若葉 4      96句

鼓鳴る能樂堂の若葉かな    正岡子規

若葉  椎若葉  樟若葉  蔦若葉  若葉(植物名入り)  若葉冷

作品
作者
掲載誌
掲載年月
若葉なす島に廃仏毀釈の過去 高井去私 200208
ねむる嬰の時に頬笑む若葉風 石田嘉江 200208
若葉波峠孤島となりてゆく 島崎晃 遠嶺 200208
樟若葉赤き半旗の大使館 川口襄 遠嶺 200208
若葉風呱呱高らかに嬰産まる 川端実 遠嶺 200208
若葉光勤行終へし僧五人 三崎由紀子 遠嶺 200208
若葉して大樹は風の秘密基地 土岐明子 遠嶺 200208
水底へ若葉の枝の伸びゆけり 上田祥子 遠嶺 200208
瀬淀みの若葉映えしてなほ碧し 伊藤敬子 遠嶺 200208
葉ごもれに風の通ひ路椎若葉 鈴木喜久一 帆船 200208
若葉よりあふれだしたる海の色 村田明子 円虹 200208
おほきにと師の声聞こゆ橡若葉 ほりもとちか 円虹 200208
句碑と句碑つなぐ葉桜萩若葉 ほりもとちか 円虹 200208
楠若葉天に両翼拡げたり 塩川雄三 築港 200208
若葉風青年村を出てゆけり 藤井豊子 築港 200208
若葉風水の木洩日動かせて 吉田眞弓 雨月 200208
足元の荒き瀬音や谷若葉 小野育子 雨月 200208
垣間見る小さき観音椎若葉 三嶋好子 雨月 200208
SLに禁煙車なく谷若葉 長岡新一 200208
山毛榛若葉夜明けを映す湖のいろ 深田雅敏 200208
山若葉霊場いつも濡れてゐし 豊田都峰 京鹿子 200208
谷若葉出湯にしづめしづめ沈む 豊田都峰 京鹿子 200208
溪若葉水石を削ぎ水を削ぎ 豊田都峰 京鹿子 200208
若葉して作務人まかせの門跡尼寺 山田をがたま 京鹿子 200208
結跏趺坐鑑真像へ若葉風 林日圓 京鹿子 200208
四囲若葉風に押されて女坂 林日圓 京鹿子 200208
若葉風ピアノの音の弾みをり 三浦カヨ子 酸漿 200208
楠若葉京の曇天明るうす 三村禮子 酸漿 200208
堂の窓弥陀丸顔や若葉光 三村禮子 酸漿 200208
目に染みる欅若葉を仰ぎゆく 小黒加支 酸漿 200208
羊歯若葉曲水の宴の庭今も 三村禮子 酸漿 200208
護摩太鼓若葉の山にひびきけり 内田靖子 春耕 200208
腰高の四阿の椅子山若葉 小林光美 春耕 200208
エレベーター開いて若葉へ登校児 岡本眸 200208
石垣の径ゆるやかに楠若葉 水田清子 200208
新しき講座始まる若葉窓 水田清子 200208
絶壁の若葉隠れの流刑小屋 稲田節子 200208
四万十を下る舳先の若葉風 岸はじめ ぐろっけ 200208
若葉影もういいかいまあだだよ 藏本博美 ぐろっけ 200208
盤渉の笛の音わたる宮若葉 中村碧泉 ぐろっけ 200208
寺町の撞木真っさら若葉風 本木下清美 ぐろっけ 200208
木の手摺りハッサム邸の樟若葉 武田貞子 ぐろっけ 200208
重文の船屋形にも若葉風 武田貞子 ぐろっけ 200208
大寺の反り打つ甍若葉光 辻田明 200209
重なりて影を濃くせり朴若葉 小松誠一 200209
をちこちの色堆き椎若葉 伊藤多恵子 火星 200209
啄木鳥の打音が覚ます羊歯若葉 渡辺立男 馬醉木 200209
フラスコに若葉のひかり農学部 近藤暁代 馬醉木 200209
音立てて雨を歓ぶ樫若葉 高橋たか子 馬醉木 200209
息を呑むバンジージャンプ谿若葉 山下佳子 200209
窯煙高く若葉の空にあり 進峰月 円虹 200209
玻璃みがく午下のいとまの若葉雨 宇田篤子 京鹿子 200209
渓深くなだれて葡萄若葉かな 中村克久 雲の峰 200209
誓ひ合ふ瞳透ききけり椎若葉 山田禮子 遠嶺 200209
ヴェネチアングラスの館谿若葉 安原ときこ 遠嶺 200209
安達太良山の間近に青葉若葉かな 石山民谷 遠嶺 200209
高原の風の湧き立つ楡若葉 邑橋淑子 遠嶺 200209
若葉風吹き抜く寺領観音像 塩野きみ 遠嶺 200209
翻す翼の白し若葉山 土岐明子 遠嶺 200209
若葉騒缶コーヒーを掌 鳴海清美 六花 200209
元湯てふ旅籠てふ宿谷若葉 二瓶洋子 六花 200209
写メールというものがある樟若葉 松本恵子 六花 200209
あづまやの隠れ家めける夕若葉 濱地恵理子 200209
籠もり居て引越準備樫若葉 恩塚典子 ぐろっけ 200209
詩の本に零るる若葉明かりかな 土岐明子 遠嶺 200210
散策の歩のかろやかに若葉風 松尾緑富 ホトトギス 200210
若葉風蝶も吹かれてゐたりけり 大野ツネ子 酸漿 200210
鳥ひそむごとくに風の栃若葉 岡本眸 200210
谷若葉魚よりも濃き魚の影 島玲子 風土 200301
墓の扉の開かれ通る若葉風 佐田昭子 ぐろっけ 200302
記念樹の桂若葉となりそよぐ 稲畑汀子 ホトトギス 200304
隣より声のつつ抜け萩若葉 稲畑汀子 ホトトギス 200304
まだ風の素通り萩の若葉かな 稲畑汀子 ホトトギス 200304
記念樹の桂若葉にある力 稲畑汀子 ホトトギス 200304
命つぐ青葉若葉の星の下 小野寺節子 風土 200304
グライダーは青年の羽山若葉 宮坂恒子 雪底 200304

 「朝」三百号を迎う

草若葉師恩の日射濃かりけり

岡本眸 200304
画眉鳥のこゑに上りし若葉雨 阿部ひろし 酸漿 200305
鎌倉の君が居いかに若葉どき 鷹羽狩行 200305
ここに又桂若葉を渡る風 稲畑汀子 ホトトギス 200305
風渡るとき大欅若葉かな 稲畑汀子 ホトトギス 200305
庭若葉木々の主張のはじまりし 稲畑汀子 ホトトギス 200305
風渡るとき若葉に香ありにけり 稲畑汀子 ホトトギス 200305
曇のち晴の若葉の光る土佐 稲畑汀子 ホトトギス 200305
若葉雨もう来る筈の人待ちて 稲畑汀子 ホトトギス 200305
早々に退散の城若葉雨 稲畑汀子 ホトトギス 200305
日を透す若葉に木々の個性見る 稲畑汀子 ホトトギス 200305
待つときも待たせるときも風若葉 稲畑汀子 ホトトギス 200305
高橋に常盤に若葉抜けてゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
鳩翔ちて若葉散らせる一とところ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
若葉雨丹波丹後を貫きて 稲畑廣太郎 ホトトギス 200305
夕映えの一村囲む桑若葉 桂信子 ぐろっけ 200305
古き良き学舎まなびやの杜若葉せり 小林呼溪 200306
そよかぜに日がある若葉祭かな 阿部ひろし 酸漿 200306
晴れゆくか朝黙したる庭若葉 阿部ひろし 酸漿 200306
高尾けふ若葉祭の雨しづか 阿部ひろし 酸漿 200306
若葉 5      

 

2021年4月29日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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