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かたまりて通る霧あり霧の中   高野素十  

 朝霧 夕霧 夜霧 川霧 山霧 海霧 霧笛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書他
霧茫々現はれ消ゆる牛の貌 長谷川史郊 馬醉木 200502  
方二間火渡り跡の霧湿り 高橋ひろ 万象 200502  
霧かかる夜汽車の別れ山の駅 吉田眞弓 雨月 200502  
霧を被てコスモス淡き彩流す 池田倶子 雨月 200502  
トンネルの口を塞ぎて霧襖 藤田かもめ ぐろっけ 200502  
雄岳より高き雌岳の霧化粧 星加克己 ぐろっけ 200502  
もみぢ溪霧の底なる黒部川 高橋美智子 200502  
追分の三宿をゆく霧の音 河内桜人 京鹿子 200502  
霧襖天日ときに滲み出で 松原ふみ子 200502  
森深く霧にとけ込む美術館 瀬崎憲子 百鳥 200502  
など死すや女流の菓子舗霧流れ 相沢有理子 風土 200502  
保養地に霧深まりぬK女の死 相沢有理子 風土 200502  
霧深しのつぺらぼうとすれ違ひ 小林山狸 六花 200502  
林檎捥ぐ霧の雫を目に受けて 江崎成則 栴檀 200502  
クルーズの晩餐霧の濃かりけり 横松しげる 遠嶺 200502  
霧深し上り下りの軌の見えず 彩響子 200502  
山峡の霧深くして山の浮く 鈴木喜十 帆船 200503  
降臨の森深々と霧が匍ふ 梅村五月 栴檀 200503  
水割りの氷ゆさぶる夜の霧 山元志津香 八千草 200503  
霧流れ胸の砂漠が濡れてくる 山元志津香 八千草 200503  
霧去るやぱつと一村現るる 山内陽子 万象 200504  
北斎の好みし富士を包む霧 物江晴子 八千草 200504  
その影を霧に浮かせて死木立つ 霧野萬地郎 200504  
足首に疲れが溜まる霧の街 藤嶋まさと 200504  
高階の孤島めきたる夜の霧 佐藤佐代子 200504  
福寿草棚田の霧の晴れにけり 加藤夕陽子 百鳥 200505  
ノッポビルお膚のパック霧化粧 花島みゆき 八千草 200505  
雨乞いの神霧隠れ修験道 大山夏子 200505  
うごくもの煙や霧や木々芽ぐむ 植松安子 200505  
営林署霧の情報流しけり 酒本八重 里着 200506  
水芭蕉より薄れ来し濃霧かな 三関浩舟 栴檀 200507  
霧の中闇が流れてをりにけり 高橋将夫 星の渦 200507  
同じ富士見せてはくれぬ霧の朝 稲畑汀子 ホトトギス 200508  
林中の霧にひびきて瑠璃鳴けり 佐藤いね子 馬醉木 200508  
霧ごめや伊賀の組紐端を余し 八田木枯 晩紅 200508  
雨霧の包むこごせの一輪草 中島知恵子 雨月 200508  
音たてて霧の流るる杉襖 水田清子 200508  
まみどりに噎せ荒霧に噎せて旅 内山芳子 雨月 200509  
霧の中しろがね噴ける山法師 内山芳子 雨月 200509  
阿闍梨の墓並む青ごめに霧ごめに 内山芳子 雨月 200509  
濃き霧に盲ひてをればほととぎす 内山芳子 雨月 200509  
剥き飛ばす漆の樹皮も霧の中 今瀬剛一 対岸 200509  
ひりひりと霧過ぎて行く漆の木 今瀬剛一 対岸 200509  
網を引くごと霧流れ山法師 浅田光喜 対岸 200509  
すさまじき霧にひびかふ枝蛙 瀧春一 菜園 200509  
霧さむく青葉のしづく地をうてり 瀧春一 菜園 200509  
霧くらし青葉のいきれ地を這へる 瀧春一 菜園 200509  
霧罩めて青葉のかげのくはしさよ 瀧春一 菜園 200509  
夕燒の褪せてみづうみ霧らひそむ 瀧春一 菜園 200509  
霧を來てスタンドの灯にふさがりぬ 瀧春一 菜園 200509  
霧の夜の酒にかはらむ銀貨 瀧春一 菜園 200509  
萱鳴らす霧のけはひの曉ちかみ 瀧春一 菜園 200509  
沼の霧すずしき星を幽かにす 瀧春一 菜園 200509  
霧ゆらぐ咫尺に羊歯のにひみどり 瀧春一 菜園 200509 迦葉山
佛法僧忽然と霧にこゑおこる 瀧春一 菜園 200509  
霧の谷新樹層々と墨いろに 瀧春一 菜園 200509  
霧ふれば青ひといろの花畠 瀧春一 菜園 200509  
霧ながれ湯花の池に湯のひびき 瀧春一 菜園 200509  
霧さむしかかる夜君は征きたりき 瀧春一 菜園 200509  
霧の灯に心決したる君が微笑 瀧春一 菜園 200509  
霧に立ち敢へて愛兒を抱かざりし 瀧春一 菜園 200509  
目を凝らす霧吹く山のひめいちげ 長谷川子 馬醉木 200510  
船笛はテノール霧のナポリ港 清水ゆみ子 200510  
霧過ぎし後の林檎の紅さかな 今瀬剛一 対岸 200510  
郭公の声の湿りや霧深し 西山美枝子 酸漿 200510  
山頂の霧が明るしほととぎす 辻恵美子 栴檀 200510  
郭公や霧につつまる五箇の庄 須永トシ 栴檀 200510  
牧場の外に牛ゐる霧襖 宮澤さくら 今生 200510  
仄赤き服が近づく霧の中 林翔 200510  
忌の花となりぬ朝顔霧まとふ 渡邉友七 あを 200510  
霧襖源氏ロマンのいやませり 山本千里 200511  
霧濡れの蝶と息継ぐお花畑 佐藤いね子 馬酔木 200511  
霧のなか周りに霧のなかりけり 高橋将夫 200511  
釘打つて霧の満ちくる柩かな 栗栖恵通子 200511  
湯の神の霧月夜なり瀬音して 黒田咲子 200511  
霧の山賓銭箱が三つありぬ 杉浦典子 火星 200511  
霧深き巨きな石を拝みけり 杉浦典子 火星 200511  
山頂に霧濡れの声流れけり 戸栗末廣 火星 200511  
霧峠声だけ先に降りて来る 三浦如水 ぐろっけ 200511  
黄菅咲く霧に入りゆくリフトかな 三関浩舟 栴檀 200511  
戦場ヶ原繍線菊しもつけに霧はやし 三関浩舟 栴檀 200511  
獅子独活の花色溶くる霧の海 藤田佑美子 栴檀 200511  
獅子独活に霧くる迅さ伊吹山 遠藤三鈴 栴檀 200511  
霧濡れの髪かきやれば岩燕 矢田邦子 栴檀 200511  
霧霽れて青水無月の山を据き 伊藤希眸 京鹿子 200511  
霧払ひ蒜山三座粛然と 石垣幸子 雨月 200511  
霧晴れてあつという間の別世界 木藤ヒデ子 築港 200511  
牧牛の点点と霧のぼりくる 坂路照子 築港 200511  
霧の重さのせて形代沈むかな 渡邉友七 あを 200511  
峰霧や杖の鈴音はるかより 清原彰子 河鹿 200512  
魚のごと地下鉄出でて霧まとふ 能村研三 研三句集 200512  
杉山の鉾といふ鉾霧浸し 鷹羽狩行 200512  
山の霧法螺貝草に呼ばれしか 鷹羽狩行 200512  
霧ごめの池かな天の泪壺 坂本京子 200512  
霧流れ高野山かうや伽藍の明らけし 谷岡尚美 200512  
木の梢にとどまりゐたる濃霧かな 松下八重美 200512  
霧火口いちばん遠い羊鳴く 戸田和子 200512  
霧甘し約束もなく出会ふ人 瀬下るか 200512 霧 9→

 

2020年11月1日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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