枯 薄 (枯芒 枯すすき)    156句

あかるくて宴のごとし枯すすき  高島茂  冬日

  枯薄  枯尾花    すすき  青芒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
星空にすつくと芒枯れゐたる 山田弘子 春節 199503
枯芒おなじ討つなら大将首 丸山海道 海道全句集 199910
筒井筒ひともと芒枯れそめて 朝妻力 俳句通信 199912
枯れすすきはろかは空へ還る海 川名将義 銀化 200001
枯芒中州あらはに木津流る 阿波谷和子 俳句通信 200002
枯芒遠富士の空貰ひけり 木部老正盛 200005
枯芒とて一山をゆるがしぬ 稲畑汀子 円虹 200011
参道のゆかしと思う枯芒 斎藤白砂 海程 200101
靡けずの芒の枯はさぶしもよ 大橋敦子 雨月 200101
枯芒ラストダンスを金いろに 塩貝朱千 京鹿子 200101
人ごゑを拒む高さに芒枯れ 山田弘子 円虹 200102
葬山冬日に透くる枯芒 堀田清江 雨月 200102
枯すすき生きる力を残しおく 吉永すみれ 風土 200103
SLに道を開きて芒枯る 泉田秋硯 月に逢ふ 200103
日を捉へ枯れ急ぎゆく芒かな 稲畑汀子 ホトトギス 200112
芒一本はなばなしく枯れむ 中原道夫 銀化 200201
穂ほそりの茎やせのして枯芒 鈴鹿野風呂 京鹿子 200202
今年また足早に過ぐ枯芒 横山淑子 200202
川の名と同じ村の名枯芒 村田孝子 京鹿子 200202
枯芒枯れの極みの華やげる 久保田由布 ぐろっけ 200202
水尾すぐにさざ波となる枯芒 豊岡清子 遠嶺 200203
枯れ枯れて夕日にほうと立つ芒 岡淑子 雨月 200203
枯れ果てし穂芒なれど日には艶 稲岡長 ホトトギス 200205
日を背負ふ時透明に枯芒 稲岡長 ホトトギス 200205
枯れ枯れし芒になほも残るもの 稲岡長 ホトトギス 200205
枯すすき試行錯誤に暮れてをる 石原歌織 銀化 200212
枯芒風の吟味をしてゐたり 塩川雄三 築港 200301
雀らにふるへ弾むや枯芒 南うみを 風土 200302
枯すすきなびきし方に秘仏あり 石脇みはる 200302
とある日の湖底を憶ふ枯芒 森茉明 京鹿子 200302
枯芒焦げをり何故に燒き切らぬ 岡本眸 200302
うたかたの恋もしてみよ枯すすき 伊藤稔代 200303
枯すすき噛むで長谷川一夫いちおかな 佐藤喜孝 青寫眞 200304
ちちははや握りて温き枯芒 城石美津子 京鹿子 200305
枯芒脊丈を越して風草書 丸山冬鳳 京鹿子 200306
たたずめば心ある人枯すすき 佐藤喜孝 あを 200310
枯すすき小さく揺れる縄梯子 矢野洋子 対岸 200402
枯芒歌へり芒原に来て 揚原れい子 築港 200402
老妻の私が刈ると枯芒 松田欽吾 雨月 200403
枯芒夢の余白をくづしゆく 彦坂範子 ぐろっけ 200403
いつせいに吹かれ音なき枯芒 前迫寛子 河鹿 200405
枯芒体揺らして歩く母 斉藤裕子 あを 200501
枯すすき神通力を失へり 大串章 百鳥 200501
鵯越旗の如くに枯芒 村井久美子 200502
灯を消して夜の向うの枯芒 浜口高子 火星 200502
開発の後の荒廃芒枯る 松田雄姿 百鳥 200502
路線沿い休息知らぬ枯薄 大空純子 ぐろっけ 200502
分け入つてみるだけの枯芒原 千田百里 200503
釣人の鯉放しをり枯芒 岡野輝子 万象 200503
峠より枯れて明るき芒原 若槻妙子 200503
逃亡の愛しさを秘め枯芒 三浦永子 京鹿子 200503
甘えしも拗ねしもむかし枯すすき 上田繁 遠嶺 200503
枯いろに人は隠れて芒原 堀内一郎 あを 200510
枯芒大志抱きしまま消えて 塩川雄三 築港 200512
枯れたりと言はじ真白の冬芒 林翔 200602
枯芒雲にも去られ暮れにけり 豊田都峰 京鹿子 200602
枯れながら風とひとつになる芒 長山あや ホトトギス 200604
潮騒と風音ばかり枯すすき 松山佐治彦 河鹿 200604
風の色になるまで枯れし芒かな 土屋酔月 火星 200604
薄野枯れ前ゆく外車かき消しぬ 大滝香釈 八千草 200605
枯すすき聴えさうなる人の声 宇都宮滴水 京鹿子 200611
枯薄眦におき木曾街道 吉弘恭子 あを 200612
峠では切れ味よかつた枯すすき 丸山佳子 京鹿子 200702
枯れ枯れて風となりゆく芒かな 長山あや ホトトギス 200706
枯芒焚けば火の絮天へ翔つ 長山あや ホトトギス 200706
大方は枯れてすすき野風まかせ 岡本眸 200710
泡雪のちよんとのつたる枯すゝき 佐藤喜孝 あを 200711
お六櫛買うて芒の枯れにけり 酒本八重 200712
曼陀羅へ膝押し合ひぬ枯すすき 久津見風牛 200801
枯すすき音手離してしまひけり 岡本眸 200801
阿賀野川雪つきぬけて枯すすき 吉成美代子 あを 200803
芒枯れ泡立草の枯れなんと 松尾緑富 ホトトギス 200804
枯れつつも飛ばんとしたる芒かな 島谷征良 風土 200804
早暁や淡き茜の枯芒 山荘慶子 あを 200804
磧野に日差をひろげ枯芒 浅井青陽子 ホトトギス 200805
風色と化して芒の枯れにけり 小田司 馬醉木 200805
枯芒やうやく人に出会ひけり 高橋秋子 炎環 200901
没日をふところにして枯芒 豊田都峰 京鹿子 200901
まぼろしの「大和」を秘せり枯芒 泉田秋硯 200902
水脈筋は光の筋に枯すすき きくちきみえ やぶれ傘 200902
枯芒風の重さを忘れさせ 井口淳子 200903
いつまでも其処にあるなり枯芒 久保田由布 ぐろっけ 200903
枯れがれの芒の原に風の痕 丹生をだまき 京鹿子 200905
枯れてより黙示のかたち芒原 酒本八重 200912
枯すゝきポップコーンをこぼしけり 佐藤喜孝 あを 201001
枯すすき遥かに標色の尾根 佐藤いづみ ろんど 201002
枯芒顔の隠れし六地蔵 吉弘恭子 あを 201012
完壁な晴どこまでも枯芒 泉田秋硯 201102
月の出の風を集めて枯芒 鈴木英男 末黒野 201102
枯芒伊賀の忍者が出てきさう 定梶じょう あを 201110
枯芒どの道ゆくも風の中 吉永すみれ 風土 201112
しなやかに靡く山肌枯芒 稲畑汀子 ホトトギス 201201
笠置山岩場に揺るる枯芒 難波篤直 201202
枯すすき彼岸此岸へ風靡く 西村敏子 201202
一陣の風の形に枯芒 小林美登里 かさね 201202
開発の看板かくす枯すすき 小野弘正 末黒野 201203
枯芒自然と出来し人の道 松本恒子 ぐろっけ 201203
枯すすき風のかたちに残りをり 黒滝志麻子 末黒野 201204
河風に打ち伏せられし枯芒 佐藤喜仙 かさね 201205
枯芒焚き風の束焚きにけり 長山あや ホトトギス 201207
下北のなほその北の枯すすき 北崎展江 くりから 201209
近道も今は淋しや枯芒 青野安佐子 201402
放浪の旅へいざなふ枯すすき 黒住康晴 201402
ふきなびきけむるがごとし枯芒 早崎泰江 あを 201403
旅果ての仙石原の枯すすき 中島知恵子 雨月 201403
街道の風に従ひ枯すすき 谷村祐治 雨月 201403
川の辺に寂光放ち枯すすき 佐用圭子 201403
函嶺洞門透きて枯蔓枯芒 安斎久英 末黒野 201404
芒枯れ侘しさつのる淀堤 辰巳あした 雨月 201501
山裾の風のかたちに枯芒 上田由姫子 京鹿子 201501
流れより暮れゆく川や枯芒 廣瀬雅男 やぶれ傘 201501
銀芒金小判草枯れて立つ 竹中一花 201502
硫黄臭芒の枯れを急かせけり 吉田政江 201502
枯薄徑があるので?れて行く 佐藤喜孝 あを 201503
枯れ枯れて芒色なし仙石原 手島伸子 雨月 201503
枯芒膨らみきりしまま吹かれ 古川しげ子 雨月 201503
透きとほるまで冬枯の芒原 武政礼子 雨月 201503
枯れ極む野の光芒の中に寂ぶ 松本鷹根 京鹿子 201503
武甲山攻めて守つて芒枯る 鳥居美智子 ろんど 201503
気丈なる背骨をしやんと枯芒 田中一美 ろんど 201503
昔日の想い茫々枯薄 松川悠乃 ろんど 201504
前山は裾より暮るる枯芒 廣瀬雅男 やぶれ傘 201601
燈台の後ささめく枯すすき 森藤千鶴 馬醉木 201602
日の暮れの背に追ひ縋る枯芒 佐藤淑子 雨月 201602
里山の奥ふところの枯芒 荒井和昭 201603
動くもの見えず箱根の枯芒 遠藤逍遙子 風土 201603
通り過ぐ風に縋れる枯芒 笹村政子 六花 201603
風癖のまま枯芒なりしこと 稲畑汀子 ホトトギス 201612
無一物されど凛然枯すすき 植村蘇星 京鹿子 201701
大空へ力を放ち枯すすき 小林愛子 万象 201702
枯芒昨夜よりの雨あがりけり 天野美登里 やぶれ傘 201703
地に低く人声に似て枯芒 成田美代 201703
男ならなりたくは無し枯芒 元橋孝之 京鹿子 201704
枯すすき撓りてもなほ筋通し 森清堯 末黒野 201704
枯すすき数集まりて絶景に 加藤直人 末黒野 201802
風に身を委ぬるばかり枯芒 大橋晄 雨月 201803
山麓や隅の隅まで枯すすき 森清堯 末黒野 201803
土手下に穂絮を着けし枯芒 黒木東吾 やぶれ傘 201804
枯芒揃ひ拡がり美しく 嶋田一歩 ホトトギス 201805
厭われることもまたよし枯芒 中山未奈藻 201811
枯芒光年といふ美しき距離 水野恒彦 201902
昼月を上げてざはめき枯芒 森清信子 末黒野 201902
枯すすき枯れの極みの光かな 及川照子 末黒野 201904
抜きん出て吹かれてをりぬ枯芒 沼田巴字 京鹿子 201911
枯芒山の稜線糺しけり 升田ヤス子 六花 202003
山麓や隅の隅まで枯すすき 森清堯 末黒野 202003
おほかたは風となりたる枯芒 藤生不二男 六花 202004
風吹けば会話始まる枯芒 須賀敏子 あを 202102
月の出のひかりを集め枯芒 岡野里子 末黒野 202103
枯芒なびくや光撒き散らし 神谷さうび 末黒野 202103
枯芒銀の雫をこぼすてふ 押田裕見子 202105
身をもつて火の海となす枯芒 戸栗末廣 202107
夕闇に古戦場めく枯芒 稲畑廣太郎 ホトトギス 202112
枯すすき煙になつてゆくところ 兵藤惠 202202
枯芒やうやうにして好好爺 出利葉孝 202202
八方へ綺羅の穂波や枯芒 森清堯 末黒野 202203

 

2022年12月21日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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