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白露に薄薔薇色の土竜の掌    川端茅舎

  露寒  露霜.水霜  露けし つゆけし  涼し  露涼し  夏の露

作品
作者
掲載誌
掲載年月
露しとど夜明鴉は市の屋根 喜多初枝 雨月 200410
白露や葦ぎつしりの倒れざま 岡本眸 200410
墾みちや夕露はやき藤袴 滝春一 ぐろっけ 200410
朝露に灯す白山本地堂 井村和子 万象 200411
朝の露またぎの里の野菊濃し 岡村葉子 栴檀 200411
朝露にさぬれ青花摘む近江 味村志津子 雨月 200411
石仏のあたり露濃き嵯峨野なる 豊田都峰 京鹿子 200411
芋の露力つくして百歩行く 神蔵器 風土 200411
朝露や草踏んで季の微かなる 岡本眸 200411
草踏んですでに香のなき露しぐれ 岡本眸 200411
大人には大人の泣き癖露時雨 尾堂Y 河鹿 200412
呼吸困難秋硯露と消えゆくか 泉田秋硯 200412
露の墓野砲山砲輜重隊 山陰石楠 200412
くるぶしに小草の生気露光る 岡田和子 馬醉木 200412
露の玉こぼさじと葉のゆるき揺れ 栗原公子 200412
露むすぶ音か火星の水の音 内山照久 200412
白露のきらり水上勉逝く 吉田邦幸 遠嶺 200412
廬山寺へ抜けみちのあり萩の露 橋添やよひ 風土 200412
白露の微塵も曇りなかりけり 西村しげ子 雨月 200412
露の身や失ひて知る夫の愛 佐野布娑 雨月 200412
草の露踏み沢音に近くゐる 久保知音 対岸 200412
苔美しき石に仏に露の玉 伊藤以玖子 対岸 200412
ころがりて一つに膨る芋の露 谿昭哉 200412
露深し雲水草鞋濡らし過ぐ 鶴田武子 春耕 200412
露万朶光る千丈ヶ原ゆく 岩木茂 風土 200501
蔓引いて零余子も露も零すなり 岩木茂 風土 200501
露の露さそひ草より落ちにけり 木村みかん 200501
鼻祖の地の山野を映し芋の露 鈴掛穂 200501
露を置くトラック発てり丑の刻 代田幸子 200501
実ざくろの裂け目に凝りし露の玉 大坪景章 万象 200501
身を浄め浄めて生くる露の萩 宮澤さくら 遠嶺 200501
露踏んで火の島仰ぐ家郷たり 山元海郎 河鹿 200501
茅葺きの根太のふとさや露深し 有島夛美 河鹿 200501
朝露の光るパセリを摘みにけり 坂口美代子 河鹿 200501
流鏑馬の的の射抜かれ露の散る 久保東海司 200501
一山を寺となしたる露しぐれ 久保東海司 200501
牧牛の鈴音ひびく露の朝 横井明子 200501
露踏んで片手で搾る山羊の乳 市川十二代 ぐろっけ 200501
露しとど十九名の官軍墓地 松崎鉄之介 200501
一泊といへど旅なり露の比 宮津昭彦 200501
遺影なき別れでありし露葎 荻野嘉代子 春燈 200501
露の寺苔灯籠の長き列 恒川絢子 対岸 200501
露降りる気配山から夜が来る 柳生千枝子 火星 200501
公園に九つの門露葎 後藤茂 百鳥 200501
露の世の家移り幾度重ねたる 竹内喜代子 雨月 200501
能舞台巫女がモツプで露拭ふ 木藤ヒデ子 築港 200501
大露の海辺の旅となりにけり 高橋さえ子 200501
蝋燭の火も消えがちに露の墓 高畠陽子 河鹿 200502
仏徒とし生きる授戒や露の秋 辻是心 ホトトギス 200502
露の身を更に生きむと戒衣 辻是心 ホトトギス 200502
張替へし蜘蛛の巣露のあらたなり 里中章子 200502
芋の露ころりと転居また転居 竹内喜代子 雨月 200502
母の大事露の夜径をひた走る 丸尾和子 雨月 200502
露抱くエルムの杜の風倒樹 佐々木幸 200502
草千里露の千里となりにけり 佐藤京子 百鳥 200502
露の世のインターネットカフェにをり 中里とも子 百鳥 200502
露の玉弾けるまでと動かぬ子 冨永道子 百鳥 200502
かたくなに生きて墓守る露の寺 渡邉友七 あを 200503
露の世をここに見下ろし摩天楼 今橋眞理子 ホトトギス 200503
冷やかに齢を暴露初鏡 泉田秋硯 200504
鑑真のまなこ空也の口や露 高橋将夫 星の渦 200507
人の死を露の言葉に置きかへる 八田木枯 晩紅 200508
芋の露ヘリコプターが過ぎてゆく 山田六甲 六花 200508
露の玉水惑星の一隅に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
露の世に新しきビル又生れ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
露置きて釧路の夜明はじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 200509
露しとど釧路湿原望む丘 稲畑汀子 ホトトギス 200509
つぎつぎに露の唐黍うち倒す 瀧春一 菜園 200509
露の土掻き均らし何を播く父ぞ 瀧春一 菜園 200509
露の畑手洟かむ父を愛しめり 瀧春一 菜園 200509
露の花圃赤子のガラガラよくひびき 瀧春一 菜園 200509
芋の葉の夜露瀬音もゆるびたり 瀧春一 菜園 200509
むさし野の露の黒土菊咲けり 瀧春一 菜園 200509
虚子塔の露踏みし靴又旅に 稲畑汀子 ホトトギス 200510
朝夕の露踏んでゆく余生かな 高橋将夫 200510
庭下駄の重きあゆみや露の萩 永井荷風 ぐろっけ 200510
芋の露千里の道の一歩踏む 神蔵器 風土 200510
若き声ばかりが過ぎて露の句碑 遠藤真砂明 波太渡し 200510
朝露に古色よろしき塔立てり 能村研三 200510
茄子の馬捨てられ草の露を飲み 林翔 200510
地震の地の露の消息携へて 稲畑汀子 ホトトギス 200511
笹の露金剛界の光かな 犬塚芳子 200511
芋の露こぼさず風の渡りけり 石井たを子 200511
月山の頂上晴るる芋の露 杉浦典子 火星 200511
訃報来て万朶に朝の露走る 小澤克己 遠嶺 200511
露宿す草々に空賢治の忌 大畑善昭 200511
芋の露ぽろりと大地ひきしむる 栃内和江 200511
露の山土地人と旅人と立つ 大串章 百鳥 200511
白露を吸ひゐる翅のふるへかな 高橋とも子 百鳥 200511
道しるべどこを指しても露ばかり 豊田都峰 京鹿子 200511
死ぬる日もここよりとせむ露しるべ 豊田都峰 京鹿子 200511
露わきてたちまち貌を失へり 豊田都峰 京鹿子 200511
火の國の曠野へ残す露しぐれ 鈴鹿仁 京鹿子 200511
ふと触れし草が指切る露の野路 木内美保子 六花 200511
露しかと踏む赤き脚こふのとり 熊岡俊子 雨月 200511
露の径巡礼の鈴鳴らし来る 北嶋薫 築港 200511
蜘蛛の巣に露の化粧や朝日射し 杉江みつる 四葩 200512
火の国の露琳琅と武蔵塚 瀬戸石葉 200512
露の世の朝のラッシュの扉開く 諸岡和子 200512
露→ 7      

 

2021年10月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

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2021年10月9日