海 霧2     66句

靡き迅き川藻を海霧のつつみゆく    高島茂

 朝霧 夕霧 夜霧 川霧 山霧 海霧 霧笛

作品
作者
掲載誌
掲載年月
海霧深し出船の汽笛くぐもれり 斉藤マキ子 末黒野 201304
ここ礼文海霧に濡れつつ山路かな 伊藤純子 201310
海霧流れ島の暮しの灯の早し 松本三千夫 末黒野 211310
海霧うすれ動き始むやタグボート 庵原敏典 末黒野 211310
海霧のぼる崖の垂直草田男忌 秋葉雅治 211310
海霧深し舷高き難破船 玉田瑞穂 万象 211310
墓碑名ジョン海霧の彼方の母国向く 久染康子 201408
はまなすの海霧ぬれ咲けり岬の牧 沼澤石次 馬醉木 201408
オホーツクの海霧なり嶺々に及びける 浅井青二 雨月 201410
気仙語の漁師こわだか海霧の奥 山崎青史 ろんど 201410
山霧と海霧が交叉す仏舎利塔 田中貞雄 ろんど 201411
海霧の波畜風下にみな向けり 曽根薫風 馬醉木 201412
海霧霽れて離島通ひの船の銅鑼 山口誠 馬醉木 201501
砕けてはたちまち海霧に礁波 山口ひろよ 201501
海霧のぼる崖の垂直草田男忌 秋葉雅治 201501
海霧薄れたる岸壁に警備艇 瀬島洒望 やぶれ傘 201501
降り立てば瀬戸の海霧父母の里 神田惣介 京鹿子 201503
海霧はるか見えざる佐渡をみつめをり 寺田すず江 明日葉 201505
富士見ゆる筈と指さす海霧の奥 松井志津子 201509
海霧の航利尻礼文をひと跨ぎ 藤原照子 201509
灯台も鰊番屋も海霧のなか 原田しずえ 万象 201510
まぼろしにやん衆の声海霧にかな 原田しずえ 万象 201510
海霧流れ国後の影はやあらず 井上浩一郎 ホトトギス 201511
じんわりと海霧包みゆくビルの街 矢野百合子 201511
海霧はれていくりを越ゆる片男波 来海雅子 201602
とびしまの海霧を走らす安芸の風 鈴鹿呂仁 京鹿子 201607
捨舟のあたり最も海霧深し 平田はつみ 馬醉木 201608
海霧深き北の果なる獄舎かな 大内和憲 万象 201608
海霧沖まで男ぽつりと津波言ふ 野沢しの武 風土 201609
オホーツクの海霧の寄せくる牧草地 渡会昌広 馬醉木 201610
海霧の沖望むオープンカフェテラス 安斉久英 末黒野 201610
海霧深き隧道三つ夕弥撒へ 荒井千佐代 201611
海霧深し途切れし闇に牛の声 佐藤哲 万象 201611
海霧深くなる沖の島を遙拝す 白水良子 201702
軍港の海霧に逆らふ鴎の列 丸井巴水 京鹿子 201703
放牧の馬にひたひた海霧迫る 福岡かがり 雨月 201709
夕汽笛みなとみらいは海霧のなか 今村千年 末黒野 201711
海石打つ波の競ひや海霧の沖 安斎久苗 末黒野 201712
遠近の灯を甘うして海霧(じり)の夜 中島陽華 201804
登四郎忌過ぐベイブリッジは海霧の中 千田百里 201808
カステラセットを海霧深き峠茶屋 荒井千佐代 201809
沖よりの海霧のうす墨岬呑む 佐久間由子 201810
海峡を境に海霧の濃き淡き くどうひろこ 201908
太宰忌を牡鹿半島の海霧の中 西條弘子 201909
海霧深し糶場の隅の空生簀 小形博子 201909
海霧深く岬山岬鼻影絵めく 宮原悦子 雨月 201910
大橋の末海霧に消されゆく 田尻勝子 六花 201912
海霧の幕おちたかに富士の峰 湯本正友 やぶれ傘 201912
海霧晴れし湿原百の水鏡 平野無石 201912
両端に貝塚を置く海霧の湾 森高武 風土 202009
海霧の浜弁当に赤いウインナー 森高武 風土 202009
海霧這つて暗き港の駅舎跡 田中臥石 末黒野 202011
海霧湧きて道往く人の影淡し 田中臥石 末黒野 202012
右銚子左安房道海霧湧きぬ 田中臥石 末黒野 202012
梵鐘や海霧の寄せ来る熊野灘 中田禎子 202104
海霧ごめに来る波音は寧からむ 能村研三 神鵜 202107
檣灯の出船や海霧の深みゆく 里村梨邨 202108
海霧走る苦海浄土を思ふとき 井原美鳥 202110
忽然と漁船現れ海霧に消ゆ 森高武 風土 202110
海霧はれて大島小島数の島 森清信子 末黒野 202111
海霧岬見えぬものみて噺けり 小野寿子 202201
陽に染まる冬の海霧船の影 石原孝人 京鹿子 202205
瀬戸の海霧あまたの磯をつなぎをり 鈴鹿呂仁 京鹿子 202207
思ひ出も声も姿も海霧の中 中西厚子 202208
海霧流れトーテムポール立つ港 河田水尾 春燈 202210
鬣に海霧のしたたる駿馬かな 小坂尚子 202210
海霧→1      

 

2023年11月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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