夜 霧     36句

街灯は夜霧にぬれるためにある    渡辺白泉

 朝霧 夕霧 夜霧 川霧 山霧 海霧 霧笛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
まなじりに夜霧流れて千灯会 原田富美子 199811
今宵また夜霧のかくす恋いくつ 渡辺純 京鹿子 199904
白檜曾の樹氷をなせり夜霧の灯 阿部ひろし 酸漿 199910
大阿蘇の夜霧の闇の深さかな 松永唯道 円虹 199912
夜霧てふ巨大な闇に捉はるる 稲岡長 ホトトギス 200001
汽車に乗る前のくちづけ夜霧濃し 小澤克己 遠嶺 200012
遠汽笛夜霧まとひて帰り来し 田巻和子 遠嶺 200101
やがて四囲夜霧の砦なりしかな 佐土井智津子 ホトトギス 200104
夜霧降り星のかけらもなかりけり 浅利恵子 ホトトギス 200203
遠鵜舟篝はかなくして夜霧 蔵持柚 銀化 200207
橋に来て夜霧濃くなる水の音 船越美喜 京鹿子 200302
平曲や浜の夜霧の深かりし 大島翠木 200302
牛車道轍をかくす青夜霧 和田照海 京鹿子 200303
富士蔵す夜霧虚ろな大きさよ 稲岡長 ホトトギス 200312
ヘッドライト灯し夜霧の深さかな 栗原公子 200412
老優の訃あり夜霧の尾灯美し 坂ようこ 200412
夜霧さへ昔語りを深めけり 古川洋三 遠嶺 200511
夜霧の町嘗て恋せし人と逢ふ 久保栞 200601
白鯨と夜霧の街で待合せ 佐藤喜孝 あを 200701
詩ごころ消えて夜霧の鎭むころ 荻野千枝 京鹿子 200704
ぶるるると夜霧をはじき犬走る 中村則夫 やぶれ傘 200901
七彩にかはるコースター夜霧かな 神宮安見子 炎環 200911
朝霧の橋を夜霧に帰りけり 鈴木俊孝 末黒野 201101
悠久の比叡の夜霧鐘を打つ 浜口高子 火星 201111
水飲むがごとく夜霧に身を晒す 西川織子 馬醉木 201201
待ち惚けされて夜霧のターミナル 高橋泰子 201201
阿夫利嶺の夜霧巻きくる能舞台 小林愛子 辻楽師 201206
夜霧拭くタオル一枚分の濃さ 甕秀麿 201302
大吟醸香りに混ざる夜霧かな 岡野安雅 かさね 201311
山あひに沈む一村夜霧濃し 塩路隆子 201312
要らざりし一語か夜霧こころにも 渕上千津 201711
濤音に人声まぎる夜霧かな 玉田瑞穂 万象 201801
夢二現れさうな夜霧の記念館 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
退屈の底に夜霧の落ちてくる 江島照美 201902
おはら節流る夜霧の町並に 延川五十昭 六花 201912
出港す夜霧に丸き灯をつれて 間島あきら 風土 202112

2022年11月5日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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