16   200句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
薄霧や思ひ届かぬもどかしさ 河ア國代 春燈 201512
十六夜の霧に悲しみ置いてくる 塩貝朱千 京鹿子 201512
深き霧車の尾灯ふつと消え 神田美千留 京鹿子 201512
白猫のいよいよ白し霧の奥 大木清美子 201512
霧笛聞く断崖黒きオホーツク 郷和顔 末黒野 201512
川霧や対岸の灯のぽつぽつり 松本文一郎 六花 201512
霧の橋いく度渡り奥の院 平居澪子 六花 201512
次々と霧に穴明け出勤車 高村令子 風土 201512
霧となり烟となつてをりにけり 中杉隆世 ホトトギス 201601
霧かをる五百年杉南谷 石井秀一 風土 201512
晴れてゆく霧の中より警報器 生田作 風土 201512
巻く霧に頭を寄せ合うて岬馬 野坂民子 馬醉木 201601
年輪を増やす古木が霧を舐む 丸井巴水 京鹿子 201601
沼わたる霧ほどけゆく岩ぶすま 成田美代 201601
顧みる尾根へ霧寄る夕べかな 黒滝志麻子 末黒野 201601
頂上の霧がうがうと流れをり 寺田すず江 201601
朝霧の奥の奥までお茶畑 上野進 春燈 201601
霧脱ぎてますます巨き東大寺 狭川青史 馬醉木 201602
渓谷の両翼のこし霧襖 森田節子 風土 201602
朝霧や逢ひたき人の忌曰くる 上野紫泉 京鹿子 201602
鳥海の朝霧海へ棚引けり 手島南天 万象 201602
霧ながれ瀬音の川となりにけり 中村千久 万象 201602
朝霧やトマムの山の蒔絵ぶり 山口素基 万象 201602
霧ごめの牛の鼻息塩なめ場 川村みよき 万象 201602
朝霧に濡れ畦の豆引きにけり 川村みよき 万象 201602
塔みゆる霧の川辺となりにけり 白石正躬 やぶれ傘 201602
海霧はれていくりを越ゆる片男波 来海雅子 201602
霧速し嶺つぎつぎと消しゆける 西川みほ 末黒野 201602
霧晴るる低き山脈安房の国 辻井ミナミ 末黒野 201602
中天に浮かぶ高層霧立ちぬ 中谷未知 末黒野 201602
笛の衆睫毛に霧を乗せてをり 岡田一夫 201602
ふえろもんのようなもんでしょふわり霧 中原幸子 船団 201602
夕霧の打掛け眩し初芝居 コ田千鶴子 馬醉木 201603
目に見えぬ霧ある花鳥濡れてをり 木村享史 ホトトギス 201603
あるときは絹の光沢霧走る 木暮陶句郎 ホトトギス 201603
霧の音夢二の森を抜けるとき 木暮陶句郎 ホトトギス 201603
山国の霧の月夜と思ふべし 河野美奇 ホトトギス 201603
霧深し仏陀の花を摘みに出る 高野春子 京鹿子 201603
山霧や墨絵さながら一両車 八城洋子 末黒野 201603
路地あれば路地に川霧置き行灯 佐藤喜孝 あを 201604
北海の霧笛ふるさと遠きかな 升田ヤス子 玫瑰 201604
雨霧の谷間晴れゆく藤の花 中村千久 万象 201607
霧ヶ峰晴れ鈴蘭とグライダー 藤原照子 201607
とびしまの海霧を走らす安芸の風 鈴鹿呂仁 京鹿子 201607
霧隠す榛名も夢二偲ぶもの 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
捨舟のあたり最も海霧深し 平田はつみ 馬醉木 201608
海霧深き北の果なる獄舎かな 大内和憲 万象 201608
霧深き二千米へと山路 稲畑汀子 ホトトギス 201609
アルプスも富士も霧さへなかりせば 稲畑汀子 ホトトギス 201609
過去未来そして現在霧去来 稲畑汀子 ホトトギス 201609
嶺よりの霧に声張る時鳥 林八重子 馬醉木 201609
海霧沖まで男ぽつりと津波言ふ 野沢しの武 風土 201609
沙羅沙羅と舞ひて真白き霧ふやす 塩貝朱千 京鹿子 201609
肩寄せて生きるほかなし霧の中 沼田巴字 京鹿子 201609
山霧のかたまりゆける時鳥 藤生不二男 六花 201609
くちづけに似て火口湖の霧まとふ 竹内弘子 あを 201609
オホーツクの海霧の寄せくる牧草地 渡会昌広 馬醉木 201610
慈悲心鳥霧運びたる山の黙 林八重子 馬醉木 201610
海霧の沖望むオープンカフェテラス 安斉久英 末黒野 201610
朝霧にブーレッド城の隠さるる 中村洋子 風土 201610
海霧深き隧道三つ夕弥撒へ 荒井千佐代 201611
武士の塚山霧の尾の奔る 矢崎すみ子 201611
山霧やカルスト台地総嘗めに 岩月優美子 201611
霧深し呼ぶこゑを待つ巡視船 中田禎子 201611
仔牛出て渋滞続く霧の夜 島玲子 風土 201611
海賊の潜む波路や霧深し 島玲子 風土 201611
大山の狭霧に朝の心置く 山田六甲 六花 201611
霧切れてくる千本の檜苗 中田みなみ 201611
咳込むは辰雄か霧の軽井沢 中田みなみ 201611
海霧深き隧道三つ夕弥撒へ 荒井千佐代 201611
水平線かき消すほどに霧深し 石森理和 あを 201611
綿菅の野を朝霧の走りけり 大内和憲 万象 201611
海霧深し途切れし闇に牛の声 佐藤哲 万象 201611
朝霧のリフトの下の花野かな 渡辺絹代 末黒野 201611
駒ヶ岳墨画となりぬ霧襖 坂口郁子 末黒野 201611
強右衛門磔刑の野は霧疾し 能村研三 201612
三つ石へ鎮魂の霧立ち上る 吉田政江 201612
倒木も舟出の構へ霧の湖 森岡正作 201612
木道に打ち寄す苔や霧流る 森岡正作 201612
霧底の霧膨らます対向車 峰崎成規 201612
朝霧に染み一叢の曼珠沙華 森藤千鶴 馬醉木 201612
霧さぐり祖谷の外湯に浸りけり 笹村政子 六花 201612
山霧の谷埋めてより動き出す 和田紀夫 201612
朝霧の町のあけゆく匂かな 西岡啓子 春燈 201612
ひとときの霧の晴れ間の湖真青 森和子 万象 201612
霧に点す無人の駅の時刻表 佐藤雄二 万象 201612
朝霧の匂う少年名はシスター 阪野基道 船団 201612
襞多き御嶽の裾霧動く 森清堯 末黒野 201612
県境の峠の霧やけらつつき 森清信子 末黒野 201612
人麻呂の終焉の地や霧深し 宮原悦子 雨月 201701
夢魔つねに男の影や霧の朝 有松洋子 201701
霧ごめの川中島の今昔 荻布貢 201701
ぽつねんと霧の中より曙草 浜福惠 風土 201701
海平ら霧の峠を降り来て 浜福惠 風土 201701
霧ごめに海軍橋と官舎山 福田周草 風土 201701
霧深し子の権現の大草鞋 鈴木鳳来 春燈 201701
霧立ちて闇やはらかくなりにけり 上野進 春燈 201701
しづかなり胸の破船を包む霧 片山煕子 京鹿子 201701
霧雨にけぶる山並まんじゆしやげ 志方章子 六花 201701
山国は霧たちながら時雨けり 善野烺 六花 201701
朝の霧晴れて万象輝けり 手島南天 万象 201701
死に絶えし如く空港霧の中 吉村摂護 201612
玄海のおとなしき日や霧る 柴田志津子 201701
霧の中瞑想も又祈りなり 山田正子 201701
奔放に湧く山霧のラプソディー 楠原幹子 201701
パトカーの尾灯に従いて霧の道 瀬島洒望 やぶれ傘 201701
声あげてわが身確かむ霧ぶすま 定梶じょう あを 201701
霧深く着きしホテルの長き廊 今井千鶴子 ホトトギス 201702
霧かかりくると見る間につつまるる 今橋眞理子 ホトトギス 201702
霧恐れ霧楽しみて山荘に 今橋眞理子 ホトトギス 201702
道を消し奈落を隠し霧の這ふ 池田雅かず ホトトギス 201702
霧を抜けてもまた次の霧の中 池田雅かず ホトトギス 201702
山に生くるものの気配や霧動く 須賀ゆかり 201702
霧襖やぶつて巨き翼来る 南うみを 風土 201702
朝刊来墨絵ぼかしの霧の中 高村令子 風土 201702
道一つ違へて霧の山路かな 高村令子 風土 201702
居ながらに霧の中から駅放送 大内幸子 六花 201702
霧雨に溶けゆくバスの尾灯かな 布川孝子 京鹿子 201702
動くまで眺めて霧の橋の傘 田部井幸枝 201702
海霧深くなる沖の島を遙拝す 白水良子 201702
点灯の車列山霧分けゆけり 安斎久英 末黒野 201702
霧ごめの峠我が身の在りどころ 安斎久英 末黒野 201702
夕霧の波立ち騒ぐ池塘かな 安斎久英 末黒野 201702
忽然と十国峠五里霧中 安斎久英 末黒野 201702
ヘッドライト霧の深さを探りをり 安斎久英 末黒野 201702
靴音も杉の木立も霧の中 峰幸子 末黒野 201702
霧深き木地師の里や香気満つ 松橋輝子 末黒野 201702
軍港の海霧に逆らふ鴎の列 丸井巴水 京鹿子 201703
キングの塔へ銀杏落葉や霧笛鳴る 北郷和顔 末黒野 201703
霧深し源流といふ水の音 堀田清江 雨月 201703
木の床にブーツ霧笛の遠くあり 高田令子 201704
山霧の降りて来たりし座禅堂 河原敬子 201703
友の死を告げる電話や窓は霧 神田惣介 京鹿子 201704
山峡の霧の底より瀬音かな 庵原敏典 末黒野 201704
節分の今朝月山は霧隠れ 沼澤石次 馬醉木 201704
朝霧の晴れて古刹の八重桜 吉田きみえ 末黒野 201708
霧晴れて刻々時間経つばかり 稲畑汀子 ホトトギス 201709
山頂を隠す霧にも情けあり 稲畑汀子 ホトトギス 201709
山荘の霧に慣れねばならぬかな 稲畑汀子 ホトトギス 201709
霧抜けて抜けて山頂へとカーブ 稲畑汀子 ホトトギス 201709
立山の霧なき山路なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201709
稜線を霧が包んでゆく静寂 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
放牧の馬にひたひた海霧迫る 福岡かがり 雨月 201709
石楠花に白山の霧おりてくる 大坪貞子 万象 201710
要らざりし一語か夜霧こころにも 渕上千津 201711
霧時雨山の鼓動を隠しをり 木村美翠 201711
高原の一戸の宿や霧しんしん 江澤弘子 201711
夕汽笛みなとみらいは海霧のなか 今村千年 末黒野 201711
夕立霧橋の向かうに師の待てる 奥田筆子 京鹿子 201711
せせらぎの音を霧吸ひ河童橋 松本三千夫 末黒野 201712
霧走り稜線しかと前穂高 松本三千夫 末黒野 201712
奥飛騨や流れは白蛇霧は龍 松本三千夫 末黒野 201712
霧深しシートベルトに身を固め 安斎久苗 末黒野 201712
海石打つ波の競ひや海霧の沖 安斎久苗 末黒野 201712
山襞を流るる霧や小湧谷 加藤静江 末黒野 201712
頂を霧すつぽりと裾残し 佐藤喬風 末黒野 201712
足元まで波の寄せ来る霧の中 中江月鈴子 201712
霧晴るる連山素顔見せにけり 高埜良子 春燈 201712
群れなして走る緬羊霧の中 海村禮子 春燈 201712
霧の瀬戸粛粛として海動く 能美昌二郎 201712
川音の遠くなりゆく霧襖 寺田すず江 201712
朝霧草日の出前なる光かな 吉田順子 201712
霧の温泉足をゆらせば人魚めく 田中藤穂 あを 201712
阿夫利嶺に神在します霧襖 小林共代 風土 201712
霧の夜塩とレモンとウオッカと 岡本尚子 風土 201712
朝霧や異凶のごとき向かう岸 須賀ゆかり 201801
奔放に湧く山霧のラプソディー 楠原幹子 201801
熊除けの鈴の近づく霧の中 金森教子 雨月 201801
僚船の霧笛流るる備讃瀬戸 碇天牛 雨月 201801
風渉り霧は外人墓地を攻める 久保東海司 201801
山霧や祝詞の奥に五狐の神 竹中一花 201801
霧を吐く山の息つぎする夜かな 間島あきら 風土 201801
見失ふ点字ブロック霧の中 竪山道助 風土 201801
山霧や鉄の階段コツコツと 白石正躬 やぶれ傘 201711
村と村繋ぎて霧の一揆かな 山中志津子 京鹿子 201801
濤音に人声まぎる夜霧かな 玉田瑞穂 万象 201801
山の音消し行く速さ霧襖 長谷川信一 万象 201801
サイレンはダムの放流霧深し 田上幸子 万象 201801
綿菅の霧に紛れぬ白さかな 今井康子 201712
ゴンドラを吸ひ込む山頂霧深し 永島雅子 春燈 201801
遠山に霧の晴れゆく旅日和 赤羽陽子 春燈 201801
群れなして走る緬羊霧の中 海村禮子 春燈 201801
落葉松に霧迫り来る峠かな 森清信子 末黒野 201802
くつきりと見えたりやがて霧の尾根 安斎久英 末黒野 201802
剣崎の遥か房総霧深し 安斎久英 末黒野 201802
ガス灯は明治の運河霧深し 笹倉さえみ 雨月 201802
霧の奥へ奥へやがて私も雲になる 上原玲子 京鹿子 201802
祖母がゐるやも霧深き狭間畑 小林輝子 風土 201802
朝霧の土手の斜面のもぐら塚 白石正躬 やぶれ傘 201803
霧→17      

2021年11月12日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。