送 火 1   175句

送火や野里の橋の片ほとり   松瀬青々   妻木

迎火  盂蘭盆  盆用意・盆仕度  盆休

  盆波  魂迎  送火  生身魂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
送り火やほのほしばらく打ち合ひて 鷹羽狩行 199909
送り火の風にのるのをためらひて 保坂加津夫 いろり 199909
送り火や旅路の無事を祈りつつ 大平保子 いろり 199909
送り火や好きやった山へ帰るんか 幅田信一 海程 199911
風となりゆく送り火の炎かな 木村てる代 俳句通信 200010
姫髪山に大に点じて送火とや 山田耕子 京鹿子 200010
送り火や闇の底なる京七野 中村翠湖 馬醉木 200011
長男として迎火も送火も 三村純也 ホトトギス 200012
送り火やともに逝きたい思ひかな 相沢健造 いろり 200109
送り火や小さきものの数殖えて 能村登四郎 羽化 200110
送火や嫁つぎ娘がかけつけて 篠田三七子 いろり 200110
りちぎなる父に早目の送り火焚く 鈴木ゆき子 風土 200111
送り火に土産団子の十三個 鈴木ゆき子 風土 200111
送り火のなごりの朝を犬逝けり 杉浦典子 火星 200111
送火やしんがりに蹤く妣の魂 水岡芳子 馬醉木 200111
艀一家突堤で焚く送り火を 永野秀峰 ぐろっけ 200112
送り火の五山の順に向き変へる 岡本幸枝 ぐろっけ 200112
送り火の空ふかぶかとありにけり 宮原みさを 花月亭 200208
お向ひの家の焚きしに送火焚く 松崎鉄之介 200209
送り火の起す風あり乗り給へ 宮津昭彦 200210
送り火の燠やあの世のいろかとも 柴田久子 風土 200211
送り火の灰を掬うてをりにけり 竹中一花 200211
送り火の焚跡かくも嵩少な 佐藤佐代子 200211
送火をたき一人居の戻り来し 唐戸正子 帆船 200211
送火や打水ほどの雨ありて 守屋井蛙 酸漿 200211
送り火の妙のふもとに下宿せし 菅龍一 百鳥 200212
送り火や冥王星のまたたける 瀬川公馨 200212
送り火の消え漆黒の闇となる 鈴木喜三郎 ぐろっけ 200212
送火を連なり囲む大家族 平山真弓 円虹 200212
送り火のためらひ勝にくづれゆく 森田蝌蚪 200309
送り火や寂しくなりし家の中 小野タマ枝 酸漿 200310
送り火の風にもつれてゐたりけり 荒井和昭 200310
送り火に古都燃えて闇深くなる 浦松静子 築港 200310
送火の燐寸つけたき子供かな 菅原光恵 百鳥 200310
送り火のまへに来てをり女の子 木下野生 200311
送り火の明けて長虫流れ着く 黒田咲子 200311
送り火の火の音はしる京の宵 林日圓 京鹿子 200311
送火や火星はすでに出でにけり 左官治郎 200311
みな帰りたる送火の熱さかな 矢崎すみ子 200311
送火や方一尺の地を照らし 成智いづみ 馬醉木 200312
送火や覆面の鬼のきてをる 瀬川公馨 200312
迎火送火多勢に焚きて一人かな 神蔵器 風土 200409
送り火を消して跨ぎて盆了る 鈴木榮子 春燈 200410
送り火の燃えつきる時風少し 芝尚子 あを 200410
送り火の空にダグラス・マッカーサー 十川たかし 200411
送り火は天への道と思ひけり 宇田喜美栄 200411
峡の家送火跡に小雨降る 家塚洋子 酸漿 200411
送火の門の内へと煙りける 植竹美代子 雨月 200411
送り火をひときは高く独りかな 藤井智恵子 百鳥 200412
送り火を燃え尽くるまで見守りぬ 大工原清明 万象 200501
送り火やらんらんとある生者の眼 淵脇護 河鹿 200510
父に焚く送り火語り足らざるや 中尾公彦 200510
送り火のあとのかぐろし狐雨 渡邉友七 あを 200510
送火や坂を煙の這ひのぼる 神蔵器 風土 200510
帰さねばならぬ送り火焚いてをり 目黒慧 遠嶺 200511
送り火の消えてそれより見ゆるもの 林いづみ 風土 200511
送り火の煙ゆつくり風にのり 北島上巳 酸漿 200511
送り火や松のかをりの門々に 野田成子 酸漿 200511
送火や妣との距離の遠ざかり 一瀬昭子 馬酔木 200511
無縁仏万に送火万点る 鈴木石花 風土 200511
送火のあとの仏間に座りけり 山路紀子 風土 200512
送火や賎ケ岳背に余呉百戸 森洋子 京鹿子 200601
瞬きをして送火の消えにけり 松下道臣 まんまる 200607
送火の残像久し波の音 岡本まち子 馬醉木 200608
送火はいや迎火をあかあかと 三嶋隆英 馬醉木 200608
迎へ火と送り火の間旅発てり 神蔵器 風土 200609
送火焚く亡母の笑顔ありありと 鈴木榮子 春燈 200610
岐阜提灯早や送火となりにけり 小平恒子 酸漿 200610
しばらくは闇に凭れて送り火あと 北川英子 200611
送り火に別れの雨となりにけり 鈴木とおる 風土 200611
送火の襖消ゆるまで囲みをり 島崎勇作 酸漿 200611
白檀の一片母の送り火に 秋場貞枝 春燈 200612
送り火に草の揺るるは父と母と 須藤美智子 風土 200701
送り火を跨ぐ順番路地匂ふ 篠田純子 あを 200709
送り火の浮かぶ五山や京泊り 高塚千代子 200711
送り火の大の字山に浮びけり 木暮剛平 万象 200711
送り火や煙となるまで護摩焚いて 三好千衣子 200711
送り火や心の隅をいぶらせて 木内美保子 六花 200711
送り火の明るき空へ亡妻還す 田村すゝむ 風土 200712
カメラアングル京都五山の送り火を 北村香朗 京鹿子 200712
送り火のとりに愛宕の鳥居燃ゆ 北村香朗 京鹿子 200712
送り火に溝の明からむ母の国 渡邉友七 あを 200809
送り火のどれもそよかぜ千の風 西面和子 200811
送り火や家の数だけ橋かかり 宮島宏子 200811
送り火の榾は芦なりよく燃えて 山形悦子 万象 200811
大玻璃に「大」の送り火デイナー席 宮川秀穂 200812
送り火や蹲りたる餓鬼のゐし 瀬川公馨 200812
蜑小屋にひとり送り火焚きゐたり 鈴木千恵子 万象 200812
送り火の後やはらかき風の音 丹羽啓子 馬醉木 200901
東京暑し峡の送り火目を離れず 瀧春一 深林 200901
盆迎へ早め送り火日延べせり 藤野寿子 あをかき 200909
送り火の消えゆくを待つ一人かな 羽賀恭子 200910
読経や五山送り火灯のともる 高橋敏 200910
妙法の送り火読経揃ひけり 鈴木良戈 200911
山影の淡し五山の送り火に 鈴木良戈 200911
一人焚く送火犬の来て添へり 花岡豊香 酸漿 200911
送り火のいちばん星へ灯をつけり 和田照海 京鹿子 200912
見様見真似迎火と送火と 入江節子 ろんど 200912
送火 →2      

 

2021年8月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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