14   131句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
霧こめてくる髪すこし重くなる 柳生千枝子 火星 201101
霧晴れて穂高連峯見えて来し 竹内水穂 火星 201101
深吉野の霧に籠れり鹿の声 西村節子 火星 201101
遠き灯へ霧の被さる通夜戻り 悼高橋ちよ様 201101
薄明の霧より現るる杉並木 藤原照子 201101
城山の音を封じて霧の雨 竹下道子 京鹿子 201101
城の史きざむ一石霧しづく 倉橋あつ子 京鹿子 201101
丹波路は海の底めく霧の朝 倉橋あつ子 京鹿子 201101
五島灘霧襖突く護衛艦 吉村摂護 201101
六文銭持ちて旅立ち霧時雨 竹下昭子 ぐろっけ 201101
産土へ道をかくして霧流る 秋葉貞子 やぶれ傘 201101
霧の中湖畔の声を遠く聞く 上原光代 酸漿 201101
子と登る霧の高尾や百日忌 井上幸子 酸漿 201101
峡深き橅の集落霧に濡れ 池田加寿子 201102
霧に消え再び現れし同じ景 稲岡長 ホトトギス 201102
霧はれてきたる夜景の大都会 安原葉 ホトトギス 201102
叡山といふ杉襖霧襖 古賀しぐれ ホトトギス 201102
谷底の霧の泊りといふ異界 長山あや ホトトギス 201102
霧走り一山の闇走りけり 長山あや ホトトギス 201102
霧ごめの城址声なき声聞こゆ 竹内慶子 春燈 201102
法の山海になだるる霧すだま 本多俊子 201102
霧の中より山越え阿弥陀のごときビル 冨松寛子 201102
病との馴れあいつづき霧の夜 柴田朱美 京鹿子 201102
束の間の十国峠に霧奔る 柴田朱美 京鹿子 201102
霧が霧よびて痩身なほ細く 柴田朱美 京鹿子 201102
捨て墓の石ともなれず霧まとふ 柴田朱美 京鹿子 201102
顛末を霧に隠してたくらめり 柴田朱美 京鹿子 201102
霧深し父の里また母の里 松林順子 雨月 201102
石鼎の庵のあなたの霧襖 丸山照子 火星 201102
鶏鳴の風にのりくる霧の町 田中文治 火星 201102
竹灰に朝の霧雨降りだしぬ 山田六甲 六花 201102
湯元なる湯けむり霧と連れのぼる 恒成久美子 ぐろっけ 201102
魂を霧に吸はるるごと歩く 須藤常央 ホトトギス 201103
霧に呼び掛くれば応へ遭難者 須藤常央 ホトトギス 201103
落石の音曳く霧を登りけり 須藤常央 ホトトギス 201103
横川去る霧に紛れてゐる暮色 藤浦昭代 ホトトギス 201103
霧はしる夜や千鳥の釘隠 梶浦玲良子 六花 201104
霧雨をしぶきが払ふナイアガラ 大西まりゑ 酸漿 201104
地のはるかオンタリオ湖に朝の霧 大西まりゑ 酸漿 201104
朝日ざしほのと霧立つ敷松葉 千田敬 201104
霧、夜ごときて落葉松を枯らすかな 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
オホーツクの霧に駅柵いたみしよ 成瀬櫻桃子 櫻桃子選集 201105
呑むほどに醒めて湖北の霧曇り 小形さとる 201106
山峡に夕の狭霧や墨絵めき 高谷栄一 嵯峨野 201107
あの霧にこの風にみちのくを知る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201108
二上山も金剛山も見えず霧ぐもり 田所洋子 雨月 201108
山路行く霧に尾灯を逃さじと 稲畑汀子 ホトトギス 201109
晴れてゆく霧を信じる他はなく 稲畑汀子 ホトトギス 201109
うすうすと流れはじめし霧の道 稲畑汀子 ホトトギス 201109
晴れてゆく霧閉ざしゆく霧の中 稲畑汀子 ホトトギス 201109
山荘の霧なつかしく恐ろしく 稲畑汀子 ホトトギス 201109
霧抜けてゆく着陸の態勢に 稲畑汀子 ホトトギス 201109
よく見れば動かぬ霧のなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201109
甘く見てあらぬ山路の霧となる 稲畑汀子 ホトトギス 201110
忽ちといふは山路の霧のこと 稲畑汀子 ホトトギス 201110
霧込めて琵琶湖しづもりをりにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201110
霧動きそめ湖晴れて行きにけり 稲畑汀子 ホトトギス 201110
霧抜けて又霧抜けて又霧へ 稲畑汀子 ホトトギス 201110
濠々と噴き湯霧ごめ後生掛 成宮紀代子 201110
霧の中別れ言はずに別れけり コ田千鶴子 花の翼 201111
見送りて霧に尾燈のにじみたる コ田千鶴子 花の翼 201111
霧深き最果ての地の開拓史 田下宮子 201111
豊けしや霧の晴れたる筆遊び 小瀧洋子 ろんど 201111
霧晴れぬ這松の辺の岩桔梗 相沢有理子 風土 201111
霧を追ひ霧の流るる溶岩が原 林いづみ 風土 201111
諏訪口を霧の吹き入る山葡萄 橋本榮治 馬醉木 201112
霧の川徐々にじよじよにと戰ぐかな 佐々木紗知 京鹿子 201112
高原の一両列車霧まみれ 安田一郎 京鹿子 201112
足元に湧く霧を抜け伊吹山 黒滝志麻子 末黒野 201112
人影の消えては現るる山の霧 黒滝志麻子 末黒野 201112
道祖神これより霧の九十九折 蓮尾みどり ぐろっけ 201112
一山を覆ふ這松霧湧けり 上谷昌憲 201112
山に入るもう霧濡れの案内板 安居正浩 201112
噴煙は霧にまぎれずななかまど 神蔵器 風土 201112
温泉たまごコツンと割りぬ霧の中 神蔵器 風土 201112
十五里の十里は霧中句会へと 小林輝子 風土 201112
霧に掻き消されさうなる安久津宮 田中貞雄 ろんど 201112
風鐸の音色の統ぶる霧襖 田中貞雄 ろんど 201112
生き方を探して辿り着く濃霧 ことり 六花 201112
登高す霧の匂ひの濃き中を 曽根満 万象 201112
霧はれて紅葉おどろく人おどろく 堀内一郎 あを 201112
濡れそぼつ心に御釜描く霧 安原葉 ホトトギス 201201
乳色の霧の匂ひの村に入る 都丸美陽子 春燈 201201
羽の国や霧ごめの暾の一つ紋 小林輝子 風土 201201
霧吸ひて己が息として吐きぬ 中根美保 風土 201201
霧立てて三千年のカルデラ湖 浅田光代 風土 201201
出女の首筋にくる霧の粒 浅田光代 風土 201201
湿原に流るる霧におぼれけり 林いづみ 風土 201201
霧の香や立木のままの観世音 雨宮桂子 風土 201201
霧ごめの六甲背ナに誓子館 野口喜久子 ぐろっけ 201201
霧ぶすま御嶽山の七合目 蓮尾みどり ぐろっけ 201201
里山の裾より湧く霧峰を這う 福田かよ子 ぐろっけ 201201
ヨーデルの流れる牧の霧晴れて 水野範子 ぐろっけ 201201
霧晴れてクラーク指差す街明かり 佐瀬晶子 ろんど 201201
霧育て霧吐きにけり月の山 池内結 ろんど 201201
進むほど霧の濃くなり地蔵山 坂根宏子 201202
裾野へと湧き出づる霧なだれ落つ 大地真理 201202
暁紅の湖霧に翔つ羽音かな 北川英子 201202
霧の夜の熱きてのひら足の先 間島あきら 風土 201202
山荘の門戸を覆ふ霧襖 藤田かもめ ぐろっけ 201202
大壷に面構へあり霧の中 小堀寛 京鹿子 201202
言霊は木霊でありし霧峠 小堀寛 京鹿子 201202
鳴く牛に応ふる牛に霧深し 尾崎みつ子 雨月 201202
吊橋へ山男霧まとひ来る 柳生千枝子 火星 201202
霧深し箒を使ふ蝶ネクタイ 大山文子 火星 201202
山よりの霧を払へり馬の耳 大内和憲 万象 201202
丹波路や山へ消えゆく山の霧 笹村政子 六花 201202
中腹を真一文字に霧走る 蟻蜂 六花 201202
浪音の霧に茫々たる琵琶湖 稲岡長 ホトトギス 201203
茫々の湖霧といふ包むもの 稲岡長 ホトトギス 201203
一村を包みて余る山の霧 松田明子 201203
霧晴れてをらばをらばと富士見茶屋 岡崎伸 遠眼鏡 201203
霧の尾根靴音だけが蹤いて来る 岡崎伸 遠眼鏡 201203
霧込めや戦史を秘むる野面積 岩永はるみ 白雨 201203
霧深し瀬戸の船笛鳴り止まず 久永つう 瀬戸の海 201203
空も水も虚ろにしたる琵琶の霧 稲岡長 ホトトギス 201204
包みゐて大雁塔の霧黄なり 小林愛子 辻楽師 201206
慈悲心鳥鳴きわたり来て霧と去る 水原秋櫻子 馬醉木 201206
母病めり霧を走りぬ鵜が一羽 田中貞雄 万華鏡 201206
引返す霧の怖さを知つてをり 稲畑汀子 ホトトギス 201208
晴れさうな霧山頂に居据りぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201208
竜胆に霧の匂ひや岳の径 和田郁子 粥の味 201209
霧も又忌日彩るものとして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
霧襖抜けて山寺赤い傘 菅原孟 かさね 201209
堂守の欠伸をひとつ霧の朝 吉田啓悟 かさね 201210
誰彼を偲ぶ横川の霧去来 稲畑汀子 ホトトギス 201210
横川路の今年の霧の深かりし 稲畑汀子 ホトトギス 201210
大山の落ちて来さうな霧仰ぐ 山田六甲 六花 201210
出雲かな千木の先より霧立つは 山田六甲 六花 201210
心眼や霧の向うの比良比叡 稲畑廣太郎 ホトトギス 201211
湖霧を抜ける風速零の橋 稲畑汀子 ホトトギス 201211
霧→15      

 

2021年11月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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