白 藤      46句

白藤や揺りやみしかばうすみどり   芝不器男

藤浪  藤棚  藤の花  白藤   山藤   藤房   藤の実   花藤

作品
作者
掲載誌
掲載年月
近づいて見て白藤でなかりけり 能村登四郎 芒種 199911
白藤の香に沁みし息出でにけり 伊藤一枝 酸漿 200005
白藤や柩のごとく地殻あり 田中亜美 海程 200107
白藤の月に揺れをり高野山 橋添やよひ 風土 200111
白藤を払ひて行ける大男 山田六甲 六花 200206
白藤に寿司飯少し固くないか 山田六甲 六花 200206
白藤のわれに気付かん熊ん蜂 山田六甲 六花 200206
白藤や夫に借りたる車椅子 山田暢子 風土 200207
白藤や茶会のありし門に入る 田中清子 遠嶺 200307
白藤や矢印に行く玉座の間 竹中一花 200307
白藤の懸りて沢の暮れのこる 岡本明子 ぐろっけ 200308
白藤の白のむかふの屋根を塗る 佐々木幸 200309
秋篠寺棚の白藤昏れ残る 杉丸君子 築港 200407
白藤の房の短き宿の棚 中村好子 築港 200407
白藤の太刀をすらりと揺らしけり 小澤克己 遠嶺 200407
白藤の匂ふばかりや遠嶺句誌 加藤京子 遠嶺 200407
白藤に汝が顔のうすみどり 江崎成則 栴檀 200507
白藤や小道に月の匂ひ充つ 浜田はるみ 遠嶺 200508
白藤の夜の香を纏ふ女身仏 大島翠木 200608
白藤に触れ胸襟を開きたり 小宮山勇 遠嶺 200708
白藤のトンネル人の波絶えず 森下康子 200807
開帳寺白藤の散り浄めけり 藤田宏 200807
白藤の揺れあふ下をくぐりけり 有賀昌子 やぶれ傘 200809
白藤の中よりハーレーダビツドソン 松山直美 火星 200908
白藤の白を過ぎたる色となり 佐藤喜孝 あを 200910
白藤のうすれゆく棚長々し 和田政子 201008
白藤の齢の翳を思ひをり 田所節子 201008
白藤の影はやうやう砂場まで 安藤久美子 やぶれ傘 201008
白藤のあめつちに影無かりけり 山口速 201009
白藤のトンネル頬に花が触れ 山口速 201009
白藤の鬱と暮れゆく都心かな 坂上じゅん かさね 201204
白藤や扇供養てふ経ながれ 神田恵琳 春燈 201207
白藤の初々しさをかんざしに 松田和子 201407
裏庭の白藤にふれ下校の子 新堀満寿美 末黒野 201408
白藤は祈りの高さ海へ垂る 上柿照代 馬醉木 201607
白藤の梳きたる風に包まれて 大川ゆかり 201607
白藤の房短しや子の香り 齋藤晴夫 春燈 201607
嗅覚を研ぐ白藤の長廊下 田村園子 201708
雷雨去り白藤の波うすみどり 江見悦子 万象 201708
白藤にさみどりの風揺れやまず 谷田貝順子 201907
白藤のにほふ間合のありにけり 善野行 六花 201908
ぽつてりと白藤の空晴れにけり 廣畑育子 六花 201908
まだ誰もはいらぬお墓白藤垂る 井上菜摘子 京鹿子 202005
白藤のひと揺れもせずたそがるる 南うみを 風土 202007
白藤の花弁幽かにゆれあへり 根來隆元 202107
白藤を眺める先に青き空 枝みや子 やぶれ傘 202108
白藤の花房肩にとどくほど 木村瑞枝 やぶれ傘 202108

 

2022年5月11日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。