霧 笛    52句

燈台は低く霧笛は峙てり  高浜虚子  五百句

 朝霧 夕霧 夜霧 川霧 山霧 海霧 霧笛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
キスゲ濡れ海峡とざす日の霧笛 豊田都峰 「山の唄」 198400
われながら旅愁奈落の霧笛宿 渡辺純 京鹿子 199812
えとらんぜ霧笛の歔くといふ悲し 松田曼莉 京鹿子 199903
船と船霧笛を鳴らす霧の中 永野秀峰 ぐろっけ 200001
霧笛の夜鳴咽込み上げてくる思慕 金子皆子 海程 200102
霧笛の夜こころの馬を放してしまう 金子皆子 海程 200102
心の隙間霧笛も紅薔薇も詰める 金子皆子 海程 200102
薔薇の体に霧笛沁みこむ海の街 金子皆子 海程 200105
海の街霧笛に白衣重なってきます 金子皆子 海程 200105
鉄塔に霧笛人はみな淋しい 金子皆子 海程 200105
霧笛に重なる命その白き帆 金子皆子 海程 200105
霧笛鳴らぬ街は底冷えて乾く 金子皆子 海程 200105
玻璃わたる霧笛みつめて動けない 小林一枝 海程 200106
最果ての霧笛にたましひいざなはる 折原あきの 船団 200201
もう一度霧笛を聞いてから帰えろ 吉田久子 200302
すれちがふ霧笛短かき木の葉髪 中村恭子 200303
ちちははの夢だしぬけに霧笛鳴る 斎藤くめお 対岸 200311
一湾にこもる霧笛や出航す 青山悠 200312
若き日の蘆花住みし町霧笛鳴る 冨田みのる 200403
一団のバスより降りし霧笛かな 板橋智恵子 百鳥 200412
洋皿の時計文字盤遠霧笛 小山徳夫 遠嶺 200811
霧笛鳴く遠きは夜の授乳室 藤幹子 炎環 200901
来し方を見つめる真夜の霧笛かな 佐山五稜 風土 201001
霧笛曳き深浦出づる北帰船 塩見育代 201002
起き抜けの厨にとどく霧笛かな 大川暉美 末黒野 201102
除夜詣神戸港より霧笛聞く 岡野安雅 かさね 201203
つくす人亡き哀しみや霧笛鳴る 三浦澄江 ぐろっけ 201203
いのち惜し暁の霧笛の遠鳴りに 遠藤真砂明 201301
霧笛あと風そのものになつてゐる 松田都青 京鹿子 201303
霧笛鳴く国後島は遠き島 佐山五稜 風土 201305
闇深し何処行く船の霧笛かや 堀田清江 雨月 201411
港町夜の霧笛を真近にし 伊庭玲子 201412
灯台の霧笛を耳に旅果つる 高橋照子 雨月 201412
霧笛泣く幣舞橋を渡りけり 田村すゝむ 風土 201501
鳥渡る赤きアーチの霧笛橋 奥田茶々 風土 201501
冬の月船の霧笛の上に出る 後藤立夫 ホトトギス 201505
霧笛聞く断崖黒きオホーツク 郷和顔 末黒野 201512
北海の霧笛ふるさと遠きかな 升田ヤス子 玫あs瑰 201604
キングの塔へ銀杏落葉や霧笛鳴る 北郷和顔 末黒野 201703
木の床にブーツ霧笛の遠くあり 高田令子 201704
僚船の霧笛流るる備讃瀬戸 碇天牛 雨月 201801
静けさや闇にくぐもる夜の霧笛 向井芳子 春燈 201811
人の死を遠い霧笛のやうに聞く 直江裕子 京鹿子 201902
ステーションホテルに春の霧笛聞く 藤井美晴 やぶれ傘 201907
浮かれ出る水母一団遠霧笛 丸井巴水 京鹿子 201907
行く秋やゆつくり渡る霧笛橋 山口登 末黒野 202001
霧笛橋はや夕影の酔芙蓉 岡野里子 末黒野 202001
玄海の沖のふくらむ霧笛かな 西住三惠子 202006
早暁の霧笛の頻り霙降る 内山みち 末黒野 202105
暁闇の霧笛響めり土庄港 金光浩彰 202112
離宮に入る霧笛の長し鬱金桜 篠田純子 あを 202206
玄海の沖のふくらむ霧笛かな 西住三惠子 202212

2023年11月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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