14    100句

  枯薄  枯尾花    すすき  青芒

作品
作者
掲載誌
掲載年月
しろがねの風のとどまる芒かな 新谷フクヱ 末黒野 201602
源流の音の高まる花芒 升田ヤズ子 六花 201602
湾内に灰雨けぶる芒かな 楠本和弘 201603
夕芒内海に聴ぐ波の音 廣畑育子 六花 201603
えにしとはつながりゆける萩芒 稲畑汀子 ホトトギス 201609
一叢の芒は庭の一劃に 稲畑汀子 ホトトギス 201609
雪を待つ斜面ただあり萩芒 稲畑汀子 ホトトギス 201609
どこまでも芒の視界又カーブ 稲畑汀子 ホトトギス 201609
スキー客来るはまだ先萩芒 稲畑汀子 ホトトギス 201609
芒又芒右折の山路又 稲畑汀子 ホトトギス 201609
言霊の浮遊してをり芒原 犬塚李里子 201610
まほろばの山々やさし花芒 山田春生 万象 201610
萩芒競ふことなく揺れてをり 稲畑廣太郎 ホトトギス 201611
定家忌をきのふに九條家の芒 南うみを 風土 201611
蔓延らさず絶やさず庭の芒かな 浜福惠 風土 201611
啼く鳥の午後になりたる芒かな 井上信子 201611
踏み入れば魔界なりけり芒原 宮井知英 201611
久住より風の乱るる芒原 白水良子 201611
芒野の迫つてゐたる無縁塚 小林朱夏 201611
思草芒を恃むはかなごと 山田夏子 雨月 201612
風連れて屋久島芒提げ来る 山田夏子 雨月 201612
活くるものなくて矢筈の芒挿す 三輪温子 雨月 201612
穂に出でし芒の風に抗へり 蒲田豊彦 雨月 201612
たつぷりと光陰を抱き芒原 近藤喜子 201612
火の山へ雲移りゆく花芒 布施政子 馬醉木 201612
芒野の入口へ息ととのへる 鈴鹿呂仁 京鹿子 201612
深入りて芒の風を抱いてをり 鈴鹿呂仁 京鹿子 201612
光なき夜をしろがねの芒かな 藤丸誠旨 春燈 201612
穂芒の揺れは追はれし猿なるや 室井津与志 春燈 201612
一すぢの道おのづから芒原 西川保子 春燈 201612
良寛の文字をなぞれり芒の穂 佐藤三男 万象 201612
ビル街の丘の公園花芒 長田厚子 末黒野 201612
芒野が芒野であり得る時間 笹村恵美子 201612
芒の穂押さえ込んでるセミロング つじあきこ 201612
古民家の矢羽芒のレトロ調 七郎衛門吉保 あを 201612
芒揺れ水面見あげる錦鯉 七郎衛門吉保 あを 201612
粋であり矢羽芒の立姿 赤座典子 あを 201612
芒野に溺れ夕日に溺れたる 森脇貞子 雨月 201701
芒の穂日差の向かう側へ揺れ 伴明子 ホトトギス 201701
芒野に消えし山師のハンチング 岡田桃子 201701
光りつつ風殖えゆけり芒原 板坂良子 馬醉木 201701
靡くことただひたすらに芒原 田中珠生 馬醉木 201701
来い来いと去れと揺れ合う芒原 小林輝子 風土 201701
夫のまだ背筋真っ直ぐ芒原 井上正子 童女 201701
芒野を赤く染めゆく夕日かな 延川五十昭 六花 201701
蛇紋岩の山と言はるる花芒 箕輪カオル 201701
その上に那須岳見ゆる芒原 内海保子 万象 201701
芒原ひかり集めてゐたりけり 内山照久 201701
枯も亦美しきかな芒原 佐藤淑子 雨月 201702
一本の芒となりて暮れにけり 中杉隆世 ホトトギス 201702
風に声あり夫呼んでみる芒原 武藤嘉子 201702
迷ひさう絹のうねりの芒原 佐久間由子 201702
目を放ち心を放ち芒原 犬塚李里子 201702
生きるてふ前進志向遠芒 北川孝子 京鹿子 201702
筑波晴れ川に沿ひ来る芒風 布川孝子 京鹿子 201702
芒原迷へば母に会へさうな 高倉和子 201702
枯れきつてやすらぎいろの芒かな 三宅文子 春燈 201702
穂芒や蛇笏の里もかくあらん 安斎久英 末黒野 201702
御簾となる芒透かして石地蔵 長谷川はまゆう 末黒野 201702
昼月や風にさ繕りて芒原 布川孝子 京鹿子 201703
舟霊の夜は出て遊ぶ芒原 深川淑枝 201703
風通ふ風の形の花芒 大川暉美 末黒野 201704
谷戸歩き銀の波立つ芒原 滝沢いみ子 末黒野 201704
たちまちに焼野となりぬ芒原 寺田すず江 201706
速達の来る予感して白芒 川副民子 船団 201707
芒原つぎの約束なんとなく 中谷三干子 船団 201707
いつまでも芒と彳つ鷺春日影 篠田純子 あを 201707
芒叢靡きて風の通り道 稲畑汀子 ホトトギス 201709
手を入れし芒の所在風まかせ 稲畑汀子 ホトトギス 201709
活けられて唯の芒でなかりけり 稲畑汀子 ホトトギス 201709
木道の尽きて広ごる芒原 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
持ちくれし鷹羽芒といふ雅 稲畑廣太郎 ホトトギス 201709
芒原波立てば吾見失ひ コ田千鶴子 馬醉木 201711
たましひの通り道みゆ芒原 近藤喜子 201711
軒先に芒一叢植ゑてあり 小池一司 やぶれ傘 201712
あのときのときめきのなほ芒原 清水美子 春燈 201712
ふくらんで芒の海に没る日かな 三代川玲子 春燈 201712
芒原時間吸はれていくやうな 安居正浩 201712
分け入りて過去置いてくる芒原 宮内とし子 201712
嫁入りの狐の走る芒原 平野みち代 201712
芒原昔のままの牛街道 佐藤三男 万象 201712
芒原揺るれば我が身揺るるかに 落合裕子 万象 201712
穂芒や馬塞よりぬつと馬の顔 原田しずえ 万象 201712
夕風のまづ穂芒に子規の庭 佐藤保子 馬醉木 201712
その昔ここに窯あり花芒 苑実耶 201801
法螺貝の聞こえてきさう芒原 原友子 201801
踏み入れば魔界なりけり芒原 宮井知英 201801
穂芒のそよぐと見せて光りけり 安居正浩 201801
芒原出で擦傷を見せ合へる 内海良太 万象 201801
白頭の穂芒みんな布袋かな 瀬川公馨 201801
どう抱いてみても芒は芒かな 直江裕子 京鹿子 201801
寂寥の芒草原汽笛鳴る 渡たみ 馬醉木 201801
花芒石置くだけの行者墓 高村令子 風土 201801
五六本剪つて芒の風担ぐ 高村令子 風土 201801
瀬へなだれ天女の里の花芒 石田野武男 万象 201801
うねりては夕日を返す芒原 上岡佳子 万象 201801
手折りたる芒血潮の滲みかな 中田禎子 201801
この頃や降りみ降らずみ痩せ芒 小林愛子 万象 201801
芒の穂闇を払うてをりにけり 赤松赤彦 六花 201801
芒原もどれぬほどに捕らはれし 山田正子 201802
芒吹かれ私吹かれ夢の途中 直江裕子 京鹿子 201802
かくれんぼしたし夕日の芒原 及川照子 末黒野 201802
出揃へる穂に風生まる芒原 加藤静江 末黒野 201802
榛名湖のひかりに育つ芒原 木暮陶句郎 ホトトギス 201802
夕風を真赭の芒生けて待つ 和田華凛 ホトトギス 201802
行くほどに光の海となる芒 安原葉 ホトトギス 201802
暮れ残る石の祠や夕芒 高倉和子 201803
遠望の丘の芒や日を返し 田島綾子 末黒野 201803
虚子単坐されたる阿蘇の芒原 千原叡子 ホトトギス 201803
百穴に風の渡りて花芒 宮元陽子 末黒野 201804
藁屋根の村を見下ろす芒の穂 磯貝尚孝 清閑 201804
芒 →15

2021年10月16日 作成

「俳誌のsalon」でご紹介した俳句を季語別にまとめました。

「年月」の最初の4桁が西暦あとの2桁が月を表しています。

注意して作成しておりますが文字化け脱字などありましたらお知らせ下さい。

ご希望の季語がございましたら haisi@haisi.com 迄メール下さい。