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蜩の啼けば瓢の花落ちぬ   暁台

秋の蝉  秋蝉  残る蝉  法師蝉  つくつく法師    ひぐらし  かなかな

作品
作者
掲載誌
掲載年月
山影に蜩の声深みけり 高谷栄一 201010
蜩のこゑの底なる女院陵 石田厚子 馬醉木 201010
初蜩夕の庭に家族呼ぶ 大野ツネ子 酸漿 201010
蜩や夜明を待ちて繰る雨戸 大野ツネ子 酸漿 201010
蜩や生絹のやうな幕を張り 佐藤喜孝 あを 201010
蜩や母の箪笥の香袋 清水美子 春燈 201011
蜩の声の膨らむ雨上り 渡辺崖花 末黒野 201011
彼の世より蜩吾を呼びつづく 泉田秋硯 201011
蜩の宇宙に吾も暮れてゐし 泉田秋硯 201011
蜩に母の一世の骨ひろふ 遠藤真砂明 201011
蜩や墓地中央に大欅 瀬島洒望 やぶれ傘 201011
夕やみに初蜩のはたと止む 長澤健子 酸漿 201011
蜩のめくつてゆきし野のぺージ 湖東紀子 ホトトギス 201012
蜩や駄目だし繁き立稽古 村上沙央 201012
啼きつぎて蜩夕を昂ぶらす 城戸緑 末黒野 201012
蜩や比叡越えれば京ことば 小堀寛 京鹿子 201012
蜩のこゑの中なるバーベキュー 國保八江 やぶれ傘 201101
山荘の蜩の頃なりしかと 稲畑汀子 ホトトギス 201108
蜩に風は殺されゐたるかな 山田六甲 六花 201108
蜩やバカラ峠に穴をあけ 中島玉五郎 201109
夕蜩サスペンスめく藪の中 早崎泰江 あを 201109
蜩の声に合はせてペダル漕ぐ 高橋泰子 201110
初鳴きの蜩勢ひ無かりけり 杉山弥生 末黒野 201110
蜩や頸傾けて便り書く 柳生千枝子 火星 201110
暮れゆくを競うて海と蜩と コ田千鶴子 花の翼 201111
蜩や筑波へかかる男坂 コ田千鶴子 花の翼 201111
記念樹に蜩の鳴くクラス会 宮田香 201111
蜩が季の移りを鳴き交はす 坂根宏子 201111
蜩の声立ち上がる源氏山 手島靖一 馬醉木 201111
蜩やわれに就きくる今朝の風 西川春子 春燈 201111
蜩や一村隠れキリシタン 二宮一知 万象 201111
蜩やふるさとの石文鎮に 加藤峰子 201111
蜩や廊の上なる血天井 高松由利子 火星 201111
蜩や生野の鉱山の岩の肌 岩木茂 風土 201111
二階とは夕蜩を聞く高さ 土井三乙 風土 201111
蜩やかなの掠れの墨にじむ 工藤はるみ 風土 201111
蜩や曾つて夫との山に泊つ 城戸緑 末黒野 201112
蜩の声の高々人を待つ 山崎稔子 末黒野 201112
蜩の声に濡れゐし船廊下 井上淳子 火星 201112
蜩や菩提樹影を濃くしたり 布施まさ子 風土 201112
蜩や湖北に多き古戦場 大橋伊佐子 末黒野 201201
蜩聴くりんご畑の父になり 古川忠利 ろんど 201201
蜩の山気に濡れてゆく音色 稲畑廣太郎 ホトトギス 201203
神の杜てふ蜩の天地かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201207
風音か遠蜩かいづれとも 稲畑汀子 ホトトギス 201208
蜩や畳敷きなる小聖堂 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
蜩が鳴いてゐるねと臥す母よ 北崎展江 くりから 201209
蜩に川は流れをしがたひぬ 山田六甲 六花 201210
入相に遠蜩の絡みけり 北尾章郎 201211
朝蜩夜はつく法師峡ひと日 松岡和子 201211
蜩の短き声にいよよ侘ぶ 稲岡長 ホトトギス 201211
蒼天に蜩の声吸はれゆく 松本周二 かさね 201211
とくとくの泉の底や夕蜩 橋添やよひ 風土 201211
寺田屋のひらかなふすま夕蜩 橋添やよひ 風土 201211
うつむきし即身仏や夕蜩 奥田茶々 風土 201211
雑木山蜩山となりにけり 清海信子 末黒野 201211
句碑生れて初蜩のとまどへる 大坪景章 万象 201211
蜩や木立の間より沼の照り 吉村さよ子 春燈 201211
尿かけパッと茅蜩飛び立てり 水野弘 ぐろっけ 201211
参道にはや蜩の序奏かな 有本南陵 ろんど 201211
蜩のよく鳴く家を手放せし 長山あや ホトトギス 201212
蜩や石一つ置く村境 藤井君江 馬醉木 201212
蜩や一輪車の子ちりぢりに 菅野日出子 末黒野 201211
蜩やまだ濡れてゐる渡し舟 高野春子 京鹿子 201212
山雨過ぎ蜩のこゑ溢れけり 山本みゆき 万象 201212
蜩の渦の底ひに雨宿り 松尾芳子 万象 201212
蜩や尾鰭のやうな渓の風 湯川雅 ホトトギス 201301
蜩や籐椅子にある子の寝息 鴨下昭 201301
糸遊の句碑に蜩鳴きはじむ 亀田やす子 ははのこゑ 201306
初蜩千空句集閉ぢて聴く 野沢しの武 風土 201306
蜩に突つ込むゴルフボールかな 稲畑廣太郎 ホトトギス 201308
蜩の声止み山雨至りけり 稲畑汀子 ホトトギス 201308
蜩の声ほしいまま長屋門 大日向幸江 あを 201310
蜩に何かかなしき夕べかな 大橋淳一 雨月 201310
蜩や南朝人の逢瀬径 橋本靖子 201310
蜩の声の抑揚運ぶ風 小川玉泉 末黒野 201310
蜩と夕暮の風は淡墨 あかさか鷹乃 ろんど 201311
蜩の一斉に止む一斉に鳴く 井上信子 201311
蜩やしづくしてゐる木の名札 坂口夫佐子 火星 201311
蜩のいちばん遠い樹なりけり 蘭定かず子 火星 201311
蜩やかなかなかなと世を穿つ 峰崎成規 201311
蜩のとよもす森を子と帰る 阪本哲弘 201311
蜩の頻りガラシャの隠棲地 塩見治郎 雨月 201312
蜩や太郎男湯次郎女湯 深澤鱶 火星 201312
蜩のころを湯宿に着きにけり 國保八江 やぶれ傘 201312
蜩の声すみわたる根津の街 泉一九 やぶれ傘 201312
蜩やバリアフリーの妻の城 藤丸誠旨 春燈 201312
蜩の声やはらかし風に乗り 野崎昭子 春燈 201312
蜩の夕べ心に栞りたる 稲畑汀子 ホトトギス 201408
蜩や六甲山を母として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201408
蜩や自足を旨に過疎の村 神戸やすを 201409
蜩に赤子の手足応へける 黒住康晴 201410
夕蜩余命をなほも急かすかに 北川英子 201410
蜩の磴くろがねに湿りゐし 高松由利子 火星 201411
儚さを知らず蜩鳴きにけり 岩月優美子 201411
渡舟待つ島の蜩背に聞きて 手島靖一 馬醉木 201412
蜩や荒るる旧家の屋敷林 黒滝志麻子 末黒野 201412
蜩のこゑしみわたる心字池 小泉貴弘 春燈 201412
しばらくは戸を閉てずおく夕蜩 生田高子 春燈 201412
蜩の近寄ればふと風に消ゆ 神戸京子 ろんど 201412
雲切れて蜩の声つのりたる 住田千代子 六花 201412
蜩の遠音うつろふ季の心 田治紫 ホトトギス 201502
蜩や母の押入れがらんどう 林徹也 201502
読初は「蜩の記」や時計鳴る 高野春子 京鹿子 201504
蜩や嵐の句読点として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
蜩のヘアピンカーブ鳴き移る 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
生活の灯遠蜩に点りゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
蜩や六甲に星招きたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201508
いつの間に蜩に鳴きかはりしや 稲畑汀子 ホトトギス 201508
蜩に思ひ出一つ加へたる 稲畑汀子 ホトトギス 201508
蜩に鳴き替りたる夕べかな 稲畑汀子 ホトトギス 201508
蜩→ 5      

 

2021年8月30日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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