藤の実    70句 (他季含む)

秋蝉の虚に声きくしづかさは   野水
藤の実つたふ雫ほつちり   重五

藤浪  藤棚  藤の花  白藤   山藤   藤房   藤の実   花藤

作品
作者
掲載誌
掲載年月
驟雨晴れ藤の実最後の滴しぼる 丸山海道 海道全句集 199910
藤青実ぶらぶら首つり遊びして 丸山佳子 京鹿子 199911
藤の実や痒いところに手届かぬ 丸山佳子 京鹿子 200001
頭にふれし藤の実に責任を問ふ 高橋芳子 火星 200006
おいでやす通円茶屋の藤は実に 福山和花 京鹿子 200009
藤の実のこころもとなく揺れにけり 加藤武子 200011
藤の実にいつしか雨が法隆寺 深川知子 俳句通信 200012
一家族藤の実垂るる四阿に 二神節子 200101
肩車して藤の実に届きけり 柴田美佐子 いろり 200110
藤の実のときをり降り来ベンチかな 大東由美子 火星 200112
藤の実の丈となりたるものは揺れ 沖祐里 200211
藤の実に春の繚乱偲びけり 木原清彦 百鳥 200301
藤の実といつしょに揺るる別れ道 木戸渥子 京鹿子 200302
藤の実の鳴り出しさうに湧水池 的池遙 百鳥 200302
藤の実のぴしぴしと爆ぜ寒日和 長田秋男 酸漿 200303
朽ちかけし棚に藤の実あまた垂る 黒崎よし江 雲の峰 200312
藤の実に細かき雨の降る日かな 岡本明美 雲の峰 200401
藤の実やチャイムに終る昼休み 谷野由紀子 雲の峰 200401
金色の式部像映え藤は実に 丹生をだまき 京鹿子 200408
藤の実や風の夕づく池ほとり 朝妻力 京鹿子 200409
藤の実ややはり通せし横車 志水芳秀 雲の峰 200410
藤の実や母の迎へを待つ園児 高野清風 雲の峰 200410
藤は実に走り根太き入定塚 鵜飼正子 栴檀 200501
藤の実の夜通し爆ぜて寒の入 長田秋男 酸漿 200503
藤の実の割れてちらばる十二月 榎本文代 万象 200503
藤の実が胡桃の樹よりぶら下がる 二瓶洋子 六花 200503
藤は実に火難の神として知られ 角直指 京鹿子 200509
不揃ひの藤の実垂るる円空塚 神山テル 栴檀 200510
藤の実に触るる女の背伸びかな 江崎和子 栴檀 200510
展望台の並では揺れぬ藤太実 丸山佳子 京鹿子 200510
藤の実や昔黒縮子襟ありき 大橋麻沙子 雨月 200511
藤の実や三味線の音とつとつと 南浦輝子 火星 200512
藤は実に父に終生怒声なし 吉村摂護 200609
藤の実やきれぎれにビデオ見続ける 赤座典子 あを 200610
藤の実の宙ぶらりんに南無の里 山崎靖子 200712
天空へ止まぬ憧憬藤は実に 村田菊子 遠嶺 200801
藤の実のつーいつーいと湖近し 上原重一 200809
藤の実や父を亡くせし家古び 竹下昌子 200910
夕刊の音に藤の実くぐりけり 長田曄子 火星 200912
藤の実の触れ合ふ音や空まさを 峰幸子 200101
藤棚の実が頭に触るる桂郎忌 岩木茂 風土 201001
藤の実の弾ける日和つづくなり 大畑善昭 201002
蒼天に藤の実掲げ十二月 阿部悦子 酸奬 201002
藤の実の裂くる音せる寒日和 鈴木礼子 末黒野 201004
藤の実を手に吊したりねかせたり 宇都宮敦子 201101
藤は実に日々に増えゆく子の言葉 今村征一 ホトトギス 201102
藤は実に風の向ふに保育園 清海信子 末黒野 201102
杉の木に山藤の実のさがりけり 根橋宏次 やぶれ傘 201311
藤は実にぬくみの残る子の机 神田惠琳 春燈 201312
藤の実のツーッと垂れて水に影 上原重一 201411
藤の実や明日になるのをいつも待つ 辻美奈子 201411
後ろ手に藤の実仰ぐ元教師 加藤峰子 201411
なにげなく揺れ藤の実のさりげなし 原田達夫 201501
小春日や藤の実爆ぜる音響く 塩千恵子 201502
藤は実に励ます言葉あればなり 風間史子 201502
雉鳩のいつか巣立ちて藤は実に 飛高隆夫 万象 201510
藤の実の下の小道を子等去んぬ 齋藤晴夫 春燈 201512
藤の実に風の重さの見えはじめ 深川淑枝 201611
食細き夫に湯葉寿し藤は実に 松原智津子 万象 201611
八橋に雨意の風過ぎ藤は実に 安斎久英 末黒野 201612
藤の実に夕風つのる太鼓橋 小張昭一 春燈 201701
藤は実に君は少女へ変はりけり 江島照美 201702
藤は実になりて湖風を弄ぶ 松本鷹根 京鹿子 201710
藤の実のしんと平等院暮るる 南うみを 風土 201711
公園の積み肥置場藤は実に 渡邉孝彦 やぶれ傘 201711
藤の実の青し情熱さましをり 加藤翅英 京鹿子 201801
藤の実やみちのくにある父の里 水井千鶴子 風土 201802
藤の実のだらり垂れゐる寺の昼 貫'井照子 やぶれ傘 201902
藤の実の瓢々と垂る終戦日 伊丹さち子 馬醉木 201910
藤の実を門に飾れり中宮寺 今泉忠芳 ある日の滴 201912
藤の実の割れて広ごる千木四つ 今泉忠芳 ある日の滴 201912

2021年10月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。