秋 蝉     179句

秋蝉のこゑ澄み透り幾山河    加藤楸邨

秋の蝉  秋蝉  残る蝉  法師蝉  つくつく法師    ひぐらし

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
鳴き出すに秋蝉幹を選びをり 飯塚ゑ子 火星 199810  
秋蝉や鳥居のもとの清められ 小澤克己 遠嶺 199811 川越薪能
秋蝉や石に残りし浪の痕 山田禮子 遠嶺 199812  
秋蝉や己息ますあぶり餅 鈴鹿仁 京鹿子 199910  
山を黄にして秋蝉の植えざまや 丸山海道 風媒花 199910  
秋蝉の声の入り来る墨書展 関根洋子 風土 199911  
秋蝉や毛穴の一つづつ静か 中村堯子 銀化 199911  
秋蝉の遠く水湧く声に似て 能村登四郎 芒種 199911  
秋蝉や疲れの見ゆる山の池 金國久子 遠嶺 199912  
秋蝉に雲の匂ひの降りて来し 坊城俊樹 ホトトギス 200001  
テレビ・ラジオ消せば秋蝉浄土かな 林翔 200010  
秋蝉の足確と閉じ転がりぬ 須賀悦子 ぐろっけ 200012  
この雨に公園の秋蝉如何に 稲畑廣太郎 ホトトギス 200109  
秋蝉の餘分な刻は水となり 鈴鹿仁 京鹿子 200110  
今日よりは秋蝉ぞ声低く鳴け 林翔 200110  
秋蝉や心の裏で鳴くごとく 林翔 200110  
秋蝉や少しづつ我ほろびゆく 能村登四郎 羽化 200110  
秋蝉の羽化の途上を死にゐたり 今井妙子 雨月 200111  
秋蝉や岩を祀りて幣白く 山西雅子 200111  
子規忌来る墓所の秋蝉鳴くしきり 阪上多恵子 雨月 200112  
胸に当りて秋蝉のちから尽く 柴崎英子 200112  
秋蝉や造花の供華の流人墓 山田春生 春耕 200112  
秋蝉の息づかひとも垣間見し 成嶋いはほ ホトトギス 200201  
秋蝉や三門越しの孔子廟 田島勝彦 遠嶺 200202  
旱天のつづき秋蝉おとろふる 大橋敦子 雨月 200210  
狂ひ咲く藤よ秋蝉鳴くぞいな 林翔 200210  
秋蝉の悲恋の声を雲や聴く 林翔 馬醉木 200211  
秋蝉に鳴かれパンなど買はむかな 佐藤よしい 風土 200211  
秋蝉のはがねの音となりゐたり 出原博明 円虹 200211  
岬の風秋蝉の声千切れをり 出原博明 円虹 200211  
秋蝉のこゑを限りと言はむかな 小野島淳 200211  
武家屋敷秋蝉の声切り結ぶ 大串章 百鳥 200212  
秋蝉をきのふは聞かずけふ少し 中島たまな 200302  
猫鳴けば秋蝉つられ鳴きにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200308  
秋蝉や小道いよいよ延段に 朝妻力 雲の峰 200309  
秋蝉の一呼吸おく静寂あり 内山まり子 風土 200311  
秋蝉の鳴きほそりつつ鳴きつげり 渡辺初枝 酸漿 200311  
秋蝉や耳の中にも日の射して 秋岡朝子 200311  
秋蝉に体当りの死ありにけり 宮内とし子 200311  
秋蝉の影の大きく壁にゐる 山田美恵子 火星 200311  
秋蝉や集めてありし力石 永田二三子 酸漿 200312  
母となる人に秋蝉優しかり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200408  
丸ビルを指呼に秋蝉果てにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 200408  
杉の秀を分けて秋蝉鳴き綴る 稲畑廣太郎 ホトトギス 200409  
今日よりは秋蝉となり鳴き合へり 辻井桂子 雲の峰 200410  
秋蝉や母に運べる今朝の粥 中川晴美 雲の峰 200410  
秋蝉や明り窓なき流刑小屋 中御門あや 雲の峰 200410  
秋蝉や小さき社に皇子祀る 原茂美 雲の峰 200410  
物干して秋蝉絶えしより幾日 岡本眸 200410  
秋蝉やしばし休らふ畑の椅子 関戸国子 酸漿 200411  
秋蝉に鳴きつつまるるほとけ径 久保久子 春燈 200411  
秋蝉や墓石に刻む無舌居士 矢口笑子 春燈 200411 谷中余生庵
秋蝉の逢魔が時をたじろがず 吉田明子 200411  
秋蝉や閼伽井屋に木々影おとす 仲尾弥栄子 雲の峰 200411  
秋蝉や地下六階の納骨堂 立脇操 雲の峰 200411  
秋蝉の勢古道に杜の蔭 伊藤和子 遠嶺 200412  
秋蝉のなべて抒情派ぞろひかな 曷川克 遠嶺 200412  
秋蝉のけふを限りと鳴きにけり 大野信子 草の花 200412  
秋蝉の伯舳みしを知らず煎茶汲む 大塚まや 京鹿子 200502  
一生を秋蝉として高鳴ける 稲畑廣太郎 ホトトギス 200508  
秋蝉やしらじら明くる舞鶴湾 大槻球子 遠嶺 200511  
光秀の墓秋蝉も終るころ 辻恵美子 栴檀 200511 明智町
秋蝉のここを先途と鳴きやまず 大森与栄 築港 200511  
秋蝉や水郷を行く船の上 桑久保奈美子 酸漿 200512  
秋蝉の切れぎれの声重なれり 渡辺暁 酸漿 200512  
秋蝉のこの世の終の声を掃く 山路紀子 風土 200512  
秋蝉が森をゆらして鳴いてをり 大槻球子 遠嶺 200601  
この林秋蝉を聞けど遙かなり 瀧春一 常念 200606 外氣舍句会
秋蝉や憩ふ芝生も伸び荒れし 瀧春一 常念 200606  
秋蝉の聲や茅萱にふりしきる 瀧春一 常念 200606  
秋蝉に鳴き包まれてゐる都心 稲畑廣太郎 ホトトギス 200608  
秋蝉の寄辺となりし大樹かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200608  
秋蝉や郵便局に午後の暇 岡本眸 200608  
すでに秋蝉一つ音にしてひたぶるに 岡本眸 200609 向島百花園吟行
秋蝉のやみたるあとを呟きぬ 岡本眸 200610  
心急く秋蝉ひしと大鳥居 宇垣みきえ 200611  
秋蝉となりたる城の跡横切る 大西八洲雄 万象 200611  
秋蝉を聞き修禅の境に入る 小澤克己 遠嶺 200611  
間延びして秋蝉鳴けり昼近き 田中喜久子 酸漿 200611  
秋蝉を声明と聞く山の寺 西千代恵 雨月 200612  
秋蝉の声も映つてをりし川 山田弘子 ホトトギス 200701  
秋蝉のむくろ転がる神楽殿 齋部千里 ぐろっけ 200701  
秋蝉や雨後の乾きの石畳 高橋さえ子 200702  
秋蝉や君が生れし家の籬 瀧春一 200706  
そして秋蝉一匹もゐなくなる 杉良介 200708  
秋蝉に袖つかまれて老い切れず 伊藤白潮 200709  
秋蝉の声走り込む大藁屋 鴨下昭 200710  
秋蝉や海に出る道さがしをり 瀬戸悠 風土 200710  
秋蝉の風にかしづくこころざし 中村恭子 200712  
秋蝉の屍に返す挙手の礼 石田きよし 200712  
秋蝉や与一墓より出て遊べ 吉澤利治 遠嶺 200712  
秋蝉の挽歌の声を惜しまばや 米原秋城 雨月 200712  
ふと熄みし秋蝉のあり森の道 阿部ひろし 酸漿 200712  
秋蝉や行灯ともす家老部屋 山田春生 万象 200801 初雁城本丸御殿
秋蝉は声絶え耳は鳴り止まぬ 林翔 200810  
秋蝉のいのちのふるへたなごころ 吉田悦花 炎環 200811  
秋蝉や垣を隔てし醤油蔵 伊藤無迅 炎環 200811  
思ひ出せしやうに秋蝉鳴き出づる 足立典子 雨月 200811  
秋蝉の低奏つづく計なりけり 椿和枝 200811  
秋蝉の命すとんとアスファルト 安居正浩 200811  
秋蝉や日の逃げやすき石畳 徳井節子 馬醉木 200812  
秋蝉のこゑに昏れゆく綾子の忌 山田春生 万象 200812  
ミサオルガン閉づ秋蝉か雨音か 荒井千佐代 200901  
秋蝉の砦やいくさ終へし日も 千田百里 200909  
秋蝉や時の欠片を拾ひたる 近藤喜子 200911  
秋蝉の声つまづきて暮れにけり 上原恒子 雨月 200911  
つぶやきに似て秋蝉の雨に鳴く 高垣和恵 雨月 200911  
秋蝉や花の図柄の柩もて 中島陽華 200912  
秋蝉のこゑの染み入る未完の絵 関根洋子 風土 200912  
秋蝉の声の際立つ一樹かな 矢野みはる 201001  
秋蝉のために高さを競ふ木々 稲畑廣太郎 ホトトギス 201008  
秋蝉にかつと日の照る高札場 成宮紀代子 201010  
秋蝉や聖水盤に朝日差す 服部鹿頭矢 馬醉木 201011  
秋蝉の坂のぼりつめ無言館 佐々木群 201011  
秋蝉のフロントガラスに当たる音 藤田素子 火星 201011  
秋蝉の沁みる秀次自刃の間 橋添やよひ 風土 201011  
秋蝉の捨て身のさまに草叢へ 安斎久英 末黒野 201012  
秋蝉を聞きしと妻の見舞かな 大坪景章 万象 201012  
秋蝉の急に鳴きだす敗戦日
上原重一
201110
秋蝉に古りし地蔵や塩の道
片岡久美子
201111
秋蝉や喉にはりつくオブラート
小泉三枝
春燈
201111
秋蝉の声たくましや海人の町
大坪景章
万象
201111
秋蝉の夜も鳴きゐる盤水忌
山田春生
万象
201111
秋蝉や雲の流るるニコライ堂
和田政子
201111
秋蝉のかばねのせゐる掌
杉浦典子
火星
201111
一幹にのみ秋蝉の搏ち来たる
井上信子
201112
秋蝉の幾百千も山の墓
椿和枝
201112
秋蝉やあけびの蔓のゆきどころ
大坪景章
万象
201112
秋蝉のこゑの染み入る馬場の址
佐藤喜仙
かさね
201201
秋蝉の声一山にひびき合ひ 加藤静江 末黒野 201211  
秋蝉の坩堝を抜くる下山かな 林紀夫 春燈 201211  
声明に和して秋蝉鳴きだしぬ 山田春生 万象 201211  
秋蝉の声の響交ふ切通し 伊藤純子 201211  
秋蝉や電柱の影電柱に 古川忠利 ろんど 201212  
秋蝉の古墳の堀を鎮めけり 北村淳子 ろんど 201212  
秋蝉のむくろは砂のごと掃かる 小泉欣也 ろんど 201212  
秋蝉のこゑ絶えて穴残りけり 原田達夫 201212  
秋蝉の声真っ青な空になる 古川忠利 ろんど 201301  
秋蝉や榧高々と昼の寺 小局昭夫 春燈 201310  
秋蝉や三リットルの汗流れ こうのこうき ろんど 201311  
秋蝉の疲れし声に涙すや 藤丸誠旨 春燈 201311  
秋蝉や墓山海へせり出せり 瀬戸悠 風土 201311  
秋蝉の終の地声か盤水忌 山田春生 万象 201312  
秋蝉のはたと絶えたる日なりけり 森田尚宏 201401  
秋蝉や山たっぷりと水を吐く 渋川京子 201401  
秋蝉の落ちし余命を手の中に 橋本くに彦 ホトトギス 201402  
秋蝉の音色は蝦夷のものとして 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408  
秋蝉の壁にふれては落ちにけり 佐藤良二 末黒野 201411  
秋蝉や規範てふ語のきな臭く 辻美奈子 201411  
秋蝉に呼ばれ呼ばれて墓参り 大口堂遊 春燈 201411  
秋蝉のこゑいづくにか山晴るる 杉本綾 201412  
ふりしぼるとは秋蝉の一度鳴き 高橋道子 201412  
どれも未完秋蝉の声壁なすとき 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
秋蝉や自問自答のくぎりつけ 鈴鹿けい子 京鹿子 201501  
秋蝉の雨に鳴く声聞く夜かな 小渕二美江 春燈 201511  
秋蝉のつまづき鳴くは孤独なる 織田喜美子 春燈 201511  
秋蝉の一声落し果てにけり 安斎久英 末黒野 201511  
秋蝉となりゆく声のビブラート 橋本くに彦 ホトトギス 201512  
御用窯跡いま秋蝉の坩堝なる 能勢俊子 馬醉木 201512  
秋蝉や忘るることの多くして 秋山蔦 春燈 201512  
秋蝉に言問ひもなき祇王庵 鈴鹿呂仁 京鹿子 201610  
秋蝉のこゑほど遠きものはなし 水野恒彦 201611  
秋蝉の地声を継ぐ村三戸 工藤ミネ子 風土 201611  
「伏影」てふ村や秋蝉声太く 工藤ミネ子 風土 201611  
秋蝉のこゑのあはひに入りにけり きくちきみえ やぶれ傘 201611  
秋蝉の一途の声を仰ぎけり 工藤ミネ子 風土 201612  
秋蝉のひきづる声や夕せまる 成田美代 201612  
秋蝉やをりをり遠目して話す 井上和子 201612  
雨上がり秋蝉朝の木に鳴いて 渡邉孝彦 やぶれ傘 201710  
秋蝉の遠嶺を寄せる鄙暮し 鈴鹿呂仁 京鹿子 201710  
ロッジの灯森の秋蝉こゑつくす 益本三知子 馬醉木 201711  
神木に鳴く秋蝉でありにけり 水谷文謝子 雨月 201711  
秋蝉や瀬音のいよよ昂れる 安斎久苗 末黒野 201712  

 

2018年8月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。