秋 蚊    35句

  蚊柱/藪蚊  なごり蚊  残り蚊  秋の蚊

秋蚊 残り蚊 名残り蚊 溢れ蚊 哀れ蚊

作品
作者
掲載誌
掲載年月
秋蚊来ず小恙の血を厭へるか 大橋敦子 雨月 199811
起き抜けのわれに寄りくる秋蚊かな 南千恵子 199901
秋蚊哭く欠け灯篭の生臭し 烏羽夕摩 京鹿子 200002
眼底に潜み秋蚊と呼ばれたる 山県總子 銀化 200011
高野山の大き秋蚊に刺されたり 野田晶子 春耕 200012
震度三あとの秋蚊にさされけり 山田三江子 200101
あれほどの秋蚊のはたと絶えし庭 三村純也 ホトトギス 200103
父帰るやうな秋蚊とおぼしめせ 三神あすか 船団 200105
A型にふくれし秋蚊たたきけり 西村純一 俳句通信 200111
秋蚊来る意思あるやうになきやうに 山田弘子 円虹 200111
茶筌振る手元にまとふ秋蚊なり 斉藤陽子 雨月 200112
仁丹を知らぬ看護婦秋蚊来る 山崎泰世 200112
秋蚊打ち脛に掌形と縞模様 勝野薫 ぐろっけ 200112
武蔵館血を溜む秋蚊玻璃に止む 松本鷹根 京鹿子 200312
やみくもに耳の秋蚊を叩きけり 岸田爾子 200401
子供めき敵と秋蚊追ひにけり 喜多初枝 雨月 200410
三面鏡開けば現るる秋蚊なり 米澤光子 火星 200411
いとにくし清少納言秋蚊打つ 松波とよ子 春燈 200512
呟きに似たる念仏秋蚊出づ 中條睦子 栴檀 200512
心経の鼻先にきし秋蚊かな 吉田康子 火星 200601
秋蚊来る奥処に武蔵供養塔 坂上香菜 200810
秋蚊打ち無為の一日終りけり 佐々木暢 炎環 200812
昼暗しガジュマル園に秋蚊鳴く 勝野薫 ぐろっけ 200901
秋蚊刺す意中の人と決められし 松田都青 京鹿子 200901
真中のみ乾きし径や秋蚊打つ 柿沼盟子 風土 200911
源氏読む顔に秋蚊のまつはれり 田中藤穂 あを 200911
老斑を秋蚊もろとも子に打たれ 加藤玲子 ろんど 200912
宮内庁管轄領の秋蚊かな 関根洋子 風土 200912
秋蚊には好かれ君には振られたる 稲畑廣太郎 ホトトギス 201209
鬼子母神をがみ秋蚊に刺されけり 那須淳男 馬醉木 201212
叩きたる秋蚊思ひのほか小さき 小川玉泉 末黒野 201312
クローゼットヘ秋蚊の流る裁ち鋏 柳本渓光 ろんど 201501
御仏の膝下にこごみ秋蚊打つ 白神知恵子 女坂 201508
寡黙なるをとこいきなり秋蚊打つ 生田作 風土 201511
国生みの長子は蛭子秋蚊打つ 山田六甲 六花 201810
憎し痒し秋蚊に刺され指の先 廣畑育子 六花 201812
一滴の命の秋蚊筆洗ふ 伊藤希眸 京鹿子 201901
疲れ切り戻ればまとはりつく秋蚊 吉田悦子 202105
秋蚊ゆゑ祇王の腕と覚えしか 鈴鹿呂仁 京鹿子 202110

 

2023年9月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。