藤 房      139句

藤房を弛ませている少女の掌    阿部寒林

藤浪  藤棚  藤の花  白藤   山藤   藤房   藤の実

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
藤房の日ごと色濃き雑木林 杉本艸舟 ぶどうの木 199806  
揺れてゐる藤房のはや暮れそむる 植田のぼる 雨月 199807  
藤房ののびて狐のお嫁入り 田村みどり 京鹿子 199808  
藤房の先触れてゆく風の先 稲畑汀子 ホトトギス 199904  
藤房の先の先まで鎮まりぬ 稲畑汀子 ホトトギス 199904  
高き風低き風藤房の風 稲畑汀子 ホトトギス 199904  
色散らすとき藤房に風去来 稲畑汀子 ホトトギス 199904  
藤房の垂るる牛車の軋みかな 松宮幹彦 春耕 199908 葵祭
藤房を分け本堂の鴟尾眺む 長谷川登美 ぐろっけ 199908  
藤房の薫り忘れず平等院 長谷川登美 ぐろっけ 199908  
藤房の先の重りや雨しづく 能村登四郎 芒種 199911  
藤房や掌にある金平糖 延広禎一 200008  
藤房の垂れゐて風にもつるなし 新井田操 酸漿 200008  
一つ長き夜の藤房をまのあたり 高浜年尾 円虹 200105  
藤房のもつれあいつつ揺れゐたり 山本潤子 いろり 200107  
藤房に風の奏でを聞く思ひ 南敦子 200107  
藤房をつついてゐたる金魚かな 城尾たか子 火星 200108  
藤房や鯉の口また鯉の口 雨村敏子 200108  
藤房の色惜しまざる重さかな 大槻久美 円虹 200108  
しのぶれど藤房のゆれ光年期 木戸渥子 京鹿子 200110  
藤房のどかんどかんとまつぴるま 内田美紗 船団 200110  
藤房の記憶や母の袖袂 川端和子 星月夜 200112  
藤房の稚々たる曇り灌仏会 伊丹さち子 馬醉木 200206  
藤房を休ませてゐる掌 島貫アキ子 銀化 200206  
首筋に藤房の虫降りてくる 山田六甲 六花 200206  
藤房の陰に三橋敏雄かな 堀内一郎 あを 200206  
藤房に触れむと跳ねてはにかめり 岡本眸 200206  
藤房の幼なくて風やりすごす 鹿野佳子 200206  
藤房に顔寄せて香に酔ふごとし 川村紫陽 200207  
藤房のうねりの奥の暗さかな 桐生あきこ 百鳥 200207  
照明に藤房長さ見せて揺れ 小林美恵子 築港 200207  
藤房のした体温は密なる 仲村青彦 200207  
藤房にたはむれごころありしかな 宮倉浅子 遠嶺 200208  
藤房の催眠術にかかるかな 鳴海清美 六花 200208  
藤房の触れたる頬の冷たかり 嵯峨根鈴子 火星 200209  
やがてはひとり藤房ゆらすほどの風 坂本敏子 京鹿子 200209  
藤房の垂るる重さとなりにけり 鷹羽狩行 200304  
藤房の垂れていよいよ重み増す 鷹羽狩行 200304

「蜻蛉」150号

を祝して

藤房が指すは地軸よ風なき日 林翔 200306  
藤房に眼鏡似合つてをらざりし 山尾玉藻 火星 200306  
藤房やにはかに和服着てみたく 出口賀律子 雨月 200307  
藤房垂る尖に微かな動きあり 大木よしえ 築港 200307  
藤房の絡まりながら香を放つ 大森玲子 築港 200307  
かぐはしや藤房常に揺れてゐて 萩谷幸子 雨月 200308  
藤房の影をどらせて揺れやまず 有吉桜雲 200309  
藤房の伸びゆくまでの日数かな 岸本久栄 雨月 200309  
二度咲きの藤房垂れて梅雨明けず 松崎鉄之介 200309  
藤房の丈はありあり「はん」の舞 山元志津香 八千草 200311  
藤房のゆれに式部の気配かな 藤原りくを 八千草 200311  
藤房の千年の香の濃かりけり 椎橋雅子 200311  
藤房のゆれて香の満つ夕べかな 椎橋雅子 200311  
藤房を浸すごとくに暮色きて 鷹羽狩行 200405  
藤房の下で昼寝のホームレス 田中呑舟 火星 200406  
藤房をくぐるもつづく痴話喧嘩 新倉舒子 200407  
藤房の揺るる李朝の白き肌 菅原末野 風土 200501  
藤房の長ければ地も低くなる 鷹羽狩行 200505 埼玉・長泉寺
藤房の丈を競へるやさしさよ 鷹羽狩行 200505 埼玉・長泉寺
高気圧南下藤房地に届く 須佐薫子 帆船 200505  
藤棚を藤房こぼれ始めけり 今瀬剛一 対岸 200506  
藤房の影やはらかに揺れてをり 森永敏子 河鹿 200507  
日矢届く藤房のまだ短かけれ 島すが子 200507  
蜂の来て藤房重くなりしかな 今瀬剛一 対岸 200507  
藤房のひらがな枝垂れ浄土感 泉田秋硯 200508  
藤房の羽音をはらふひと揺らぎ 岡部玄治 200508  
藤房の風に遅れて揺らぎけり 尾辻のり子 河鹿 200509  
藤房の長きを風のもてあます 館容子 200509  
藤房のこのしなやかさわれに欲し 鷹羽狩行 200606  
藤房の揺れにこぼるる日のかけら 荻野嘉代子 春燈 200607  
藤房にさす夕映のいつくしみ 鷹羽狩行 200607 悼句
藤房や挿頭も藤の春日巫女 川勝ミヨ 馬醉木 200608  
藤房や暮しに流れ引き入れて 柴田朱美 京鹿子 200608  
藤房へ紫の風立ちにけり 城詰操 万象 200608  
藤房の挿頭にしたき長さかな 山本漾子 雨月 200608  
藤房の短き下にカツサンド 鈴木榮子 春燈 200706  
空也の息かかり藤房むらさきに 山尾玉藻 火星 200706  
藤房の囲に真剣な賭将棋 泉田秋硯 200707  
カメラヘと長き藤房揺れやまず 松嶋一洋 200707  
藤房を自在にくぐる風のあり 小城綾子 200707  
藤房の蕾離々たる活けくれて 大橋敦子 雨月 200806  
藤房に触れゆくひとりふたりかな 安藤久美子 やぶれ傘 200807  
藤房をくぐり善女になりにけり 岸田爾子 200808  
藤房や坂の上まであと少し 与川やよい 遠嶺 200808  
藤房に暮れ方の風うごくなり 近藤きくえ 200808  
藤房に分け入り鬱か昂りか 千田百里 200808  
藤房に飛びつくかまえ猫しゃがむ 坊野貴代美 ぐろっけ 200808  
藤房や吾が代で絶ゆる藤家紋 宮崎左智子 200906  
藤房の霊気次第に降りにけり 吉田政江 200907  
頬に肩に触る藤房のしめりかな 丹生をだまき 京鹿子 200907  
藤房に雨の名残の重さかな 奥野初枝 万象 200908  
藤房の盛る色ゆれ御簾のごと 上田玲子 200908  
いく千の藤房に音起りたる 竹下陶子 ホトトギス 200909  
藤房のひとつひとつをたなごころ 馬田信子 201007  
思ひあぐねて藤房揺るる奈良にあり 小田明美 春燈 201007  
藤房にかくるる友の国訛 和田政子 201008  
藤房の垂れし下にて昼餉とる 大西八洲雄 万象 201008  
藤房の長さに惑ふ熊ん蜂 山口速 201009  
藤房のさざなみ揺れとなりにけり 笹村政子 初鼓 201105  
濃く淡く藤房伝ふ雨雫 西田史郎 201107  
余震なほ藤房といふ震度計 高木嘉久 201107  
藤房の香を送る風しづかなり 阿部ひろし 酸漿 201107  
廃木とする藤房を見上げをり 笠井敦子 201108  
藤房の香りてけふはしづかなる 大場ひろみ 馬醉木 201110  
藤房の揺れて離れてまんだら寺 古川千鶴 かさね 201207  
藤房や御堂関白千年紀 延広禎一 201208 陽明文庫展
藤房の光の中に地震の神 鴨下昭 201209  
藤房のむらさきの濃さ競ひをり 大橋敦子 雨月 201306  
藤房の風に捕はれゐて悲し 大橋敦子 雨月 201306  
藤房の長き長きを哀しと見 大橋敦子 雨月 201306  
藤房の長きを競ひゐて愛し 大橋敦子 雨月 201306  
倒れ木の纏ふ藤房色深し 水原春郎 馬醉木 201306  
藤房の一つのゆがみ友病めり 安立公彦 春燈 201307  
藤房や仏師の里を渡る風 中村風信子 馬醉木 201407  
藤房の総揺れ風は紫に 中島知恵子 雨月 201407  
藤房の降りこぼしたる昨夜の雨 柴原公子 201407  
藤房のかすかに揺るる風の道 坂入妙香 春燈 201407  
藤房に飛び込む虻のうなり声 野上杳 201407  
観世音藤房見仰ぐ喉佛 阪倉孝子 201408  
藤房を見上げて触れて笑みこぼす 塩川君子 末黒野 201408  
藤房や忘れ上手で恙無し 河村啓花 ろんど 201408  
藤房の揺れて白髪を嬲らるる 松本三千夫 末黒野 201408  
藤房に日照雨の雫残りをり 嵐弥生 末黒野 201408  
藤房の夜遊び風の鬼あそび 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
藤房を日照雨の叩く峠道 安斎久英 末黒野 201508  
藤房をつつむ空気の湿りかな 原田しずえ 万象 201508  
藤房の夕日の色に重ねたり 大坪あきら 万象 201508  
藤房の揺れに自戒の影の濃し 松本鷹根 京鹿子 201607  
藤房の風に素直の峠かな 安斎久英 末黒野 201608  
藤房の香りも風に揺れにけり 宮本加津代 万象 201608  
藤房に頬撫でられて嬉しかり 永田万年青 六花 201608  
藤房の影うすく揺れ夕ごころ 堀田順子 馬醉木 201707  
子規庵の藤房つたふ小糠雨 宮崎高根 201707  
藤房の色濃く揺るるとの曇り 森岡恵子 万象 201708  
藤房は風になるまで揺れてをり 阪倉孝子 201808  
藤房の大揺れつづき日暮れけり 安斎久莫 末黒野 201905  
風去りて藤房しばし落ちつかず 安斎久莫 末黒野 201905  
静けさの藤房ぼうと暮れのこる 小原芙美子 風土 201907  
藤房のひとつは池に届きけり 廣瀬雅男 やぶれ傘 201907  
思はざり鉢の藤房地に届き 小川玉泉 末黒野 201908  
思はざり鉢の藤房地をなづる 小川玉泉 末黒野 201909  

 

2020年5月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。