ひぐらし 2     165句

くづれる家のひそかにくづれるひぐらし    種田山頭火

秋の蝉  秋蝉  残る蝉  法師蝉  つくつく法師    ひぐらし  かなかな

作品
作者
掲載誌
掲載年月
前書その他
風に消ゆ遠ひぐらしの声かそか 熊岡俊子 雨月 200609  
ひぐらしや木立に消ゆる阿闍梨道 石垣幸子 雨月 200610  
ひぐらしや神奈川宿の高札場 磯野たか 風土 200612  
ひぐらしや風新しき雲と化し 池崎るり子 六花 200704  
ひぐらしのいつぽんの木の故郷かな 鈴鹿仁 京鹿子 200709  
ひぐらしや蘂ほのかなる白芙蓉 阿部ひろし 酸漿 200709  
ひぐらしのいつしか風となりにけり 三浦晴子 200710  
金色堂夕ひぐらしの浄土かな 君島栄子 酸漿 200710  
ひぐらしのとぎれしよりのひとりなる 豊田都峰 京鹿子 200710  
樹海より夕ひぐらしの湧きあがる 荒井書子 馬醉木 200710  
ひぐらしの声のしぶける閼伽の桶 中山皓雪 200711  
凭れゐる樹にひぐらしの鳴きはじむ 戸栗末廣 火星 200711  
法話聴くひぐらし時に和すごとく 中原敏雄 雨月 200711  
暫くを初ひぐらしに浸るかな 坪井洋子 200711  
ひぐらしの白馬安曇野鳴き通す 鈴木多枝子 あを 200711  
ひぐらしのこゑ銀箔を曇らする 水野恒彦 200712  
暁ひぐらし二度寝の夢のたしかさよ 益本三知子 馬醉木 200712  
ひぐらしや胸の底ひを水流れ 伊東恵美子 馬醉木 200712  
ひぐらしの声につつまれ一軒家 佐藤和子 万象 200801  
ひぐらしのとほさに灯りさそはるる 豊田都峰 京鹿子 200809  
夕ひぐらし煙草止めたる夫とゐる 城孝子 火星 200809  
ひぐらしの塗り込む杜は斎宮址 豊田都峰 京鹿子 200810  
ひぐらしのさそふあたりは庵あと 豊田都峰 京鹿子 200810  
ひぐらしの染み込んでゐるわが句帳 豊田都峰 京鹿子 200810  
明けのひぐらし雨は珠絹かもしれぬ 関根誠子 炎環 200810  
ひぐらしの波状抱擁剥がされさう 関根誠子 炎環 200810  
夕ひぐらしヒトの脱け殻ナンニン 関根誠子 炎環 200810  
夜明聞く梅雨ひぐらしは母の声 中島伊智子 酸漿 200810  
蜩の奥にひぐらし峡のバス 米山のり子 馬醉木 200811  
貝塚へひぐらしの道抜けにけり 藤田良 炎環 200811  
遠ひぐらし母の囁きかも知れぬ 中西蘭子 炎環 200811  
ひぐらしや近江の絵馬の混み合へる 米澤光子 火星 200811  
ことしまた初ひぐらしをおとうとと 奥田順子 火星 200811  
ひぐらしの幹のまはりの微熱かな 中尾公彦 200811  
ひぐらしや心細さはご同様 菊谷潔 六花 200811  
ひぐらしに閉づる夕日の大手門 森ひろ 馬醉木 200812  
ひぐらしの別れの曲や吉野越 山中宏子 200812  
我が海馬に夕ひぐらしのオノマトペ 大島翠木 200812  
ひぐらしの最後の声のセピア色 松原仲子 200812  
ひぐらしや弓道場に的ひとつ 遠藤和彦 彩雲 200901  
ひぐらしやよすがの山の人となる 鈴鹿仁 京鹿子 200909  
ひぐらしや北国街道くきと折れ 片山由美子 200910  
ひぐらしや庄内藩の城の内 縄文人 炎環 200910  
ひぐらしの中の一服澁茶かな 伊藤洋子 200911  
蜩がひぐらしを呼び風となる 伊東恵美子 馬醉木 200911  
いつまでもいつまでもひぐらしなく日 大川ゆかり 200911  
ひぐらしの木に吊しあり地蔵の灯 城孝子 火星 200911  
山没日ひぐらしのこゑまぶしたる 戸栗末廣 火星 200911  
ひぐらしや亡夫との旅を辿りなば 名取袿子 200912  
ひぐらしやこゑ出して師を忍びたる 木下もと子 200912  
ひぐらしや結界越えし湖の寺 江本路代 酸漿 200912  
巫女の鈴振ればひぐらし応へけり 鳳蛮華 201001  
ひぐらしや死を諾へどわれ急かず 南光翠峰 馬醉木 201011  
ひぐらしの声にも気品御所なれば 木村幸 201011  
ひぐらしの谿より届く手漉き和紙 浜口高子 火星 201011  
上がらずに子の帰りけり夕ひぐらし 蘭定かず子 火星 201011  
ひぐらしや硯にすこし水を足す 宮川みね子 風土 201011  
料亭の手水の小石夕ひぐらし 安田一郎 京鹿子 201011  
黄昏の森ひぐらしの根限り 小林一榮 末黒野 201012  
ひぐらしや一人降りたる無人駅 稲垣佳子 末黒野 201012  
ひぐらしのこゑの頻りや森の縁 渡邉孝彦 やぶれ傘 201012  
ひぐらしにかの残像のよみがへり 年森恭子 ぐろっけ 201012  
ひぐらしやそろそろ腰を上げようか 矢野百合子 201101  
ひぐらしの静まりゆくや一番星 山口天木 雨月 201105  
初ひぐらし「女人結界」しるべ内 坂上香菜 201109  
ひぐらしにいよよ古刹の霊気かな 松岡和子 201110  
ひぐらしをきき水底にゐるごとし コ田千鶴子 馬醉木 201110  
ひぐらしの夕の輪唱十方へ 小林輝子 風土 201110  
ひぐらしや鎌を片手に山下る 田中文治 火星 201110  
初ひぐらし一ト声のみの早とちり 小菅礼子 春燈 201110  
ひぐらしや画架に残りし未完の絵 コ田千鶴子 花の翼 201111  
病む夫も夕ひぐらしも遥かかな コ田千鶴子 花の翼 201111  
ひぐらしの真昼を鳴きて雨誘ふ 江澤弘子 201111  
ひぐらしの声ふりかぶる鞍馬寺 江澤弘子 201111  
ひぐらしに目覚めこの世の青畳 村上倫子 201111  
ひぐらしや「長姫神社」の淋しらに 小野寺節子 風土 201111  
ひぐらしや赤信号に立ちどまる 丑久保勲 やぶれ傘 201112  
ひぐらしのこゑ裏山へ遠ざかる 渡邊孝彦 やぶれ傘 201112  
ひぐらしと鳥語沁み入る山湖かな 西川みほ 末黒野 201112  
ひぐらしに囲まれ出ず野天の湯 仲田眞輔 ぐろっけ 201112  
ひぐらしに琴の音和する佳き日かな 相沢有理子 風土 201112  
ひぐらしや鉄輪の事をくりかへし 熊川暁子 201112  
ひぐらしや木の間隠れの庵の灯 豊田都峰 水の唄 201203  
山荘のひぐらし町に届かざる 稲畑汀子 ホトトギス 201208  
雨上がりひぐらしの声さえわたる 丸山酔宵子 かさね 201210  
ひぐらしや参道長き社かな 菊地崇之 かさね 201210  
ひぐらしの遠音に暮るる宗祇水 臼杵游児 春燈 201210  
ひぐらしの声かやぶきに消え入りぬ 中井登喜子 201211  
砂遊び夕ひぐらしの鳴きはじめ 伊藤憲子 201211  
ひぐらしや三百段の奥の院 田中清秀 かさね 201211  
ひぐらしの森に分け入り少し老ゆ 辻前冨美枝 201211  
ひぐらしの鳴きのこしたるごとき祠 豊田都峰 京鹿子 201211  
夕ひぐらし轆轤挽く手の止まりたる 前田忍 火星 201211  
ひぐらしの余情より抜け出せぬまま 田中貞雄 ろんど 201211  
声かけて洗ふ子の墓遠ひぐらし 安立公彦 春燈 201212  
ひぐらしの止まざる森や雲魚亭 神田恵琳 跫音 201303 芋銭旧居
ひぐらしの真つ只中や弓絞る 岡田史女 私の一句 201307  
夕遍路梅雨ひぐらしに歩をゆるめ 綿谷ただ志 馬醉木 201309  
ひぐらしに鳴き包まれて句帳閉づ 大石よし子 雨月 201310  
ひぐらしの鳴きつぎ影絵劇はじまる 豊田都峰 京鹿子 201310  
ひぐらしや祠への道細りゆく 豊田都峰 京鹿子 201310  
桜樹老ゆ初ひぐらしを縋らせて 小川玉泉 末黒野 201310  
ひぐらしの一語が一語誘ひけり 内藤静 風土 201311  
病院を出てひぐらしを振りかぶる 塩田博久 風土 201311  
ひぐらしの声の奥より盆の月 岩木茂 風土 201311  
凭れゐる木にひぐらしの鳴きはじむ 戸栗末廣 201312  
かなかな聴く母校ひぐらし小学校 塩田博久 風土 201312 同期会にて
ひぐらしや午後の日陰の深まりて 川村亘子 末黒野 201312  
夕ひぐらし青き水面を震はせて 中井登喜子 201312
ひぐらしに十七年の月日かな 久保田万太郎 春燈 201408 『草の丈』
一日足る夕ひぐらしのさざ波に 森岡正作 201409  
ひぐらしのさそひに林の径ほそし 豊田都峰 京鹿子 201410  
ひぐらしの鳴いて寺領の寂深め 菅野日出子 末黒野 201411  
輪唱は遠ひぐらしに倣ふかな 田中貞雄 ろんど 201411  
夕ひぐらし来し方遠く遠くなり 阪上多恵子 雨月 201411  
森にひぐらし脳の疲れの執刀医 堀内一郎 堀内一郎集 201412  
ひぐらしや木立の空気動かさず 清水量子 201412  
ひぐらしや胸の余白の広ごりぬ 紅谷芙美江 万象 201412  
ひぐらしの語尾の省略うすずみに 鈴鹿けい子 京鹿子 201501  
ひぐらしのぺージは痛い白のまま 直江裕子 京鹿子 201501  
ひぐらしの一啼けふの終りたり 井上石動 あを 201509  
リハビリヘ坂ひぐらしのなかにかな 宮川みね子 風土 201510  
ひぐらしの奥多摩道や塩むすび 土屋光男 春燈 201511  
ひぐらしやどちら向いても山ばかり 吉永すみれ 風土 201511  
ひぐらしや人生疾くと終盤に 舘泰生 風土 201511  
ひぐらしを待つともなしに酒となり 根橋宏次 やぶれ傘 201511  
ひぐらしのこゑをぐるりに石切場 藤井美晴 やぶれ傘 201511  
ひぐらしに追ひつめられし水のいろ 中田みなみ 201511  
ひぐらしやあの世あひたき人ばかり だいじみどり 201511  
ひぐらしの声を遠くに山仰ぐ 樺山翠 雨月 201511  
ひぐらしの鳴きやまぬまゝ夕日落つ 河島坦 京鹿子 201512  
ひぐらしを聞きて水面の暮れてゆく 村高也 末黒野 201512  
風やみて今微に入りし遠ひぐらし 池永加代 京鹿子 201601  
ひぐらしやなすべきことの手に余り 森清堯 末黒野 201601  
ひぐらしや句碑に誰が来し香の灰 山田六甲 六花 201609  
ひぐらしや紀伊の湯壺の溢れつつ コ田千鶴子 馬醉木 201610  
ひぐらしの声の底なるひとり住 白井友梨 馬酔木 201611  
ひぐらしや飢ゑし日のこと考のこと 錫木妙子 馬酔木 201611  
かなかなに覚めひぐらしの径帰る 南うみを 風土 201611  
ひゆうと鳴く風の電話か夕ひぐらし 塩貝朱千 京鹿子 201611  
ひぐらしやたつぷりと聴く姉の愚痴 田代貞香 201611  
放心にをりひぐらしの谷暮るる 新海英二 春燈 201611  
ひぐらしや陽明門のねむり猫 菊池洋子 やぶれ傘 201611  
ひぐらしの輪唱に丘昏れにけり 小川玉泉 末黒野 201611  
ひぐらしを聴き少年の儘でゐる 丸井巴水 京鹿子 201612  
ひぐらしと風の径ゆく寺領林 牧原嘉子 京鹿子 201612  
ひぐらしや陽明門のねむり猫 菊池洋子 やぶれ傘 201612  
ひぐらしに急かされ野外映写会 秋川泉 あを 201610  
ひぐらしを聴き少年の儘でゐる 丸井巴水 京鹿子 201701  
死を軽しと言ひし友あり夕ひぐらし 小山田子鬼 201708  
河口とは佇むところ夕ひぐらし 亀井福恵 京鹿子 201709  
母郷とはひぐらし鳴ける空のいろ 小山田子鬼 201710  
師の訃来るひぐらし谷の深きより 南うみを 風土 201710 悼遠く若狭にて
化野へひぐらしの径綴りたる 鈴鹿呂仁 京鹿子 201710  
山際は朝ひぐらしにそまりけり 菊谷潔 六花 201710  
ひぐらしの声が声呼び黄昏るる 棚橋朗 201711  
ひぐらしや未知なる道の数多ある 中田禎子 201711  
泣き止みてよりの哀しみひぐらしは 笠井敦子 201711  
朝ひぐらし花折峠の杉にほふ 宇都宮敦子 201711  
旅に来てひぐらしに泣く漢かな 赤松有馬守破天龍正義 六花 201711  
ひぐらしの声や珈琲冷めてゆく 齊藤實 201712  
特養の庭でひぐらし鳴きかはす 伊藤更正 やぶれ傘 201710 特別養籏老人ホーム
ひぐらしやそろそろ腰を上げようか 矢野百合子 201802  
ひぐらしを手捕りぬ蒼き淵の上 水原秋櫻子 馬醉木 201808 『磐梯』
器師の言の葉かとも夕ひぐらし 小林輝子 風土 201811 ひぐらし →1

 

2019年8月31日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。