13    100句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
点灯夫居さう霧濃き五番街 松井志津子 200912
鐘の音に霧また生まる遭難碑 大沢美智子 200912
眷恋や霧に灯点る窓ひとつ 安立公彦 春燈 200912
霧吸ひて霧しか見えぬ海猫の声 徳永明世 200912
山襞を霽れゆく霧の早さかな 上田明子 雨月 200912
峠路に掛るやどっと霧襖 上田明子 雨月 200912
這ひ上る霧の触れゆく道しるべ 安斎久英 末黒野 200912
訣れの手振れば生命線霧らふ 森茉明 京鹿子 200912
石槨の俎となる霧が鬼 有本恵美子 ろんど 200912
さくら紅葉いろは紅葉と霧襖 神蔵器 風土 200912
連理杉くぐりて寡婦の霧合羽 品川鈴子 ぐろっけ 200912
藁ぶきも甍も包んで秋の霧 伊賀則夫 200912
上げ板に指入れて曲ぐ霧深め 佐藤喜孝 あを 200912
見えざれど鳥声清し狭霧立ち 大松一枝 201001
曇り窓北アルプスは霧の中 増田一代 201001
原始とはかく襲ひくる山の霧 上崎暮潮 ホトトギス 201001
鐘楼に霧纏ひくる羽黒山 名取袿子 201001
子のメールシスコは今日も霧濃しと 菅野蒔子 末黒野 201001
死者を越え生者を越えて霧通る 西村純太 201001
霧深しわが声我に纏はり来 中島節子 春燈 201001
たたなづく山や霧立ち霧流れ 木多芙美子 春燈 201001
酒場の扉蹴りし靴跡霧の町 大西八洲雄 万象 201001
霧襖鴉の声が木霊して 岩木茂 風土 201001
来し方を見つめる真夜の霧笛かな 佐山五稜 風土 201001
断崖を登り来し霧匂ひけり 笹村政子 六花 201001
アルプスの霧より現るる急斜面 笹村政子 六花 201001
霜降や湖霧山へ馳せ登り 長谷川幸恵 酸漿 201001
ナイターの照明うつる霧の湖 長谷川幸恵 酸漿 201001
駅舎なる始発へ灯り霧襖 定梶じょう あを 201001
霧が分け入る竹の幹竹の幹 定梶じょう あを 201001
穂高嶺は霧のとばりの中にあり 谷口芳江 201001
みあれ祭霧の底より船湧きて あさなが捷 201002
霧笛曳き深浦出づる北帰船 塩見育代 201002
霧まとふ遭難の碑や波のこゑ 塩見育代 201002
草々の霧の重さの匂ひかな 橋本くに彦 ホトトギス 201002
雨止みてより沼霧の匂ひかな 橋本くに彦 ホトトギス 201002
霧走る山湖を銀に塗り替へて 木暮陶句郎 ホトトギス 201002
霧込めの紅葉風林火山の地 藤原照子 201002
霧が霧追ひ先生を送る頃 田所節子 201002
純白の太陽伊賀の霧の奥 大坪景章 万象 201002
霧まとふアンコールワット鶏鳴けり 田中道江 万象 201002
霧の香や拍子木の入る鵜の供養 岡田のり子 201002
湿原の遥かに霧の釧路かな 生田喬也 201002
霧らふ灯に湖尻淋しくなりにけり 下平しづ子 雨月 201002
霧ごめや大連ホテルにて尿る 深澤鱶 火星 201002
句心は霧の都心を抜けてより 稲畑廣太郎 ホトトギス 201003
海原へ舞鶴湾口霧を吐く 柴野静 201003
霧流る離宮の古向き山荘に 坂口三保子 ぐろっけ 201003
霧の駅ホームに果てのなきごとし 櫨木優子 201004
尖塔の十字架隠す霧曇り 伊藤文郎 201006
霧上がり墨絵世界に花の色 坂根宏子 201007
霧消えて富士の斑雪の現はるる 稲畑汀子 ホトトギス 201007
霧はらふ阿夫利嶺穀雨ひたと止む 大西八洲雄 万象 201007
霧包む最上階の静寂かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008
雨霧らふ山遠きよりほととぎす 宮平静子 雨月 201008
今朝も又金門橋は霧の中 須賀敏子 あを 201008
鮎釣のあたりに躍如些事霧散 北尾章郎 201009
ヨーデルの声アルプスの霧払ふ 坂本哲弘 山ざくら 201009
尖りつつ霧纏ひつつ甲斐の嶺々 稲畑廣太郎 ホトトギス 201009
霧の海甲斐の盆地に島生れて 大沼遊魚 倭彩 201009
月山の霧霽れにけり尾花沢 坂上香菜 201010
霧流れ薄雪草の浮かび咲く 梶井和呼 酸奬 201010
鈴音の移る牧場や霧の海 渡辺崖花 末黒野 201011
霧時雨筑波見ぬ日の始まれり 高橋泰子 201011
霧襖開らかむ妻の男騎り 久保東海司 201011
莨火の霧呼び霧に紛れゆく 森岡正作 201011
霧深きロープウエーの駅に佇つ 廣瀬雅男 やぶれ傘 201011
遠浅の海に霧立ち込めにけり ことり 六花 201011
比叡山の中堂にして霧深し 古田考鵬 雨月 201011
ここからは霧生む谿の奈落かな 松岡和子 201012
言ふなれば雲中の宴霧の宿 北尾章郎 201012
霧晴れて山容顕は故山なり 塩路五郎 201012
霧上る五合目よりの砂礫坂 鈴木照子 201012
霧深しすは天狗かと山をとこ 松岡和子 201012
霧走り前行く夫をさらひけり 松岡和子 201012
ここからは霧生む賂の奈落かな 松岡和子 201012
海峡に汽笛往き交ふ霧月夜 石本秋翠 馬醉木 201012
ケルン積む山湖に霧の帳かな 日阪昌子 馬醉木 201012
霧流る音か落葉松降る音か 神蔵器 風土 201012
吊橋へ山男霧まとひくる 柳生千枝子 火星 201012
霧払ふ風が霧呼ぶ風となる 柳生千枝子 火星 201012
霧寒しアイスミルクの中に居り 柳生千枝子 火星 201012
霧しづくして灯の漏るる合掌家 川端俊雄 火星 201012
霧のめし屋燈台光のめぐり来る 大西八洲雄 万象 201012
ちんぐるま吹かるる尾根の霧迅し 志奈禮子 万象 201012
山荘の霧の中なるバーベキュー 磯野しをり 雨月 201012
霧の中体操をする人もゐて 山荘慶子 あを 201012
昏れなづむ比良の濃霧に灯のひとつ 井口淳子 201101
丹波霧に煙る山並老ノ坂 山口キミコ 201101
語りつつ声高みゆく霧の径 安立公彦 春燈 201101
明知線「ごくらく切符」霧明かり 高埜良子 春燈 201101
霧ごめの句碑まろやかに先師文字 高埜良子 春燈 201101
霧流れ九寨溝に妖気満つ 横井明子 201101
長江の霧襖より忽と船 井上美智子 201101
摩周湖や霧の粒子となり巡る 犬塚李里子 201101
霧深き瀬音に蹤きてくだりけり 亀卦川菊枝 末黒野 201101
霧まとふ三笠ホテルのシャンデリア 石川友江 風土 201101
剣岳霧の薄きに尖りたり 吉原田鶴子 万象 201101
鳥海山の大粒の霧頬を打つ 吉原田鶴子 万象 201101
殉教の谷へすずしの霧おり来 三谷道子 万象 201101
霧→ 14      

2021年11月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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