芒 5   100句

いくたびも子を見失ふ芒原    小島良子

  枯薄  枯尾花    すすき  青芒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
腕白の頬に芒の刀傷 白髭美佐子 200402
霊魂の宙を駆けゆく芒原 山田富朗 遠嶺 200402
秩父よく見え乱調の芒絮 荒井和昭 200402
いろいろな風のあつまる芒かな 荒井和昭 200402
切株にさるのこしかけ芒原 的池遙 百鳥 200402
友置きてひとり踏み入る芒原 落合絹代 雨月 200402
石に坐し芒が原の中にゐる 落合絹代 雨月 200402
花芒千町平野気宇壮大 中田征二 ぐろっけ 200402
どぶ川に穂芒戦ぐ美しき 花房敏 ぐろっけ 200402
芒野の光の中にある家郷 下平しづ子 雨月 200403
われに棲む風のまたあり芒原 岩上とし子 200403
杣小屋へ爪先上り芒路 竹内方乃 ぐろっけ 200403
野の佛日がな芒にくすぐられ 竹内方乃 ぐろっけ 200403
穂芒や木道の風饒舌に 原田喜久子 八千草 200403
一山に混じるものなし芒揺れ 苑実耶 200404
花芒明日を見たくて背のびする 橘沙希 月の雫 200404
逢魔ヶ時狐とならむ芒原 橘沙希 月の雫 200404
故里や穂芒の波音高し 大森サカエ 帆船 200406
夫の忌の沖芒洋と涅槃西風 田代ヨシ 河鹿 200407
穂芒に風道白く彩られ 稲畑廣太郎 ホトトギス 200409
風癖のまま活けられし芒かな 稲畑汀子 ホトトギス 200409
穂を解きし芒の占めし狭庭かな 稲畑汀子 ホトトギス 200409
夕風に芒荒ぶる古戦場 中御門あや 雲の峰 200410
化けさうな遠野の芒月落ちて 澤田緑生 馬醉木 200411
ストレスのいづこより来か花芒 澤田緑生 馬醉木 200411
息ひそめ雨の芒も曽爾のもの 稲畑汀子 ホトトギス 200411
風いつも吹いてゐるなり花芒 井村和子 万象 200411
羽化のごとく開きはじめし芒の穂 井関祥子 酸漿 200411
落書きをたどつてゆけば芒原 高松由利子 火星 200411
真つ直ぐに谷へ降る雨花芒 石川敬子 対岸 200411
みちのくの列車よく揺れ花芒 伊藤以玖子 対岸 200411
芒原みちのくの旅はじまりぬ 佐藤玲子 春燈 200411
芒の穂すすきに触れて白さ増す 山田六甲 六花 200411
十六夜の芒を括り直しけり 内藤ゑつ ゑつ 200411
祀らむと芒を抱へ風抱へ 永井雪狼 200412
芒野の起伏炎立てる落暉かな 長沼冨久子 馬醉木 200412
穂芒の羽音を持たぬ翼かな 工藤進 200412
芒野を出てつつましき影畳む 小澤克己 遠嶺 200412
花芒夫と行く道長くあれ 村瀬八千代 遠嶺 200412
辿りゐる古地図の旅や花芒 村林久子 遠嶺 200412
夜空より砂金こぼるる芒原 近藤喜子 200412
やまんばとなりて芒の原をゆく 林彌生 草の花 200412
絵文峠に才女ゆれして花芒 丸山佳子 京鹿子 200412
無蓋車をつらねて芒の野が動く 柴田朱美 京鹿子 200412
いつまでも山羊を啼かせてゐる芒 柴田朱美 京鹿子 200412
落日へ奔りたくなる芒原 柴田朱美 京鹿子 200412
透明な悼みとなりし芒原 柴田朱美 京鹿子 200412
芒野やをんなひとりを消し忘れ 柴田朱美 京鹿子 200412
芒挿し窓辺灯点す無月かな 相沢有理子 風土 200412
穂芒や富士は含羞みがちな山 宮城白路 風土 200412
高原や紫芒篠芒 西村しげ子 雨月 200412
突風へ立ち上がりたる芒なり 戸栗末廣 火星 200412
修羅場なすヘリコプター発つ芒原 荒木民子 200412
吾が影を置忘れたり芒原 渡邉友七 あを 200412
芒の穂活けて月下にあるごとし 鷹羽狩行 200412
迷ひたくなるほど揺れて花芒 高倉和子 200412
芒照る車中の選句ひと区切り 岡本眸 200412
こそばゆき言葉貰へり花芒 鳴海清美 六花 200501
穂芒や風の筋目の見えて来し 中尾公彦 200501
花芒釣師の魚籠の影長し 渡辺民親 遠嶺 200501
対岸に釣人ひとり夕芒 亀ヶ谷照子 遠嶺 200501
そよそよと八丈富士に芒かな 須賀敏子 あを 200501
花芒風つのりくる峠口 淵脇護 河鹿 200501
芒野へ躬を入れやがて隠れけり 上薗櫨夫 河鹿 200501
花芒水のごと風流れけり 尾辻のり子 河鹿 200501
ものはみな消え去り行きて花芒 田代ヨシ 河鹿 200501
芒散る夫の魂にふるるごと 田代ヨシ 河鹿 200501
亡命者気分芒に身を伏せて 泉田秋硯 200501
頂上はユーホーの基地花芒 山下青坡 200501
ほつかりと湖あり芒吹き分かれ 岡田貞峰 馬醉木 200501
断崖に立ちて芒となりきりし 吉原一暁 200501
曲屋の茅葺駅舎花芒 松崎鉄之介 200501
激流の磨きし巌花芒 斎藤博子 対岸 200501
魂の寄りては離れ芒原 古宇田敬子 対岸 200501
芒原誰かを探しゐるらしき 柳生千枝子 火星 200501
宣伝機銀一色の芒原 柳生千枝子 火星 200501
朱らみてをり手折りたる芒の穂 山本三樹夫 百鳥 200501
穂芒を一本挿して朗読す 望月周 百鳥 200501
銀になびく芒も高速路 青垣和子 雨月 200501
揺れ易き我の心や萩芒 池田倶子 雨月 200501
音階のやうに風来る芒原 坂路照子 築港 200501
しろがねにくろがねに芒日箭の中 池田倶子 雨月 200502
声だけを頼りに芒野鬼ごっこ 中尾廣美 ぐろっけ 200502
オカリナに沈む陽と風峰芒 中尾廣美 ぐろっけ 200502
発電所跡の平地や花芒 前阪洋子 雲の峰 200502
穂芒の揺れをり人のゐるらしき 宮崎すみ 対岸 200502
芒招く山一つ越え信楽へ 丹生をだまき 京鹿子 200502
落日のふれんと風の芒かな 三浦永子 京鹿子 200502
旅慣れの視野に余れる芒かな 鳴海清美 六花 200502
燈台へ穂芒の影踏みのぼる 三関浩舟 栴檀 200502
窯焚くや芒の穂より明け初むる 遠藤典子 栴檀 200502
惚けたる芒の茎の真紅かな 二瓶洋子 六花 200503
深吉野や雨の芒の紅濃かり 山口耕堂 万象 200504
穂芒を分けて鳥見霊畤碑へ 山口耕堂 万象 200504
芒の穂胸に飾りしダンディズム 泉田秋硯 黄色い風 200505
台風の過ぎて穂芒背を正す 吉原すみ子 200505
大河かな芒穂ただに流れをり 杉山涼風 200505
浮島に漂うている花芒 中山まり 200505
政争の歴史を擦過する芒 若泉真樹 200505
ひと回り太き末黒の芒かな 高木武人 百鳥 200506
芒 6→      

 

2021年10月6日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

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