17   200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
湖に霧立つ朝の孤舟かな 岡野里子 末黒野 201803
夕さりの霧に友呼ぶ磯千鳥 池野つむぎ 馬醉木 201803
遠近の灯を甘うして海霧じりの夜 中島陽華 201804
谷底の霧に入りゆく牛の群 あさなが捷 201801
吊橋の思はぬ長さ霧はるる 西住三惠子 201802
木菟の眼のひかる月夜のがはず 山咲和雄 末黒野 201804
橋に来て川霧川をあふれけり 角野良生 201803
売家の霧島つつじ咲いている たかはしすなお 201806
真向ひの霧立つ山や芽吹き初む 黒滝志麻子 末黒野 201806
挿し木して看取りごころの霧を吹く 望月晴美 201807
鐘の音に霧また生まれ遭難碑 大沢美智子 旬日 201808
川霧の峡這ひ上り朴の花 吉田政江 201808
登四郎忌過ぐベイブリッジは海霧の中 千田百里 201808
明日の忌を仕上げる霧として深し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
霧包む逮夜の宿の静寂かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201808
霧抜けて抜けて青空日本海 稲畑汀子 ホトトギス 201809
夢二現れさうな夜霧の記念館 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
霧霽れて君の唇近付き来 稲畑廣太郎 ホトトギス 201809
カステラセットを海霧深き峠茶屋 荒井千佐代 201809
故郷をへだてて遠し霧の海 川崎雅子 春燈 201809
沖よりの海霧のうす墨岬呑む 佐久間由子 201810
忌日寺へと霧抜けて霧ぬけて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
雲覆ふ富士霧纏ふ伊吹かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
峰寺を霧押し上げてゐる忌日 稲畑廣太郎 ホトトギス 201810
霧深き高野を目指すケーブルカー 仁上博恵 201811
この霧の彼方は四国小豆島 稲畑廣太郎 ホトトギス 201811
霧晴るるやいそいそ登る雄山まで 古賀恵子 201811
高原の霧の早さよ視界閉づ 水谷保子 雨月 201811
北壁に霧の緞帳下り来る 宮原悦子 雨月 201811
静けさや闇にくぐもる夜の霧笛 向井芳子 春燈 201811
幾たびも霧立ちのぼる谷のあり 篠田純子 あを 201811
赤き実の名は何やらん霧晴れて 篠田純子 あを 201811
山肌に添ふも背くも霧立ちぬ 篠田純子 あを 201811
ふたつみつ山重ねたり霧晴るる 篠田純子 あを 201811
コンサイスにのこる旧姓霧匂ふ 井上菜摘子 京鹿子 201812
ゴンドラの突と現れ霧ぶすま 森清信子 末黒野 201812
ビロードの感触の苔霧迅し 森清信子 末黒野 201812
精霊の囁き霧の流れけり 近藤喜子 201812
朝霧の置き残しけり返り花 伊丹さち子 馬醉木 201901
苔を被て霧の朽木のけものめく 西村梛子 馬醉木 201901
霧の濃く高野百坊昼灯す 中村房子 馬醉木 201901
狭霧霽れ眼下に熊野大権現 山口誠 馬醉木 201901
放牛の濃霧の中を鳴き交す 荻巣純子 雨月 201901
朝霧や妻に促す旅心 碇天牛 雨月 201901
朝霧を吸うて漬物石沈む 甲州千草 201901
朝霧のとざす一村鹿威し 能美昌二郎 201901
高原は霧に明けゆく白樺 秋山信行 やぶれ傘 201901
丹頂の鋭声湿原霧籠めに 土井三乙 風土 201901
壬申の阿騎野は霧を深めけり 上辻蒼人 風土 201901
天童の大朝霧に着けるバス 赤川誓城 ホトトギス 201901
生と死の間を行き来する霧よ 中杉隆世 ホトトギス 201901
余生また地図の無き旅霧迅し 山中志津子 京鹿子 201901
山売りしことな咎めそ霧の鵙 定梶じょう あを 201901
明らめば山襞に霧たなびけり 竹内文夫 やぶれ傘 201902
廃校も駅舎も霧に隠れけり 大内幸子 六花 201902
水害の復旧工事霧深し 四方由紀子 風土 201902
人の死を遠い霧笛のやうに聞く 直江裕子 京鹿子 201902
霧しぐれ生涯遺書は白きまま 村田あを衣 京鹿子 201902
美女平消しつつ霧の這うて来し 窪みち子 201902
霧しぐれ北山杉は音立てず 窪みち子 201902
濃霧出で車窓にスマホ一斉に 古賀恵子 201902
生駒山きのふの霧を被りしか 高野昌代 201902
退屈の底に夜霧の落ちてくる 江島照美 201902
奥宮を仰ぐ一歩や霧晴れて 和田慈子 末黒野 201902
音残し霧の奥へと一輛車 堀井英子 雨月 201903
霧襖一村なべて宇宙基地 高村令子 風土 201903
鴨眠る沼の払暁霧動く 正谷民夫 末黒野 201903
霧深し富嶽麗姿を隠しをり 山口登 末黒野 201903
熱湯を即席めんに霧の夜 瀬島洒望 やぶれ傘 201903
たちまちの霧に包まれたる二人 安原葉 ホトトギス 201904
霧茫々高天原はここらかと 河原敬子 201904
朝霧の伊予の霊峰鳥帰る 石本秋翠 馬醉木 201905
霧に点る町に一つの信号機 窪みち子 201905
浮かれ出る水母一団遠霧笛 丸井巴水 京鹿子 201907
軍港蔵す馬が灯を提げ海霧へ消ゆ 木村嘉男 201908
海峡を境に海霧の濃き淡き くどうひろこ 201908
押し寄せし霧に捉はれゐし山路 稲畑汀子 ホトトギス 201909
山霧に募る不安を分ち合ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201909
山路来て霧の集まるところかな 稲畑汀子 ホトトギス 201909
霧深き山路怖れて運転す 稲畑汀子 ホトトギス 201909
山霧の流るる視界正しつつ 稲畑汀子 ホトトギス 201909
霧抜けて又霧抜けて山路ゆく 稲畑汀子 ホトトギス 201909
山荘の暮しの一部霧の朝 稲畑汀子 ホトトギス 201909
六甲の霧の山路を語らばや 稲畑汀子 ホトトギス 201909
霧晴れてこんな近くに海の景 稲畑汀子 ホトトギス 201909
岸壁を霧騰りゆく紅空木 根岸善雄 馬醉木 201909
太宰忌を牡鹿半島の海霧の中 西條弘子 201909
海霧深し糶場の隅の空生簀 小形博子 201909
海霧深く岬山岬鼻影絵めく 宮原悦子 雨月 201910
牛濡らし馬濡らしゆく牧の霧 武田未有 201911
川霧の山肌登る早さかな 上野進 春燈 201911
霧の海浮きつ沈みつ白き馬 大谷満智子 春燈 201911
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2021年11月13日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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