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桔梗の露きびきびとありにけり   川端茅舎   川端茅舎句集

  露寒  露霜.水霜  露けし つゆけし  涼し  露涼し  夏の露

作品
作者
掲載誌
掲載年月
露結ぶ密かな音に山泊り 山田弘子 春節 199503
山住の音なき音に露しぐれ 山田弘子 春節 199503
まほろばの露は夕べに移りつつ 山田弘子 春節 199503
まとひきし露をはらひて泉汲む 小澤克己 遠嶺 199809
閉ざされし山荘ばかり露葎 稲畑汀子 ホトトギス 199810
きらめきを砂丘に返し露乾く 稲畑汀子 ホトトギス 199810
露を抱く砂丘朝日に応へ来し 稲畑汀子 ホトトギス 199810
光りつつ露を放してゆける草 稲畑汀子 ホトトギス 199810
露ふふむ花も葉も日に応へけり 稲畑汀子 ホトトギス 199810
朝露に濡れて咲くもの閉づるもの 中島真沙 円虹 199811
覆水は微塵とならむ露の夜に 中原道夫 銀化 199811
カーナビにて着きし立待岬露時雨 渡辺美知子 199811
鑿痕に歳月の翳露の句碑 水原春郎 馬醉木 199812
暁光の露びつしりと女神像 小澤克己 遠嶺 199812
露の脛さすりしびれを京へ遣る 丸山海道 京鹿子 199812
四女も老女ちりては寄れる芋の露 坂本敏子 京鹿子 199812
目を射しは露の光でありしかな 前田まこと 円虹 199901
日射しきて露の一樹の裏おもて 横田元子 199901
大橋を渡れば露の金むぐら 奥田節子 火星 199902
一粒も百千万も露のこと 藤崎久を ホトトギス 199903
白露も一天も瑕なかりけり 粟津松彩子 ホトトギス 199903
露踏んでしばらく露の墓にをり 高橋さえ子 199904
青銅の群肝白露賑わえり 金子兜太 海程 199905
平べつたき石畳先づ露を消す 丸山海道 京鹿子 199906
反芻の胃のみはたらき露の牧 丸山海道 京鹿子 199907
露ふくむ紫陽花古き婦のごと 久保田一豊 いろり 199908
露に濡れ夜明を待たぬ旅立に 稲畑汀子 ホトトギス 199909
草の露風の去来の光りけり 稲畑汀子 ホトトギス 199909
露の世のわがためにある念珠かな 西川織子 馬醉木 199909
露結ぶかすかな音に夜の山廬 稲畑汀子 ホトトギス 199909
露に濡れ来し旅の靴そのままに 稲畑汀子 ホトトギス 199909
露結ぶ音か夜風の中に聞く 稲畑汀子 ホトトギス 199909
露の世の逆縁悼み祈るのみ 稲畑汀子 ホトトギス 199909
露に濡れ三瓶の朝のはじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 199909
草原の表情かへて露乾く 稲畑汀子 ホトトギス 199909
露に濡れ山肌吐息こぼしけり 稲畑汀子 ホトトギス 199909
露まろぶ蓮に朝の光かな 柳沢杏 酸漿 199909
露桔梗紫好きは何時よりぞ 中森百合子 199909
桔梗を露毎剪りて御佛に 中森百合子 199909
らしからぬ物落ちてゐる露の陵 丸山佳子 京鹿子 199909
鶸や鶲やまだ朝露は乾かない 田口満代子 海程 199909
芋の葉の露の崩るる儚さよ 保坂加津夫 いろり 199909
甘露忌やワイン麦酒の世となりて 庄中健吉 199910
なほ露の綺羅置く吉備の野路を行く 稲畑汀子 ホトトギス 199910
きらめきは露の消えゆくときのもの 稲畑汀子 ホトトギス 199910
残る露きらめき消ゆる遥かな 稲畑汀子 ホトトギス 199910
露結ぶ音に夜風の渡りけり 稲畑汀子 ホトトギス 199910
送り出て夜露に濡れて戻りけり 稲畑汀子 ホトトギス 199910
草原の起伏に露の起伏置く 稲畑汀子 ホトトギス 199910
露の綺羅こぼして草の靡きけり 稲畑汀子 ホトトギス 199910
吹き返す風の一閃露葎 稲畑汀子 ホトトギス 199910
大小の露のきらめき風渡る 稲畑汀子 ホトトギス 199910
風音の露もこぼさず鎮りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199910
露結ぶかそけき音に夜の盧 稲畑汀子 ホトトギス 199910
露に揺れ来し靴拭いて又旅に 稲畑汀子 ホトトギス 199910
祈りにも似て露の供華さし添へし 稲畑汀子 ホトトギス 199910
露の袖触れ合うて船出港す 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
地震の痕留めぬ露の神戸港 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
露踏んで来し横川路は遠くとも 稲畑廣太郎 ホトトギス 199910
学寮の一燈ともる夜露かな 福間慶子 俳句通信 199910
露しとど野に遺されし野菊の碑 森脇恵香 俳句通信 199910
高原列車の露の枕木千に万に 丸山海道 海道全句集 199910
こちら向かぬ横顔ひとつ露の庵 丸山海道 海道全句集 199910
倒れたる露の木を越え有為の山 丸山海道 海道全句集 199910
尻馬にをんなを乗せて露の山 丸山海道 海道全句集 199910
露光る山の深さに踏み込みぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199911
折りとりし草一筋に宿る露 増田富子 馬醉木 199911
芋の露はや猪いでし畑と言ふ 阿部ひろし 酸漿 199911
ささやかなもの食べ露の誕生日 松島不二夫 199911
開拓史伝ふる露の大地かな 山田弘子 円虹 199911
殉教を悼み夕べの露を踏む 山田弘子 円虹 199911
朝露を分けて真向ふ白馬鑓 林裕子 風土 199911
畑土に露置く処暑の日なりけり 奥田節子 火星 199911
山畑に日照雨が残す芋の露 済藤深生枝 199911
露の道踊りに酔ひてゐたりけり 林田加杜子 いろり 199911
朝露に金銀泉の捨湯かな 山田六甲 六花 199911
露はしる樟の添木のぎいと鳴り 千田百里 巴里発 199911
遅き寢や草はゆたかに露育て 岡本眸 199911
八十路過ぎ露の齢ぞありのまま 能村登四郎 芒種 199911
切れ字とは露一粒の厚みとも 能村登四郎 芒種 199911
片下りなるシーソーの露まみれ 能村登四郎 芒種 199911
露の夜のこよなき弟子を見送りし 能村登四郎 芒種 199911
露宿す顔出来上る吸入器 稲畑汀子 ホトトギス 199912
芋の葉にぶつかつて露あびにけり 小山森生 199912
露の畦歩みて杖を濡らしけり 白鳥婦じゑ 酸漿 199912
白露や生れてこけしに呱々のこゑ 神蔵器 風土 199912
露滂沱この野の涯に噴火口 松永唯道 円虹 199912
仰ぐ星夜露の粒の大きさに 宮津昭彦 199912
露結ぶ木星近く見ゆる夜に 宮津昭彦 199912
露に座す一度盗まれたる仏 村越化石 199912
確と露降りてそれより相寄らず 中原道夫 銀化 199912
終焉はつぶさに書かむ芋の露 中原道夫 銀化 199912
太りては芋の露とも呼べぬなり 梅田津 銀化 199912
朝露に機嫌の悪しき稲刈機 乾フジ子 俳句通信 199912
明日は露深しと海へ呟きぬ 岡本眸 199912
雨となく露となく踏み独りかな 松岡隆子 199912
戦争を知らぬ世代や露の我 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
露の玉弾きし指に移りたる 稲畑廣太郎 廣太郎句集 199912
抱きしめて道元の首露こぼす 森ひさ子 船団 199912
露 →2      

 

2021年9月4日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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2021年9月4日