土 用 2     68句

わぎもこのはだのつめたき土用かな    日野草城

土用のつく季語  土用  土用あい  土用鰻  土用灸  土用東風

土用凪  土用波  土用干  土用芽  土用餅  土用蜆  土用芝居

土用見舞  秋土用  寒土用

作品
作者
掲載誌
掲載年月
二の腕に土用の風を未亡人 藤井なお子 船団 201602
新駅に下車して新しき土用 藤井なお子 船団 201602
土用入卵を割れば黄身ふたつ 能勢俊子 馬醉木 201610

悼大橋巨泉

ウッシッシ土用の丑の目に泪

柳川晋 201610
江戸前の穴子に替ふる土用かな 竹内慶子 春燈 201610
月明の湖ふさぐ影土用富士 齋藤晴夫 春燈 201610
土用太郎土用次郎や存ふる 小林文良 春燈 201610
黒々と小魚群るる土用入り 間島あきら 風土 201610
日輪を呑みたる灘や土用過ぐ 柴田佐知子 201611
土用明け老舗の画廊閉ぢにけり 瀬島洒望 やぶれ傘 201611
白焼の山葵効かせて土用丑 小田嶋野笛 末黒野 201611
土用草わし掴みては薙ぎ払ふ 能村研一 201709
土用かな刈らねばならぬ草に座し 森岡正作 201710
細々と気になる声の土用かな 小菅礼子 春燈 201710
木洩れ日と思へぬ強さ土用入 志方章子 六花 201712
日にのぼる沼のにほひや土用入 平沢恵子 春燈 201810
したたかに草また根付く土用かな 黒滝志麻子 末黒野 201810
このところ土用の丑の日が二回 柳川晋 201811
九合目いよよ踏み出す土用明け 植村蘇星 京鹿子 201811
身を守る入口さがす土用照り 井尻妙子 京鹿子 201811
百々橋の辺りで返す土用の歩 井尻妙子 京鹿子 201911
鰻弁で土用の丑を済ませけり 湯本実 やぶれ傘 201912
工房は漆の匂ひ土用あい 永淵惠子 202002
三人の吾子の臍帯土用干 青柳雅子 春燈 202009
「な言葉」の賑やかな声土用餅 辻響子 202009
土用芽のくれなゐを見て身養生 能村研三 202009
土用芽の天地突きくる力かな 柴田靖子 202009
土用丑幟に泳ぐ「う」の文字 松井季湖 202009
くれなゐの蟹がバケツに土用入 浅田光代 風土 202010
足裏の砂攫ひゆく土用波 能美昌二郎 202010
トーストにバターを伸ばすけふ土用 丑久保勲 やぶれ傘 202010
土用干し夫の遺愛のキスリング 平居澪子 六花 202011
暁闇の遠より鴉声土用東風 岡野里子 末黒野 202011
山門へ猫の就きくる土用東風 小林共代 風土 202012
松の木の脂噴きあがる土用かな 田中とし江 202102
病みて知る父の歩幅や土用波 安立公彦 春燈 202108
極彩のハザードマップ土用の芽 能村研三 202109
きりぎしにひかる十字架土用波 天野美登里 やぶれ傘 202109
蘇る昭和回想土用波 植村蘇星 京鹿子 202109
土用太郎小牡鹿は黙通しけり 増成栗人 202109
土用干愛とふ手間を繰り返す 平松うさぎ 202110
神祀る大岩の痩せ土用波 森高武 風土 202110
糠漬のかをり芳し土用凪 浜福惠 風土 202110
明日もまた予定なき日や土用入り 山田暢子 風土 202110
土用凪転の敷木の先浸る 岩木茂 風土 202110
串打ちの腸ごと齧る土用かな 小原芙美子 風土 202110
川波の夕映ゆ土用太郎かな 松橋利雄 春燈 202110
土用波乗こなしたる選手かな 木村みどり 春燈 202110
土用の丑うなぎ供養で休業す 水谷昭代 202111
鮮魚店に並ぶ蒲焼土用入 浅岡麻實 末黒野 202111
土用灸熱きものとは知りつつも 石川東児 202112
湖中句碑土用太郎の波うねる 古賀しぐれ ホトトギス 202112
土用凪一帆湖に囚るる 古賀しぐれ ホトトギス 202112
鳴き砂といふ砂浜の土用凪 増成栗人 202209
古書店の本の匂へる土用入 鈴木直充 春燈 202210
すてられぬ母の黄楊櫛や土用干 菅野日出子 末黒野 202210
猪口の肝胃の腑に落とす土用入り 岩崎藍 末黒野 202210
料理屋の二階へ土用太郎かな 根岸善行 風土 202210
乾ききる八つ橋白し土用凪 加藤静江 末黒野 202211
彼の人の筆の献辞や土用干し 内山みち 末黒野 202211
雨あがり土用芽垣を赤く染む 近藤知子 末黒野 202211
理かな二律背反土用凪 中川のぼる 202212
朝は高原の風土用入り 高畑太朗 202212
土用あい漁火遠く波高く 吉田千恵子 末黒野 202212
土用干ことに重たき婚の帯 宮井知英 202302
文楽の衣裳も交じる土用干 曽根富久恵 202302
魚屋の奥の電球土用あい 高倉和子 202304
土用 →1

 

2023年7月26日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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