柚子湯 2       81句

柚子湯して妻とあそべるおもひかな    石川桂郎

作品
作者
掲載誌
掲載年月
力抜いて総身の浮ぶ柚子湯かな 岩下芳子 201602
湯疲れの柚子に深夜の雨激し 中田みなみ 201602
身を攀ぢる恋ひの吐息のごと柚子湯 鴨下昭 201602
自家取りの柚子ふんだんに冬至風呂 青野安佐子 201602
生命線いきいきとして柚子湯かな 中村房子 馬醉木 201603
胸底に弱音沈むる柚湯かな 佐藤保子 馬醉木 201603
柚子風呂や濃き一年を振りかへり 楠原幹子 201603
柚子風呂や記憶にはかに浮力帯び 峰崎成規 201603
柚子湯して心身ともに潤びたる 岡淑子 雨月 201603
母の胸思ひ出したる柚子湯かな 高倉和子 201603
胸沈め肩まで沈め柚子湯かな 根岸善行 風土 201603
柚子風呂や心の峠ひとつ越ゆ 小川すみれ 京鹿子 201604
子ひとりの幸の果てなき柚子湯かな 乾有杏 201604
柚子の湯に柚子の棘傷疾きけり 升田ヤス子 玫瑰 201604
これからの拳やしなふ柚子湯かな 山崎靖子 201604
足招きして風呂の柚子身近にす 佐藤山人 201604
柚子風呂や器量の悪き庭の柚子 大久保白村 ホトトギス 201605
湯加減や柚子の隙間に手を入れて 大久保白村 ホトトギス 201605
一病の身を沈めたる柚湯かな 山田閏子 ホトトギス 201605
柚子湯とふ俗信もまた捨てがたし 野沢しの武 風土 201607
結論は一人柚湯に浸かるより 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
ふはふはと旅の疲れを解く柚湯 稲畑廣太郎 ホトトギス 201612
柚湯とて正座五分はかかさずに 稲畑汀子 ホトトギス 201612
柚子放る湯の返り討ち笑みふたつ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201702
八十路坂越えてやすらふ柚子湯かな 内田順治 201702
柚子の湯に手足を伸ばす赤ん坊 大日向幸江 あを 201702
病人とふたりでひとり柚子の風呂 佐藤喜孝 あを 201703
まるき尻遊び足りたる柚湯かな 加藤峰子 201703
柚子の香の湯気に溶け込む終ひ風呂 久世孝雄 やぶれ傘 201703
柚子風呂やほのと匂へる妻の髪 田中臥石 末黒野 201703
柚子湯出て背中大きくなつてゐる きくちきみえ やぶれ傘 201703
柚子風呂につかり若やぐ妻なりし 山田春生 万象 201703
冬至湯の柚子懐つこく寄つて来る 細川洋子 201703
柚風呂や極楽絵図のごとくゐる 中貞子 201703
仕舞湯や柚子ゆらゆらと背に触れ 東小薗美千律 末黒野 201704
もてなしの始めの白湯の花柚かな 深川敏子 春燈 201709
暗じて湯垢離ごころの柚子湯かな 渕上千津 201802
柚子二つ吾子にみたてて撫でし風呂 七郎衛門吉保 あを 201802
柚子湯して柚子と遊べる命かな 田村すゝむ 風土 201802
柚子風呂の湯加減いかにと母の声 永井恵子 春燈 201803
柚子風呂の湯加減いかにと母の声 永井惠子 春燈 201803
湯に浮かぶ柚子に小さき爪の跡 吉田政江 201803
柚子湯より覗く若さの膝小僧 辻美奈子 201803
柚子風呂は銭湯と決め午後三時 安藤久美子 やぶれ傘 201803
ぷかぷかと浅き夢見し柚子湯かな 谷口一献 六花 201803
痩身の柚子湯の熱り抱きしむる 谷口一献 六花 201803
爪立てて湯ぶねの柚子に目を射らる 升田ヤス子 六花 201803
名にし負ふ水尾の里の柚子湯かな 西千代恵 雨月 201803
冬至風呂徳島産の柚子といふ 齋藤朋子 やぶれ傘 201804
柚子の寄附募る銭湯明日冬至 前原マチ 末黒野 201804
健康に柚子湯が効くと長湯する 亀岡睦子 やぶれ傘 201804
柚子の実のくたくたになり終ひ風呂 黒木東吾 やぶれ傘 201804
初湯にも残りし柚子を入れにけり 佐藤稲子 やぶれ傘 201804
四日月はやばや落ちて柚子湯の香 小巻若菜 やぶれ傘 201804
晩年は春の謂なり風呂の柚子 佐藤喜孝 あを 201902
あけすけに柚子と戯る湯の火照り 鈴鹿仁 京鹿子 201902
糠漬けをし終へて妻の柚子湯かな 秋山信行 やぶれ傘 201903
柚子湯して故なく涙出ることも 平田きみこ 風土 201903
この年もかく過ぎ行ける柚子湯かな 内藤静 風土 201903
湯上り嬰柚子の香残るバスタオル 高村令子 風土 201903
腹立たしき事も柚子湯に溶かし込み 渡辺やや 風土 201903
終ひ湯に柚子の香壁の世界地図 辻響子 201903
入院の母に柚子湯の匂ひせり 柴田佐知子 201904
柚子風呂のひとりの贅に溺れけり 大杉映美 馬醉木 201904
冬至湯の柚子をふやせばにこにこと 大山夏子 201907
次の世に夫を待たせて柚子湯かな 角野良生 201907
柚子風呂へ病知らずの身を伸ばす 望月晴美 202001
柚子風呂のひとりの贅に溺れけり 大杉映美 馬醉木 202001
盛る籠の三個求めて柚子湯かな 佐藤まさ子 京鹿子 202002
木の家の木の香失せたる柚子湯かな 亀田虎童子 202002
柚子嫌ひの夫へ柚子湯はたてられず 谷口摩耶 202002
柚子風呂に溜息二つ沈めけり 須賀敏子 あを 202002
鬼柚子湯へ鬼天竺鼠かな 久留米脩二 馬醉木 202003
柚子風呂や家族増ゆれば柚子もまた ふなかわのりひと 202003
犬逝つて大きくなつて柚子湯の子 辻響子 202003
検査後の気持ちのゆるむ柚子湯かな はしもと風里 202003
胸に寄する湯舟の柚子や奇蹟あれ 中田みなみ 202003
足し湯して身ほとりに柚子集めけり 兼久ちわき 馬醉木 202003
追焚きの湯やゆらゆらと柚子逃げて 升田ヤス子 六花 202004
金満家めくや初湯に柚あまた 岡田史女 末黒野 202004
柚子湯にはばさりと入りすると出づ 佐藤恭子 あを 202010
柚子湯 →1

 

2020年12月24日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。