つばくらめ(つばくら) 2      195句

ある晴れた日につばくらめかへりけり   安住敦

つばくらめ  つばめ 燕の子

燕帰る  帰燕  秋燕  夏燕

作品
作者
掲載誌
掲載年月
つばくらめ北半球を淋しめず 稲畑廣太郎 ホトトギス 200603
八百八町一気に巡るつばくらめ 三宅文子 春燈 200605
つばくらめ半切桶の乾きをり 杉浦典子 火星 200606
子に何を残さむ軒のつばくらめ 佐藤よしい 風土 200606
つばくらやふたたび出遭ふ野の流れ 生田作 風土 200606
窯元の陶の看板つばくらめ 荒井千佐代 200606
翻ることにデビューしつばくらめ 蔦三郎 ホトトギス 200607
牛小屋の梁に巣作りつばくらめ 宮原悦子 雨月 200607
電線のハードル抜けてつばくらめ 鈴木憲一 200609
巡見使のやうに青田のつばくらめ 関根洋子 風土 200609
つばくらめ湖すれすれの水しぶき 水野弘 ぐろっけ 200609
つばくらの長生村の寺祝ぐか 古田考鵬 雨月 200609
つばくらや雨の匂ひの絵てがみ来 橋本リエ 春燈 200610
地球儀に旅を廻せりつばくらめ 高瀬史 馬醉木 200706
つばくらやぐんぐん迫まる朝日影 奥村邦子 200706
水の上の駅に待ちをりつばくらめ 杉浦典子 火星 200706
つばくらめ足萎に地が逃げやすき 渡邉友七 あを 200708
人通りなき古町のつばくらめ 浅井青陽子 ホトトギス 200712
椰子の葉の宙を操るつばくらめ 木山杏理 京鹿子 200801
道の駅巣作り忙しつばくらめ 羽賀恭子 200807
南大門市場へ走るつばくらめ 富沢敏子 200807
つばくらめ農衣翼のごと干さる 藤森すみれ 200807
杉枝を吊るすホイリゲつばくらめ 丑久保勲 やぶれ傘 200807
つばくらめ両国橋を宙返る 前川明子 200808
巣作りの赤土運ぶつばくらめ 坊野貴代美 ぐろっけ 200808
つばくらめ飛びかふ空はありたれど 島谷征良 風土 200809
太陽の白きを過るつばくらめ 鎌倉喜久恵 あを 200809
つばくらめ知恵の翼を運び来よ 西宮舞 200810
田をすれすれ川をすれすれつばくらめ 鷹羽狩行 200905
つばくらめ神の小島は潮曇 呉屋菜々 万象 200905
大手門より朝駆けのつばくらめ 遠藤真砂明 200906
シティー派といふも泥好きつばくらめ 井原美鳥 200906
つばくらめ綿雲の端うす湿り 風間史子 200906
陸奥もこけしの里のつばくらめ 八木岡博江 酸漿 200906
比良めがけ礫のごとくつばくらめ 藤本秀機 200907
蒼天に恋のバトルやつばくらめ 隅田享子 200907
三十人の島の学校つばくらめ 鹿島釣人 炎環 200907
北口の空の大きやつばくらめ 藤田良 炎環 200907
つばくらや老ゆるも意地を張れと云ふ 折橋綾子 200907
つばくらめ自在や海運倉庫錆び 相沢有理子 風土 200907
つばくらや病院前の停留所 中谷葉留 風土 200907
我が家ここ声はつらつとつばくらめ 工藤ミネ子 風土 200907
つばくらや学童疎開の蔵の窓 大原絹子 遠嶺 200907
うるはしくつばを飾りぬつばくらめ 伊藤敬子 200907
暁光の妙高岳やつばくらめ 三井公子 酸漿 200907
つばくらめ葡萄の丘に風を生む 四條進 200908
手賀沼の波やや荒しつばくらめ 八田木枯 晩紅 200908
つばくらめ入江にながき夕ベ来ぬ 八田木枯 晩紅 200908
つばくらの二番子村に音のなし 小林輝子 風土 200909
伝法院庭すりぬけてつばくらめ 小俣剛哉 春燈 201005
つばくらめ臼杵石仏目尻上げ 伊藤敬子 201005
つばくらめ出入り自在の大長押 船橋とし 201005
つばくらめ水豊かなる小江戸かな 清水佑実子 201006
つばくらや小口も卸す合羽橋 中村嵐楓子 春燈 201006
大甍直滑降のつばくらめ 坂上香菜 201007
木屋町に抜け路地多しつばくらめ 橋添やよひ 風土 201007
橋くぐるとき脇締むるつばくらめ 上谷昌憲 201007
つばくらや醪呟く仕込み蔵 卜部黎子 春燈 201007
城址より繭倉かけてつばくらめ 小林愛子 万象 201007
つばくらめ同じところの泥採りに 内海良太 万象 201007
つばくらめ一直線が好きでとぶ 嶋田一歩 ホトトギス 201008
干拓の泥を運びてつばくらめ 石田定子 201008
嘴に泥はみ出してつばくらめ 滋野暁 末黒野 201008
滑空に終わりなきかにつばくらめ 瀬口ゆみ子 ぐろっけ 201008
軒低き相馬の街やつばくらめ 田中臥石 末黒野 201009
つばくらめ間口の広き絹問屋 西村雪園 風土 201101
伸びらかな大樹の影やつばくらめ 岡部名保子 馬醉木 201106
ものなべて影なき昼やつばくらめ 乙坂きみ子 末黒野 201106
被災地の人々に来よつばくらめ 松岡水学 ぐろっけ 201106
向かう岸見ゆる渡船やつばくらめ 黒滝志麻子 末黒野 201107
らいてうの自由は青しつばくらめ 吉田政江 201107
一番奥の家の子なりしつばくらめ 浜福惠 風土 201107
放射線急旋回のつばくらめ 野口喜久子 ぐろっけ 201107
大神に祈り届けよつばくらめ 山本とく江 万象 201107
つばくらの巣作り塗師屋軒を貸す 定梶じょう あを 201107
堂塔の空を自在につばくらめ 伊東和子 201108
京都機町なれど音なしつばくらめ 和田絢子 春燈 201108
電線に集ひ会議かつばくらめ 羽賀恭子 201108
二番子をそだてつばくら能登を去る 丸山佳子 京鹿子 201108
つばくらの反転艇庫の壁は白 村上すみ子 201108
競漕の水脈へひらりとつばくらめ 今井妙子 雨月 201108
つばくらや網代の糶場閑散と 菅野日出子 末黒野 201108
ひとしきり騒ぐ子に餌つばくらめ 戸辺信重 春燈 201109
安曇野の水田あかりやつばくらめ コ田千鶴子 花の翼 201111
衣食足り住の土選るつばくらめ 布川直幸 201205
友禅の杭を飛び交ふつばくらめ 松井佐枝子 万象選集 201205
つばくらめ仁王の利足前にせる 佐藤喜孝 あを 201205
すべり汲む柄杓の先をつばくらめ 井村和子 風花 201206
つばくらめ夢をあづけるひとりの士 鈴鹿仁 京鹿子 201206
つばくらめ縦横無尽に空を裂き 涌羅由美 ホトトギス 201207
隠しても出る国訛つばくらめ 高村令子 風土 201207
濁流を一気に越えぬつばくらめ 森清信子 末黒野 201207
つばくらめ市電の先を抜けにけり 大崎紀夫 やぶれ傘 201207
つばくらめ土喰つて虫喰つて水のんで 岩下芳子 201208
つばくらや旅立つ子等に思ひ寄せ 西川春子 春燈 201208
日帰りも旅のうちなりつばくらめ 山内洋光 201208
茶屋街の髪結ひどころつばくらめ 南恵子 万象 201208
軒の巣や到来待たるるつばくらめ 神田惣介 京鹿子 201209
街騒に加はつてゆくつばくらめ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
つばくらの空に溶けゆく迅さかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201303
街騒に加はつてゆくつばくらめ 稲畑廣太郎 ホトトギス2023年5月10日 つばくらと衢の塵を同じうす 鳳蛮華 201304
開拓の残りし一戸つばくらめ 佐山五稜 風土 201305
戸袋を使ひたがりぬつばくらめ 甲州千草 201305
初恋のふたりの間合ひつばくらめ 布川直幸 201305
図星とは刃の如しつばくらめ 来海雅子 201306
一人降り一人乗る駅つばくらめ 高村令子 風土 201310
つばくらめ表通りに出てまぶし 柴田佐知子 201405
橋くぐる遊びを雨のつばくらめ 南うみを 風土 201406
つばくらめ影と一緒に宙返り 荒木澤子 201407
暮れなづむ空は水色つばくらめ 楠原幹子 201407
祭武者の先手を打ちてつばくらめ 丸尾和子 雨月 201407
ひるがへるあそびをおぼえつばくらめ 渡部節郎 201407
夕空のつばくら高く鵜は低く 原田しずえ 万象 201407
つばくらの一閃走る大手門 宮平静子 雨月 201408
つばくらめ去年の軒に帰り来る 吉成美代子 あを 201408
堰下のしぶきの渦やつばくらめ 川鍋絹子 馬醉木 201408
南溟のひかり抱きてつばくらめ 石川寿夫 ろんど 201408
つばくらめコンテナ基地の空広し 井浦美佐子 201410
木造の校舎離れぬつばくらめ 亀井紀子 201410
つばくらめ二日見ぬ間に長旅へ 神田惣介 京鹿子 201411
故郷へ我が無事告げてつばくらめ 王岩 あを 201503
消防署に高き天井つばくらめ 塩田杉郎 風土 201506
つばくらめいろとりどりの野は映えて 長崎桂子 あを 201506
鶴引けば帰ってきたるつばくらめ 高橋将夫 201507
出払つてゐる車両基地つばくらめ 丑久保勲 やぶれ傘 201507
軋み合ふ風の真竹やつばくらめ 黒滝志麻子 末黒野 201507
つばくらめ市電の先を抜けにけり 大崎紀夫 虻の昼 201510
旅衣脱がず巣作りつばくらめ 神田惣介 京鹿子 201510
ひるがへる遠くの景色つばくらめ 稲畑汀子 ホトトギス 201603
田に水を張りて迎ふるつばくらめ 大森道生 春燈 201605
つばくらめ木場の水際を輝かす 山本喜朗 雨月 201607
湖の眩しき朝のつばくらめ 福岡かがり 雨月 201607
一瀑の視野をはみだすつばくらめ 田中臥石 末黒野 201608
口一つの親業なりしつばくらめ 奥田筆子 京鹿子 201608
つばくらめ古巣修理し卵抱く 神田惣介 京鹿子 201610
つばくらめ菊の湯の空欲しいまま 原田しずえ 万象 201610
直線のやうな曲線つばくらめ 小川能雄 ホトトギス 201611
ジャンボ機を追ひ抜いて飛ぶつばくらめ 高橋将夫 201705
ステルスの低空飛行つばくらめ 高橋将夫 201705
湖風を自在に返しつばくらめ 藤森すみれ 201706
街空を風切(かざぎり)返すつばくらめ 田中臥石 末黒野 201707
特急にぶつかりさうなつばくらめ 吉村幸子 雨月 201707
追つてゐる方はどちらのつばくらめ 高橋将夫 201707
大揺れの森を巣立ちのつばくらめ 大坪景章 万象 201707
夕さりの堰音高しつばくらめ 増田幸子 万象 201707
つばくらに浅き軒貸す美容院 小田嶋野笛 末黒野 201708
留守勝ちの交番守るやつばくらめ 小倉純 末黒野 201708
つばくらめ黒き光の交叉せり 大石喜美子 雨月 201708
つばくらめ水面の影の追ひつかず 涌羅由美 ホトトギス 201709
漣のひとつは秋のつばくらめ 前田貴美子 万象 201712
一瞬の光のつぶてつばくらめ 七田文子 201806
小次郎も迷ふ数多のつばくらめ 七郎衛門吉保 あを 201806
鋭角に飛ぶつばくらにあそばれり 七郎衛門吉保 あを 201806
高層の玻璃の断崖つばくらめ 七田文子 201807
まつすぐに物言ふ次男つばくらめ 佐久間尚子 馬醉木 201807
蔵の町に蔵の銀行つばくらめ 青谷小枝 やぶれ傘 201807
此の辺り田畑は続くつばくらめ 長崎桂子 あを 201807
鯛焼屋の開店に列つばくらめ 小巻若菜 やぶれ傘 201808
男山八幡宮のつばくらめ 山田夏子 雨月 201809
曳航の引き綱光るつばくらめ 大杉映美 馬醉木 201906
野尻湖の水面鏡やつばくらめ 小林のり人 春燈 201906
ホスピスの軒に巣作りつばくらめ 高橋たか子 馬醉木 201906
ひるがへる尾のきらめきやつばくらめ 小田嶋野笛 末黒野 201907
つばくらめ学舎の道まつしぐら 岡田史女 末黒野 201907
せはしなく売り田に降りてつばくらめ 櫛橋直子 雨月 201907
御忌の塔ついと過りてつばくらめ 谷田明日香 風土 201907
入相の際目や颯とつばくらめ 谷田貝順子 201907
常宿の軒端へすいとつばくらめ 斉藤マキ子 末黒野 201908
口のよくまはる子でありつばくらめ 池田光子 風土 201908
つばくらや水のやうなる朝の空 高村令子 風土 201909
土手沿ひに風折れてくるつばくらめ 山田正子 201911
口のよくまはる子でありつばくらめ 池田光子 風土 202001
レーダーをかい潜りたるつばくらめ 高橋将夫 202005
聖堂へ渡る小橋やつばくらめ 中島久子 馬醉木 202005
田の水に山を映してつばくらめ 浜福惠 風土 202007
一本の藁を銜へてつばくらめ 岩ア俊 202007
南北へ揺らぐ前線つばくらめ 近藤真啓 春燈 202007
病院へ妻送り出すつばくらめ 山内四郎 春燈 202008
舗装道に大きく影をつばくらめ 西村白杼 京鹿子 202008
スケボーや道すれすれにつばくらめ 奥田筆子 京鹿子 202009
つばくらめ運河せはしくなりにけり 戸栗末廣 202010
筑波山麓一閃のつばくらめ 小林和子 202011
十年を住めば故郷つばくらめ 近藤真啓 春燈 202106
つばくらめ古墳の里をかすめけり 中西衛 春燈 202106
また一つ田の畦ひかるつばくらめ 南うみを 風土 202107
夕映に飛礫となりぬつばくらめ 高木邦雄 末黒野 202108
土砂降りや何処に宿るつばくらめ 伊吹之博 京鹿子 202111
駅長の目線ななめをつばくらめ 六車佳奈 風土 202206
直線も曲線も好きつばくらめ 黒滝志麻子 やぶれ傘 202207
流木を波の攫ひぬつばくらめ 森清信子 やぶれ傘 202207
折返す海あをあをとつばくらめ 笹村政子 六花 202207
潮風のとどく丘の上つばくらめ 岡野里子 末黒野 202208
つばくらめ電波飛び交ふ日の昏れて 塙誠一郎 家系図 202211
つばくらめ軒くぐるとき力抜く 吉田葎 202212
つばくらめ→ 1      

 

2023年5月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。