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芒手に昼の映画に来し子供   依田秋葭

  枯薄  枯尾花    すすき  青芒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
花芒大大と峯並びけり 原田達夫 虫合せ 200506
一村は山を残しぬ芒山 大高芭瑠子 炎夏 200507
芳べえが芒見てゐる露天風呂 八木蝉息 200508
榛名富士芒の丈に隠されし 稲畑廣太郎 ホトトギス 200509
どの風も触れて放れて糸芒 稲畑汀子 ホトトギス 200509
高く活けすなはち芒なりしかな 稲畑汀子 ホトトギス 200509
カレンダー芒に替へて客間かな 稲畑汀子 ホトトギス 200509
風受けて風をとどめて糸芒 稲畑汀子 ホトトギス 200509
地下街のおまけ手に手に芒の穂 品川鈴子 ぐろっけ 200509
芒原水脈曳くやうに風渡る 水井薫子 200510
父と兄早く逝きたり萩芒 大塚まや 京鹿子 200510
屋久島の芒の思草こそ思草 大橋敦子 雨月 200510
芒野を閉めて塩瀬の帯解けり 宮澤さくら 今生 200510
犬放つ八ヶ岳の裾野の芒原 水原春郎 馬酔木 200511
月祀る佐久野の芒大壼に 水原春郎 馬酔木 200511
投入れの芒に適ふ丹波壺 白澤よし子 馬酔木 200511
芒野の煙炎となりにけり 高橋将夫 200511
海よりもきらめくものに花芒 本多俊子 200511
灯台へ行く人につき芒手に 宮津昭彦 200511
芒みな東へなびき故里恋し 柳生千枝子 火星 200511
父母眠る多摩墓地親し芒原 柳生千枝子 火星 200511
人間の皮をぬぎたき芒かな 小澤克己 遠嶺 200511
芒の葉鋼(はがね)の色をして透けり 三浦如水 ぐろっけ 200511
一望や風を離さぬ花芒 鈴木栄子 酸漿 200511
芒揺る誤解が誤解生んでをり 塩川雄三 築港 200511
人に媚び日に媚び風に媚ぶ芒 塩川雄三 築港 200511
穂芒の揺れて対岸輝きぬ 金森恭子 築港 200511
下草を刈りて芒の高くなる 水田清子 200511
戦利品らしく掲げて芒の穂 泉田秋硯 200512
穂の揺れの夜目にもさだか芒原 鷹羽狩行 200512
うごめくは逢魔が時の山芒 鷹羽狩行 200512
穂芒の丈凛々と禅林寺 千手和子 馬醉木 200512
穂芒の波こぞり立つ父祖の墓 ほんだゆき 馬醉木 200512
山路ゆくわれを煽ちて芒の穂 池森昭子 馬醉木 200512
俄なる日照雨薙ぎゆく芒原 池森昭子 馬醉木 200512
気まぐれの日帰りの旅花芒 渡邊泰子 春燈 200512
遥かより風来て遊ぶ萩芒 村越化石 200512
一夜にて月の芒のほほけけり 荒井正隆 200512
ひとところ葉折れはじめの芒原 佐久間由子 200512
この下は珊瑚の化石花芒 前田美恵子 200512
産室に芒ヶ原を選ばむか 吉田明子 200512
穂芒や島の港に来て泊つる 神田一瓢 雨月 200512
馬の背が嬉し夕日の芒原 柳生千枝子 火星 200512
芒原指傷つけし記憶なほ 柳生千枝子 火星 200512
騎上なる高さ芒の原は銀 柳生千枝子 火星 200512
頂上の芒の手話に開襟す 舩越美喜 京鹿子 200512
木曾駒の風は芒を梳きあげる 柴田朱美 京鹿子 200512
生駒山すこし猫背の芒かな 岩木茂 風土 200512
落つる日の腰のあたりを芒原 梶浦玲良子 六花 200512
さやさやと子も犬も消ゆ芒原 佐藤彰 築港 200512
手折りたる芒手に手に山の駅 千田久美子 築港 200512
逆光の華やぎのいま夕芒 佐藤佐代子 200512
関守りし武田の裔や旗芒 岡田貞峰 馬醉木 200601
芒野を行く少年の風となる 徳田正樹 河鹿 200601
住み捨ての山家取りまく芒かな 小牧弘治 河鹿 200601
秀峰へ放つおたけび芒原 大曽根育代 遠嶺 200601
芒切るジャックナイフを取り出して 泉田秋硯 200601
夕映えを空に返して芒原 北川キヨ子 200601
芒穂のひかりの対岸東京都 吉永寿美子 四葩 200601
遥かまで風見えてをり花芒 伊藤以玖子 対岸 200601
父と交信カルストの芒原 伊藤以玖子 対岸 200601
花芒大カルデラの中に町 安田青葉 対岸 200601
踏み入りて人みなやさし芒原 戸栗末廣 火星 200601
食堂のペットボトルの芒かな 堀志皋 火星 200601
花芒踊つてゐたる心電図 竹内悦子 200601
使はざる社家の土橋に芒生ふ 村井久美子 200601
一握の芒たむけて道祖神 古賀勇理央 百鳥 200601
芒の穂精霊蜻蛉のけふの宿 的池遙 百鳥 200601
もとほるや雨の芒の石舞台 江崎成則 栴檀 200601
芒穂と握手してゐる風来坊 丸山冬鳳 京鹿子 200601
目が合つて芒ケ原は放電中 坂本敏子 京鹿子 200601
舟がゆく芒原の上デジヤビユ 伊藤希眸 京鹿子 200601
祈るとはじつと待つ事白芒 三浦澄江 ぐろっけ 200601
おのづから雲はゆくなり花芒 佐藤よしい 風土 200601
やすらぎの川幅となり花芒 宮川みね子 風土 200601
近づけば米塚芒ばかりなり 秋千晴 200601
つややかな芒の穂なり舗装路なる 吉弘恭子 あを 200601
杖もちて芒原から花野から 吉弘恭子 あを 200601
神に遭ふ出口見えざる芒原 泉田秋硯 200602
風が打つ芒芒が打つ芒 蔦三郎 ホトトギス 200602
月よりの声ある如く芒生け 今井千鶴子 ホトトギス 200602
芒みち途中振り向くことはせず 戸村よねこ 遠き海 200602
呆け芒筏通し場多摩史跡 山川好美 春潮 200602
懺悔室でて芒野をさまよへり 福岡もも 百鳥 200602
一書成したるはにかみの花芒 宮澤さくら 遠嶺 200602
ふくよかな遺影に供華の花芒 廣瀬初枝 雨月 200602
日の臥所芒の向う側ならむ 宮津昭彦 200602
芒叢揺らして発車有馬口 中尾廣美 ぐろっけ 200602
芒原前後忘るるにはあらず 舩越美喜 京鹿子 200602
芒原危ふき石の上に立ち 服部早苗 200602
芒原紐でゆはへし迷子札 吉弘恭子 あを 200602
呆け芒風強ければ夜叉となる 吉田多美 京鹿子 200603
寺夕べ捨身のいろの夕芒 北川孝子 京鹿子 200603
芒原雲の流るるばかりなる 中島知恵子 雨月 200603
先生の背の見えてをり芒原 中川博子 対岸 200604
一握の芒ほむらに巻かれけり 桑田青虎 ホトトギス 200606
カストリ屋台裏の芒を壜に挿す 瀧春一 瓦礫 200606
老人がみしりと暮るる芒かな 吉村たけを 海市蝶 200606
芒 7→      

2021年10月7日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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