ひぐらし 3     55句

くづれる家のひそかにくづれるひぐらし    種田山頭火

秋の蝉  秋蝉  残る蝉  法師蝉  つくつく法師    ひぐらし  かなかな

作品
作者
掲載誌
掲載年月
師の訃来るひぐらし谷の深きより 南うみを 風土 201710
化野へひぐらしの径綴りたる 鈴鹿呂仁 京鹿子 201710
山際は朝ひぐらしにそまりけり 菊谷潔 六花 201710
ひぐらしの声が声呼び黄昏るる 棚橋朗 201711
ひぐらしや未知なる道の数多ある 中田禎子 201711
泣き止みてよりの哀しみひぐらしは 笠井敦子 201711
朝ひぐらし花折峠の杉にほふ 宇都宮敦子 201711
旅に来てひぐらしに泣く漢かな 赤松赤彦 六花 201711
ひぐらしの声や珈琲冷めてゆく 齊藤實 201712
特養の庭でひぐらし鳴きかはす 伊藤更正 やぶれ傘 201710
ひぐらしやそろそろ腰を上げようか 矢野百合子 201802
ひぐらしを手捕りぬ蒼き淵の上 水原秋櫻子 馬醉木 201808
器師の言の葉かとも夕ひぐらし 小林輝子 風土 201811
ひぐらしのこゑの澄みゆく水の上 藤生不二男 六花 201910
ひぐらしの声をあつめよ死後の椅子 井上菜摘子 京鹿子 201910
石斧を掘りあてし頃ひぐらし鳴く 伊藤希眸 京鹿子 201910
夕ひぐらし吾が空白を鳴き埋む 岡澤田鶴 201910
閑かさや処々にひぐらし夜明け前 菊谷潔 六花 201911
ひぐらしの鳴き止むあたり暮れはじむ 佐津のぼる 六花 201911
灯さずも夕ひぐらしの至福なす 新海英二 春燈 201911
ひぐらしと語るひと時妻の墓 新海英二 春燈 201911
苑深くひぐらしの声通り雨 山下健治 春燈 201911
ひぐらしのこゑの透きゆく浄土かな 藤生不二男 六花 201912
ひぐらしや新宿門の閉まるころ 箕田健生 やぶれ傘 201912
ひぐらしや石見は奥の神楽面 谷陽右 馬醉木 201912
ひぐらしの鳴きゐる宿にやつと着き 萩原久代 やぶれ傘 201912
ひぐらしや上りケーブル客絶えて 三村純也 ホトトギス 202001
うぶすなの絵馬古るままに遠ひぐらし 亀井福恵 京鹿子 202001
梅雨ひぐらし師の下駄の歯のかくも減り 南うみを 風土 202010
ひぐらしの啼く追懐の母のこゑ 鈴鹿呂仁 京鹿子 202010
かなかなと鳴けばお寺のひぐらしと 白石正躬 やぶれ傘 202010
夕ひぐらし線香に火がすぐ付かず 白石正躬 やぶれ傘 202010
ひぐらしや木の倒れ行く電気鋸 江見巌 六花 202011
夕ひぐらし夫の喪明けの裏山に 小林輝子 風土 202011
ひぐらしや水底に噴く砂の粒 間島あきら 風土 202012
ひぐらしの声の枝垂るる如くにも 三村純也 ホトトギス 202012
ひぐらしの吉野の谷を満たしたる 三村純也 ホトトギス 202012
ひぐらしの坩堝に村の老いにけり 森岡正作 202110
ひぐらしやさみしき時は火を焚いて 兵藤惠 202110
雨戸繰る初ひぐらしの声かすか 菅野日出子 末黒野 202111
せせらぎの音とひぐらし鳴く声と 秋山信行 やぶれ傘 202111
ひぐらしの切なき声や九段坂 尾野奈津子 春燈 202111
ひぐらしの遠音夕餉は有り合せ 梅田武 末黒野 202112
青空の遠ひぐらしの風に乗る 根岸善行 風土 202112
ひぐらしやそつと厨の窓を開け 秋山文子 末黒野 202201
身の底にひぐらしの声溜まりをり 平松うさぎ 202210
ひぐらしの水にひびける奥花背 広海あぐり 202210
ひぐらしや池へと伸ぶる山の影 森清堯 末黒野 202211
ひぐらしや尾を振り帰る牛の列 平野秀子 末黒野 202211
ひぐらしや墓仕舞する父祖の里 塙誠一郎 家系図 202211
ひぐらしや先師の訃報きくあはれ 菅野日出子 末黒野 202212
ひぐらしの声といただく夕餉かな 梅田武 末黒野 202212
ひぐらしのひぐれアリバイあからさま 鷺山珀眉 京鹿子 202212
ひぐらしや杜の奥より夕迫り 神谷さうび 末黒野 202301
百歳はだんだん遠く夕ひぐらし 小山田子鬼 202301
ひぐらし→1

 

2023年9月3日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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