作品 |
作者 |
掲載誌 |
掲載年月 |
哀しみは哀しみとして芒の芽 | 山田弘子 | 春節 | 199503 |
あかときの白光を解く山芒 | 山田弘子 | 春節 | 199503 |
よき客のありて燿く庭芒 | 山田弘子 | 春節 | 199503 |
芒の穂標高告げてをりにけり | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199808 |
穂芒のほぐれ初めの艶なりし | 能村登四郎 | 沖 | 199809 |
銀化の創刊 しろがねの中に道あり芒原 |
鷹羽狩行 | 狩 | 199811 |
夕日射す芒は富士を抱きけり | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199811 |
墓近き芒の中をゆきにけり | 竹内悦子 | 槐 | 199811 |
ギュンタクリンゲ氏来日 俳諧の繋ぐ友情萩芒 |
山田弘子 | 円虹 | 199811 |
月に愧ぢ芒呆けてゆくばかり | 大橋敦子 | 雨月 | 199811 |
出たてには赫き芒と思ひしに | 中原道夫 | 銀化 | 199811 |
溺るるに芒原亦加へむか | 亀丸公俊 | 銀化 | 199811 |
花芒日ざしはなれてまた触れて | 宮津昭彦 | 濱 | 199811 |
芒野を遠走りゆく風の銀 | 柳生千枝子 | 火星 | 199812 |
芒原出て急激な空腹感 | 柳生千枝子 | 火星 | 199812 |
佐比売野の芒は人を隠さざる | 山田弘子 | 円虹 | 199812 |
芒野の空の続きに父母の墓所 | 長山あや | 円虹 | 199812 |
腸のなかより昏れて芒原 | 小形さとる | 槐 | 199901 |
馬柵抜けし風穂芒に紛れけり | 坂中紀子 | 円虹 | 199901 |
朝の日の配られてゆく芒原 | 坂中紀子 | 円虹 | 199901 |
まだ風の揃はぬ朝の芒原 | 坂中紀子 | 円虹 | 199901 |
芒原遠望のビルゆらめけり | 吉永克巳 | 濱 | 199901 |
芒原銀掘りし嶺埋めつくす | 金升富美子 | 濱 | 199901 |
一雨の去りて末黒の芒かな | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199902 |
もう雨に末黒消えたる芒かな | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199902 |
投函す 芒が原の胎動を | 田端賀津子 | 船団 | 199902 |
ひよひよと生きて芒の磁場にいる | 田端賀津子 | 船団 | 199902 |
休耕の芒にぎやか夕雀 | 丸山冬鳳 | 京鹿子 | 199903 |
人出でて道理はるる芒原 | 吉村玲子 | 船団 | 199903 |
芒挿す光年といふ美しき距離 | 奥坂まや | 船団 | 199903 |
峠にて別るゝものに穂芒も | 藤崎久を | ホトトギス | 199904 |
春宵の一刻林林・李芒かな | 松崎鉄之介 | 濱 | 199906 |
急ぎ出る芒の原の妖気より | 金國久子 | 青葉潮 | 199907 |
矢筈の斑涼しかりける芒かな | 大橋敦子 | 雨月 | 199908 |
穂を上げし芒に風の触れはじむ | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
芒抱き山の消息もたらせし | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
真中に活けて芒の心かな | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
芒活け心ほどけてゆきにけり | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
見つつ来し芒の丈に呑まれたる | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
風よりも芒に吹かれをりにけり | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
穂を解げば芒の底となりぬべし | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
穂を解くをまだ許さざるあや芒 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
母恋の旅と聞くより萩芒 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
風音の芒を渡り来りけり | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
沼へだて芒の朝の光あり | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
皆同じ芒に触れてゆくリフト | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
麓ほど減り行く風や花芒 | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199909 |
芒挿し骨壺といふ古き壺 | 能村登四郎 | 沖 | 199909 |
風禍より逃れし芒括られし | 稲畑汀子 | ホトトギス | 199910 |
暁の日を捉へたる芒の穂 | 深川知子 | 俳句通信 | 199910 |
日光路芒の風の優しけり | 伊藤一歩 | いろり | 199910 |
戦げばきらめく芒でありぬ清掃夫 | 山口伸 | 海程 | 199911 |
一本の斑入りの芒寄付きに | 藤田千代江 | 濱 | 199911 |
芒ばかり活けてペンション月祀る | 神蔵器 | 風土 | 199911 |
しろがねのまだ濡れ色の芒かな | 関根洋子 | 風土 | 199911 |
さびしさうだから芒を三つ編みに | 櫂未知子 | 銀化 | 199911 |
全身に芒野の風受けて立つ | 山本潤子 | いろり | 199911 |
踏み入って諏訪路は芒・吾亦紅 | 能村登四郎 | 芒種 | 199911 |
芒原夜を羽ばたく象の耳 | 小枝恵美子 | ポケット | 199911 |
穂芒や羊蹄山のレンズ雲 | 黒坂紫陽子 | 馬醉木 | 199912 |
穂高より高き穂芒折りとりぬ | 鷹羽狩行 | 狩 | 199912 |
花芒地酒の話濃くなりぬ | 大牧広 | 沖 | 199912 |
後部座席に寝かせやる花芒 | 上谷昌憲 | 沖 | 199912 |
火種にはつひに真赭の芒かな | 梅田津 | 銀化 | 199912 |
芒野のはてに見えたる鰡櫓 | 皆川盤水 | 春耕 | 199912 |
夕焼のしばしとどまる芒原 | 内山芳子 | 雨月 | 199912 |
芒野に埋れ大地の鼓動聴く | 熊岡俊子 | 雨月 | 199912 |
穂芒の真直といふは若きかな | 加瀬美代子 | 朝 | 199912 |
鳥の眼の光って消える芒原 | 小枝恵美子 | 船団 | 199912 |
身体にて風吹き分くる芒原 | 水谷芳子 | 槐 | 200001 |
満山の額なりける芒原 | 小形さとる | 槐 | 200001 |
深吉野は芒の穂より明けそめぬ | 林和子 | 俳句通信 | 200001 |
忌の墓参ことに母郷の芒かな | 大橋敦子 | 雨月 | 200001 |
秋没日光輪まとふ芒かな | 大橋敦子 | 雨月 | 200001 |
芒野の中の青少年の家 | 金森教子 | 雨月 | 200001 |
花芒見目麗しくあの世まで | 大平保子 | いろり | 200001 |
すれ違ふ人も穂芒手に持ちて | 山本潤子 | いろり | 200001 |
アメリカ坂登るに芒なびきけり | 松崎鉄之介 | 濱 | 200001 |
摘み帰る車中で呆けし鬼芒 | 丹羽杏華 | 京鹿子 | 200001 |
穂芒の水となるまで戦ぎけり | 伊藤希眸 | 京鹿子 | 200001 |
明日香路に夕日ちりばめ花芒 | 池田光子 | 風土 | 200001 |
大振りに活けて芒の静かなる | 三橋泥太 | 遠嶺 | 200001 |
穂芒の風に吹かるる影もまた | 吉村春風子 | 遠嶺 | 200001 |
花芒坑山行きの最終便 | 上田希実 | 遠嶺 | 200001 |
いちように川へ吹かるる花芒 | 安田登志子 | ぐろっけ | 200001 |
持ち歩く芒は花となりにける | 竹内悦子 | 槐 | 200002 |
空濠の芒は覗くものなりし | 堀義志郎 | 火星 | 200002 |
穂芒や波音下に露天の湯 | 高橋ふじ | 酸漿 | 200002 |
ふたりぶんの声あげ溺る芒原 | 井上菜摘子 | 京鹿子 | 200002 |
いま死ねば山の芒が副葬品 | 井上菜摘子 | 京鹿子 | 200002 |
兄の掌のさらに遠のく芒原 | 井上菜摘子 | 京鹿子 | 200002 |
十五夜はおしゃべり芒の座談会 | 尾上有紀子 | 「わがまま」 | 200002 |
馬の背に揺られ芒の風にゆれ | 新家豊子 | 馬醉木 | 200002 |
風鳴いて芒の波に攫はるる | 鳴海清美 | 六花 | 200002 |
網棚に預けず芒抱きてゐし | 今井忍 | ぐろっけ | 200002 |
再会を約束できず花芒 | 二瓶洋子 | 六花 | 200003 |
花芒活けてすがすが水曜日 | 塩貝朱千 | 京鹿子 | 200003 |
芒散る田風躓く如き畦 | 丸山冬鳳 | 京鹿子 | 200004 |
芒 2→ |
2021年9月29日 作成
「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。
「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。
注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。
ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。