送 火 2   82句

送火や野里の橋の片ほとり   松瀬青々   妻木

迎火  盂蘭盆  盆用意・盆仕度  盆休

  盆波  魂迎  送火  生身魂

作品
作者
掲載誌
掲載年月
送火を終へてくつろぐ心はも 稲畑汀子 ホトトギス 201008
送火の日が誕生日誰が縁 木村茂登子 あを 201009
送り火や風に光りぬ蜘蛛の糸 小野口正江 末黒野 201010
送火を母としみじみ囲みたり 三井公子 酸奬 201010
子らも出て送り火焚くや惜みつつ 杉本綾 201011
迎へ火は吾が背送り火はあなたの背 佐々木良玄 春燈 201011
送り火の消えていよいよ夫遠し 刈米育子 201011
送り火や大黒さんの欲の皮 瀬川公馨 201011
送火や戸隠人と樺を焚き 藤原照子 201011
送火の薄闇を来し回覧板 大山文子 火星 201011
送り火の尽く残り香の闇深く 稲垣佳子 末黒野 201012
送り火が消えて五山に闇戻る 谷泰子 ぐろっけ 201012
送火や思ひがけなき人の訃に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108
送り火や祖は冥界のどのあたり 粟倉昌子 201111
送り火の名残惜しみつ北大路 有本南陵 ろんど 201111
送り火の余燼を望の月照らす 中島霞 ぐろっけ 201111
送火のあつといふ間や波の音 コ田千鶴子 花の翼 201111
送火や嫁との絆深まりて 片山喜久子 雨月 201111
送火の後の寂寞星出でて 城戸ひろみ 雨月 201111
送り火の灰美しき形して 雨村敏子 201112
送り火や蝙蝠の影かぶさり来 大湾宗弘 万象 201112
送火のマッチふき消す西の風 古井公代 ぐろっけ 201112
送り火や身の内風のうち過ぎて 有賀鈴乃 末黒野 201211
送り火にいつまでも手を振りにけり 平居澪子 六花 201212
下戸されど送り火前の送り酒 能村研三 201310
膝抱きゐる送り火の消えし後 宮内とし子 201310
送り火や面影といふ消えぬもの 木村茂登子 あを 201310
送り火の果てて安堵の妻の笑み 小川玉泉 末黒野 201311
送り火の消ゆる無言の別れかな 大橋伊佐子 末黒野 201311
送り火や産土日々に遠くなり 野上杳 201311
母と居る送り火の燠消ゆるまで 田代貞枝 201312
迎へ火は夕日に送り火は闇に 瀧春一 花石榴 201312
送り火のくづるるさまを見守りぬ 久保久子 湖心 201402
香一炷迎へ火も送り火も焚かず 故竹貫示虹 京鹿子 201408
送り火や肝心なこと言へぬまま 中島玉五郎 201409
送り火の終りは風が攫ひけり 吉田政江 201410
送り火の船に御魂の満ち満つや 宇野慂子 万象 201411
山国の送火山へ向けて焚く 堀井英子 雨月 201411
送り火を庭の葉で消し父母の声 半田稜 ろんど 201412
和久傳の送火の日のお品書 後藤立夫 ホトトギス 201501
送り火に合掌闇に溶けゆけり 塩貝朱千 京鹿子 201510
送り火の消えて余韻の香を焚く 秋川泉 あを 201510
送り火や生者は闇にしりぞきて 有松洋子 201511
送り火にいささかの風添へやりぬ 安斎久英 末黒野 201511
眼の疎き母へ送火いつまでも 谷村祐治 雨月 201511
送火の燃え尽く茜雲残し 谷村祐治 雨月 201511
送り火のあとの夕餉を独りして 植竹美代子 雨月 201511
送り火を絶やさず墓へ戻しけり 白石正躬 やぶれ傘 201512
もえつきし送り火の闇背後より 宇田篤子 京鹿子 201512
送り火の消えてしばらく道を見る 田代貞枝 201512
送り火や孝の足らざる末生まれ 原和三 末黒野 201512
送り火の行列みてる白い杖 吉原彩 船団 201602
送り火のつもりの煙草火をつける 津田このみ 船団 201602
送火の京は素通りせしことも 稲畑汀子 ホトトギス 201608
送り火やひとりの家へ戻りけり 塩貝朱千 京鹿子 201611
送火のしばらく土を染めにけり 府川昭子 春燈 201611
送り火のあとの闇夜の深さかな 塩野谷慎吾 201612
送り火や燃え盛るとき皆黙し 神谷さうび 末黒野 201612
火床にと点火送り火大文字 黒澤佳子 あを 201610
送り火や一筆箋に句を遺し 朝日泥湖 船団 201702
送り火の提灯揺るる墓の径 田中臥石 末黒野 201711
送り火に真つ新の風呼びにけり 間谷雅代 馬醉木 201711
送り火や黙の会釈の擦れ違ふ 上村葉子 風土 201711
父母の送り火ひと日遅らせて 富田要 万象 201712
送り火の上がり框に残る煙 山口ひろよ 201712
送り火の消えたる空や星ひとつ 及川照子 末黒野 201804
送り火ひとつ山巓の万の闇 鈴鹿呂仁 京鹿子 201810
送り火や燃えて暫しの黙のあり 秋川泉 あを 201810
送り火のはや燃え尽きてしまひけり 市村明代 馬醉木 201811
送り火やたましひ少し青ざめて 北川孝子 京鹿子 201811
正論のどこか脆くて送り火消ゆ 北川孝子 京鹿子 201811
送り火や元号四つ生きし父母 上村葉子 風土 201811
送り火やこころけけれと河鹿鳴き 木村嘉男 201910
送り火や所作しづしづと冷泉家 後藤眞由美 春燈 201911
子と共に送り火無事に済ませけり 小川玉泉 末黒野 201911
送り火や残るは戀の泣き黒子 丸井巴水 京鹿子 201911
送り火の次々ともる空中に 江見巌 六花 201911
送り火や水辺のやうな雲浮び 戸栗末廣 202102
下戸されど送り火前の送り酒 能村研三 神鵜 202107
送り火のをはりうつとり脈打てり 辻美奈子 202109
おもしろの世をさわがせて送り火消ゆ 北川孝子 京鹿子 202110
送り火の煙絶ゆまで海眺む 鈴木和江 202111
写メールの五山送り火淡き恋 櫻本武志 末黒野 202111
送り火の揺れて別れを惜しむやう 佐々木澄子 末黒野 202111
中継の五山送り火手を合はす 犬嶋テル子 春燈 202111
送り火や心許りをあかあかと 小田嶋野笛 末黒野 202112
送火や残り香に門鎖し迷ふ 湯川雅 ホトトギス 202201

 

2023年8月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。