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散歩にも一途の思ひ露踏めり    滝春一    ゆずり葉

  露寒  露霜.水霜  露けし つゆけし  涼し  露涼し  夏の露

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
忌日とは露の縁でありにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200210  
横川路の露ふみて来し靴を脱ぐ 稲畑汀子 ホトトギス 200210  
願ひごと一願にして露の磴 白鳥義岳 帆船 200210  
安曇野や露に濡れ添ふ道祖神 大堀鶴侶 雨月 200210  
牧羊のしづかに移る朝の露 山田弘子 円虹 200210  
園児駆け千草万顆の露ふるふ 長谷川史郊 馬醉木 200211  
馬の背の朝露素手で払ひけり 近藤暁代 馬醉木 200211  
傾ぎゐる露のしるべより嵯峨野 豊田都峰 京鹿子 200211  
萩の露ひとひら毎にある神意 鈴鹿仁 京鹿子 200211  
硯に受く大きな露を選びけり 片山智恵子 百鳥 200211  
身を揺りて芋の葉は露散らすなり 佐藤よしい 風土 200211  
朝露や腹蔵のなき貝ひとつ 山田六甲 六花 200211  
匂玉たまのごと睡魔は露に擁かせて 水内慶太 銀化 200211  
露の言葉企画遅きに過ぎにしと 大橋敦子 雨月 200211  
夜念仏露の山々八重なせる 室伏みどり 雨月 200211  
露の身のひたすら拝す秘仏かな 尾崎恭子 雨月 200211  
島の灯のうるうる揺れて露の秋 中野たけみ 雨月 200211  
露踏んで巴塚から葵塚 深川知子 雲の峰 200211  
谿深く水地師の里や露しぐれ 立脇操 雲の峰 200211  
露の世の露に濡れたる墓参 内藤順子 酸漿 200211  
新しき露あたらしき朝かな 丸山敏幸 200211  
海原に日昇る露のねこじやらし 小野恵美子 馬醉木 200212  
露一夜明け一塊の石座る 村越化石 200212  
露の村遠きもの呼ぶ一本杉 中澤文次郎 200212  
白露や七日七日を数へをり 神蔵器 風土 200212  
空缶のころがつてゆく露のバス 外川玲子 風土 200212  
白露を画中の龍に点睛す 小澤克己 遠嶺 200212  
露の世や芭蕉生家の夢想窓 川端実 遠嶺 200212  
朝日いま露の真中にはじけたり 川端実 遠嶺 200212  
大いなる露の落ちたる光かな 山田弘子 円虹 200212
露滂沱久住高原傾ぎをり 松永唯道 円虹 200212  
分け入りぬ大観峰の露こぼし 松永唯道 円虹 200212  
阿蘇山河露一つぶを草に生む 松永唯道 円虹 200212  
みな尻をむけゐる羊露まみれ 杉浦典子 火星 200212  
奥美濃の鴉鳴きたり芋の露 浜口高子 火星 200212  
竹藪に露の木橋のかかりゐる 田中正子 百鳥 200212  
朝露のポールに結ぶ万国旗 青池亘 百鳥 200212  
露の樹海からみ合ふ根の苦悶相 田所節子 200212  
齋宮の世の遥けくて露の野路 大橋敦子 雨月 200212  
露の身の咽喉ごくりと真名井汲む 大橋敦子 雨月 200212  
乳型の大きがかなし露の寺 内山芳子 雨月 200212  
露凝りてその花のいろ草のいろ 岡淑子 雨月 200212  
朝の露かまきり鎌をしまい込む 吉弘恭子 あを 200212  
躊躇はず田の川を跳ぶ露万朶 守屋井蛙 酸漿 200212  
蓮老いて大いなる露こぼしけり 高橋さえ子 200212  
露の山鐘楼に鐘なかりけり 比田誠子 百鳥 200212  
消えてゆく露幽明の刻きざむ 滝青佳 ホトトギス 200301  
露しとど友慰むる術を無み 宮崎正 ホトトギス 200301  
雪加ゐて露をしとどに朱雀門 瀬戸悠 風土 200301  
千代尼塚名残の萩の露こぼし 堀田清江 雨月 200301  
魑魅らの寝息に震ふ露の玉 朱間繭生 銀化 200301  
天地の露のこゑあり身の中に 川戸田悠 銀化 200301  
危ふさの際をあそびの芋の露 羽根嘉津 200301  
供花剪りて仏間に露をこぼしけり 小松誠一 200301  
碾臼もまた庭の石露の石 武司琴子 ぐろっけ 200301  
退院やふらつく足に芝の露 小田知人 ぐろっけ 200301  
熟れトマトさながら露の日の出かな 安達実生子 200302  
露の世に死後百年の子規書簡 友田直文 200302  
かほどにも身の衰へや芋の露 加藤君子 火星 200302  
これやこの天台の露なりしかな 粟津松彩子 ホトトギス 200302  
果樹園に色なかりけり露しとど 宇田喜美栄 200302  
一燭に露の慈母の眼伎芸天 樋口英子 200302  
草の露素足で踏みて恙なし 加藤暢一 200302  
夢を見て露と消えにし天下人 林日圓 京鹿子 200302  
漆柱守るビニール露じめり 山田をがたま 京鹿子 200302  
流れ橋見よとや露の径分け 内山芳子 雨月 200302  
芋の葉の露をころがすひとりつ子 小川朋久 百鳥 200302  
翁忌の露ふりこぼす朝の鳥 高橋とも子 百鳥 200302  
夜明けゆく湿原の音露しぐれ 河野美奇 ホトトギス 200302  
露踏んで明日又訪はん虚子山廬 田中由子 ホトトギス 200302  
虚子塔へ露の箒を借り申す 千原叡子 ホトトギス 200302  
高原の夜露に濡れて月落つる 稲岡長 ホトトギス 200303  
重く生き露と果てんと思ふかな 滝青佳 ホトトギス 200303  
本名より俳号親し露仏 西村しげ子 雨月 200303  
暁光や露ずつしりと兜屋根 岡田透子 百鳥 200303  
昼も尚松濤園の露しとど 中村田人 ホトトギス 200305  
露の身のすこし弱気となりて病む 木村享史 ホトトギス 200306  
芋の露こぼれ朝の動きだす 田中聡子 遠嶺 200306  
医学部につづく歯学部露深し 稲畑汀子 ホトトギス 200308  
活け終へてこぼれし露に手を濡らす 稲畑汀子 ホトトギス 200308  
露ほろと零れし木々の騒立ちぬ 稲畑汀子 ホトトギス 200308
竹伐つて七夕の露浴びにけり 山岸治子 馬醉木 200309  
朝露の芝生に富士を近づけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200309  
相寄りて露の柏翠虚子の句碑 稲畑廣太郎 ホトトギス 200309  
ロープウエイ動きはじめし朝の露 稲畑汀子 ホトトギス 200309  
よべ月の零せし露を踏みて訪ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200309  
渡りたる風の篁露しぐれ 稲畑汀子 ホトトギス 200310  
三瓶野に消えたる露の惜まるる 稲畑汀子 ホトトギス 200310
虚子墓前露も手向けの心とて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310  
虚子塔に集ふ一門露の縁 稲畑廣太郎 ホトトギス 200310  
うるつぷ草三国境の露早き 清水和子 酸漿 200310  
芋の露ふるへてわれをとぢ込めり 岡田千代子 200310  
有明の月こぼしゆく露雫 河野美奇 円虹 200310  
朝露に神代の気配大賀蓮 金山藤之助 200311  
芋の露こぼして畦をたどり行く 原みさえ 200311  
露虫とあやまりにゆくすすき道 市場基巳 200311  
朝露は水になりたり掌 秋岡朝子 200311  
朝露や大水青蛾おおみずあおは舞ひ立てず 渡辺立男 馬醉木 200311  
朝露のザイルのきしみ巌撃づる 小森泰子 馬醉木 200311  
露の世にみごもりし娘の父がわれ 遠藤真砂明 200311 露 →5

 

2020年9月23日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


 

2020年9月23日