2023年5月10日 td>

つばめ 3       168句

はしり帆の帆綱かいくゞるつばめ哉   白雄

つばくらめ  つばめ 燕の子

燕帰る  帰燕  秋燕  夏燕

作品
作者
掲載誌
掲載年月
初つばめ明日訪ふ町の地図開く 柴田久子 風土 201006
初つばめ芥が岸を離れけり 戸栗末廣 火星 201006
街道の子つばめ仰ぐ旅の人 福本スミ子 201007
立てひざの子規の文机つばめくる 和田照海 京鹿子 201007
子つばめの軒の騒めく歯科医院 東芳子 酸漿 201007
参道を飛ぶまつしぐら初つばめ 柳田和子 酸漿 201008
巣つばめに餌のゆたかな御食つ国 戸田春月 火星 201009
夕つばめ庄内平野裂きてゆく 江本路代 酸漿 201009
巣つばめや十二神将怒髪なる 山田六甲 六花 201105
初つばめ皇居の風に乗りにけり 天谷翔子 火星 201106
むらぢゆうの田畑は瓦礫朝つばめ 鴨下昭 201106
被災地に棲み家を探すつばめかな 松嶋一洋 201106
地震跡の瓦礫の街やつばめ来る 田中貞雄 ろんど 201106
つばめ来る農学校に深き井戸 織田高暢 201107
さっと来て急ぎ飛び発つ軒つばめ 三川美代子 201108
両国のざんばら髪やつばめの子 山田正子 201108
四肢伸ばす体育館につばめ舞ふ 永塚尚代 ぐろっけ 201108
炊飯やつばめ反転身ほとりに 久保東海司 201108
城跡の中の学舎つばめの子 雨宮桂子 風土 201110
つばめ来て湖の際より畝起す 田中貞雄 ろんど 201205
海越えて光まみれのつばめ来る 河口仁志 201205
初つばめスカイツリーのけふも伸び 佐藤喜孝 あを 201205
つばめ来る城下に雨のありながら 高村令子 風土 201207
國原に虫湧きやまじ初つばめ 深澤鱶 火星 201207
矢通りのやうな裏道つばめ来る 菅谷たけし 201207
つばめくる新しき町筋をひきに 豊田都峰 京鹿子 201207
けぶらへる東京湾や初つばめ 岡田史女 末黒野 201207
綾取りの川かすめ舞ふ夕つばめ 久保東海司 201208
つばめの巣ふたつ新車の展示場 戸田澄子 末黒野 201208
吉報の風運び込み初つばめ 稲垣佳子 末黒野 201208
関宿の本陣跡につばめの子 長谷川鮎 ぐろっけ 201208
錠前を取り替へし蔵つばめ来る 村田とくみ ぐろっけ 201208
巣に顎ののれり俯瞰のつばめ子ら 工藤ミネ子 風土 201209
ひるがへり羽村の堰の初つばめ 北崎展江 くりから 201209
夕つばめ子等は塾へと急ぎ足 荒木稔 ぐろっけ 201209
子つばめに任せ駐在巡回中 佐藤満智子 ろんど 201209
金環日食子つばめは口開けて 戸栗末廣 201210
つばめの巣鑑真になき私生活 岸千手 201210
電線に子つばめの群れ巣を閉づる 東秋茄子 京鹿子 201210
電線に一番乗りのつばめかな 山田六甲 六花 201304
初つばめ海より明くる島暮し 藤見佳楠子 201305
大正の鹽の看板初つばめ 内海良太 万象 201305
海老蔵の歌舞伎看板つばめ来る 伊東和子 201307
句を添へし転居通知や初つばめ 持田信子 春燈 201307
巣つばめとひとの軒借る通り雨 柴田志津子 201311
凪暁けの港稲荷やつばめ来る 柴田近江 201402
初つばめ足湯にひかる聖き脛 布川直幸 201404
光るもの咥へて戻る親つばめ 田所節子 201405
昼酒の貌見て反す雨つばめ 山尾玉藻 火星 201406
つばめ来て賀茂の餅屋の太柱 益本三知子 馬醉木 201406
初つばめ今朝の珈琲よく香り 錫木妙子 馬醉木 201406
初つばめデフレ離れの街を飛び 竹内悦子 201406
軒淺し湖族の住み処つばめ反る 鈴鹿仁 京鹿子 201406
稚児練りの先達となる初つばめ 奥山テル子 万象 201407
巣つばめの南溟の夢其をみたし 佐藤喜孝 あを 201407
初つばめ見上げ冠かしぐ稚児 奥山テル子 万象 201407
時の鐘掠め小江戸の初つばめ 斉木永久 馬醉木 201407
法起寺の塔立てる野や初つばめ 奥村直女 馬醉木 201407
初つばめ給食室に人の影 大山文子 火星 201407
鮒寿司屋のこる堅田や軒つばめ 奥村直女 馬醉木 201407
浮廻廊潮満ち来る初つばめ 大上充子 馬醉木 201407
城濠の水をかすめて初つばめ 手島伸子 雨月 201407
タンカーの喫水浅し初つばめ 忽那みさ子 やぶれ傘 201407
初つばめ柳の舖道まつ直ぐに 塩川君子 末黒野 201408
牛糞にあつまる村の初つばめ 福島せいぎ 万象 201409
雨つばめ朝刊一束波止に着く 野上杳 201409
曾祖父の頃の礎石やつばめの巣 小嶋恵美 春燈 201410
子つばめは顔いつぱいに口開けて 神田惣介 京鹿子 201411
親つばめ己は食はず又狩ヘ 神田惣介 京鹿子 201411
夕刊のあとの軒先つばめの子 戸栗末廣 201412
独楽ひさぐ店先掠め初つばめ 小川玉泉 末黒野 201505
下町の目抜通りを初つばめ 上谷昌憲 201505
満ち汐の川上り来て夕つばめ 藤岡紫水 京鹿子 201505
刃もの屋の表で会ひし初つばめ 栗山よし子 馬醉木 201506
明け渡る山上湖より初つばめ 近藤暁代 馬醉木 201507
天平の甍に並ぶ初つばめ 雲所誠子 風土 201507
一升餅背負ひて一歩つばめ来る 今井春生 201508
ティファニーの軒を窺ひ初つばめ 正谷民夫 末黒野 201508
筋といふ並木にそへばつばめ反る 豊田都峰 京鹿子 201508
油売りまぼろしの途つばめ反る 鈴鹿仁 京鹿子 201508
立ちつくす片足鳥居つばめ来る 立石勢津子 馬醉木 201509
履物屋頭上注意とつばめの子 あさなが捷 201603
つばめ来る村の真中を川流れ 吉永すみれ 風土 201605
舫ひ解く十石舟や初つばめ 懸林喜代次 春燈 201605
閉校式了へたる校舎つばめ来る 井原美鳥 201606
酒蔵の梁につばめのくるころよ 田中とし江 201606
網元の土間の広さやつばめ来る 柴田志津子 201606
聖堂の大きな扉初つばめ 平野みち代 201606
簷深き越の古町初つばめ 堀田順子 馬醉木 201606
初つばめ芭蕉行脚の道筋に 飛高隆夫 万象 201607
球場につばめ来てゐる雨もよひ 大島英昭 やぶれ傘 201607
花街の柳の風につばめ来る 鈴鹿仁 京鹿子 201607
船宿のひくき廂や初つばめ 和田照海 京鹿子 201607
クロワツサン香る朝の初つばめ 岡山敦子 京鹿子 201608
玄関にわが家のつばめ迎へけり 宮崎洋 春燈 201612
つばめ去りあつけらかんと朝の空 森山暁湖 万象 201612
天領の街いかめしきつばめ反る 鈴鹿仁 京鹿子 201707
真つ青な空の匂ひや初つばめ 木村美翠 201707
雨だれの窪み一列軒つばめ 菊地光子 201707
初つばめ全き胸を恥ぢた日の 田部井幸枝 201707
軒連ね旧街道や初つばめ 懸林喜代次 春燈 201707
初つばめ町にうはさの洋食屋
口といふ口こそ命つばめの子 内山花葉 201708
港には港の匂ひ初つばめ 戸栗末廣 201707
川に添ふ風の近道初つばめ 松尾龍之介 201707
ひるがへり島のつばめとなりにける 田中道江 万象 201708
まだ海の見ゆる高みに初つばめ 藤生不二男 六花 201708
子つばめの仕草を見つつ人を待つ 今井妙子 雨月 201708
暮れなづむ空に一閃夕つばめ 涌羅由美 ホトトギス 201709
胸を打つ親子の情親つばめ 東野鈴子 雨月 201710
この寒さつばめ必ず二窒ナ飛ぶ 大坪景章 万象 201802
つばめ来と草起ちあがり水をどり 南うみを 風土 201806
古池に映れる社つばめ切る 延川五十昭 六花 201807
卵五個抱きゐるつばめ外は雨 秋川泉 あを 201807
初つばめ飛翔植田の出羽郡 沼澤石次 馬醉木 201808
軒そろふ視の町の初つばめ 菊澤さち子 雨月 201808
賑賑と子つばめの鳴く軒の梁 亀卦川菊枝 末黒野 201808
朝の日や巣つばめの喉ふるへあふ えとう樹里 201808
雲白き木偏の電柱つばめ来る 奥田筆子 京鹿子 201809
つばめ反る両替町から銀座町 北村梢 京鹿子 201810
つばめつばめリフォームして暮らす つじあきこ 船団 201811
つばめの巣津山信用金庫かな 山田六甲 六花 201906
もうゐない犬のハーネス初つばめ 笹村ルル 201906
初つばめ山城近江の国割つて 浅田光代 風土 201906
畝作る鍬の強さよ初つばめ 南うみを 風土 201906
つばめ飛ぶ水面やさしくなってきた たかはしすなお 201906
遠くきて清瀬の郷や初つばめ 黒滝志麻子 末黒野 201906
初つばめたまには顔を見せに来よ 辻水音 201907
賑々しく鳴きて一羽の初つばめ 辻田玲子 雨月 201907
つばめの巣みあげてゐたる三人目 きくちきみえ やぶれ傘 201907
路地多き佃界隈つばめの子 菅野日出子 末黒野 201908
つばめの子尾をつき出して糞落とす 山田健太 風土 201908
まだ濡れてゐる空つぽのつばめの巣 山田健太 風土 201909
喪の家の喪の静けさに軒つばめ 佐津のぼる 六花 201909
夕つばめ友を案内の余呉に着く 中原吟子 雨月 201909
湖上にも起伏のありて雨つばめ 片山煕子 京鹿子 201910
パトカー・ツバメ・バスの着く港町 小坂恵美子 船団 201910
つばめつばめ何にもないけどうれしい日 清水れい子 船団 201910
創業は元治元年つばめ反る 井尻妙子 京鹿子 201911
参道の下駄屋の軒につばめの巣 広瀬済 やぶれ傘 201911
子つばめに空の愉しさいかばかり 戸栗末廣 201912
沖見ゆる櫓に一列つばめの巣 戸栗末廣 201912
つばめ来る油長者の鬼瓦 石本百合子 馬醉木 202005
海面に朝の張力つばめ来る 林昭太郎 202006
震災の復旧しかと初つばめ 南部小花 風土 202006
菓子司金時堂につばめ来る 根橋宏次 やぶれ傘 202007
軒つばめ旧街道の乾物屋 山浦紀子 京鹿子 202008
つばめ反転老舗つらなる旧街道 西本花音 春燈 202009
初つばめ前撮りといひ婚衣裳 田岡千草 202010
子つばめの親より大き口を開く 亀田虎童子 202104
初つばめ縁切り寺の縁結び 鈴鹿呂仁 京鹿子 202105
麒麟駆く天守煌々初つばめ 植村蘇星 京鹿子 202106
子つばめの口は黄の花巣にひらく 小林陽子 202107
初つばめ焙烙島をのぞむ浦 升田ヤス子 六花 202108
あの頃のままの駄菓子屋つばめ来る 涌羅由美 ホトトギス 202109
つばめの子波紋たてたるキッスかな 阿部さちよ 202109
散歩する人も無き庭初つばめ 小菅澄重 春燈 202110
親つばめ翼大きく戻りけり 戸栗末廣 202112
しづかなる海の胎動つばめ来る 小林陽子 202204
つばめの巣覗き燕に睨まるる 篠田純子 あを 202207
湯気洩るる洗濯工場つばめ来る 中根美保 風土 202207
ゆふぐれの水面啄むつばめかな 笹村政子 六花 202207
夕つばめ利根の川面を切り返し 小田嶋野笛 末黒野 202208
浦風や丘の駅舎の初つばめ 田中由紀子 末黒野 202208
つばめ反る手も足も出ぬ宿本陣 菊池和子 京鹿子 202210
戻りてはすぐに飛び出す親つばめ 岩下きぬ代 202212
船洗ふ漁夫の口笛朝つばめ 角野良生 202304
つばめ→ 1

 

2023年5月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。