枯尾花    136句

  枯薄  枯尾花    すすき  青芒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
朝の日に白くほうけて枯尾花 橋本美奈子 俳句通信 199912
伊香保路や白狐出さうな枯尾花 関戸文子 酸漿 200002
枯尾花翳り俳磚日当れる 山田弘子 円虹 200002
植ゑられてはや惚け飛ぶ枯尾花 稲畑汀子 ホトトギス 200012
摩き癖とれず峠の枯尾花 藤谷紫映 馬醉木 200101
枯尾花うすき光に暮残る 関口ゆき あを 200101
枯尾花牛の貌出す駅に貨車 御子柴光子 春耕 200101
生き過ぎしと思ふ吾あり枯尾花 安陪青人 雨月 200103
ふらふらとふらふらと枯尾花かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200112
サーキツトにまだ枯尾花健気にも 丸山佳子 京鹿子 200202
一山の残る光芒枯尾花 田中黎子 円虹 200202
禅林の一汁一菜枯尾花 田中呑舟 火星 200202
呟いて囁いて枯尾花かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 200211
どの襞も枯尾花ならざるはなく 稲畑汀子 ホトトギス 200211
日当れば白き山肌枯尾花 稲畑汀子 ホトトギス 200211
平明と言ふはむづかし枯尾花 永井収子 200302
日翳りを点しつづけて枯尾花 芝川百合子 京鹿子 200302
枯尾花風吹峠越えむとし 堀田恵美子 雨月 200303
追伸の風立ちさわぐ枯尾花 宇田篤子 京鹿子 200303
夕日へと伸びる道あり枯尾花 松永和 円虹 200305
枯尾花あるかなきかの力瘤 野口香葉 遠嶺 200306
枯尾花風の冥さに吹かれをり 大木千鶴子 雲の峰 200401
血の巡る腕にて抱く枯尾花 天野きく江 200402
枯尾花犬の首輪を赤に替へ 小池津や子 帆船 200402
枯尾花風呼び風に嬲らるる 坂本たま子 200402
枯尾花仙石原の迷路かな 桜井葉子 遠嶺 200403
仏心のさざ波となる枯尾花 金子和子 帆船 200411
鬨のこゑとも枯尾花たたく風 森屋慶基 風土 200411
落日を背負ひすぎたる枯尾花 宇都宮滴水 京鹿子 200412
枯尾花山遠ゆらす子守唄 船越美喜 京鹿子 200502
枯尾花イコールわたしも生かされて 丸山佳子 京鹿子 200503
オリオンの存問受けて枯尾花 稲畑廣太郎 ホトトギス 200504
日光に月光に枯尾花かな 今橋眞理子 ホトトギス 200505
枯尾花なりゆきまかせ風まかせ 加藤泰子 四葩 200602
山の端に夕日かかれり枯尾花 高橋ふじ 酸漿 200602
もう誰の世話にはならぬ枯尾花 松田都青 京鹿子 200605
山日濃し屋根に叢なす枯尾花 長谷川閑乙 馬醉木 200702
残照の楯なる雲や枯尾花 高梨美佐子 遠嶺 200703
九頭竜の中州にそよぐ枯尾花 西出俊子 酸漿 200703
枯尾花には招かれて行くことに 稲畑汀子 ホトトギス 200711
一枚に残る夕空枯尾花 稲畑汀子 ホトトギス 200711
野を行けば吾も吹かるる枯尾花 須藤トモ子 200801
身に纏ふもの何もなく枯尾花 須藤トモ子 200812
枯尾花下弦の月とふたみこと 豊田都峰 京鹿子 200901
枯尾花雨の洗礼受けてゐし 小城綾子 200902
川陰や我が背丈なる枯尾花 五ヶ瀬川流一 六花 200905
枯尾花とて日に風に応へあり 稲畑汀子 ホトトギス 200912
風去りてやがて静もる枯尾花 稲畑汀子 ホトトギス 200912
岬果ての無人灯台枯尾花 乙坂きみ子 末黒野 201002
枯尾花立ちしすがたの風情かな 大松一枝 201003
涸川を覆ひつくせり枯尾花 根本公子 末黒野 201003
残照の富岳裾野の枯尾花 三橋泥太 遠嶺 201003
草原の風が風追ふ枯尾花 田村すゝむ 風土 201003
枯尾花従へ富嶽凛とあり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201012
枯尾花翳して子らの鬼ごっこ 坂根宏子 201101
奥入瀬や身をまかすかに枯尾花 岸本幸 ろんど 201102
大河まで人踏み込めぬ枯尾花 泉田秋硯 201103
谷一面真白に染めし枯尾花 山田節子 万象 201105
枯尾花活けてはじまる会なりし 稲畑汀子 ホトトギス 201109
峡深く木の墓標あり枯尾花 坂上香菜 201201
枯尾花の金色の骨式三番 雨村敏子 201201
枯尾花風に華やぐときもあり 笹井康夫 201202
枯尾花汽笛のほうと単線路 鈴木良戈 201202
身の丈をくづさず風の枯尾花 田中文治 火星 201202
対岸の灯の模糊として枯尾花 武藤嘉子 201203
枯尾花互ひの腕を杖がはり 史あかり ぐろっけ 201203
「行き止り」の標現はる枯尾花 古林田鶴子 ぐろっけ 201203
川の辺のほとりをつづる枯尾花 佐藤喜仙 かさね 201204
土手道や豊旗雲と枯尾花 佐藤喜仙 かさね 201205
枯尾花風に果なき山路かな 稲畑汀子 ホトトギス 201211
道迷ひゐしにはあらず枯尾花 稲畑汀子 ホトトギス 201211
枯尾花闇に溺れてをりにけり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
枯尾花一級河川てふ幅に 稲畑廣太郎 ホトトギス 201212
なほ風に靡く心の枯尾花 稲畑汀子 ホトトギス 201212
枯尾花大室山の伽として 稲畑廣太郎 ホトトギス 201301
枯尾花風の女神にある仔細 鈴鹿仁 京鹿子 201301
残照の明るさ留め枯尾花 北尾章郎 201302
与謝の風に遊子なりけり枯尾花 浜口高子 火星 201302
吊り橋は渡らずじまひ枯尾花 鷺山珀眉 京鹿子 201303
夕映えや動かぬ雲と枯尾花 三谷ゑい 末黒野 201303
陵のため息漏るる枯尾花 土居通子 ろんど 201303
水音に揺れてかそかや枯尾花 大竹淑子 風土 201305
まだ少し風の寄り道枯尾花 稲畑汀子 ホトトギス 201312
なほ風に従ふ心枯尾花 稲畑汀子 ホトトギス 201312
枯尾花名も無き山を従へて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201312
吊り橋は渡らずしまひ枯尾花 鷺山珀眉 京鹿子 201401
空壕の真ン中に群れ枯尾花 加藤みき 201402
枯尾花夕日つかみて離さざる 荒井慈 春燈 201402
先の世へ風の透きゆく枯尾花 犬塚芳子 201403
川土手の暖色として枯尾花 村上すみ子 201403
大峰山の入日捉へて枯尾花 谷村祐治 雨月 201403
終末をしかと輝き枯尾花 大橋晄 雨月 201404
謂れなき風には折れぬ枯尾花 押田裕見子 201406
枯尾花叫びたきことあるごとく 黒澤登美枝 201501
揺れ交はす力の尽きて枯尾花 西村しげ子 雨月 201502
聞き流すことも身に付け枯尾花 佐藤いづみ ろんど 201503
一山の風は休まず枯尾花 吉田順子 201504
吹かれゐることに疲れし枯尾花 岡野ひろ子 201601
洲になびきゐるも一景枯尾花 佐津のぼる 六花 201602
枯尾花夕日に染まる白さかな 渡部節郎 201603
枯尾花迷ひの窓に対ひゐる 塩貝朱千 京鹿子 201603
瓦斯の泡噴き出す川や枯尾花 田中臥石 末黒野 201603
枯尾花縺るることのなく揺れて 稲畑廣太郎 ホトトギス 201701
どの風もあしらひ乍ら枯尾花 犬塚李里子 201701
風筋の定まつてゐる枯尾花 中條睦子 万象 201702
富士の嶺に夕日入りゆく枯尾花 山田春生 万象 201703
枯尾花魑魅の風の吹きおろす 本多俊子 201801
豪華船着くころ眩し枯尾花 小林愛子 万象 201802
残照の平常宮址枯尾花 山田由利枝 雨月 201802
池の面のひかりへなびき枯尾花 岡野里子 末黒野 201803
枯尾花余生も光り失はず 西村白杼 京鹿子 201804
枯尾花仙石原を美しく 嶋田一歩 ホトトギス 201805
枯尾花聖人像のみな痩躯 大山夏子 201811
手招きのやうに我呼ぶ枯尾花 鈴鹿仁 京鹿子 201902
聞き役は七分のゆとり枯尾花 菊池和子 京鹿子 201903
灯台の廻りを包む枯尾花 五十嵐富士子 末黒野 201903
枯尾花そよぐちからの残りたる 佐津のぼる 六花 201904
イヤイヤのしぐさしきりや枯尾花 時澤藍 202001
石仏の背丈越したる枯尾花 池谷鹿次 末黒野 202002
夕映に美しくとも見ゆ枯尾花 服部珠子 雨月 202003
枯尾花命尽くまで風に揺れ 久島しんの 末黒野 202003
名ばかりの寺尾城址や枯尾花 菅野日出子 末黒野 202005
ありなしの風に応ふや枯尾花 伊藤由良 末黒野 202103
枯尾花根元に新芽抱きて立つ 森なほ子 あを 202104
栃木路や渡良瀬川の枯尾花 須賀敏子 あを 202201
光芒のうねりにまかせ枯尾花 望月郁江 春燈 202202
山門へ続く坂道枯尾花 林紀夫 春燈 202203
空濠の底の寂光枯尾花 古賀しぐれ ホトトギス 202204
曇天を押し上げてゐる枯尾花 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211
枯尾花揺れて揺れざる水面かな 稲畑廣太郎 ホトトギス 202211

 

2022年12月22日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。