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蜩の啼けば瓢の花落ちぬ   暁台

秋の蝉  秋蝉  残る蝉  法師蝉  つくつく法師

   ひぐらし  かなかな

作品
作者
掲載誌
掲載年月
蜩の隙間を縫うてゆく水音 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
蜩の引つ張つてゐる夕日かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201509
蜩も法師も君を呼んでゐる 大坪景章 万象 201510
蜩の廟に額づく異邦人 落合絹代 風土 201510
共演す古いギターーと蜩と 大日向幸江 あを 201510
蜩鳴く美しき山河や父母睡る 高橋和女 春燈 201510
蜩のいのち惜しめとひた鳴けり 高橋和女 春燈 201510
蜩やそよ風わたる樹下の椅子 岡本まち子 馬醉木 201511
蜩の夕べひと恋ふビブラート 卜部黎子 春燈 201511
蜩や母永眠のその後も 永井惠子 春燈 201511
再検査待つ間蜩ひとしきり 石田康明 春燈 201511
蜩の施設を囲み唄ひ継ぐ 工藤ミネ子 風土 201511
蜩や誰にも逢はぬ峡の径 高村令子 風土 201511
蜩や日暮れをせかす豆腐売り 岡尚 風土 201511
蜩の声澄みきりて日暮れ来し 上辻蒼人 風土 201511
蜩の住処となりし大樹かな 寺田すず江 201511
蜩や解けぬ問題あと一つ 飯田久美子 末黒野 201511
蜩に明け蜩に暮るる日々 片岡良子 雨月 201511
蜩や術後五年の疾く過ぎて 川上恵子 雨月 201511
神の杜いま蜩の森となる 大石喜美子 雨月 201511
昏れさそふ蜩父母の墓に鳴き 武生喜玖乃 雨月 201511
蜩の一声で熄み風渡る 宇都宮敦子 201511
蜩の声のさざなみ谷戸わたる 手島靖一 馬醉木 201512
蜩や郵便受けに旅便り 高尾寛美 京鹿子 201512
蜩のこゑの間遠となりにけり 瀬川公馨 201512
蜩をうるさく思ふ看取りの日 奥山テル子 万象 201512
蜩の声を遠くにひとりの膳 石川叔子 201512
競演する古いギターと蜩と 大日向幸江 あを 201511
蜩や初学の頃の六甲に 今橋眞理子 ホトトギス 201601
静謐を奏でてゐたり夕蜩 加藤季代 万象 201602
蜩に鳴き包まれし池の黙 稲畑廣太郎 ホトトギス 201607
蜩や三瓶の午後を塗り替へて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
蜩や三瓶に星のプロローグ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
右折して蜩左折して水音 稲畑廣太郎 ホトトギス 201608
蜩に山の暮らしを繙かむ 稲畑汀子 ホトトギス 201608
山荘の遠き日々あり蜩に 稲畑汀子 ホトトギス 201608
息ひ出の中に蜩遠ざかる 稲畑汀子 ホトトギス 201608
消えてゆく蜩を追ふ心あり 稲畑汀子 ホトトギス 201608
耳遠きわれに蜩鳴きくれし 駒井でる太 馬醉木 201610
蜩や牧水歌碑の白き文字 永井惠子 春燈 201610
蜩がよき搖籃の微酔なり 佐藤山人 201610
蜩のかなかなかなと別れの辞 岡淑子 雨月 201611
蜩やへ理屈も小理屈もなし 加藤みき 201611
蜩のシャワー浴びつつ沓掛へ 近藤紀子 201611
湯の宿や夕蜩に迎へられ 土井ゆう子 風土 201611
蜩や触れたき御所の臍石に 杉本薬王子 風土 201611
蜩を啼かせて郷に人気なし 上辻蒼人 風土 201611
蜩やさざなみのごと日の斑ゆれ 池田光子 風土 201611
蜩のひとこゑくぬぎ林より 渡邊孝彦 やぶれ傘 201611
蜩の去りたるあとの片頭痛 宮崎高根 201612
蜩の風が影追ふ切通 齋藤晴夫 春燈 201612
蜩のだしぬけに来て鳴き捨てる 赤坂恒子 船団 201702
蜩に草原狭められてゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201707
雲脱いで蜩を着る三瓶かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
六甲の蜩に標高を知る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201708
山を去るとき蜩に心置く 稲畑汀子 ホトトギス 201708
夕蜩の思はぬ近さ暫し聴く 生田高子 春燈 201710
蜩が鳴けば濃くなる森の影 内海良太 万象 201710
悲しみを蜩生きる今日一日 菊谷潔 六花 201710
蜩や病院食の夕の膳 細川コマヱ 雨月 201710
蜩の声乗せ夕刊届きけり 祐宗千代子 雨月 201710
蜩や一直線に日ぐれ来る 寺田すず江 201711
蜩や赤い夕日を追ひ立てる 犬塚芳子 201711
蜩が此処を異界と啼く夕べ 三木亨 201711
蜩や夜の扉のあいてをり 江島照美 201711
蜩や昔キスカの兵なりし 竪山道助 風土 201711
茅蜩や十八間戸気配なく 栗山恵子 雨月 201711
蜩の余韻に浸り昏れなづむ 谷口一献 六花 201711
蜩や濁世遠のく郷の山 高塚三枝 馬醉木 201712
産土の杜や蜩夕を鳴き 岡野里子 末黒野 201712
明六つや蜩の鳴く城ヶ島 佐藤康子 末黒野 201712
鳴き切つて蜩天を仰ぎけり 吉川隆 春燈 201712
蜩のこゑよあの世の父と母 竹内悦子 201712
蜩や錆びついてゐる南京錠 宮田千優 京鹿子 201712
蜩や限界集落見舞ひけり 竹村淳 201801
蜩の次のこゑ待ち米を研ぐ 有賀昌子 やぶれ傘 201710
仰向けに蜩乾ぶ下り坂 三井所美智子 201802
蜩や師弟まみえし夕まぐれ 沼田巴字 京鹿子 201808
蜩につづる山荘物語 稲畑汀子 ホトトギス 201808
山深く来て蜩と夕風と 稲畑汀子 ホトトギス 201808
蜩に山荘閉ぢる日も近し 稲畑汀子 ホトトギス 201808
蜩の渡り廊下を僧一人 今井肖子 ホトトギス 201809
蜩の宵を鎮めむ父帰る 伊藤希胎 京鹿子 201810
蜩は澄みし鋼の音色もつ 大畑善昭 201810
蜩の鳴き尻杜の鎮もれる 大石喜美子 雨月 201810
蜩の声つややかに杉木立 壺井久子 馬醉木 201811
蜩や帰り支度を急がねば 森幸 雨月 201811
裏山の夕蜩は祖母との日 丸井巴水 京鹿子 201811
消えのこる蜩の声獺祭忌 安立公彦 春燈 201811
蜩の鳴く駅いまだ線路不通 松本峰春 春燈 201811
蜩のひときは高し過疎の村 田中嘉信 春燈 201811
蜩や遺影が並ぶ母の家 小林朱夏 201812
蜩をしほに釣竿をさめけり 石黒興平 末黒野 201812
蜩や暮れの坂より我家の灯 峰幸子 末黒野 201812
蜩や手ぶらで戻るひとり旅 田岡千章 201902
蜩を夕べに聞いて朝逝く 中山未奈藻 201904
蜩の命の果てと聞く山路 稲畑汀子 ホトトギス 201908
蜩の鳴き止む荘に夕べ来し 稲畑汀子 ホトトギス 201908
夕暮に蜩の声ひびきをり 北村ちえ子 六花 201910
蜩やあいさつをする朝御飯 北村ちえ子 六花 201910
蜩はまさに短夜のはじめかな 菊谷潔 六花 201910
いにしへ人の声か蜩国分寺 中山惠子 201910
星さそふ蜩に冷めゆく地熱 近藤喜子 201911
蜩や一樹が夕日押しとどめ 大畑善昭 201911
蜩のこゑに暮れゆく机上かな 安立公彦 春燈 201911
蜩 →6      

 

2021年9月9日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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