14      116句

作品
作者
掲載誌
掲載年月
萩の露ひとつぶづつに日を孕み 升田ヤス子 六花 201612
夜半醒めて露置く頃と思ひけり 中嶋昌子 春燈 201612
昭和史を読み返す夜露しとど 松本幸男 万象 201612
雨蛙如露の水にかしこまる 浜野桃華 万象 201612
朝露の光の中の厩舎かな 福岡かがり 雨月 201701
朝かげのふいに一筋露の原 河野美奇 ホトトギス 201701
歳月や廃鉱坑道露時雨 岡田桃子 201701
沈黙や夜露に足の濡るるまで 坂入妙香 春燈 201701
百年の大整理終へ露のちる 芦田しずく 京鹿子 201701
黄霊芝先生の杖露払ふ 福島せいぎ 万象 201701
暁光の露の道標槍ヶ岳 石崎和夫 201701
三月振りに帰宅の夫や露の門 下田奉枝 雨月 201702
露の世の露の縁をいまさらに 下田奉枝 雨月 201702
祈(ね)ぎ事の沁み込む社露時雨 有松洋子 201702
余生なほ通りなれたる露の径 犬塚芳子 201702
露日和家族写眞にほほゑみて 北川孝子 京鹿子 201702
露の夜のコロラトゥーラに耳輪揺れ 宇都宮敦子 201702
火の山の記憶ひそかに露氷る 水野恒彦 201704
草ぐさの露に映りし初旭 藤田美耶子 201704
露の世は楽しく生きん年の酒 今村千年 末黒野 201704
芋の葉の朝露光る谷戸の道 池谷鹿次 末黒野 201704
落柿舎の句碑の湿りや昨夜の露 高木邦雄 末黒野 201704
天守閣てふ露の世を知る高さ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
雲払ひ待宵といふ露払ひ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
露踏みて忌日の旅のはじまれる 稲畑汀子 ホトトギス 201710
宮様の御逝去悼み露しぐれ 稲畑汀子 ホトトギス 201710
短冊を結ひ七夕の露こぼす 田中佐知子 風土 201710
白百合の嚥下の露の走りけり 奥田筆子 京鹿子 201710
縄文の露の大地に藁伏屋 能村研三 201711
千年の史を語るや萩の露 前田美恵子 201711
どれよりも南天の葉に露燥ぐ 高橋道子 201711
一粒は葉先にすがり露の玉 高橋道子 201711
露の世の諸聖人てふ輝きに 稲畑廣太郎 ホトトギス 201711
細き葉のひとつひとつに銀の露 今井肖子 ホトトギス 201711
嫋やかに人招き入る萩の露 鈴鹿仁 京鹿子 201711
露の玉尾瀬の池畔の朝まだき 金森信子 雨月 201711
朝露や草に沈みししるべ石 佐藤保子 馬醉木 201712
麦ごはん噛みなれ露の晩期澄む 渕上千津 201712
露の身の今の一刻何為さむ 渕上千津 201712
露の灯を点し更けゆく祇園かな 竹中一花 201712
露の世の露に濡れゆく墨衣 藤田美耶子 201712
「喉きるな」「延命するな」露滂沱 林いづみ 風土 201712
露の庭赤き鼻緒の七卿址 和田照海 京鹿子 201712
芋の葉のほろりと露をこぼしけり 佐津のぼる 六花 201801
登り来し観音堂の露しげし 佐藤花木 雨月 201801
遊戯の果てころげ落ちたる露万朶 水野恒彦 201801
露の世を駈け込み寺に入る男 中谷富子 201801
犬と来る僧の声清み露の坂 土井三乙 風土 201801
大和三山見晴らす露の浄土かな 山田春生 万象 201801
反り返る葉裏に夜半の露雫 濱谷和代 万象 201801
朝露を律儀に並べ禅庭花 今井康子 201712
河原径たどるしとどの露踏みて 斉藤マキ子 末黒野 201802
露しとど女人が試す力石 福島せいぎ 万象 201802
露の世の歳月刻む継柱 涌羅由美 ホトトギス 201803
朝の日を離さぬ芝生露の秋 本郷桂子 ホトトギス 201803
露の身を清むる塗香ひとつまみ 稲岡みち子 雨月 201803
愛猫の墓標小さし露葎 服部早苗 201801
露の世の縁だいじに暮しをり 森田明成 201803
大いなる露と思へり天守閣 大西乃子 201804
銀色の露近づけば透明に 今井肖子 ホトトギス 201809
逝く吾子に万葉の露みなはしれ 能村登四郎 201809
夜露降る不意に老舗の店じまひ 能村研三 201810
日露戦祖父の手紙を曝しけり 小林のり人 春燈 201810
露しぐれ鏡の中の小宇宙 本多俊子 201811
露むすぶ庭より訪ひて句を拝す 熊岡俊子 雨月 201811
露の玉のせて蓮の葉売られをり 南うみを 風土 201811
草の露リハビリの靴ぬらしけり 加藤良子 春燈 201811
芋の葉に露光りつつ夕暮るる 田中藤穂 あを 201811
露の玉草の色して宿りけり 佐津のぼる 六花 201812
死水を賜はるならば蓮の露 佐津のぼる 六花 201812
俳友の二十はたの魂抱く露の寺 鈴鹿呂仁 京鹿子 201812
鳥辺野の山を動かす露ひとつ 鈴鹿呂仁 京鹿子 201812
胸先に宿す漁火露しとど コ田千鶴子 馬醉木 201812
露の夜や母のかたへに兄睡る 斉藤玲子 馬醉木 201812
星屑を降りこぼしてや草の露 斉藤マキ子 末黒野 201812
一滴眺え向きや草の露 瀬川公馨 201812
一斉に光る朝露みなクロン 三木亨 201812
露踏んで集合場所に急ぎけり 波戸辺のばら 201812
露の玉見れば揺らさずにはおれず 松井季湖 201812
露時雨ほろほろ降りて誰もいず 松井季湖 201812
暁紅に露の藁屋根合掌す 能村登四郎 201812
露月夜ドラマ二度見の慣ひとは 渕上千津 201812
朝月の残る河辺の露踏んで 白石正躬 やぶれ傘 201901
露の天そこまで下りて来てゐたり 中杉隆世 ホトトギス 201901
露の玉見れば揺らさずにはおれず 松井季湖 201901
露時雨ほろほろ降りて誰もいず 松井季湖 201901
敗荷に雨か露かと分かぬ玉 篠田純子 あを 201901
草の露ひらひらと季移りゆく 増成栗人 201901
切株の年輪数へ露の声 古川しげ子 雨月 201902
朝露や疎水を小舟出発す 古賀恵子 201902
露凝るや見返り弥陀の御目また 千田百里 201902
かはたれの水琴窟や露の宿 森清堯 末黒野 201902
露の世に語りつぐ虚子物語 安原葉 ホトトギス 201903
朝露に祈り夜露に祈る山 和田華凛 ホトトギス 201903
生と死の狭間にあへぐ露の息 安原葉 ホトトギス 201903
快方へ向ふ兆しか露の息 安原葉 ホトトギス 201903
露の身に管幾本も挿され病む 安原葉 ホトトギス 201903
積む記憶失ふ記憶露の玉 平野多聞 201903
甦る六十余年露の塔 千原叡子 ホトトギス 201904
星屑の降りこぼしてや草の露 斉藤マキ子 末黒野 201904
梅散らし風の姿を露にす 平居澪子 六花 201906
膕の露に濡れてるゐないよな 佐藤恭子 あを 201906
露に濡れ来し客人をねぎらひぬ 稲畑汀子 ホトトギス 201909
三瓶野の露を踏み来し旅の靴 稲畑汀子 ホトトギス 201909
草の露踏み分けて来し旅の靴 稲畑汀子 ホトトギス 201909
三瓶野の露に濡れ来し人集ふ 稲畑汀子 ホトトギス 201909
露踏みてえにしの浜に心置く 稲畑汀子 ホトトギス 201909
旅心露の祖の地を踏みて来し 稲畑汀子 ホトトギス 201909
露踏みて来し旅の靴置かれあり 稲畑汀子 ホトトギス 201909
怪我癒えてハンドル握る朝の露 稲畑汀子 ホトトギス 201909
転倒といふ露の身をひた隠し 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
童顔の茅舎は露の身を捧げ 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
ぴしぴしと芝生の露の弾けゆく 稲畑廣太郎 ホトトギス 201909
大岩といふ露の世の御神体 稲畑廣太郎 ホトトギス 201910
さらさらと物忘れして萩の露 田中藤穂 あを 201910
懸命にそこに留まる露の玉 高橋将火 201911
露→15      

2021年11月14日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。

 
2021年11月14日