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一聯の露りんりんと糸芒   川端茅舎   川端茅舎句集

  露寒  露霜.水霜  露けし つゆけし  涼し  露涼し  夏の露

作品
作者
掲載誌
掲載年月
ふぐりに手載せて寝につく露の音 能村登四郎 200108
露なめて白猫いよよ白くなる 能村登四郎 200108
おのづからみづから照りぬ露の山 岡井省二 200108
露乾き蜘蛛の囲張るを開始せり 細井隆子 200108
露の袖分ちて去りし人二人 稲畑廣太郎 ホトトギス 200109
露ふみてそこは抜け道記念館 稲畑汀子 ホトトギス 200109
露の世のおろそかならぬ二十年 稲畑汀子 ホトトギス 200109
黙示録継ぎ足してある露の椅子 宇都宮滴水 京鹿子 200109
エレベーター使へぬ露の階踏みて 稲畑汀子 ホトトギス 200110
列車待つ宿り始めし草の露 石本百合子 馬醉木 200110
夕露を園に競へり蓮の実 増田八重 酸漿 200110
露とほき鈴音なるべし茅舎の日 栗栖恵通子 200110
露の世を生きては露にまみれけり 吉田汀史 200110
英霊も忠魂もただ露の石 山田弘子 円虹 200110
朝露を踏んで皇后陵拝す 福井鳳水 円虹 200110
露結ぶ音の降り積む后塚 長山あや 円虹 200110
闇を追ふ闇の木霊や露深し 長山あや 円虹 200110
芋の葉の小さきは小さき露を持つ 高垣和惠 雨月 200110
刈りとりしあした葉の露手にかをり 河合笑子 あを 200110
露滂沱たる中に音あるいのちかな 能村登四郎 羽化 200110
瞑るといふやすらぎや露しとど 能村登四郎 羽化 200110
老といふは病めるに似たり露の芝 能村登四郎 羽化 200110
笹の葉のこぼれる前の露ふとり 能村登四郎 羽化 200110
幾千の露を散らして日の出づる 能村登四郎 羽化 200110
時かけて露の重さの雫せり 能村登四郎 羽化 200110
ひるがへる時露とばす葛の花 能村登四郎 羽化 200110
厠戸に露じめりあり旅幾日 能村登四郎 羽化 200110
葛の花溺れむばかり露ふかく 能村登四郎 羽化 200110
秋草を束ねて露の重さ知る 能村登四郎 羽化 200110
玉の露笛吹川に落ちにけり 高橋とも子 百鳥 200111
蘂に付く露鳴りわたる彼岸花 中原道夫 銀化 200111
後朝の露を放さぬ八重葎 波多洋子 銀化 200111
露しぐれ夫亡き朝の明けてゆく 山田弘子 円虹 200111
自らに言ひ聞かすごと露を踏む 山田弘子 円虹 200111
麻酔さめ露のいのちの茫々と 中島真沙 円虹 200111
かすがひとなれざりし子や芋の露 吉田汀史 200112
逢へざれば露の言魂しとど溜め 渕上千津 200112
一祠荒れ露まさをなる崖が反る 渡邊牢晴 雨月 200112
いつしかに這ひ寄る齢露の秋 大西正栄 雨月 200112
身も心もしまる思ひの露の朝 細川コマヱ 雨月 200112
野球姿の子規の遺影も露の秋 阪上多恵子 雨月 200112
ちちははに供華の槙賜ぶ露万朶 南光翠峰 馬醉木 200112
露を踏む生き過ぎてなほ生きむとし 泉田秋硯 200112
白露やあの世へ持つて行けぬ本 丁野弘 200112
一山の露うごめける獣みち 岩田沙悟浄 円虹 200112
峙てる古塔のそびら露の山 岩田沙悟浄 円虹 200112
散策の露まみれなる旅心 白石峰子 円虹 200112
耳聾といふ字に執し露の秋 武井美代子 風土 200112
自爆テロ露の命となりしかな 柴田美佐子 いろり 200112
韋駄天の雲の果なむ露残す 鈴鹿仁 京鹿子 200112
風ん子は遊びの友よ蓮の露 塩貝朱千 京鹿子 200112
早起きのたのしき少女芋の露 梅原悠紀子 百鳥 200112
皆勤の飼育当番芋の露 関薫子 百鳥 200112
芋の露求心力に遊びをり 田所節子 200112
朝露の消えぬうちにと落葉掃く 永田あき 酸漿 200112
芋の露一つ二つところがりぬ 久保木千代子 春耕 200112
一粒の琥珀の露や苔の石 関口ゆき あを 200112
躙口露にひらかれありにけり 粟津松彩子 ホトトギス 200201
胸中を吐露してからの月に暈 林日圓 京鹿子 200201
情死行の思ひころころ芋の露 田渕昌子 京鹿子 200201
白露の生まるるほどの目覚めかな 掛井広通 200201
花野暮れ露領の海は縹いろ 岡田貞峰 馬醉木 200201
お茶室の閉ざしてありぬ露しとど 小菅高雪 春耕 200201
朝の日に露の残れり大根畑 久保田ヤスエ 酸漿 200201
草原の真昼の露に濡れにけり 小西石蕗 円虹 200201
ころがして野良猫舐むる草の露 牧野睦子 200201
ころころと鳴いてゐさうな露の玉 山野みどり 銀化 200201
あけぼのの林檎にあかき露ひとつ 小山内巌 百鳥 200201
紙面這ふ「テロ」の黒文字露の朝 徳永真弓 百鳥 200201
草庵のかんぬきに露星高し 小宮山勇 遠嶺 200201
細き葉の白露結びまどひけり 若生まりあ 遠嶺 200201
芋の葉の露もて遊びては落し 安西可絵 200201
まだ朝の露なす駅に降りたちし 岡田順子 ホトトギス 200202
寿福寺の露の階踏みしめて 山田閏子 ホトトギス 200202
あえかなる病窓手擦りに露の並む 荻野千枝 京鹿子 200202
飛火野の露に驚く真暗がり 山田弘子 円虹 200202
露の石積んで静かな祈りの時 岩岡中正 円虹 200202
短冊に書きしねがひの露灯 谷村幸子 200202
露すべて月を宿してをりにけり 木暮陶句郎 円虹 200202
遠き灯を誘ひゐたる夜の露 二瓶洋子 六花 200202
極まりし齢に庭の露しげく 滝青佳 ホトトギス 200203
朝茜燃えつつ玻璃の露しとど 落合伊津夫 馬醉木 200203
暾を迎ふ露滂沱たるねこじやらし 落合伊津夫 馬醉木 200203
曲水の遺構といひて露葎 田中としを 雨月 200203
夢追つて追つてこの世の露と消ゆ 松田都青 京鹿子 200204
石仏の目より零るる露しぐれ 齋藤幸子 酸漿 200204
靴少し濡らして歩く露の径 伊藤康子 ぐろっけ 200204
石畳七千余枚露の寺 宮原みさを 花月亭 200208
よべ星の降らせし露を踏みて訪ふ 稲畑汀子 ホトトギス 200209
遅れたる着陸となる露の秋 稲畑汀子 ホトトギス 200209
露光る山路抜け道ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200209
ただ黙しゐて露に濡れ日に濡れて 稲畑汀子 ホトトギス 200209
露はれてゆく峠路の濡れてをり 稲畑汀子 ホトトギス 200209
露ふふむ草原に朝はじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 200209
星の露夜干の梅に降りにけり 藤原たかを 馬醉木 200209
芋の露こぼして泥の手を洗ふ 杉良介 200209
露の世に酒酌みかはす敵手ゐて 小澤克己 遠嶺 200209
生きのびて妊娠土偶露八方 堀内一郎 あを 200209
下草の露にも濡れる散歩道 小田知人 ぐろっけ 200209

 西の虚子忌

露の世やこの道だけは正さねば

稲畑廣太郎 ホトトギス 200210
露 →4      

 

2021年9月17日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。


 

2021年9月17日