藪 蚊     48句

きらわれて長生したる藪蚊哉    一茶

  蚊柱  藪蚊  なごり蚊  残り蚊  秋の蚊  

秋蚊 残り蚊 名残り蚊 溢れ蚊 哀れ蚊

作品
作者
掲載誌
掲載年月
木曾殿の寺の薮蚊に食はれしよ 有働亨 馬醉木 199910
俳磚の文字の放ちし藪蚊かな 山田弘子 円虹 200009
あぶれては藪蚊とふ名に甘んじぬ 中原道夫 銀化 200009
霊の数ほどの藪蚊を迎へけり 泉田秋硯 月に逢ふ 200103
白昼の藪蚊の攻撃ニューヨーク 矢野千佳子 京鹿子 200108
藪蚊まづ攻めて城門くぐりけり 浜口高子 火星 200109
藪蚊また庭訪ふ客を帰したる 安原葉 ホトトギス 200201
芭蕉庵めぐり藪蚊にさされけり 塩谷はつ枝 馬醉木 200209
鰐口の一打藪蚊の乱を吐く 泉田秋硯 200210
畏しき藪蚊の声と聞きをりぬ 奥田節子 火星 200210
東京のど真ん中なる藪蚊かな 鹿野佳子 200211
曲家の厩の藪蚊に刺されけり 田中子 円虹 200309
黒雲に追はれ藪蚊と家に入る 赤座典子 あを 200309
月下美人男嫌ひて藪蚊呼ぶ 松崎鉄之介 200311
もう馬の居ぬ曲家の藪蚊かな 原田喜久子 八千草 200401
名水汲む薬師如来の薮蚊かな 川島和 帆船 200412
肖像画居間の藪蚊を見据えたる 陶山泰子 ぐろっけ 200301
回廊を薮蚊打ちつゝ案内僧 福田かよ子 ぐろっけ 200410
なつかしき竹藪よりの大藪蚊 林翔 200508
薮蚊打ち荷風の墓に詣でけり 内藤ゑつ ゑつ 200411
番犬の繋がれどうし薮蚊寄る 伊藤希眸 京鹿子 200608
マラリアにて死せし淵明藪蚊来る 松崎鉄之介 200610
墓裏の藪蚊大きく刺しにくる 坊城俊樹 ホトトギス 200611
立話に立会うてゐる藪蚊かな 加藤廣子 火星 200611
藪蚊出づ心中といふまぶしさに 百瀬七生子 海光 200705
妙齢が男の手付き藪蚊打つ 大川冨美子 ぐろっけ 200710
作業着干すくぐれば藪蚊顔に来て 徳丸峻二 風土 200808
金箔に賺されてゐる薮蚊かな 久津見風牛 200810
道問へどちんぷんかんぷん藪蚊鳴く 藤原千代子 万象 200810
大和にはグラマン庭隅には藪蚊 清水幸治 200811
藪蚊つれ庭の昼より戻りけり 安藤久美子 やぶれ傘 200811
四阿にしばし藪蚊と遊びけり 小林正史 200909
畦暮れて藪蚊を連れて戻りけり 木内美保子 六花 200910
熱き血を惜むで藪蚊叩きけり 荒井和昭 200911
追慕てふ言葉の甘し薮蚊打つ 伊藤希眸 京鹿子 201008
藪蚊打つ三四郎池の暗がりに 山本絢子 万象 201011
合掌の手が薮蚊うつ孟蘭盆会 菊谷潔 六花 201011
藪蚊打ちぽつくり地蔵に詣でけり 疋田華子 万象 201101
王将を追ひ詰む縁台薮蚊打つ 平野数子 京鹿子 201201
人住まず暗がり藪蚊たむろせり 松本秀子 201208
走り根にまた躓いて藪蚊かな 篠田純子 あを 201208
藪蚊叩いて三門の雨宿り 鳳蛮華 201304
ユニークな五百羅漢に藪蚊寄る 山崎里美 201310
ひとやすみ藪蚊山頭火の笠で 三橋早苗 ぐろっけ 201311
竹編みの空井戸の蓋藪蚊出づ 甲州千草 201608
為朝の墓は藪蚊の巣でありし 大坪景章 椿垣 201612
夜の客藪蚊一匹連れて来し 内海良太 青嶺 201612
緑蔭に集ふ藪蚊を同士討ち 菊谷潔 六花 201810
肩寄する寸刻破る藪蚊かな 伊藤鴉 末黒野 201911
子供らの遠ざかる声薮蚊たつ 治部少輔 201912
徳川の廟所の藪蚊打ちにけり 増成栗人 202009
藪蚊ゐて魑魅魍魎も出る処 大畑善昭 202010
竹林の中の鐘楼藪蚊鳴く 菅野日出子 末黒野 202210
藪蚊には刺されもせずにめうがの子 佐藤竹僊 あを 202212

 

2023年6月8日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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