸の骸に置きし璧の露 村田菊子 遠嶺 200602
石棺に実生のいのち露しとど 大沢美智子 200602
人の世を愁ひて在す露仏 下平しづ子 雨月 200602
第五聞き庭凛々と露結ぶ 福盛悦子 雨月 200602
朝の日に露光りけり残る菊 兼子栄子 酸漿 200602
芋の露こぼれて過去は忘るべし 角直指 京鹿子 200602
はやばやとあたりが暮れし草の露 舩越美喜 京鹿子 200602
後より母の呼び声露じめり 五ヶ瀬川流一 六花 200602
青空を露一粒に収めけり 小林朱夏 200602
粛々と穂高奥宮露しとど 伊藤稔代 200603
露踏んで露より生まれたる我等 岩岡中正 ホトトギス 200603
手の窪に露のしづくの小貝かな 山田弘子 ホトトギス 200603
虚子生きし露の世に吾も生きてをり 木村享史 ホトトギス 200603
吊橋の揺れに露の身ゆだねけり 中島知恵子 雨月 200603
ひかりとぶ露の空ありマリア像 阿部慧月 ホトトギス 200604
露の空渡り来し月濡れてをり 木村享史 ホトトギス 200604
露の散る天地有情とはこれか 木村享史 ホトトギス 200604
芋の露季刻々と溜めこぼす 山元志津香 八千草 200604
硯海にいれたる笹の露すずし 本多俊子 さくらの音 200605
かなかなが熊笹の露を吸ふ旦 瀧春一 常念 200606
佳き庭の松に楓に露の秋 瀧春一 常念 200606
火の山の緑へむかふ露の徑 瀧春一 常念 200606
鉢の菊ならびて槻の露止みぬ 瀧春一 常念 200606
墾みちや夕露はやき藤袴 瀧春一 常念 200606
立待月ひとむらづつの草の露 瀧春一 常念 200606
椎樫の露ぬるる日の初火鉢 瀧春一 常念 200606
青柿の二つ三つづつ露まみれ 瀧春一 常念 200606
大露にくづをれ沈む曼珠沙華 瀧春一 常念 200606
一茶の像露はしきりに檐を漏る 瀧春一 常念 200606
露の墓ただびとならぬ一茶翁 瀧春一 常念 200606
怖ろしと女の云ひし露の径 瀧春一 瓦礫 200606
日曜無休けさはひとりの露の道 瀧春一 瓦礫 200606
今宵星仰ぎ語らん露の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200608
一面の露一本の草の露 稲畑汀子 ホトトギス 200608
紫陽花の己が重みに露こぼす 福澤乙 酸漿 200608
露の世といふ水禍あり風禍あり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200609
露の袖忌日の寺を淋しめず 稲畑廣太郎 ホトトギス 200609
高原の野の露乾きゆける音 稲畑汀子 ホトトギス 200609
結果よきこと露の世のことながら 稲畑汀子 ホトトギス 200609
ふたたびは帰れぬ迷路草の露 稲畑汀子 ホトトギス 200609
露ふふむ庭芝踏みて人迎ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200609
今少し時間の欲しき露の身よ 稲畑汀子 ホトトギス 200609
露乾きゆける早さに朝かな 稲畑汀子 ホトトギス 200609
摩耶山の晴天に置く露葎 稲畑汀子 ホトトギス 200609
母のこゑ聞かむと出れば露のこゑ 神蔵器 風土 200609
朝露の残る四葩よ筆の先 高木千鶴子 酸漿 200609
露ほどきたるより由布の立ち上る 稲畑汀子 ホトトギス 200610
露乾きゆける山気に包まるる 稲畑汀子 ホトトギス 200610
露踏みて朝の目覚めをうながせり 稲畑汀子 ホトトギス 200610
消えてゆく露に忌心をさめけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200610
芋の露畑より朝の母のこゑ 滝沢伊代次 万象 200610
芭蕉碑は楸邨筆なり露葎 能村研三 200610
露の世のものなど匂ひ草の市 安達風越 雨月 200610
黒姫の山走り来て芋の露 神蔵器 風土 200610
大夕日稲の葉先の露光る 岡田麻枝 酸漿 200610
盆笊に色とりどりの露の玉 東亜未 あを 200610
兀然の一言のずれ露冴ゆる 鈴鹿仁 京鹿子 200611
人の意とせず宮萩の露こぼす 鈴鹿仁 京鹿子 200611
朝露の飾る蜘蛛の巣払はずに 丹生をだまき 京鹿子 200611
芋の露揺れていびつになりにけり 岡野輝子 万象 200611
自註せし秋櫻子風生露の音 能村研三 200611
夫逝けり露七宝に光る中 湯橋喜美 200611
道の辺の弁慶塚や露の玉 荻野嘉代子 春燈 200611
草の葉の露海鳴りのとよみけり 小澤克己 遠嶺 200611
芋の露いびつ子もなし親もなし 栗栖恵通子 200611
ころがせて集め逃らる芋の露 鈴木庸子 風土 200611
葡萄採朝日に露の輝きて 島崎勇作 酸漿 200611
露→ 8      

 

2021年10月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2021年10月30日