露 9 100句 |
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作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
累々と光の円舞草の露 | 前田美恵子 | 槐 | 200712 |
山からの風を招いて芋の露 | 五十嵐光郎 | 狩 | 200712 |
幻住庵門の身丈の露雫 | 能村研三 | 沖 | 200712 |
名を記さず葬の露の平家墓 | 大畠政子 | 雨月 | 200712 |
蜘蛛の巣のいくつ光れり露の朝 | 坂本知子 | 酸漿 | 200712 |
悼むなり天地のひとつの露として | 豊田都峰 | 京鹿子 | 200712 |
余情とも露ひとつぶの光りをり | 鈴鹿仁 | 京鹿子 | 200712 |
芋の露小さき夕日の転がれる | 木内美保子 | 六花 | 200712 |
露踏みて足跡残しをりにけり | 筒井八重子 | 六花 | 200712 |
露の帰航なべて漢は仁王立 | 小島みつ代 | 朝 | 200712 |
露踏んで勤めてをりし頃のこと | 藤井昌治 | 朝 | 200712 |
神の水受くるに露の杓ひとつ | 安武晨子 | 空 | 200712 |
披かれし句碑を見守る露の荘 | 千原叡子 | ホトトギス | 200801 |
震災に迂回余儀なき露の旅 | 安原葉 | ホトトギス | 200801 |
朝露の日の出とともに光り初む | 大久保白村 | ホトトギス | 200801 |
朝露にまみれし社家の竹箒 | 大久保白村 | ホトトギス | 200801 |
太陽に食べつくされし朝の露 | 大久保白村 | ホトトギス | 200801 |
閉ざされし山荘露を置くばかり | 立村霜衣 | ホトトギス | 200801 |
新句碑や露の伽石侍らせて | 安原葉 | ホトトギス | 200801 |
踏み入りて足下染むる玉の露 | 塩野きみ | 遠嶺 | 200801 |
禁教の耶蘇名の埋もれ露の墓 | 森脇貞子 | 雨月 | 200801 |
山に星眠れば露のこぼれけり | 外川玲子 | 風土 | 200801 |
晩鐘を撞く太綱の露じめり | 吉田政江 | 沖 | 200801 |
叡山の露や阿闍梨の捨て草鞋 | 吉田政江 | 沖 | 200801 |
露時雨昼を灯して式部の間 | 吉田政江 | 沖 | 200801 |
転びつつ大きくなりぬ芋の露 | 出木裕子 | 鴫 | 200801 |
朝露や逆光に座すピラミッド | 大西まりゑ | 酸漿 | 200801 |
踏みふみて朝露のなほ耀へり | 佐々木幸 | 朝 | 200801 |
八甲田山のシンボル露の兵士像 | 北尾章郎 | 苑 | 200802 |
被災地に悼むや露の崩落地 | 安原葉 | ホトトギス | 200802 |
ただ一途諷詠の道露の世に | 浅井青陽子 | ホトトギス | 200802 |
露葎に日の差してゐる晩年か | 大島翠木 | 槐 | 200802 |
高弟に今村兵衛露万朶 | 角直指 | 京鹿子 | 200802 |
露しとど銀一色の芒原 | 浮田胤子 | ぐろっけ | 200802 |
朝露のベンチの端に日の射し来 | 笹村政子 | 六花 | 200802 |
一枚の落葉にあふる朝の露 | 笹村政子 | 六花 | 200802 |
露の世の果報に虚子と会へしこと | 木村享史 | ホトトギス | 200803 |
虚子の指す方へひたすら露の道 | 木村享史 | ホトトギス | 200803 |
露の道惑へるたびに虚子に問ふ | 木村享史 | ホトトギス | 200803 |
露乾きゆく一山の音のあり | 山田弘子 | ホトトギス | 200803 |
魚霊碑の供華は野の花露しぐれ | 内山花葉 | 沖 | 200803 |
一山の露ことごとく星宿す | 山田弘子 | ホトトギス | 200804 |
隠棲の日々朝露に触るゝかな | 瀧青佳 | ホトトギス | 200804 |
一穂に一粒の露完結す | 東良子 | 首座星 | 200804 |
露散らす金満にして脱腸氏 | 坪内稔典 | 稔典句集 | 200804 |
喪の家の欅がためる露の玉 | 坪内稔典 | 稔典句集 | 200804 |
岩に露文化こぼれているような | 坪内稔典 | 稔典句集 | 200804 |
霰来るカバンの底に正露丸 | 坪内稔典 | 稔典句集 | 200804 |
露月夜砂漠ひろがる本の中 | 青木朋子 | 空 | 200805 |
露受けて頬ふつくらとチューリップ | 金澤明子 | 火星 | 200807 |
露の世に消ゆるも愛し孕猫 | 宮崎左智子 | 璦 | 200808 |
露消えて思ひ出ばかり残りけり | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200808 |
一滴の露も育たぬ快晴に | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200808 |
露の世の震禍しのびてゐるばかり | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200808 |
露の世のこの快晴をもて祝ふ | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200809 |
露しとど三瓶の旅に濡るるとも | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200809 |
草の露朝の時間の経ち易く | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200809 |
しとど露ふふみし朝の草原に | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200809 |
日のさせりみづき青葉に朝の露 | 北島上巳 | 酸漿 | 200809 |
母恋ひの露の身に添ふ守り札 | 岡本眸 | 朝 | 200809 |
唐突に空が砕けて露の鶏 | 野中亮介 | 馬醉木 | 200810 |
露の句座昨日は東今日は西 | 稲畑廣太郎 | ホトトギス | 200810 |
露葎黙をほどいてゆく山路 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200810 |
草の露これより里を抜ける道 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200810 |
露の世の言葉足らざるまま別れ | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200810 |
星消えてゆく朝の間の露に濡れ | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200810 |
皆楠の大樹見たしと露踏みて | 稲畑汀子 | ホトトギス | 200810 |
鳥獣の星座の声を露の上 | 鷹羽狩行 | 狩 | 200810 |
星下りて万朶の露となる夜半 | 鷹羽狩行 | 狩 | 200810 |
終章を加筆す嵯峨野の朝露に | 豊田都峰 | 京鹿子 | 200810 |
アイスコーヒー銅の器に露凝らす | 宮津昭彦 | 濱 | 200810 |
草に露犬の鈴よく鳴ることよ | 藤田宏 | 澪 | 200810 |
露灯対き合ふ医師の膝太く | 岡本眸 | 朝 | 200810 |
芋の露硯の海へ流しけり | 貫井照子 | やぶれ傘 | 200810 |
力杖抱けり露の野菜売 | 村越化石 | 濱 | 200811 |
朝露の残りし穂紫蘇庭に摘む | 阿部悦子 | 酸漿 | 200811 |
朝露の乾ぬ間の大き訃なりけり | 戸田和子 | 鴫 | 200811 |
朝市に加はる露の道掃きて | 岡本眸 | 朝 | 200811 |
尾瀬をゆく露の木道軋ませて | 國保八江 | やぶれ傘 | 200811 |
芋の露いびつのままに零れけり | 鎌倉喜久恵 | あを | 200811 |
露の世のひとに褒貶びっこの犬 | 定梶じょう | あを | 200811 |
露の世のいのちを惜しむ術後かな | 山本康夫 | 苑 | 200812 |
芋の露揺り落されぬほどの風 | 田村園子 | 鴫 | 200812 |
真つ青の空をころがす芋の露 | 大場ましら | 鴫 | 200812 |
露の世の露のこころのこゑ一つ | 佐藤雅代 | 炎環 | 200812 |
吉祥の文字の曼荼羅露の秋 | 水野あき子 | 遠嶺 | 200812 |
薪能をはりし朝の露の松 | 四條進 | 峰 | 200812 |
露大地俳系ゆかりを彫みゆく | 豊田都峰 | 京鹿子 | 200812 |
露満つる山河ひとひらづつの流雲 | 豊田都峰 | 京鹿子 | 200812 |
系露忌 雲ひとつ風の速さに露零す |
鈴鹿仁 | 京鹿子 | 200812 |
嵯峨奥へ露の深さのほとけ道 | 松本鷹根 | 京鹿子 | 200812 |
陽のあとを月のぼりけり露の山 | 久津見風牛 | 槐 | 200812 |
朝明けの闇は一重か芋の露 | 瀬川公馨 | 槐 | 200812 |
露の戸を灯の通るほど開けて置く | 西本輝子 | 雨月 | 200812 |
露の世を虚子の膝下にゐる安堵 | 山田天 | 雨月 | 200812 |
みちのくの千の草木に万の露 | 辻直美 | 沖 | 200812 |
通勤へ拭ふサドルの朝の露 | くらたけん | 沖 | 200812 |
忘られし嬰の布靴露しめり | 土屋青夢 | ぐろっけ | 200812 |
袖口と裾に露受く今日の晴 | 長崎桂子 | あを | 200812 |
信長の夢の玉ほど大き露 | 大久保白村 | ホトトギス | 200901 |
露→ 10 |
2021年11月8日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。
ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。