海 霧     166句

靡き迅き川藻を海霧のつつみゆく    高島茂

 朝霧 夕霧 夜霧 川霧 山霧 海霧 霧笛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
門火焚く利尻の海霧に一家族 柴田良二 雨月 199901
一瞬の海霧が消し去る烏賊釣火 水原春郎 馬醉木 199908
海猫鳴くや海霧濃き岬行くときに 堤正俊 春耕 199908
海霧ごめの断崖負へる番屋の灯 岩崎きゑ子 馬醉木 199912
まつ毛濡れ海霧に船待つ新教師 工藤義夫 馬醉木 200008
玉を解く芭蕉や海霧の深みつつ 工藤義夫 馬醉木 200008
覚めてゐし親牛仔牛海霧の夜 皆川盤水 春耕 200008
原生花園めぐるや海霧につつまれて 中村房子 馬醉木 200010
まだ霽れぬ海霧に釧路の町暮るる 黒川悦子 円虹 200010
消えてまた海霧に瞬く浮標の灯 岩崎きゑ子 馬醉木 200011
海霧濃しや燈ともしてゐる沖の船 大竹節二 春耕 200107
海霧冷えて今は遠くの国後に 遠藤和彦 遠嶺 200107
玫瑰や海霧迫り来る遭難碑 水原春郎 馬酔木 200109
海霧雫して戻りたる大漁船 藤村美津子 春耕 200109
半島に遠音別岳海霧迫る 小澤克己 遠嶺 200110
沈黙の翳濃き大樹海霧へ向く 戸村よねこ 遠嶺 200110
夏の海轍のめのめと海霧ガスながれ 阿辺一葉 海程 200110
捨てそだつ鴎はかもめ海霧の中 黒田貴勢 京鹿子 200111
海図なき島は忽ち海霧じりに消ゆ 鈴鹿仁 京鹿子 200207
膨らみて魚網に憩ふ海霧鴎 村瀬初実 春耕 200207
一湾の海霧をつきぬけ群鴎 藤井基史 帆船 200210
海霧湧きて断崖空に解け込みぬ 岩崎皓子 雲の峰 200210
海霧流る夜の明け初めし熊野灘 中川晴美 雲の峰 200211
海霧動き摩周湖将に現れむとす 岡田暮煙 200211
海霧じり動き原電百灯動きけり 塩見育代 200303
逆立ちや海霧の黄金色なして 中島陽華 200304
海霧ふかき航やディナーの予約席 塩路隆子 花衣 200307
海霧深き船をこばみし遠流の地 三好智子 200309
海霧深し天下の険の崖下る 岡田有峰 築港 200309
海霧湧くや孤島崩るるかに消ゆる 浜田南風 200310
海霧流れ顔まだ見せぬ安房の山 梅村すみを 200310
海霧覆ひ水平線の見えずなる 小澤友江 築港 200310
駅の名の星置ほしおき星見ほしみ海霧霽るる 斎藤節子 馬醉木 200312
海霧や船団を組む十二隻 伊藤とら 雲の峰 200312
券売機札を拒める海霧じりの駅 山元志津香 八千草 200401
海霧予報忙し海洋気象台 稲畑廣太郎 ホトトギス 200407
泣きながら積みたる石か海霧の嵩 今瀬剛一 対岸 200407
海霧ごめに艦影憩ふ遠嶺富士 渕上千津 200408
干蛸の踊りどほしに海霧流れ 永田二三子 酸漿 200412
海霧湧くや京葉線の弧のうちに 佐々木よし子 200502
海霧晴れ間昭和新山迫り来る 岩崎靖子 200508
あけがたの団地を海霧の埋めたる 長沼三津失 200508
吹き上ぐる海霧が洗へる牛の艶 手島靖一 馬醉木 200509
踏みたたむ帆に海霧が来てたかる 鷹羽狩行 200509
海霧の夜の根室に船のビール干す 蓮尾あきら 風土 200509
突堤の海霧にわが身をただよはす 長沼三津夫 200510
海霧じりの中拾ひあげたる小石かな 本多俊子 200511
夜と朝のはざまの家並海霧膨る 安原ときこ 遠嶺 200511
海霧うすれ港夜景の煌めけり 平野伸子 馬醉木 200601
「地の群れ」の叫びは凪ぎて海霧深し 能村研三 200608
六月の海霧深き信長忌 神蔵器 風土 200608
海霧寒く朝の団地を埋めけり 長沼三津夫 200608
海霧じり引いて満艦飾のをのこなり 小形さとる 200610
ロシア人多き根室に海霧込むる 長尾和子 200610
海霧ごめに見え隠れする打瀬船 長尾和子 200611
海霧深し岬の鉄柵握りしめ 糸井芳子 200612
海霧幾重母の佃煮黴て着く 澤田緑生 馬醉木 200701
哨戒機一機戻らず海霧急襲 澤田緑生 馬醉木 200701
供奉船の二百海霧より現はるる 青山悠 200702
海霧の中その奥深したなごころ 本多俊子 200703
海霧に黒百合濡るる礼文島 阿部悦子 酸漿 200707
竜飛岬より海霧の奈落へ下りけり 伊藤稔代 200710
肩巾ほど開けて商ふ海霧の町 落合絹代 風土 200710
海霧かくす宗谷岬の地を踏みし 堤陽子 遠嶺 200711
海霧に町の声聞く囚人島 柳川晋 200711
海霧が動く市場に胴間声 大川冨美子 ぐろっけ 200712
海霧寒の小樽の沖は日本海 岸田爾子 200801
海霧襖小樽そのまま夜の街 岸田爾子 200803
あかつきや海霧のかくして太平洋 藤井圀彦 200809
沖よりの海霧の深きに灯る街 梶川智恵子 200809
海霧ふかし指呼の千島を奪ひけり 梶川智恵子 200810
海霧の街狼魚の眼の光る 森竹昭夫 遠嶺 200811
海霧流す風あり白帆傾けり 岸田爾子 200902
船霊に柏手を打つ海霧霽るる 鈴木伸一 200908
海霧深し箱館通寶銭座跡 小梅順 炎環 200908
海霧を来て祝福の椅子に座す 小澤克己 遠嶺 200909
海霧日高行き着くところ駿馬の碑 佐瀬晶子 ろんど 200909
海霧のなか濁世も浄土夢菩薩 岸田爾子 200910
海霧深き夜時代屋の飾窓 小山徳夫 遠嶺 200910
言霊をつつむ海霧かいむの深さかな 本多俊子 200910
煌めきの港の今日は海霧に貸す 須田千鶴子 炎環 200911
子らの声洩れ来る海霧の小学校 山内なつみ 万象 200911
海霧じり深し灯台の灯の息づきて 秋山信行 やぶれ傘 200911
船具屋を閉ざす貼紙海霧深む 五領田幸子 馬醉木 200912
停泊の明かり流るる海霧の湾 丸井巴水 京鹿子 201007
海霧の霽れしフィヨルド旅惜む 井口淳子 201009
玫瑰やたちまち海霧に消ゆる海 根橋宏次 やぶれ傘 201009
海霧の霧れしフィヨルド旅惜しむ 井口淳子 201010
海霧深し媛の入水の湾の口 松本三千夫 末黒野 201011
海霧じり濡れの朝の街道秋桜 田中臥石 末黒野 201101
「蚊焼」てふ隠れ集落海霧深く 能村研三 201107
独歩詩碑海霧と遊んでゐるやうな 松井志津子 201108
海霧覆ふ丹後半島望み得ず 近藤豊子 雨月 201109
海霧這い来たる無言にて町をあと あかさか鷹乃 ろんど 201110
湿原の海霧に旅愁をたたみけり 上家弘子 ろんど 201112
葬儀ミサ聖堂に海霧迫り来る 荒井千佐代 201209
船笛の行き交ふ海霧の深みかな 北川英子 201209
海霧に幣舞橋は汽笛のみ 三井尚美 ぐろっけ 201210
木道を海霧が隠せり活火山 福島せいぎ 万象 201210
海霧じりの径何も見えざる大いさよ 本多俊子 201302
海霧深し出船の汽笛くぐもれり 斉藤マキ子 末黒野 201304
ここ礼文海霧に濡れつつ山路かな 伊藤純子 201310
海霧流れ島の暮しの灯の早し 松本三千夫 末黒野 211310
海霧うすれ動き始むやタグボート 庵原敏典 末黒野 211310
海霧のぼる崖の垂直草田男忌 秋葉雅治 211310
海霧深し舷高き難破船 玉田瑞穂 万象 211310
墓碑名ジョン海霧の彼方の母国向く 久染康子 201408
はまなすの海霧ぬれ咲けり岬の牧 沼澤石次 馬醉木 201408
オホーツクの海霧なり嶺々に及びける 浅井青二 雨月 201410
気仙語の漁師こわだか海霧の奥 山崎青史 ろんど 201410
山霧と海霧が交叉す仏舎利塔 田中貞雄 ろんど 201411
海霧の波畜風下にみな向けり 曽根薫風 馬醉木 201412
海霧霽れて離島通ひの船の銅鑼 山口誠 馬醉木 201501
砕けてはたちまち海霧に礁波 山口ひろよ 201501
海霧のぼる崖の垂直草田男忌 秋葉雅治 201501
海霧薄れたる岸壁に警備艇 瀬島洒望 やぶれ傘 201501
降り立てば瀬戸の海霧父母の里 神田惣介 京鹿子 201503
海霧はるか見えざる佐渡をみつめをり 寺田すず江 明日葉 201505
富士見ゆる筈と指さす海霧の奥 松井志津子 201509
海霧の航利尻礼文をひと跨ぎ 藤原照子 201509
灯台も鰊番屋も海霧のなか 原田しずえ 万象 201510
まぼろしにやん衆の声海霧にかな 原田しずえ 万象 201510
海霧流れ国後の影はやあらず 井上浩一郎 ホトトギス 201511
じんわりと海霧包みゆくビルの街 矢野百合子 201511
海霧はれていくりを越ゆる片男波 来海雅子 201602
とびしまの海霧を走らす安芸の風 鈴鹿呂仁 京鹿子 201607
捨舟のあたり最も海霧深し 平田はつみ 馬醉木 201608
海霧深き北の果なる獄舎かな 大内和憲 万象 201608
海霧沖まで男ぽつりと津波言ふ 野沢しの武 風土 201609
オホーツクの海霧の寄せくる牧草地 渡会昌広 馬醉木 201610
海霧の沖望むオープンカフェテラス 安斉久英 末黒野 201610
海霧深き隧道三つ夕弥撒へ 荒井千佐代 201611
海霧深し途切れし闇に牛の声 佐藤哲 万象 201611
海霧深くなる沖の島を遙拝す 白水良子 201702
軍港の海霧に逆らふ鴎の列 丸井巴水 京鹿子 201703
放牧の馬にひたひた海霧迫る 福岡かがり 雨月 201709
夕汽笛みなとみらいは海霧のなか 今村千年 末黒野 201711
海石打つ波の競ひや海霧の沖 安斎久苗 末黒野 201712
遠近の灯を甘うして海霧(じり)の夜 中島陽華 201804
登四郎忌過ぐベイブリッジは海霧の中 千田百里 201808
カステラセットを海霧深き峠茶屋 荒井千佐代 201809
沖よりの海霧のうす墨岬呑む 佐久間由子 201810
海峡を境に海霧の濃き淡き くどうひろこ 201908
太宰忌を牡鹿半島の海霧の中 西條弘子 201909
海霧深し糶場の隅の空生簀 小形博子 201909
海霧深く岬山岬鼻影絵めく 宮原悦子 雨月 201910
大橋の末海霧に消されゆく 田尻勝子 六花 201912
海霧の幕おちたかに富士の峰 湯本正友 やぶれ傘 201912
海霧晴れし湿原百の水鏡 平野無石 201912
両端に貝塚を置く海霧の湾 森高武 風土 202009
海霧の浜弁当に赤いウインナー 森高武 風土 202009
海霧這つて暗き港の駅舎跡 田中臥石 末黒野 202011
海霧湧きて道往く人の影淡し 田中臥石 末黒野 202012
右銚子左安房道海霧湧きぬ 田中臥石 末黒野 202012
梵鐘や海霧の寄せ来る熊野灘 中田禎子 202104
海霧ごめに来る波音は寧からむ 能村研三 神鵜 202107
檣灯の出船や海霧の深みゆく 里村梨邨 202108
海霧走る苦海浄土を思ふとき 井原美鳥 202110
忽然と漁船現れ海霧に消ゆ 森高武 風土 202110
海霧はれて大島小島数の島 森清信子 末黒野 202111
海霧岬見えぬものみて噺けり 小野寿子 202201
陽に染まる冬の海霧船の影 石原孝人 京鹿子 202205
瀬戸の海霧あまたの磯をつなぎをり 鈴鹿呂仁 京鹿子 202207
思ひ出も声も姿も海霧の中 中西厚子 202208
海霧流れトーテムポール立つ港 河田水尾 春燈 202210
鬣に海霧のしたたる駿馬かな 小坂尚子 202210

 

2022年11月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。