冬至粥       60句

諍の果ての無言や冬至粥    大山夏子

冬至  冬至粥  冬至湯  冬至南瓜  冬至梅  柚子湯  冬至柚子

作品
作者
掲載誌
掲載年月
湯気の中盲掬ひの冬至粥 渡辺美知子 200003
母留守の子に吹きさます冬至粥 朝妻力 俳句通信 200101
冬至粥切つて捨てたる胃に沁みぬ 志水芳秀 雲の峰 200202
冬至粥黒楽に盛り須磨明石 雨村敏子 200203
仮住みの土鍋に煮ゆる冬至粥 升本行洋 春耕 200203
冬至粥即かず離れず芭蕉かな 尾崎山治 京鹿子 200204
たちまちに眼鏡くもらせ冬至粥 飯塚やす子 200206
昼からの雨が夜まで冬至粥 中村房枝 六花 200212
冬至粥振舞ふ叔母の襷掛け 岩崎皓子 雲の峰 200302
冬至粥独りぽつちの独り言 大村孝 百鳥 200303
子がなくて猫と遊びし冬至粥 竹内悦子 200303
冬至粥なほ西方に月はあり 水野恒彦 200312
おごそかや髭の濡れたる冬至粥 中島陽華 200401
二粒の真珠を耳に冬至粥 大島翠木 200402
風音や犬に装へる冬至粥 山口マサエ 雲の峰 200402
黒き梁きしと音立て冬至粥 濱田萬里子 河鹿 200403
うべなひし知足の日々や冬至粥 若山実 雲の峰 200403
傷心の裏打をせむ冬至粥 吉田明子 200403
杉山へ風のぶつかる冬至粥 森屋慶基 風土 200411
冬至粥吹きて夜風のつのりけり 山口マサエ 雲の峰 200502
ときをりに足をさすりて冬至粥 吉田康子 火星 200502
冬至粥母のせしごと文豆入り 川上なみ子 200503
家中の明りをともし冬至粥 中山勢都子 200602
黒米を一匙加へ冬至粥 山上カヨ子 200603
身を包む鬱気はがさむ冬至粥 山田をがたま 京鹿子 200603
加賀芋の粘りの強し冬至粥 河野尚子 栴檀 200604
バブル恐し株価チェックし冬至粥 中島英子 八千草 200606
春慶の盆に置かるる冬至粥 延広禎一 200703
健啖の卒寿の母や冬至粥 中村春宵子 春燈 200703
雀にも軒に吊るせり冬至粥 滝沢伊代次 万象句集 200703
縋るかにいのちの冬至粥啜る 浅井青二 雨月 200704
灯に近く坐して遺影と冬至粥 松村富子 200803
鉈割りの南瓜を入るる冬至粥 本多佑子 200803
二度洗ひせし身体にて冬至粥 中島陽華 200903
家中に忘れものあり冬至粥 佐藤喜孝 あを 201002
冬至粥坂の途中の我家かな 安部里子 あを 201002
捨つるものいまだ七分や冬至粥 加舎廣子 京鹿子 201201
ねんごろに亡き人忍び冬至粥 和田政子 201202
あかときの炉につぶやける冬至粥 小林輝子 風土 201203
どん底とおもふ安らぎ冬至粥 田中藤穂 あを 201203
わが鼻の眩しく在りぬ冬至粥 林昭太郎 あまねく 201210
消息の遠くよりくる冬至粥 井上信子 201301
気遣ひのぬくもりこもる冬至粥 芝宮須磨子 あを 201302
冬至粥まぶたの裏のやはらかき 熊川暁子 201303
たまきはる命を恃み冬至粥 久保久子 湖心 201402
公園の掃除済みたる冬至粥 三浦喜久子 ぐろっけ 201403
晩年の光陰のはや冬至粥 廣瀬克子 春燈 201502
鴇色の空暮れゆけり冬至粥 小林愛子 万象 201504
冬至粥すゝり卒寿をやゝ過ぎし 竹下陶子 ホトトギス 201508
冬至粥すすり仏心あはきかな 森藤千鶴 馬醉木 201602
香具山の夕霧ふかし冬至粥 奥村直女 馬醉木 201603
行平に冬至粥炊きつつましく 多方清子 雨月 201603
息災を謝しつ家例の冬至粥 南光翠峰 馬醉木 201702
長命を嘆きよろこび冬至粥 中原吟子 雨月 201703
星はみな正しき位置に冬至粥 戸栗末廣 201704
裏山は鴉のねぐら冬至粥 石井美智子 風土 202011
冬至粥闇より湯気の香り来る 稲畑廣太郎 ホトトギス 202012
風音や鼻先赤く冬至粥 武田未有 202102
散歩して心やはらぎ冬至粥 臼居澄子 末黒野 202103
冬至粥あはずじまひの三姉妹 小林紫乃 春燈 202202
鍋蓋のつぶやき始む冬至粥 谷田明日香 風土 202203
亡き人に腹を立てをり冬至粥 斉藤マキ子 末黒野 202203
冬至粥さてもさてもと暮れかかる 高橋詩 202203

 

2022年12月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。